赤城徳彦農水大臣の事務所経費疑惑が急浮上しています。

 「赤城の月も今宵限りか」
とは,国定忠治の名セリフですが,
国定忠治という名前のとおり,
   め(=憲法)に実に国をめる
ということを履践できていなかった末の結末であれば,確かに辞任もやむを得ないことでしょう。


【1】  しかし,どうして、こうも次々に問題が起こるのでしょう?

 一つだけ断言できるのは、
    政府に現実的な管理能力が欠如している
ということです。


【2】 私の本来のテリトリーである「事件」,「事故」,「災害」,「企業コンプライアンス」などの,どの分野でも共通する危機管理の対処プロセスがあります。

   1 事件・事故・災害の発生
       ↓
   2 徹底した事実の解明
       ↓
   3 原因と背景の追求
       ↓
   4 改善対応、再発防止


 発覚後の対応を失敗するケースや,
 懲りずに再発を招いたりするケースは、
決まって,このうち「2」と「3」をすっ飛ばして、

 1 事態の発生
     |
    (短絡)
     ↓
 4 表面的な事態の収拾


という形で拙速に事を進めるパターンです。


 佐田大臣のときも、松岡大臣のときも、久間大臣のときも、

 1 不祥事の発生
     |
    (短絡)
     ↓
 4 辞任や自殺で幕引き


という形で終わっており、
  「2 徹底した事実の解明」
  「3 原因と背景の追求」

を全然行っていません。

 だから、同じような不祥事が再発するのも当然の結果と思います。

 民間では,企業の不祥事等を通じて,既に上記の
  「1 事件発生」→「2 事実調査」→「3 原因特定」→「4 再発防止」
のプロセスは“イロハのイ”のように、当たり前になっています。

 これができない企業は、社会的にも経済的にも三流に成り下がってしまいます。
 ミートホープやNOVAの例を引くまでもないでしょう。
 日本国という会社を経営する政府は、超一流とは言わないが、せめて三流企業よりもレベルの高い現実的管理能力を備えてほしい。


【3】 さらに現代社会の危機管理対応は,もっと先に進んでいて,
  事故の芽を発見して,大事故の発生を予防する
というところまで進んでいます。

 事故の芽ということでいえば,
    松岡自殺の前に,ナントカ水問題があり,
    久間失言の前に,久間の数々の小失言があり,
    赤城問題の前に,佐田・松岡の経費問題があった,

わけですから,本気で芽を摘んでおけば,事前にこんな事態は防げたはずです。

 政府の現実的な管理能力の低さを憂います。


【4】 企業の価値はトップで決まります。

 今回,安倍首相は,またしても「法的に問題はない」と言って部下をかばってしまいました。

 不祥事が出たときに「法的に問題が無い」などと言って開き直るような企業は、早晩潰されてしまうというのがトレンドです。

 「法的に問題がない」ということと「コンプライアンス」とは違います。
(郷原信郎さんの「『法令遵守』が日本を滅ぼす」の一読をお薦めします。→過去エントリーはこちら

 問題が顕在化したにもかかわらず,
 本来あるべき手順を踏まず
 目の前の火の粉払いに終始するトップ(首相)は、
 十数年前の過去の時代のレジームのトップ像と変わりなく
 残念ながら,未来志向の船の長としては,
 あまりにも能力不足と言わざるを得ません。

 日本丸の船員・乗客の一人である私は,とても不安です。

***ランキング参加中***応援クリックお願いします応援クリックお願いします応援クリックお願いします