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2007.03.31 役員を終えて
 3月31日をもって兵庫県弁護士会の副会長の任期を終えました。

 明るく楽しく業務に携わろうと思って取り組んだ年度でしたが,現実としては,明るくないことや,楽しくないこともたくさんあって,少なからず疲れた1年間でした。

 弁護士会のホームページをリニューアルするなど(→こちらです),よい置き土産も残しましたが,たくさんの課題も新役員(こちら)に残してしまいました。

 課題が多かったのは,ひとつには,法律が次々に変えられようとしている国家の転換期に当たっているということもあるでしょうし,弁護士という存在が雲の上の仙人みたいな立場から街の法律屋さんという存在に変貌しつつあることや,やたらめったら「法令遵守」などと「法律」が濫用される社会に変わりつつあることなど,いろんな要素があるでしょう。
 いずれにしても,何かが変わろうとしている状況にあることが大きな要因であることは間違いないと思います。

 今年度,私が担当した委員会などは,次のとおりでした。
  ◆災害復興支援
  ◆子どもの権利
  ◆教育基本法改正問題
  ◆総合法律センター(法律相談窓口)
  ◆高齢者障害者総合支援センター
  ◆紛争解決センター
  ◆日弁連交通事故センター
  ◆住宅紛争審査会
  ◆医療観察法関連
  ◆法テラス準備・法テラス対策
  ◆扶助事業
  ◆会の財務
  ◆会の人事
  ◆会館問題とIT化推進

 憲法問題や,共謀罪の対策,人権問題,刑事問題などは管轄外でしたが,このブログを使って,言いたい放題言わせていただきました。

 これからは立場をわきまえて自重し(むしろ会の役目という重荷や足かせがなくなって,より一層フリーになるかも知れない),時機にかなった発言をしていきたいと思います。

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 兵庫県震災復興研究センターが,「能登半島地震被災者の生活・住宅再建の支援策についての緊急9項目提案」を公式発表しました。
 地震発生の前日,同センターが,復興制度についてシンポを開き,片山鳥取県知事の講演を聴き,私も,憲法の見地から被災者支援の必要性を論じました。
 同センターのこれまで12年の研究成果と,前日の検討等を踏まえての緊急提案です。
 取り急ぎご報告します。 
  
能登半島地震被災者の生活・住宅再建の支援策についての
            緊急9項目提案

  2007年3月29日
                    兵庫県震災復興研究センター

 3月25日午前9時42分頃、石川県能登半島を中心に大地震が襲いました。輪島市内の女性1人が亡くなられ、住宅に大きな被害が発生しています。被災地と被災者のみなさま方に心からお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復旧・復興を願う次第です。

 阪神・淡路大震災の被災地でも早速、救援活動が開始されています。12年前の阪神・淡路大震災以来、調査・研究、政策提言を積み重ねてきました兵庫県震災復興研究センターも緊急に、復旧・復興の方向につき国と被災自治体に対し下記の通り9項目の提案をします。

1.二次被災を防ぎ、安全で安心できる避難生活のために
 学校の体育館や公民館などでの避難生活が始まりました。余震が続き、3月28日現在、依然1600人を超す被災者が避難を余儀なくされています。大きな不安を抱えた中での困難な避難生活が続くと、体調を崩す被災者が増えることが予測され、万全の避難対策が求められます。
 厚生労働省は3月25日、「避難生活が必要となった高齢者、障害者等の要援護者については、旅館、ホテル等の避難所としての活用や緊急的措置として社会福祉施設への受入を行って差し支えない旨を石川県及び金沢市に通知」しましたが、28日現在、輪島市内の避難所で体調不安を訴えたり、体調が悪化し緊急入院せざるを得なくなった被災者が出ています。先の「通知」の内容を至急現場に徹底し、安全で安心できる避難所に直ちに移れるようにするとともに、緊急医療体制を国と被災自治体の責任で整えることが必要です。

2.応急支援には災害救助法の徹底活用を
 特に災害救助法第23条の次の各号を徹底活用することです。
(1)「6.災害にかかった住宅の応急修理」
 「居室、炊事場及び便所等日常生活に必要最小限度の部分に対し、現物をもって行うものと・・(中略)・・すること」(大臣告示)としていますが、緊急を要する事態に「現物支給」では非常に不便で、実態に即していません。。「現金支給」に切り替えるべきであり、これまでも51万9000円支給され、新潟県中越大震災の被災地では豪雪地帯ゆえ60万円に増額されています。今回の場合も現場の実態に即して、迅速な対応が求められます。

(2)「7.生業に必要な資金、器具又は資料の給与又は貸与」
  現行法にこの規定があるにもかかわらず、「災害弔慰金の支給等に関する法律」制定を根拠に、現在「給与」は実施されていません。このような脱法的行為は改め、規定を活用して、「生業に必要な資金の支給」を図ることこそが国の責務です。

3.仮設住宅の建設にあたっては、阪神・淡路大震災の苦い教訓、効果的だった
 鳥取県西部地震や新潟県中越大震の教訓を生かし、柔軟な対応を
(1) 阪神・淡路大震災(1995年1月)では、仮設住宅にかかる国のルールに頑なに従い、被災者のコミュニティなどと関係なく、公共団体の所有地や借り上げ地に限定して建てられ、そして5年後解体されました。建設・解体費用に300万円+100万円=400万円程度かかりました。自宅敷地内で再建しようとする被災者にこの費用400万円を給付しておれば被災者の生活再建にはずっと効果的だったでしょう。国行政から見ても①住宅のストックが残り、②人口減が食い止められ、③税金の効果的使用にもつながったのです。

(2)新潟県中越大震災(2004年10月)では、新潟県は「自宅敷地内に避難所として仮設住宅を認める」とともに「仮設住宅を希望しない」被災者に対して最高200万円の独自の住宅再建支援策を実行しました。この支援策は、被災後1週間経った2004年10月30日に発表されました。時期を逸することなくいち早くメッセージを発した点は大変評価されます。ただ、金額が不足したことと被害の程度(全壊、半壊、一部損壊)により支給額に差を設けた点が課題として残りました。

(3)鳥取県西部地震(2000年10月)では、鳥取県は300万円の住宅再建支援策を打ち出し、「地元で住宅再建する被災者に一律的に支援すること」を原則に実施しました。この時の教訓を是非とも生かすべきです。

4.災害廃棄物の処理・処分に十分な支援を
 損壊を受けた住居、家具家財などの片づけ、大量に発生する災害廃棄物の処理・処分は、被災者と被災自治体の大きな負担になります。特に、家電やパソコン・自動車等リサイクル対象物に関しては、リサイクル処理費用がかかり、これらはほとんどが自治体負担になっています。2次災害、健康障害や環境破壊を防ぐためにも、災害廃棄物の処理・処分は応急支援の重要項目と位置づけ、国が十分な支援を行う必要があります。

5.迅速性を優先した応急対応と弾力的運用を
 応急対応は、迅速性が極めて重要です。遅れれば遅れるほど被災者の疲労は増し、不安・心配が募ります。鳥取県西部地震に際しての県の住宅支援策は地震後11日目に片山善博知事の決断で発表されました。この迅速な対応が被災者の不安を大きく軽減したと言われています。迅速で的確な応急支援は被災者の心のケアにつながります。
 公平性を理由に、災害の種類、被害の程度、年収・年齢等の要件に拘りすぎると、支援対象を狭くし、かつ施策の実施が遅れる等の問題を発生させます。救済が真に必要な被災者に迅速に支援することを最優先すべきです。
 鳥取県西部地震や新潟県中越大震災における支援策を特例とせず、さらに充実させて弾力的運用を図ることが必要です。
 首相をはじめと厚生労働相や関係閣僚、被災地の知事は「被災者の窮状を救う」ことを第一の目的として、救援・復旧・復興施策を迅速に実施すべきです。

