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 今日は,先物取引会社の社長の証人尋問がある。
 社長といっても,この先物取引会社は既に破産していて,現在,破産管財人が手続きを行っている最中なので,「元社長」と言った方がいいかも知れない。

 株式会社コーワフューチャーズという会社なのだが,この会社から被害を被ったということで私が依頼を受けたのは,この訴訟も含めて3件ある。
 たった一人の弁護士のところに,同じような被害が次々と立て続くというのはどういうことなのだろうか。
 しかも,訴訟沙汰になっているのは,私のところだけではない。


 破産管財人が債権者集会で説明した報告書によると,
■委託者とのトラブルが相次いだ

          ↓ そのため

■トラブルについて和解解決したが,和解金の支払いが多額になった

          ↓ そのため

■営業収益,売上高の確保を迫られた

          ↓ そのため

■委託者とトラブル(適合性原則違反,不当勧誘,両建,一任売買等)が頻発した

          ↓ そのため

■数多くの訴訟が起きた
という流れなのだそうである。

 不祥事を穴埋めするために,さらに不祥事を繰り返す・・・
 いやはや,典型的な自転車操業である。

 まあ,私たちにとっては,「さもありなん」という感じだ。
 しかし,実態を知らない善良な市民が真実を知ったら,現実にそんな会社が堂々と営業していたことに驚きを隠せないのではないか。


 ところで,こういう事例を通して私が思うことは,裁判所の社会公正維持機能の弱さである。

 同社が倒産に追い込まれたのには直接的な理由がある。
 主務省である,農林水産省・経済産業省が,思い切った厳しい業務停止処分に踏み切ったからである。(→こちらで公表されています

 監督官庁(行政)が,業者を監督をするのは当たり前じゃないか,という声もあるだろう。
 しかし,今回の行政処分は,同社を廃業に追い込む覚悟の上でなされた厳しい処分だった。
 いろんな背景事情や社会的要請があったとはいえ,たいへん勇気ある行動であった。


 それに引き換え…,
 裁判所には,何年も前から,同社を被告とする多数の被害事例が持ち込まれていたというにかかわらず,同社の違法な営業をダイレクトに制止する力にはなり切れなかった。

 なぜだろう。
 それは,裁判所が,「お互い様」とか「欲を出した消費者も悪い」などという,ヘンな配慮というか,社会的感覚からずれたバランス感で,お裁き(過失相殺判決,和解など)をするからだ。

 その結果,不祥事を起こした業者側にも,利益の一部が残るという,奇異な結論になる。

    不祥事を起こしても,ナンボか利益が手に残る
              ∥
    (高利で借金をしても,ナンボか現金が手に残る)

 こうしてみると,悪質業者が自転車操業的に不祥事を繰り返してしまう構造は,サラ金で自転車操業に陥る心理とよく似ているではないか。

 そして,それを後押ししているのが,大局的に見ると,裁判所の社会公正維持機能の弱さ(=「法律の殻」に閉じこもって,真の実態を正面から見つめることができない勇気の無さ)にあると思うのである。
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 日弁連の選挙の結果を受けて,新聞各紙で,弁護士会や弁護士という存在への批判が高まっている。
 いよいよ,弁護士バッシング時代の到来である。

 いつかは,そういう波がやって来るだろうと予想していたが,その批判の切り口が,
    弁護士の社会正義や矜持のあり方,
    仕事の質,
    市民への敷居の高さ,

といった,本来,批判されてしかるべき切り口からの責め手ではないのが,残念である。


 各紙の論調を見ると,どうやら,

    弁護士の数が少ない

        ↓ だから

    弁護士の費用が高い

        ↓ そこで

    弁護士の数を増やせ

        ↓ すると

    弁護士の費用が安くなる


という思い込みがあるようだ。
なんだか,市場原理を初めて学んだ小学生でも分かるような短絡的な発想によるものだ。


 2/29に,大阪で開かれた「明日の司法と日弁連を創る会」(=日弁連内の,いわば与党派)の,会長当選の祝賀総会に顔を出してきたのだが(※意外に思われる方もあるかも知れませんが,私は,本来は,保守派・大勢派なのであります。),目下のところ,このマスコミも含めた社会の風当たりの強さに立ち向かうところから,まず始めないといけないみたいな感じだった。
 こういうところからスタートしなければならないのか,と思うと,なんだかため息が出てしまう。


 やはり,どうも問題の本質が,弁護士が儲かっている,という誤解にあるようだ。
 実は,弁護士はお金持ちではない,ということを知ってもらったら,もう少しまともな議論になるのではなかろうか。

