ある出来事を,歴史的に評価するためには,少なくとも60年の年月が必要だと言われる。
 ちょうど60年で一回り、という経験則があるのだろう。
 人間という生物の「心」や「考え」の賞味期間,あるいは「記憶」の限界が、それぐらいの期間、ということなのかも知れない。

 「不変の憲法」の時代は、昨日の国民投票法の成立で、一つの節目を迎えることになった。
 現在の「日本国憲法」は、放っておけば、無くなってしまう。

 もし、このままの形で置いておこうとするなら、これまでのように、ただボォーっとしているだけではダメである。
 積極的に、能動的に、これを支えていく動きが必要である。
 この国に,本当に民主主義が生きているのかどうか、私たち自身が試されているということだろう。

 2つ前の歴史のクールの流れを振り返ってみよう。
1 第一次世界大戦による好景気で成金者が増える
  【好景気】
        ↓
2 しかし、大戦直後から過剰設備投資等の影響で、景気が悪化
  【景気後退】
        ↓
3 大正デモクラシーの高揚=護憲運動(憲政擁護運動)が高まる
  【目覚めの兆し】
        ↓
4 関東大震災と朝鮮人等大虐殺で価値観の転換
  【反動の契機】
        ↓
5 深刻な恐慌、スラムの形成、労働争議の激化などが起きる
  【社会の貧困】
        ↓
6 ヒステリックな国民感情が蔓延する
  【民衆ヒステリー】
        ↓
7 普通選挙法と同時に治安維持法が成立する
  【悪法の成立】
        ↓
8 国家主義とマルクス主義の活発な論争
  【最後の抵抗】
        ↓
9 治安維持法改正等により、共産主義弾圧
  帝国主義、軍国主義の台頭
  【国粋・全体主義化】
        ↓
10 第2次世界大戦へ
  【破滅】
 多少の前後はあるかも知れないが、ざっとこんな流れかなと思う。
 こうしてみると、ここ最近の出来事の流れは,このころに酷似しているように感じざるを得ない。
1 バブル好景気
  【好景気】
        ↓
2 バブル崩壊により景気が悪化
  【景気後退】
        ↓
3 細川内閣で政権交代するなど一時的に民主主義への期待が高まる
  【目覚めの兆し】
        ↓
4 阪神・淡路大震災,地下鉄サリン事件,須磨少年事件等
  【反動の契機】
 (※震災が,関東大震災とは違う展開を見せた点は,唯一よかった点)
        ↓
5 格差社会、貧困層増大、失業者増大
  【社会の貧困】
        ↓
6 小泉政権下の単細胞的な国民感情の蔓延
  【民衆ヒステリー】
        ↓
7 国民投票法が制定され、共謀罪は検討中
  【悪法の成立】
 このあたりまでは、同じ流れかなと思われる。

 そうすると、次はどのように展開していくのか。
 決して【最後の抵抗】ではなく,再び良い方向に向けて舵を切り直すために,抵抗しなければならない。
 いや,「抵抗」というのはおかしい。
 本来あるべき形を実現しようとする流れなのだから「本流の復活」というべきだろう。

 いずれにしても,このまま放っておくと、どんな風に先に展開していくのかが見えている。
 ならば、行動方針も考えようがありそうだ。
 学習するからこそ人間は,文化や文明を持っているのである。
 その場の雰囲気だけで判断することや、目の前のことだけを見て分かったような気になること、は避けなければいけない。
 そこをクリアーできるかどうかが,今後のキーであろう。

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