6.被災者生活再建支援法の再改正を急ぐ
 本法の2回目の見直し作業がこの3月上旬から開始されましたが、2008年を待たずに直ちに再改正を行うべきです。本年3月19日、兵庫県芦屋市議会も再改正を求める「意見書」を可決しています。再改正すべき主な検討事項は次の通りです。
(1)生活再建支援制度
  ①支給対象災害・世帯を一層拡大すること。
  ②支給条件を緩和すること[収入・年齢制限の撤廃など簡略化する]。
  ③限度額100万円を、当面350万円に増額すること。

(2)居住安定支援制度
  ①周辺経費だけではなく、住宅本体の建築・補修費を対象にすること。
  ②限度額200万円を、当面500万円に増額すること。
  ③「災害に係る住宅の被害認定基準」を生活の基盤である住宅再建に資するもの
   に改めること。特に、浸水被害認定基準を実態に即して抜本的に改めること。

7.「災害援護資金」は貸付でなく給付に改めるなど、「災害弔慰金の支給等に関する法律」の改善・充実を急ぐ
  災害弔慰金の支給等に関する法律に規定されている「災害援護資金の貸付け」(第10条) は、「給付」に改めることです。当面、法定されている年3%の利子ー限度額350万円の場合、約30万円となるーは止めるべきです。少なくとも、被災者生活再建支援法による生活再建支援金を350万円に増額するか、この利子の廃止のいずれかは実現すべきです。

8.国・自治体は「被災者の窮状を救う」という使命を認識して責務の遂行を
 以上、国のなすべき責務は重大ですが、被災自治体は、国待ちではなく、何よりも「被災者の窮状を救う」という使命を認識し、先導的に被災者支援策を実行することが切望されます。
 2006年現在、国の制度に対する支援金額の上乗せ、あるいは支援対象を広げる横出し、さらには独自の支援策を実施した自治体は延べ29都道府県、2市、2町に及びます。国の制度では不十分であることの証左でもあります。政府は「私有財産=自己責任」論に拘泥することなく、日本国憲法に基づき、被災者が人間らしく生きていく権利(人権)を保障していかなければなりません。

9.災害復興制度の充実・整備を早急に
 地震が活動期に入ったとされ、一方温暖化に起因する気候変動によって風水雪害や干ばつ・熱波寒波災害、生物災害なども増加しています。わが国では災害復興法制が未整備なため現行の被災者支援策は継ぎはぎだらけです。この際、日本国憲法の関連条項を基軸にした災害復興法制の体系的整備と抜本的な内容充実を図ることが緊急の課題となってきました。
                             以 上


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能登半島地震について,いろいろな新聞の情報を見ている。

やはり三大紙の情報は,情報網が広く,スピードと情報量は多い。
これに対し,神戸新聞は,共同通信の記事が基本にはなっているのであるが、やはり被災経験があって「人の痛みが分かる」ということなのだろうか,記事の視点が「被災者の身になって考える」という,地に足の付いたところにあるように感じる。

被災者の方々が,再び立ち直れるかどうかは,災害直後の救助活動よりも,その後の対応によるところが大きい。
被災者の立場に立ち、被災者の目線から捉えた事実を伝える報道が今後も続けられることを期待したい。

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 昨日,私らの任期の最後の役員会(正副会長会議)を終えました。
 毎週火曜日午後に行われたもので,この1年で,合計52回実施したことになります。

 役員会というのは,兵庫県弁護士会が抱える諸問題について,方針や対応方法を決めていく会議なのですが,よくまあ毎週毎週,次から次に,たくさんの問題があるものだなあと,感心するぐらい数多くの議題がありました。

 決済資料というのも膨大で,毎日,10~20を軽く超える書類のチェックをします。シャチハタのインクを,何回補充したか分かりません。

 最後の1週間を迎えて,能登半島地震が起きました。金沢弁護士会の役員の方にも連絡を入れました。被災経験のある弁護士会として,被災地弁護士会にお見舞いとエールを送るのも一つの仕事です。
 先週に発生した当会会員の法律事務所に対する襲撃事件への対応も,ラストを前にして緩みがちだった緊張感をピンと張り詰め直させるのに十分なものでした。

 次年度の役員の先生方は,本当に忙しそうです。
 真剣な面持ちで,次の新たな課題に取り組んでおられます。
 1年前を思い出すと,背筋が凍りそうだった感覚を思い出します。
 あと3日,がんばろうと思います。

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4月中旬に,神戸新聞総合出版センターから
 「JR福知山線脱線事故 2005年4月25日の記憶」
が発売される予定です。

これは,主として負傷者やその家族の方々29人が手記をつづり,それをまとめたものです。

神戸新聞の夕刊に,先日から,その手記の一部を紹介する記事が連載されています。

  ■事故のときの状況

については,あのとき,その電車に乗っていた,その御本人らの記憶を生々しく記録しているもので,あのときを忘れないようにするためにも,本当に大切な文献です。

 そして,さらに,

  ■事故後の苦しみや辛さ

についても取り上げています。事故が過ぎると忘れてしまう世間の感覚とは異なり,当事者だけが背負う重い問題にスポットを当てたもので,まさに,「これからの課題」について重要な問題提起をするものだと思います。

問い合わせは,神戸新聞総合出版センター078-362-7138とのことです。

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明日(3/27)午後5時,神戸のJR元町駅前で,薔薇の花を配ります

20070326205302.jpg


この企画は「国民投票法案の強行」に対する反対行動が趣旨です。
単にチラシを配るだけではつまらない,ということで…,
兵庫県弁護士9条の会のみなさんが,アイディアを出して取り組むものです。
(なお,私は,9条の会の方は,サボってばかりで何もできてませんが。)

ブログ仲間の「海峡web版」のノリコ先生が,バラの準備に奔走。
「百万本のばら」をかけるカセットもそろったそうです。
弁護士9条の会のシールを貼ったテッシュや,3メートルの「バラと憲法9条をあなたに」の横断幕も用意するとのこと。

20070326210325.jpg


こちらは,「海峡web版」からの引用です。こちらはノリコ先生の事務所の様子です。

「海峡web版」は→こちらです。

touhyou.jpg 当日配布するリーフレットだそうです。
 私は手にしたことがありませんが,
   「国民投票法反対読本 ミニマム」
というのが,分かりやすそうで,簡単そうで,よさげです。

明日,行けるかなぁ~?




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 昨日,能登地震が起きた。
 この西宮の事務所でも大きな揺れを感じた(震度3)
 直ちに気象庁のWeb速報を見たが,いつまで経っても速報が出てこない。おかしいなと思って,調べてみたら,
  「市民の混乱を招くので速報システムは延期した」
とのことであった(→宮崎日々新聞の3/22の社説をご覧下さい
 速報が役に立たなかったという報道はほかにもある(→読売新聞はこちら

 こういう記事をはじめとして,初動体制や,緊急対応の不備をつつような報道は,こういう場面では,後回しでよい。
 私は,今日のところは,次の2点だけを主張したい。

<1> 決して他人事ではないということをひとりひとりが強く心に刻むこと

<2> ひとりひとりの被災者の身になって対応,対策を考えること


これだけだ。

 今回の能登地震は,地震の予想図の空白地帯で起きた。
 「まさかここで起こるとは……」というのは,神戸でも,芸予でも,福岡でも繰り返されてきたセリフだ。
 地震専門家が 
  「西日本全体が活動期に入っている。その一つのあらわれだ。」
と指摘している以上(→こちらの記事をどうぞ),今回の地震は,自分の家の真下で起こってもおかしくなかったという理解で,我が事として,今後の事態を主観的に注視すべきだ。

 また,一部報道は早速ズレていっている。地震客観規模,他の地震との比較,政府・行政対応・・・どれも確かに大事だが,これから長く続く被災者が置かれる辛く苦しい立場に思いをよせて,心の支えになるメッセージを発信すべきである。
 一昨日の片山知事の「被災者の不安を取り除くことが第一」ということを(→昨日のブログを),ひとりひとりの被災者の身になって考えることだ。