 そこで,ご紹介したいのが,
   「日本のお金持ち研究」(日経ビジネス文庫)
   橘木俊詔・森剛志著

である。

 井村華子弁護士から教えてもらったのだが,今,本屋に行くと平積みで置いてある。
 あれこれ解説するよりも,この第一線で活躍する一流の経済学者の方々(元京大教授の橘木俊詔氏は,元日本経済学会会長とのこと!)の著述部分を一部紹介するのが,手っ取り早いし,的確だろう。
 以下,一部を引用する。
■「弁護士の億万長者はいないのか。アメリカでは,医者よりも弁護士の方がはるかに儲かる仕事だと聞く…」…世間でよく「資格三冠王」として,高額所得の上位にいると思われている弁護士や会計士は,実はそんなに所得が高い人は,日本ではほとんどいないのである

■表…をみればわかるとおり,高額納税者の職業として多いのは,1位は企業家であり,2位は医師である。弁護士など,ほとんどいないのである。

■今回の高額納税者調査で,何よりも驚いた点は,日本では高所得者の中に占める弁護士の数がきわめて少ないということである。アメリカでは,弁護士は企業経営者・経営幹部に次いで高額所得者が多く就く職業であり,その数は医師を上回っている。しかしながら,今回の高額所得調査対象者全体に占める弁護士の比率はわずかに0.4%であった。
 実際に弁護士をやっている私たちからすると,別に驚く話でもない。
 むしろ,当たり前のことじゃんか,と思うのである。
 しかし,こういう本がベストセラーとして売れていることからすると,やはり世間の人たちにとっては,弁護士は儲かる商売だという思い込みがあるのだろう。

 こういう非生産的で非建設的な思い込みに基づく議論はやめて,本来あるべき物事に是非に沿って,弁護士増員論なども議論するべきだろう。
 弁護士バッシングに関心を寄せているマスコミ各紙の方々への注文である。
 裁判の法廷で,相手のことを「詐欺師!」と繰り返した行為が,名誉毀損に当たるという判決が出たそうです。
(→こちらより

 昨日(2/25)の東京地裁での判決とのことですが,判決文を読んだわけではないので,正確さに欠けるかも知れませんが,どうやら,この人は,
   ・大勢の傍聴人が聴いている前で,
   ・裁判長が注意をしたのに聞き入れず,
   ・何度も「詐欺師!」と繰り返した,
ということで,裁判所は「法廷では感情的になりがちだが、内容や回数から社会的に許される限度を超える発言。裁判官らから控えるよう注意されたのに公開の法廷で執拗に繰り返した」(記事より引用)と指摘し,40万円の慰謝料の支払いを命じました。

 ここでポイントになるのは,
   ■度を過ぎた
   ■非常識さ

が問題であり,単に「詐欺師」と発言したことだけを捉えて違法と断じられているわけではない,ということです。

 実際,この人は別の裁判上で「詐欺師」という言葉を述べているのに,度を過ぎていない程度のものは,考慮外とされたようです。

 訴訟上で,激しい言葉の応酬が展開されるのは,別に珍しいことではありません。
 裁判所も「法廷では感情的になりがちだ」と言い切っています。

 実際,弁護士の書いた書面が名誉毀損だぁ!と訴えられた件でも
 名誉を損なうようなものがあったとしても…
相当の範囲内において正当な訴訟活動として是認される
という判決もあるくらいです(東京地方裁判所平成16年8月23日判決)。

 「相当な範囲」って,難しそうな感じがしますが,
 要はTPOをわきまえて,度を過ぎたことはダメよ,という単純な話です。

 何事でもそうだと思いますが,問題とすべきかどうかは,その状況に応じて,やり過ぎ,言い過ぎになっているかどうかでしょう。
 難しい言葉や,難解な議論に流されて,単純で素朴な感覚がマヒしていないかどうか常にチェックが必要です。
 全国の地方各紙には,数ヶ月前から「ちびまる子ちゃん」が連載されている。

