これが,今国会で与党(自民党・公明党)が衆議院に提出している被災者生活再建支援法の改正案です(提出日平成19年10月12日)。

ごくごく簡単に言うと,

  ◆支給上限や,全壊半壊の区別など,支給枠はそのままにした上で,
 
  ◆使途にかかわらず上限300万円を見舞金的に渡し切りにして, 

  ◆遡及適用はしないが,能登半島地震と新潟中越沖地震には,別途対応をする

という内容です。

 これまで噴出していた瑣末かつ多数の問題点を,見舞金的な扱いにすることで一掃し,「使い勝手をよくする」という目標を,シンプルに実現しようという内容です。たいへん現実的かつ即効力のある内容で,私などは,目からウロコが落ちました。
 ただ,遡及適用については別枠にしているところと,上限額について民主党案よりも低額になっているところがあるので,検討の必要があります。

 まず,分かりやすい「要綱」の方を示します。
   被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案要綱
第一 目的の改正
  被災者生活再建支援金(以下「支援金」という。)の支給制度の充実を図ることに伴い、法律の目的を、「自然災害によりその生活基盤に著しい被害を受けた者であって自立して生活を再建することが困難なものに対し、都道府県が相互扶助の観点から拠出した基金を活用して被災者生活再建支援金を支給するための措置を定めることにより、その自立した生活の開始を支援し、もって住民の生活の安定と被災地の速やかな復興に資すること」に改めるものとすること。                  (第一条関係)
第二 被災世帯の定義の改正
  被災世帯とは、政令で定める自然災害により被害を受けた世帯であって一から四までに掲げるものをいうものとすること。
 一 当該自然災害によりその居住する住宅が全壊した世帯           
 二 当該自然災害によりその居住する住宅が半壊し、又はその居住する住宅の敷地に被害が生じ、当該住宅の倒壊による危険を防止するため必要があること、当該住宅に居住するために必要な補修費等が著しく高額となることその他これらに準ずるやむを得ない事由により、当該住宅を解体し、又は解体されるに至った世帯                              
 三 当該自然災害により火砕流等による被害が発生する危険な状況が継続することその他の事由により、その居住する住宅が居住不能のものとなり、かつ、その状態が長期にわたり継続することが見込まれる世帯                                  
 四 当該自然災害によりその居住する住宅が半壊し、基礎、基礎ぐい、壁、柱等であって構造耐力上主要な部分として政令で定めるものの補修を含む大規模な補修を行わなければ当該住宅に居住することが困難であると認められる世帯(二及び三に掲げる世帯を除く。第三において「大規模半壊世帯」という。)
                                       (第二条第二号関係)
第三 支援金の支給要件及び支給内容の見直し
 一 都道府県は、当該都道府県の区域内において被災世帯となった世帯(当該世帯に属する者の内閣府令で定めるところにより算定した収入の合計額が八百万円を超えるものを除く。)の世帯主に対し、当該世帯主の申請に基づき、支援金の支給を行うものとすること。     (第三条第一項関係)
 二 被災世帯(被災世帯であって自然災害の発生時においてその属する者の数が一である世帯(五において「単数世帯」という。)を除く。以下第三において同じ。)の世帯主に対する支援金の額は、百万円(大規模半壊世帯にあっては、五十万円)に、当該被災世帯が1から3までの一に掲げる世帯であるときは、それぞれ、1から3までに定める額を加えた額とするものとすること。     
  1 その居住する住宅を建設し、又は購入する世帯 二百万円
  2 その居住する住宅を補修する世帯 百万円
  3 その居住する住宅(公営住宅法第二条第二号に規定する公営住宅を除く。)を賃借する世帯 五十万円      (第三条第二項関係)
 三 二にかかわらず、被災世帯が、同一の自然災害により二の1から3までのうち二以上に該当するときの当該世帯の世帯主に対する支援金の額は、百万円(大規模半壊世帯にあっては、五十万円)に二の1から3までに定める額のうち最も高いものを加えた額とするものとすること。 (第三条第三項関係)
 四 二及び三にかかわらず、第二の三に該当する被災世帯であって政令で定める世帯の世帯主に対する支援金の額は、三百万円を超えない範囲内で政令で定める額とするものとすること。(第三条第四項関係)
 五 単数世帯の世帯主に対する支援金の額は、二から四までを準用するものとすること。
                                       (第三条第五項関係)
第四 施行期日等
 一 この法律は、公布の日から起算して一月を超えない範囲内において政令で定める日から施行するもの
とすること。                                (附則第一条関係)
 二 この法律による改正後の支援金の支給制度は、この法律の公布の日以後に生じた自然災害に係る支援金の支給について適用し、公布日前に生じた自然災害に係る支援金の支給については、なお従前の例によるものとすること。                            (附則第二条関係)
 三 その他所要の規定の整備を行うものとすること。              