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 24日に神戸で片山善博・鳥取県知事の講演があった。
 テーマは, 
     「災害復興について」
であるが,講演で訴えられたのはポイントはただ一つ。
     ミッションを忘れていないか
ということだった。

 「ミッション」というのは使命。
 「誰のために」,「何をするのか」ということを忘れていなければ,何事も方向を見誤らないし,これを間違うと変な方向に進むということだ。

 講演中にたとえ話で出てきたエピソードだが,
   ◇一部支援者のためだけに汗をかく議員
     (=市民のために制度を良くする使命を忘れ,選挙当選だけを考えている)
   ◇自分のメンツのために復興制度を限定する役員
     (=被災者を元気にする使命を忘れ,前例や体面を考えている)
というのは全くうなずける。

 私たちの取り扱う「法律」も同じだ。
 上手な法律の使い手と,形ばかりの法律家の違いは,「ミッション」を持っているかどうかによる。
 法律には,「趣旨」や「立法目的」がある。これがミッションだ。
 素人法律家や,やたら細かい条文ばかりを振り回す法輩(腕の悪い弁護士や,レベルの低い裁判官)は,文字面だけを見てどーのこーの偉そうに言う。
 しかし,
   「その法律は何のために制定されたのか」
というところを忘れている場合,その結論は,間違っていることが多い。
 自分自身への反省も含めて,肝に銘じなければならないと思った。

 私は,「復興法としての憲法の機能」について講演をしたが,片山知事は,これを受けて,
   ◇憲法の役割
   ◇立憲主義の本質
   ◇憲法の意味を理解していない役人・政治家
について明快なコメントを発してくれた。
 この発言にも感動をした。

 このシンポで得られたものは貴重だと思うので,引き続き何らかの形に残したいと思う。

神戸新聞3月25日の記事(→こちら)より引用
20070326063537.jpg「復興の使命、認識を」 鳥取県知事、神戸で講演
 二〇〇〇年の鳥取県西部地震で住宅再建への公的支援を実施し、今年四月で退任する同県の片山善博知事が二十四日、神戸市中央区で開かれた「『災害復興ガイド』出版記念シンポジウム」で講演した。「復興の目的は被災者の暮らしをできるだけ元に戻し、絶望を少しでも希望に変えることだ」と、被災者支援の根幹について語った。

 市民団体「兵庫県震災復興研究センター」(神戸市)などが、本の出版に合わせて主催した。
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「心にナイフをしのばせて」(平成18年8月25日発刊)

kokoroni.jpg ちょっと前に読んだ本だ。
 刊行当時,話題となって,インターネット上でも,掲示板やブログなので,いろいろ議論が交わされたようである。
 現役弁護士として,その記された事実に少なからず衝撃を受けたので,ここに書き残しておこうと思う。

 本の紹介には 
 追跡!28年前の「酒鬼薔薇」事件。
 高1の息子を無残に殺された母は地獄を生き、
 犯人の同級生は弁護士として社会復帰していた。
とある。

 この本は一貫して被害者(遺族)の視点に立って書かれている。
 被害者を殺害し,首を切って,少年院に送致された少年が,現在は,弁護士をしているということなのであるが,
  ◇なぜ,そのような事件が起きたのか
という理由は全く分からないままである。
 これが一つの論点である。

 世間で注目されているのは,どうやら「人を殺めた少年が弁護士をしている」という衝撃の事実ばかりであるが(まあ,私も,そこに一番ショックを受けたのであるが),この本が訴えようとしているのは,
  ◇被害者の置かれたあまりに酷い状況
のリアルさである。

 これら論点は,まさに今,犯罪被害者問題の焦眉の論点であり,また,体感治安に不安を訴える社会の関心事でもある。

 インターネットでは,犯人探しや,裏読みが話題になっているようであるが,それよりも,むしろ本書の訴えようとしているテーマを素直に捉えるべきだろう。

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 社民党の保坂展人議員が,自身のホームページで,
   「日弁連もしっかりと態度表明をしてほしい」
と,名指しで日弁連の尻を叩いている。

 これは,犯罪収益移転防止法案(いわゆるゲートキーパー法,密告義務付法)に関して,今日(3/23)の法務委員会で,すんなり採決されそうな状況にあることについて,SOSを発したものだ。

 この法案について,日弁連は,総力を挙げて反対運動を展開してきた。
 この法案について,おおざっぱに言うと次の3点のポイントがある。

  1 犯罪収益の不正なマネーロンダリングを防止する必要がある
  2 疑わしい取引については密告義務を課す
  3 密告義務を弁護士等の専門職にも課す


この問題点につき,日弁連は,
  1 については賛成
  3 については反対
という立場を表明してきた。

nitigeto.jpg つい先月,厳しい運動を展開してきた結果,弁護士等の専門職には密告義務を課さないということになった。
 日弁連は,その方針変更を,素直に喜び,歓迎する声明を発した(→2月13日付の会長声明

それで,この問題については片付いたという雰囲気になっている。

しかし,それでよいのか!というのが今回の叱咤である。

上記の
  2 疑わしい取引については密告義務を課す
という部分について,
  ◆その基準の内容(不必要に広範にわたる)
  ◆その情報管理の方法(警察庁が過度にデータ保管)
  ◆その個人情報保護との関係(本人の承諾無く知らない内に情報収集)

にたいへん大きな問題が懸念されるというのだ。

 ◇保坂議員の記事(→こちらです)や,
 ◇弁護士のヤメ蚊さんの記事(→こちらです),
 ◇makuriさんの記事(→こちらです
を見て,私も,ハッと気付いた。
 確かに,本当に危ないのは,今,行われている具体的な法案の内容だ。こわい,こわい。

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 平成12年10月6日に発生した鳥取県西部地震では,鳥取県知事の片山善博氏が,迅速で思い切った災害対応を実施し,その後の災害の行政対応に大きな影響を及ぼしました。

tottori.jpg  片山知事は今回の知事選では出馬せず引退することになりますが,先日,鳥取県では,この鳥取県西部地震の対応記録をまとめた
   「震災誌」
が発刊されました。

 この「震災誌」は,鳥取県のホームページからダウンロード可能です(→こちらです
(※全部で160ページになるので要注意。私はダウンロードするのに少々苦労した。)

 冒頭に,片山知事が当時を振り返る短いインタビュー記事が出ていますが,その末尾に
  「今振り返って思う,たいせつなこと」という章で,
  「被災者の皆さんをいかに元気にして,力を引き出すかが災害復興の一つのポイントだと思います」
と締めくくっています。

 まさにそのとおりだと思います。

 また,それはあらゆる場面に当てはまる法則だと感じました。

 教育のポイントは「教育現場の皆さんをいかに元気にして力を引き出すか」というところにあり,
 コミュニティ活性化のポイントは「コミュニティの皆さんをいかに元気にして力を引き出すか」というところにあり,
 企業成長のポイントは「社員の皆さんをいかに元気にして力を引き出すか」というところにあり,
 国政のポイントは「国民の皆さんをいかに元気にして力を引き出すか」というところにある,
ということでしょう。

 片山氏の,知事としての最後の講演となるであろうシンポジウムが,今週の土曜日(3月24日)に予定されています。
 詳しくは以下のチラシをどうぞ。
syuppann.jpg


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 芦屋市役所の市議会で,下記の意見書が採択されたそうです。
 私は全くどういう流れでこうなったのかは知りませんが,被災地が発信する重要な意見として,大いに取り上げてもらい,推進力の一つになればと思います。
 意見書に書いてある内容は全くそのとおりです。

これに,付け加えるとしたら,
  「住宅本体建設費」の適用
   だけでなく
  「住宅の補修費」への適用
も求めていったらいいかなと思いますが。

以下のとおり引用します。強調部分は津久井によるものです。
「被災者生活再建支援法」再改正に関する意見書

 平成7年1月の阪神・淡路大震災発生直後から大きな政治的課題となっていた自然災害被災者への公的支援問題に関しては、平成10年5月「被災者生活再建支援法」が成立したところです。しかし「個人財産形成に税金投入はできない」という論理から、最高100万円の見舞金程度の支給と厳しい支給条件などが設定されたことから、5年後の見直しが付帯決議として盛り込まれました。
 平成16年5月の見直しでは、新たに「居住安定支援制度」の200万円が創設され、合計最高300万円まで引き上げられましたが、根本的な問題の住宅本体建設には適用されず、また、各種支給条件も改善されませんでした。被災者や支援団体はもとより、全国知事会をはじめ、市・町村長会、各議長会など関係6団体から住宅本体建設適用の強い要求があり、再度の見直しが国会で決議されており、2008年が見直しの年になります。
 阪神・淡路大震災発生から12年の間でも、全国各地で自然災害に見舞われ、現行の「被災者生活再建支援法」では、住宅本体建設適用除外や支給基準の厳しさなどが、住宅建設を難しくし、生活再建はもとより、まちの再生も困難な状況に追い込んでいます。このため、財政が逼迫している地方自治体による各種支援策の上乗せ、横出しが実施されているのが実態です。
 本来、自然災害被災者の生活再建の土台となる支援策は国が行うべきものです。
 よって、政府におかれては、これまでの経過と実態を踏まえて1日も早く「被災者生活再建支援法」再改正において、下記の内容を盛り込むよう求めます。
                 記
1 「被災者生活再建支援法」に、住宅本体建設適用を盛り込むこと。
2 すべての被災者が救われるように、適用基準、年収、年齢などの支給基準を大幅に緩和すること。
3 現行、最高300万円の支給額を引き上げること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
                               芦 屋 市 議 会
 これに関連して,
  『災害復興ガイド』出版記念シンポジウム
  (2007年3月24日(土) 午後1時~5時)

の宣伝もさせていただきます。
(→チラシ案内はこちらを

 私も講演をしますが,災害復興基本法を憲法の観点からあらためて見直す提案をしてみようと考えています。

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 うちの事務所の地元の芦屋市が消費者金融の過払金を差押えたとのことです。

 詳しくは引用記事のとおりですが,簡単にまとめると,次のような流れになります。
 お金が無くてサラ金から借り入れて取引を始める
       ↓
 やがて税金(年金や保険料も)も滞納する
       ↓
 サラ金への返済分につき過払金(返してもらえるお金)が発生する
       ↓
 市役所がこの過払金債権を差押える
       ↓
 市役所が本人に代わって過払金を取り立てて,滞納税金にあてる
 実は,このような手法で税金の回収をしたらよいではないか,というアイディアを提案したのは,日弁連でした。
「多重債務者の支援、公的対処の必要性」について(要望)こちらです

以下は,毎日新聞(3月19日15時2分配信)からの引用です。
<市税滞納>消費者金融に過払い金差し押さえ 兵庫・芦屋市

 兵庫県芦屋市は19日午後、市税滞納者が借金をしていた神戸市の消費者金融支店に対し、グレーゾーン金利による過払い金約60万円を差し押さえる通知書を手渡す。同市によると、自治体では初めての試み。
 グレーゾーン金利は、利息制限法の上限(15~20%)と出資法の上限(29.2%)との間の金利。本来は払う必要がなく、貸金業者に過払い金の返還を求めることができる。
 市収税課によると、市税を滞納しているのは、40~50代の自営業の夫婦で、約10年前から個人市民税と固定資産税計約73万円を滞納していた。夫婦は複数の消費者金融などから借金をし、計5社に過払い金があった。収税課が弁護士と相談した結果、過払い金の差し押さえが可能と判断。15日にも東京都の信販会社に郵送で差し押さえ通知書を発送している。
 市は「市が手続きをすれば弁護士費用がかからないため、本人にもメリットがある」とし、今後、他の滞納者に過払い金があれば同様の措置を取る。消費者金融への過払い金をめぐっては、多重債務者がグレーゾーン金利で返済を続けた結果、税金や国民健康保険(国保)の保険料を滞納しているケースが多く、日本弁護士連合会などが行政として返還に取り組むよう要望していた。厚生労働省は来年度から、国保を滞納している多重債務者について、消費者金融から過払い金を取り戻して保険料に充てる取り組みを始める。【磯崎由美、西浦久雄】

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 JR西日本福知山線の脱線事故から,まもなく2年目を迎えます。

 事故が起きたのは,平成17年4月25日午前9時18分ころ。場所は,尼崎市の塚口駅~尼崎駅の間の第1新横枕踏切近くのカーブでした。

 2年目を迎えるにあたり,様々な取り組みが予定されています。
(現在のところ予定されている取り組みは,「市民事務局かわにし」のブログで確認できます。→こちら

 その一つ目として3月17日(土)に「4・25メモリアル市民の集い」が開催されました。
 会場は,事故現場のすぐ裏にある尼崎市久々知3丁目の工場跡地でした。20070317141801.jpg
 そこからは,事故現場となったマンション(「エフュージョン尼崎」)が見えます。この写真で見ると,左上に写っている建物がそれです。

 ステージでは,音楽演奏のほか,事故車両の1両目に乗車していた山下亮輔さんのお話や,踏切で事故状況を目撃し救助に当たった吉野さんのお話が語られました。
(そのときの様子は,後に引用する新聞記事をご覧下さい。→こちら

 1両目に乗車していた方の状況については,山下さんと同じく1両目に乗車していた吉田恭一さんが,
  「福知山線5418M 一両目の真実」
という本を出しておられ,ご自身のHPにおいても,当時の状況を赤裸々に,また,極めてリアルに綴っておられます。
(→こちらです 非常に参考になります。)
 あのときを,市民ひとりひとりが忘れないようにするために,あらためて振り返ってみる必要があると思います。

 「風化」というのは,当事者の問題ではなく(被害者にとって「風化」ということはあり得ない!),当事者以外の一般市民の問題意識の有無やレベルをあらわすものだと考えます。
 「安全」に少しでも関心を持つのであれば,当時のことを忘れてはならないと思いますから。
20070317150637.jpg
 会場は,当時と同じように澄み切った青空でした。
 この日の取り組みの最後に「千の風になって」の歌と共に,各人がメッセージを書いた風船を空に飛ばしました。
 当日は風が強く,あっと言う間に風船は遠くへ飛んでいきました。

  20070317153314.jpg
 また,会場には,昨年の4月25日に,福知山線沿線の各駅で,乗客のみなさんにメッセージを書いてもらった「空色のメッセージボード」が展示されていました。
 1年ぶりにメッセージを読むと,いろいろこみ上げてくるものがあります。

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 今は昭和10年代なのか,と錯覚に陥ってしまうような映画が,間もなく封切りになります。
 その名も,
    「俺は、君のためにこそ死ににいく」
というお題です。

20070317111720.jpg
 公式WEBサイトを見る限り(→こちらです),
    若者が「死にに行く」ことを美化している
と言っていいでしょう。
 HPでは,ゼロ戦の戦闘機が飛んだり,「桜舞う<隼>」なんて,書いてます。
 「君のため」=「君(天皇)のため」と深読みする人もいます。
 いずれにせよ,このタイトルからは,勇ましさや美しさは伝わってきますけれども,死や戦争の悲惨さやマイナスイメージは読み取れません。

 ぼぉ~っと生きてる私たちに「もうすぐ戦争が起きのかなあ」と何となく危機感を感じさせるに十分な迫力と,「家族や恋人のためなら戦うのも格好イイかなあ」と何となく戦争を正当化させる巧妙な演出は,さすがです。

 制作費は18億円だそうで,制作費不足でピイピイ言っている「日本の青空」(→応援サイトはこちら)とはえらい違いです。

 私は都知事選について,あえてコメントしないつもりなんですが,この映画の脚本を書き,製作総指揮を務めた石原慎太郎氏は,この映画の記者会見で,
「平和が60年続いているが、その中で失いつつあるものがある」
「受け継いでいかないといけない価値観や志が希薄になってきた」
「失ってはいけないものを取り戻す」
「当時の美しい青春像を若い俳優に体験してもらって,いい財産になればと思う」
と,慎重に遠回しな言い方であるが,特攻隊精神を美化する発言をしています。
 この映画の記者会見では,特攻隊員がパフォーマンスを繰り広げ,厳かな雰囲気の中,桜吹雪と共にゲストが登場するという演出もあったそうで(どんなんや?),時代錯誤を感じてしまいます(→会見レポートの様子はこちら)。

 こういったノリが,広く支持され,熱くもてはやされるようなのでいいんですかね?