続いて,提出されている法案を示します。

  被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案

 被災者生活再建支援法(平成十年法律第六十六号)の一部を次のように改正する。

 第一条中「経済的理由等によって」を削り、「支援する」を「支援し、もって住民の生活の安定と被災地の速やかな復興に資する」に改める。

 第二条第二号中「、その居住する住宅が全壊した世帯その他これに準ずる程度の被害を受けたと認められる世帯として政令で定めるもの」を「被害を受けた世帯であって次に掲げるもの」に改め、同号に次のように加える。

  イ 当該自然災害によりその居住する住宅が全壊した世帯

  ロ 当該自然災害によりその居住する住宅が半壊し、又はその居住する住宅の敷地に被害が生じ、当該住宅の倒壊による危険を防止するため必要があること、当該住宅に居住するために必要な補修費等が著しく高額となることその他これらに準ずるやむを得ない事由により、当該住宅を解体し、又は解体されるに至った世帯

  ハ 当該自然災害により火砕流等による被害が発生する危険な状況が継続することその他の事由により、その居住する住宅が居住不能のものとなり、かつ、その状態が長期にわたり継続することが見込まれる世帯

  ニ 当該自然災害によりその居住する住宅が半壊し、基礎、基礎ぐい、壁、柱等であって構造耐力上主要な部分として政令で定めるものの補修を含む大規模な補修を行わなければ当該住宅に居住することが困難であると認められる世帯(ロ及びハに掲げる世帯を除く。次条において「大規模半壊世帯」という。)

 第三条を次のように改める。

 (被災者生活再建支援金の支給)

第三条 都道府県は、当該都道府県の区域内において被災世帯となった世帯(当該世帯に属する者の内閣府令で定めるところにより算定した収入の合計額が八百万円を超えるものを除く。)の世帯主に対し、当該世帯主の申請に基づき、被災者生活再建支援金(以下「支援金」という。)の支給を行うものとする。

2 被災世帯(被災世帯であって自然災害の発生時においてその属する者の数が一である世帯(第五項において「単数世帯」という。)を除く。以下この条において同じ。)の世帯主に対する支援金の額は、百万円(大規模半壊世帯にあっては、五十万円)に、当該被災世帯が次の各号に掲げる世帯であるときは、当該各号に定める額を加えた額とする。

 一 その居住する住宅を建設し、又は購入する世帯 二百万円

 二 その居住する住宅を補修する世帯 百万円

 三 その居住する住宅(公営住宅法(昭和二十六年法律第百九十三号)第二条第二号に規定する公営住宅を除く。)を賃借する世帯 五十万円

3 前項の規定にかかわらず、被災世帯が、同一の自然災害により同項各号のうち二以上に該当するときの当該世帯の世帯主に対する支援金の額は、百万円(大規模半壊世帯にあっては、五十万円)に当該各号に定める額のうち最も高いものを加えた額とする。

4 前二項の規定にかかわらず、前条第二号ハに該当する被災世帯であって政令で定める世帯の世帯主に対する支援金の額は、三百万円を超えない範囲内で政令で定める額とする。

5 単数世帯の世帯主に対する支援金の額については、前三項の規定を準用する。この場合において、第二項及び第三項中「百万円」とあるのは「七十五万円」と、「五十万円」とあるのは「三十七万五千円」と、第二項中「二百万円」とあるのは「百五十万円」と、前項中「三百万円」とあるのは「二百二十五万円」と読み替えるものとする。

 第五条中「額の算定基準」を「申請期間、支給方法」に改める。

 第七条第一号中「第三条」を「第三条第一項」に改める。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して一月を超えない範囲内で政令で定める日から施行する。

 (支援金の支給に関する経過措置)

第二条 改正後の被災者生活再建支援法第三条第一項の規定は、この法律の公布の日(以下「公布日」という。)以後に生じた自然災害により被災世帯となった世帯の世帯主に対する支援金の支給について適用し、公布日前に生じた自然災害により被災世帯となった世帯の世帯主に対する支援金の支給については、なお従前の例による。

 (内閣府設置法の一部改正)

第三条 内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)の一部を次のように改正する。

  第四条第三項第十一号中「第三条」を「第三条第一項」に改める。

     理 由
 被災者の居住の安定の確保による自立した生活の開始の支援等の充実を図るため、被災者生活再建支援金の支給対象を被災世帯の世帯主の年齢にかかわらず収入合計額が八百万円以下である被災世帯の世帯主とし、被災者生活再建支援金の額について百万円に、居住する住宅を建設し、若しくは購入する世帯については二百万円、居住する住宅を補修する世帯については百万円又は居住する住宅を賃借する世帯については五十万円を加えた額とする等の措置を講ずる必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

   本案施行に要する経費

 本案施行に要する経費としては、平年度約四億五千万円の見込みである。