 主題歌の「永遠の翼」はB’sが書き下ろしたそうですが(ちなみに私は「B’s」は好きです。),歌詞中には,
永遠の翼があるなら 清らかな風に乗って
いつか来る優しい未来を 胸に描き 信じながら
はばたいてゆこう
なんていうフレーズがあり,特攻美化にほかならず,私は強い違和感を覚えます。
 こういうのが好きな人の方が,今は多いんですかね?

 都知事選の行方をじっくり拝見させていただきます。

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 求刑4年で,懲役2年6月の実刑判決でしたが,実務に携わる弁護士の感覚からすると,ずいぶん重い判決だったと思います。
 社会や世論の感覚からすると「当然だ」とか「それでも軽い」という意見の方が多いかも知れません。

 私はホリエモンは嫌いなのですが,それでもやっぱり重いなあと感じます。

 彼の罪状は,粉飾決算なんですけど,他の大事件と比べると粉飾額は小さいんですよね(Web記事より/判決認定額かどうかは不明)
           粉飾額      判決
  日本長銀    3130億円     執行猶予
  日債銀     1590億円     執行猶予
  山一証券    2700億円     執行猶予
  西武       名義の偽装     執行猶予
  カネボウ     800億円     執行猶予
  ライブドア     53億円     実刑


 裁判所の判決によれば,
   ・見せかけの成長を装った点で,
   ・損失を隠蔽しようとする過去の例とは違う
というんですけど,
   「投資家の判断を誤らせた」
という法的に保護すべき利益(これを「法益」といいます)の侵害の本質は基本的に変わらないのですよね。

 やっぱり,市場経済に与えた影響という法益侵害なんかよりも,
   ◆マスコミなどを騒がせた社会的な影響(ゴシップ)
だとか,
   ◆反省していない態度(裁判官の印象)
が量刑に大きく影響しているんじゃないかなと,正直,感じました。

 ちなみに,私は今回の量刑が重いことを批判するつもりはあんまり無いのです。

 むしろ,民事裁判で,もっともっとひどいことをしている先物会社や悪徳商法の輩に対する対応が甘すぎる!
 また,JR西日本のように,人の命を軽視して重大な結果を招いた企業に対する法的・社会的な責任の追及も甘すぎる!

 裁判所は,今回のホリエモンに向けられた厳しさと同じような厳しい態度を向けるべきであって,裁判の社会的機能という観点から,民事と刑事のバランスを考えてもらいたいと感じています。

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 今朝、自分のブログをのぞいてみたら、カウンタがちょうど10万ピッタリになっていました。Untitled.jpg

 なんとなく今日一日は縁起が良いような気がします。

 昨年の8月5日からはじめているので、今日で225日目。1日あたり平均444アクセス。記事数が287本ですから、1本あたり348アクセス、ということになります。
 自分自身でアクセスする回数が一番多いし、アクセス数と来訪者数とは一致しないので、かなり間引かなければなりませんけれども、いずれにしても多くの方々に見ていただいているということをあらためて感じます。

 どうもありがとうございます。

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 4月13日に,「改憲手続きを簡略化するとともに,改憲準備を進める作業方法を定めた法律案」(→単なる国民投票の手続きを定める法律とはいえない。)が,衆議院を通過する見通しになったというニュースが届きました。
(→こちらです
nakayama.jpg 「民主党との調整を断念した」というのが理由なので,このまま行くと,ムチャクチャな悪法のまんま,ろくな修正や見直しもせず,強行突破するということになります。

 原法案のまま突入するという行為は,危ないと分かっていながら,シンドラー製のエレベーターに乗ってボンバルディア機で渡航しようとするようなもので,何を考えているのかさっぱりわからず,私の理解の域を超えています。

 物事を考える上で,一つの視点として,
   目的と手段
を整理するという切り口があります。
 
 改憲の是非を問うのが「目的」で,投票法は「手段」に過ぎません。
 ところが,投票法案という「手段」そのものが,改憲という「目的」そのものとオーバーラップしているから,おかしいのです。

  良い国と人々の幸せを培うことが目的で,その手段が憲法
  憲法が目的だとすると,これを実施する手段が個々の法律
  法律内容の実現を目的とすると,これを実施する手段が行政(内閣)

これは誰でも簡単に理解できますよね。

  憲法という目的を達するために,国会や内閣という手段を置いた。
  国民主権という目的を達するために,選挙や国会という手段を作った。
  内閣を民主的にコントロールする目的で,議院内閣制という手段を採用した。
  国会審議の充実という目的を達するために,委員会という手段を置いた。

ところが,現在の審議の内容を見るとそうなっていませんよね。

  目的は,「内閣の指導力を高揚する」「選挙で勝つ」「法律を通すことそのもの」「為政者の意図にあった憲法につくりかえる」であり,
  そのための手段として,「国会審議を簡略化する」「手続きは強行する」「民主的コントロールを排除する」「現行憲法を無視する」という手立てを講じています。

 「目的と手段」あるいは「主体と客体」という視点から,序列をイメージしてみると,こんな感じでしょうか。

  国民の人権>憲法>国会>法律>内閣>具体的施策

ところが,今のところ完全に逆転していますよね。

  首相の思惑>内閣>改憲簡略法>国会>壊憲>国民束縛

 こういうのを本末転倒というのでしょう。
 たいへんなことになっています。

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 兵庫県弁護士会の会員の法律事務所に凶器を持った男が押し入って暴力を振るうという,私たちにとっては大変ショッキングな事件が起きた。
神戸新聞記事はこちら) 
弁護士事務所に金づち男、事務員殴られ重傷

 14日午前11時半ごろ、神戸市中央区の法律事務所で、男が「弁護士はおるか」などと言って押しかけ、対応に出た女性事務員に所持していた金づちで殴りかかった。女性事務員(28)=神戸市中央区=が頭を殴られ、病院に運ばれたが頭がい骨骨折で重傷。もう一人の女性事務員(51)=芦屋市=は素手で顔を殴られ軽傷という。

 男はそのまま逃走し、生田署は殺人未遂などの疑いで男の行方を追っている。調べによると、男は40代とみられ、青いジャンパーを着ており、大柄、短髪だったという。当時、事務所にいたのは女性事務員の二人で、弁護士は外出していた。

 弁護士(67)によると、ドメスティックバイオレンス(DV)に関係する離婚訴訟で、弁護士が妻側を担当し、同日午後、結審の予定だったといい、相手方の男と犯人とが似ていたという。弁護士は「これまで嫌がらせなどはなかった。なぜ押しかけてきたのか」と話している。

 同区の湊川神社に近い現場には、救急車のサイレンを聞いた住民ら約二十人が取り囲んだ。カウンターに血が飛び散った事務所には、捜査員が慌ただしく出入りし、正午前、頭に包帯を巻いた女性が救急車に運び込まれた。
 この暴行男は昨日中に殺人未遂罪容疑で逮捕された。(続報記事はこちら
 神戸市中央区の弁護士事務所で十四日午前、女性事務員二人が金づちを持った男に襲われた事件で、生田署は同日午後、殺人未遂などの疑いで、明石市林三、建設業の男(46)を逮捕した。男は離婚訴訟中で、同事務所の弁護士(67)が妻側の弁護を担当している。同署は、訴訟をめぐって弁護士を逆恨みした可能性もあるとみて、動機などを詳しく追及する。

 男は、同日午後に神戸家裁明石支部で開かれた離婚訴訟にも向かわず、事件の約三時間半後、自宅近くの駐車場に車で戻ってきたところを同署員が任意同行した。金づちは「捨てた」と話しているという。
 この件は弁護士に対する業務妨害事例の一つであるが,絶対に許せない行為である。

 弁護士法1条は弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする。と定めているが,日本の法律の中で,「社会正義」という語句を使っているのは,唯一この法律だけである
 すなわち,弁護士業務に対する暴力行為は,社会正義に対する妨害であるといわなければならない。
 むろん「社会正義」の具体的な内容は多様で,人によって違うだろう。しかし,「暴力」は明白な違法行為であり,社会的にも明らかな不正義である。だから,これを絶対に容認することはできない。

 もちろん,弁護士業務が危険と隣り合わせであることは百も承知である。私たち弁護士としても,十分な心構えと対策を講じなければならない。
 ただ,この種の行為に対し,単に恐怖や治安,防犯の観点だけに着目して報じるのは,視点として不十分である。
 なぜなら,弁護士に対する業務妨害行為には,社会正義に対する不当な挑戦という側面があり,社会正義がないがしろにされるところに問題の本質があるからである。

 弁護士業務妨害のケースは,これに始まったことではない。
 オウム真理教による坂本一家殺害事件をはじめ,いくつも前例がある。

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 3/10からドラえもんの映画上映が始まった。
doraemon.jpg
 先々週,市内の映画館にキャンペーンのためにドラえもんがやってくるというので,子どもを連れて会いに行った。
 実は,私は昔からドラえもんファンで,子どものためというより,自分自身が見に行きたかったというのが本音である。

 実物大のドラえもんがヨチヨチ歩いていた。
 思わずパシャッ!
 思わずミーハーして握手もしてしまった。

 ところで,子どもらは,ポケットに手を入れたり,ヒゲを曲げたり,しっぽを引っ張ったりして,やりたい放題だった。
 問い質すと「ポケットの中をみたい」という子どもらしい素直な動機もあったが,「しっぽを引っ張ると透明になるはず」という相当コミックを読み込んだオタクな動機もあり,その発想に感心した。


 ところで,岡口裁判官のボツネタで教えてもらったが,ドラえもんのコミックの第1話が無料公開されており,Web立ち読みコーナーで読めるのである。
dora.jpg
 これはyahooのサービスなのだが,ファンにはたいへんうれしいコーナーなので紹介する。
(→こちら。


 さて,本題だが,15巻にはポータブル国会という道具が出てくる。

 ミニチュアサイズの国会議事堂の道具なのだが,この中に好きな法案を書いた紙を入れると、その法案が成立し、それが世の掟となってしまうという道具である(もしもボックスと同じ機能だ。)。
 例によって,のび太は調子に乗った使い方をし,「のび太のいじめ禁止法案」など,次々に無茶苦茶な法案を立て続けに放り込んで可決させ,最後にポータブル国会は「カイサン!」と音を立てて爆発して壊れてしまう。
 ざっと,このようなストーリーだったと思う。

 これはマンガの世界で,「そんなのあり得ない」というところにユーモアがある。

 まさか現実にこんなふうな世界が訪れることがあるとは思っていなかった。
 今の国会は「ポータブル国会」そのものだ。

 法案を出すと,ほぼ自動的に可決してしまう。
 「いじめ禁止法案」が現実のものとなろうとしているし,次々に無茶苦茶な法案が上程されてしまうところは,マンガの世界とそっくりだ。
 なによりも,現実離れした夢想事を次々に法案にして国会に放り込む安倍晋三氏は,小学生ののび太とほとんど同じレベルだ。
 あんまり首相をいじめると「総理大臣いじめ禁止法案」が上程されてしまうかも知れない。

 しかし,ドラえもんの世界の方が,無茶をすると自動的に解散するという安全装置がついているだけマシではないか。
 おもちゃのような国会で成立した法律を遵守しなければならないと思うと,とても笑っていられない。
 もっとも,この国会の製造者は私たち国民なのだが。

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 現在,審議中の改憲推進・手続簡略化法案(すなわち「国民投票法案」と称する新しいシステム)は,もっと強くダメ出ししないといけませんね。

 手続法を定めること自体が良いかどうかという議論もあります。
 そういう議論は,不毛な気もするので,私は,手続法自体がきちんとしたものであれば,それはそれでよいと思います。
(護憲派は,その手続きを通じて,現行日本国憲法の正当性をしっかり意思表示し,国民の総意であることを再確認すればよいのだ。)。

 ただ,現在審議中の法案は,あれはひどいです。
 だからダメだ,ということです。
 本気で国民投票法案を通したいのであれば,中立公正に徹した手続法を作ればいいのに,改憲(壊憲)したい欲望・下心が丸見えだから,反対されちゃうわけで。
 本気でやりたきゃ,もう少し冷静に物事を考えて取り組めばいいのに。

 既にいろいろ問題点が指摘されていますが,今日は,ちょっと違った側面から,本法案の未成熟性,内容のお粗末さを指摘してみましょう。

 日本では,原則として間接民主主義をとっていますが(たとえば憲法前文の冒頭に「日本国民は,正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し」とあります。),
 3つだけ,例外的に,直接民主主義を採用しています。
   1 『最高裁判所裁判官の国民審査』(憲法79条)
   2 『地方公共団体の長の選出と,住民投票』(憲法93,95条)
   3 『憲法改正の国民投票』(憲法96条)

 1,2はお馴染みでしょうが,他と比較して「憲法改正」が最も厳格な手続きでなければならないのは,言うまでもありません。
 ところが,これらを比較してみると,住民投票条例の方が,ずっとずっとレベルが高いし,内容も良いし,質も緻密で,前提となる議論もきちんとなされています。
 たとえば,川崎市が住民投票制度を設けるにあたって,検討会を実施しました。その議論内容と検討結果の報告が公開されています。
 以下のとおりです(HPはこちら

kawasaki.jpg

これによれば,我が国における多くの自治体が定めた住民投票条例では,
  ◆一定率以上の投票率がなければ住民投票は成立しない
  ◆住民の投票運動の規制は最低限度に止め,あえて新たな罰則も設けない
  ◆18歳以上に投票権を認める
  ◆ボイコット運動も政治的主張の1つで、禁止は憲法違反の危険があると指摘

  等々です。
 (自治体の住民投票条例の一覧表をまとめたHPもありました。こちらです

 ちょっと,どうです?
 国家の基本法の改正要件を定める法律なのに,ずっと下位にある住民投票条例よりもレベルの低い内容でどうするの?

 せっかく国民に与えられた唯一の国政への「直接民主主義」のツールなのですから,あえて直接民主主義を認めた趣旨にしたがって,国民の意見が反映されやすくするべきなのに,それをことさら制限する方向の法律を作るって,おかしくないですか?
 直接民主主義をできる限り制限しようという発想自体が,ひねくれてるんじゃないですか?
 国政は,謙虚になって,地方自治に学ぶべきだと思います。
 「国民投票法案は,住民投票条例を見習え!」

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 自民党の有力者の一人である,古賀誠元幹事長(古賀派の会長。例の柳澤伯夫は古賀派の副会長。)が,昨日に行われた講演で,
「憲法は占領下で米国に押し付けられたと言われるが、日本の平和という意味で世界遺産に匹敵するぐらい素晴らしい」

「憲法改正(論議)の中で『世界の国々に負けない武力を持つことが大切だ』という若い人たち、力の信奉者の声が大きくなっているのは大変危険なことではないか」
などと明言しました。(→記事はこちら

 「憲法9条を世界遺産に」というのは,太田光の専売特許かと思っていましたが,自民党有力者はさらに前進し,9条だけでなく,さらに全体まで広げて「憲法そのものを世界遺産に」というのですから,素晴らしいではありませんか。

 もとより,憲法99条においては,
天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。
とされているわけですから,法令遵守の観点からすれば,自・公・民・社・共にかかわりなく国会議員がこういうことを言うのは当たり前のことなのですが。
 それが,珍しいニュースになってしまう現実が悲しいです。

 古賀氏は,人物的には武闘派っぽいですが,野中広務氏の後継者のような存在です。
 野中氏は,自民党内の護憲派で,小泉との戦いに敗れて政界を去ったことで知られていますが,改憲を党の目的とする自民党内にも,憲法あるいは憲法9条の堅持者がいることに留意すべきです。

 野中氏の考えの一端は,以下の発言からも理解できます(季刊 自治と分権 21号 45頁より)。
「私は60年間平和であったのは憲法だと思います。常にわれわれは憲法を,そして9条を言ってきたから60年の平和があったと思います。戦後50年にして予期しない村山内閣ができましたが,村山内閣だったから『村山談話』というものが出たのです。天が与えた機会だったのかなと,私は思っています。ただ憲法を不磨の大典だとは考えていない。だから『論憲』は良いけど,守るべきものは絶対に守っていくというのが私の考えです。今の改革派というのは,改革改革と言っているけれど,方向は一つも定まってない。ただナショナリズムのところは共通項で扱っている。これが怖い。自民党結党50年の新憲法草案なんて,ちゃんちゃらおかしいと思うよね。あんな粗末なものをよく世に出したなと恥ずかしくなりますよ。」


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 中央教育審議会(略して「中教審」)が答申を出した。

 私は「まあ,彼らの立場としては,よくやった方だ」と思う。
 もちろん,答申の内容はうんざり,げんなりする内容だ。

 しかし,
   ◆改定された教育基本法が,漬け物石みたいに頭上に乗っかっていること

   ◆再生会議等で煽ったヒステリックな雰囲気が世論に蔓延していること

   ◆総理大臣らから「拙速でもいいからやれ」と尻を叩かれていたこと

   ◆文科省から,もっともっとひどい原案を突き付けられていたこと

   ◆会長や副会長が普段から行政追認的な態度を取ってきたこと

などを考えると,負のバイアスはかなりの程度だったと思われ,ここまで抵抗したのは,まあまあ立派だと思うのである。

tyuukyou.jpg

 これは,神戸新聞の今朝の朝刊に掲載されていた勝敗表である。
 (=文科省官僚案 VS 中教審答申)

 学校教育法・教員免許法関係については,かなりの改悪を受け入れたので,現場の教員たちは,これまで以上に息苦しくなった。
 おそらく,先生たちのうつ病や休職などは,これまで以上に増えるであろう。

 他方,地方教育行政法がらみでは,国の教育委員会,教育現場への介入が,ギリギリのところで止まったという感じである。
 これは,各県の知事さんたちが,中教審に出張って,
   「地方自治への国の介入を許さない」
と頑張った成果である。
 とはいっても「寸止め」という感じで,これからは薄氷を踏むような緊張関係が,子どもの教育現場に,持ち込まれることであろう。

 この結果を招いた負のバイアスのうちの一つに,中教審の会長,副会長の考え方というのもある。
 まずは,中教審のメンバーを見ていただきたい (以下続く↓)

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 負債関係の話題が少なくて申し訳ないのですが,昨日の朝刊に次のような政府広報が出ていたので紹介します。
seifukoho.jpg
 「多重債務問題に,政府を挙げて取り組みます」
と,大見栄を切った以上,しっかりやってもらいたいと思います。
 政府のみなさんには,つまらない抽象的なことや理念的な論議を期待しているのではなく,こういう具体的な施策を期待しているのですから。

といっても,次年度予算で,法テラスに割り当てられた予算は,昨年並みと聞いており,少なくとも財政面で「全力挙げて取り組む」つもりは無いようですが・・・・

 ところで,ここで紹介されている窓口は,法テラスと日本クレジットカウンセリング協会だけだったので,弁護士会はどうなっているのか?と思いましたが,金融庁のHPには,一応紹介されていました
(→こちらです

 ただ,法テラスは別として,弁護士会を挙げずに,日本クレジットカウンセリング協会(カウンセラー30人のうち20人が弁護士です。→こちらより)を挙げているのはなんでなんでしょうね?
 同協会も,法テラスも,結局,弁護士が相談担当を行うわけですし,具体的対処をする場合,行き着く先は結局のところ弁護士会なのに。
 政府としては,弁護士会を挙げるのには,やっぱり何か抵抗感があるんでしょうかね?

 ちなみに兵庫県弁護士会の多重債務の無料相談の案内はこちらです
 
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 来る3月24日,神戸で,書籍『災害復興ガイド』(→詳しくはこちら)の出版を記念するシンポジウムが予定されています。
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 目下のところ時の人となっている浅野史郎さんも立派な知事でした。
 しかし,浅野さんと同等,いや,それ以上に,素晴らしい活躍と功績を残された片山善博鳥取県知事の記念講演があります。
 片山さんは4月に引退を表明しているので,きっと知事としての最後の講演となるでしょう。
 片山さんの講演は,とても面白く,胸がすくような思いがすること間違いなく,みなさんに諸手を挙げてお勧めします。

 ところが,実は,私も,その後の基調講演を担当することになっていまして,ここのところ,片山さんの後で何を話したらよいかずっと悩んでいて,頭が痛いです。

 お題は,
   「災害復興制度を考える」
ということです。
 この点については,災害復興基本法の制定をめざして,阪神・淡路まちづくり支援機構や,関西学院大学復興制度研究所などで,あれこれと多方面にわたって研究がなされています。
 しかし,私自身は,研究という面では下っ端の立場なので,このような大きなテーマが与えられると,正直,面食らってしまいます。
 何を話したらよいだろう・・・・。

 そのかたわら,憲法のことをあれこれ考えていたところ,数日前,ふと,一つのことに気が付きました。
 私たちの憲法は,災害復興基本法そのものなのではないか,と。

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 国会で審議されている国民投票法案は,改憲の手続きを定める法律のように言われていますが,その実態や本質を端的に言い表すと,
 「改憲手続簡略化法」
となります(→named by 村野瀬玲奈さん

 改憲を簡単に行えないように憲法ではかなり厳格な要件を課しています。
(これを「硬性憲法」といいます。憲法96条「この憲法の改正は、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。」

 このカタイ憲法を,やわらかく簡略に改正できるようにしよう,というのが,今回の「改憲手続簡略化法」です。

 いろんな手立てで,簡略化の措置を講じていますが,その中でも分かりやすい
  「国民の過半数」
の要件について,ちょっと触れておきましょう。

 総務省の推計によれば,平成19年1月1日現在の国民数は約1億2775万人です。
(以下は総務省のHPで公表している統計資料です)
yuukenn.jpg

 単純に「国民の過半数」というと,6388万人が賛成すれば,改憲できるということになりそうです。

 ところが,「改憲手続簡略化法」では,次のように定めています。
「国民投票において、憲法改正案に対する賛成の投票の数が有効投票の総数の2分の1を超えた場合は、当該憲法改正について国民の承認があったものとすること。なお、最低投票率制度は導入しないものとすること。」
 ここでのポイントは,
    ■「人口」や「投票者数」ではなく「有効投票」が母数とされていること
    ■下限となる最低投票率を定めていないこと
です。

 まず,H17.9.11の選挙の際の結果によれば,投票者数(20歳以上)は1億0298万5213人です。
 最低投票率が定められていませんが,一応,50%の人が投票に行ったとすれば,投票者数は,5149万2607人になります。
 この中で,棄権票や白票などを除外した有効投票数を80%とすれば,有効投票数は,4119万4085人となります。
 この過半数というと,2039万7043人になります。つまり,2039万人の賛成があれば改憲できる,という結果です。
(※上記の投票率や,有効投票数は,国政選挙等の実情に照らし,かなり現実的な数値といえます。)

 私たちのイメージしている国民の過半数(6388万人)と,実際に簡略化した結果(2039万人)との間には,4349万人もの落差があります。
 4349万人の国民をスポイル(無視)するのが,この法案の本質の一つです。

 ピンと来ないかも知れませんが,2039万人というと,東京・埼玉・千葉の3県の有権者数より少ない数です。
 この程度の数で,国民の総意と言われたら,たまらないなあ。

 まだまだいくつも,簡略化のためのカラクリはたくさん盛り込まれています(「一括投票方式」,「反対運動の抑圧規制」,「熟慮期間短縮」,「広報協議会による洗脳ソフトランディング」などなど。詳しくは日弁連のHPを。)。
 法律が出来ちゃってから暴走を止めるのはたいへんなので,今のうちに,簡略化のためのヘンテコなカラクリを取り除くようにしましょう。

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 憲法改正のための国民投票法案が,いよいよ,この1~2か月の内に成立してしまいそうです。
 今日(3/8)は,形ばかりの公聴会を開催して,強引に通しちゃえという流れです(教育基本法の強行方式と同じです)
 ホンマにえらいこっちゃです。

 「憲法改正のための手続を決める法律なんだから,いいんじゃないの?」
という雰囲気になっています。
 しかし,現在審議中の法案は,はっきり言って,
  悪法
です。
 国民のたった2割(正確には有権者の2割だから,もっと少ない)が動けば憲法をヤミに葬れるという代物です。

 だから,このままノホホンと通してしまったら,日本がえらいことになります。

 この点について,日弁連が(ちょっとキモカワの)マンガのパンフを公表し,どこに問題点があるかを分かりやすく解説しています。
(→こちらの日弁連HPをご覧下さい。
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 あんまりこのパンフが広く浸透しているようにも思えず,もったいないので,以下,これを引用させていただき,問題提起をしたいと思います。

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   ↑
  こちらが国民投票法案をよく知っている憲子(ノリコ)ちゃんです。

  こちらが,問題点を何も知らない憲(ケン)ちゃん(=ほとんどの市民,国民はこちら側ですよね。)です。結構,良いツッコミをします。
   ↓
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 以下続きます。
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 日本の裁判官は,たいへん真面目です。
 少なくとも,お金については清廉で,それが公正さにつながっているという面があります。

 こんなニュースがありました。
 日経ネットの3月3日の記事です。
裁判官に贈賄申し込む、容疑の原告女性書類送検へ

 福岡地裁で係争中の訴訟を巡り、原告の女性が判決前の担当裁判官に現金数十万円を渡そうとしたとして、福岡県警は3日までに、この女性を贈賄申し込みの疑いで書類送検する方針を固めた。裁判官に対する贈賄の立件は異例。同地裁は「現時点では何もコメントできない」としている。

 県警などによると、女性は福岡市出身。自分に有利な判決を出してもらう目的で封筒に現金を入れ、担当の裁判官に渡そうと画策したとみられるが、裁判官は受け取らなかった。経緯を知った福岡地裁側が刑事告発し、県警が捜査していた。

 刑法の贈賄罪は、公務員に実際にわいろを受け取らせた場合だけでなく、申し込む行為についても処罰を定めている。

おそらく,日本ではこういうことに応じる裁判官は一人もいないのではないかと思います。そこのあたりは倫理観が徹底しています。

 このような賄賂は,世界では,必ずしも珍しいことではないそうです。
 たとえば,中国では裁判官に対する賄賂は公然の事実に等しい状況があるようです(→こちらの書評をご参照) 
 それから,ロシアなどでも,同様に,司法の腐敗があるようです。「ロシアの裁判制度において、裁判官の報酬アップする事で汚職が無くなると思うか」などというアンケートを採って(←こんなアンケートを取ること自体,日本では考えられない。),しかもその回答は,なんと49%が「無くならない、賄賂を完全に無くする事はできない」ということだったそうです(→こちらより

 お金に清廉であることは,日本の裁判が公正であることを裏付けているといえるでしょう。
 しかし,注意しなければならないのは,公正であるからといって,人権感覚に優れ,正義に与した判断がなされるわけではない,ということです。
 公正さと,内容の良さとは,別次元だと理解した方がいいでしょう。
 内容の良い判決を書けるかどうかは,裁判官をはじめとする司法関係者の,能力と勇気だろうと思います。

 市民の思いからすると,裁判に寄せる期待が大きくなりがちですが,期待できるのは公正さに過ぎないのであって,このような裁判の実像を知っておく必要があると思います。

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 昨日,世界の災害マップを見つけたので紹介しましたが,その後,数時間後にスマトラで大地震が起きました。
 
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 「災害は忘れたころにやってくる」というのは寺田寅彦の言葉と言われていますが,このスマトラの例を見ていると,未だ一昨年の大地震・大津波の傷が癒えていないうちに,今回の地震が起きたもので,もはや「忘れる」ということ自体が許されないような時代になっていると思われます。

 昨日も言いましたが,
  「災害にあった者の立場に立って考える」
という姿勢を持つことは大切なことであり,そういう目でスマトラ地震を見れば,実に多くの教訓を学習することが出来ます。

 ニュースなどでは,
   ◆震度やマグニチュード
   ◆死傷者数
   ◆日本人の死傷者の有無
が報道の中心になっていますが,それらの情報は,単なる現象の説明に過ぎません。

 私としては,
   ◇都市直下型の地震が及ぼす影響
   ◇構造が弱い家屋の下敷きになって死傷が生じていること
   ◇住民や政府が,前回の地震で学んだことを実践できたか
という点に着目すべきではないか,と思います。 

今のところ,毎日新聞の記事が詳しいようです。
以下引用します。
sumatora1.jpg地震:スマトラ島でM6 少なくとも70人死亡

【ジャカルタ井田純】
 インドネシア・スマトラ島西部で6日、2回にわたって強い地震があり、多数の建物が倒壊した。インドネシア政府内閣官房長官はこの地震で少なくとも70人が死亡したと語った。

 AFP通信は、現地入りした国連児童基金(ユニセフ)広報担当者の話として死者は少なくとも82人、現地当局者の話として負傷者が257人に上ると伝えた。

 インドネシア気象庁によると、最初の地震はマグニチュード(M)6.0で午前10時49分(日本時間午後0時49分)に発生、2回目はM5.8で午後0時50分(同2時50分)に起きた。震源はともに西スマトラ州パダンの北方約50キロ。

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 昨日は,日本各地で,突風が吹き荒れました。
 新聞では「春の嵐」などと書いていましたが,ダンプの横転などの映像を見ると,ものすごいエネルギーであることが分かります。
 「春のあらし」なんてかわいらしいものではないでしょう。

 災害問題に取り組むに当たって,絶対に欠かせない視点は,
   「災害にあった者の身になって考える」
という姿勢です。
 それがあるかないかで,良い施策か,誤った方針か,を見分けることが出来ます。

 さて,そういう意味では,常にわたしたちが災害と隣り合わせであることを自覚しておく必要があります。

 そこで,お役立ちサイトを一つ紹介します。
 現在起きたばかりの,世界中の災害が一目で分かる世界マップです。

alert.jpg


(→こちらです。

これは,世界中で起きている災害や事故の情報を見られるサービス「AlertMap」で,地震や火山の噴火といった災害や飛行機や船舶の事故について,地図上から見ることができます。
 地図上のアイコンをクリックするとその災害や事故についての詳細を見ることもできます。
 ただし,日本語ではないので,私には読めませんが。

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