 基本的には時事ネタは取り扱わない。
 しかし,なかなか味わいがあって,ときどきドキッとする鋭い指摘などもあって,連載が始まってからは,毎朝の楽しみにしている。

 2月19日の朝刊には,ハッとさせられた。
 しばらく,頭から離れなかった。
まる子 「お父さん、どうして戦争がおこるの?」

父 「それは、いろんな奴がいるからおこるんだ」

まる子 「じゃあさ、どうしたら戦争が無くなるの」

父 「いろんな奴が戦争をやめればいいんだ」

まる子 「ふーん」

これって,作者としては,ギャグのつもりもあったのかも知れないが,まさに核心を突いているので,心の中で「お見事!」と叫んでしまった。

 ■戦争は人が起こす「人災」であること

 ■戦争は,価値観,視点,思惑の違いにより起こること

 ■戦争は,決して避けられないものではないこと

 ■戦争を無くすかどうかは,人間の決断にかかっていること


などなど,いろんな切り口で,いろんな表現の仕方はあるだろうが,ものすごく示唆深い内容である。


そして,戦争撲滅っていう世界最大の命題は,小学生でも分かる

    「そんな簡単なものなんだ」

と笑ってしまうぐらい,当たり前のことなんだということも,ウンウンとうなずける。


翌日(2/20)には,ちびまる子ちゃんとしては珍しく,続きのマンガが掲載されていた。
まる子 「先生っ」

先生 「何ですか」

まる子 「きのう,お父さんが『簡単に言えば戦争は世界にいろんな奴がいるから起こり,いろんな奴がやめようと思えば終わる』って言いましたが,本当ですか?」

先生 「…まァ,簡単に言えばそうですが,簡単すぎますね」
 これもある意味では示唆深い。

戦争論については,(私もその一人ですが)すぐに話を難しくする人々がいる。

技術論や,方法論,現状認識,対策等については,確かに細かな議論も必要だろう。

しかし,本質は,2月19日のお父さんの指摘のとおり単純な話である。

2月20日の先生の発言は,真実でもあり,また,世相が陥りやすい誤りを浮き彫りにしたものともいえる。

ちびまる子ちゃんは,実にオモシロイ。
 日弁連は,昨年11月に,非司法競売手続に関する意見書を出した。
 (意見書PDFはこちら→http://www.nichibenren.or.jp/ja/opinion/report/071122_2.html

 「非司法競売」という言葉は耳慣れない言葉だけれど,「民間競売」と言えば分かりやすいだろうか。

 借金が返せないと,不動産を競売にかける。
 日本では,この手続きを裁判所で行い,民間のオークションなどでは行わない。
 裁判所がやることだから,お堅いかも知れないけれど,手続き自体はしっかりしていて信頼性は高い。

 これに対し,アメリカでは民間競売が主流なのだそうだ。

 このアメリカ流に着目した,いわゆる規制改革派が提案したことから,非司法競売の導入が本気で検討されている。
 (張本人の「司法改革フォーラム」が2000年5月に発表した意見書は→こちら

 この規制改革の動機は,

  1 何でもかんでもアメリカナイズするのがベストだという思い込みと,

  2 利用者(=この場合は金融機関などの「貸し手」の側である)の利便を図る,


ところに尽きると言えるだろう。


 しかし,この数年の間に,日本の競売制度はかなり改善された。
 そこらのオークションなんかより,よっぽど早く終わるようになった。
 価格も,かなり適正だ。
 不法な占有屋なども激減した。

 もともと制度の基本がしっかりしているので,ちょっとリニューアルする程度で,事は済むのである。

 にもかかわらず,一旦,閣議でやると決めたら,何が何でも民間競売制度を導入しないといけないという行動原理が働いている。
 そうなると,もともとの目的が見失われ,手段そのものが目標になってしまう。
 日本にありがちな本末転倒で硬直的な傾向で,困ったものだ。

 アメリカの制度が良い,などというのは幻想だ。

 現在のサブプライムローン問題にしても,お手軽な民間競売を前提にした貸付だった。
 民間競売は,お手軽で,簡単なだけに,信頼性は低く,サブプライムローン自体の信用不信の一因になっている。
 民間競売だけが悪いわけではなかろうが,貸し手の利便を優先してやってきた末路が,現在の経済危機を招いていることは否定できないことだろう。

 それだけに,なんでそんなアメリカのダメダメ制度に追従するのか分からない。

 せっかく基本がしっかりした良いものがあるのに,それを放り出して,アヤシゲな制度を取り込もうとするのか。

 物事の本質を知らない人の妄言である。

 日本の古き良きものに目を向けるところから始めるのが大和魂というものではないか。
2月23日の午後10時から,NHK教育テレビの
  「平成若者仕事図鑑 あしたをつかめ」
という番組で,弁護士を取り上げていた。

 この番組は,いろんな仕事を紹介するテーマのようで,私の子どものころにやっていた
    「はたらくおじさん」
の成年向け現代版のような感じかな。

 予告編を見ると次のとおりだった(→こちらより
 NO.153 弁護士

 依頼人の権利を守るために活躍する法律のプロフェッショナル、弁護士。
 愛媛県松山市の法律事務所で働く岡林義幸さんは、キャリア2年目ながら年間300件近くの案件をこなす若手ホープ。
 離婚問題、財産分与、刑事事件…。人々の生活の中で発生するさまざまなトラブルを、時には当事者の間を仲介し、時には法廷で争って、丸く収める「ザ・解決人」です
 岡林さんの毎日は、事務所での法律相談から始まります。
 相談者からの情報を的確に聞き取って整理し、法律と照らし合わせて解決への道すじを示していく。
 「一人で悩み続けてきた依頼人に、安心して眠れる日々を取り戻してあげたい」。
 過去に担当した事件などを元に、岡林さんの奮闘ぶりに密着します。

 ここで,NHKの目の付けどころが良いのは,「丸く収める」のがプロの「解決人」だと断じているところ。

 法廷で勝訴判決を勝ち取るのも,弁護士の一つの目指す方向だけれど,
 「解決人」としては,「丸く収める」ところにこそ,本質がある。

 法律は,物事の白黒のモノサシでもあるが,紛争の調整器である,ということをひと言で言い表しているのが良い。


 それはそれとして,スポットライトを浴びた岡林弁護士の若々しい姿に,私も,かなりオッサンになったなあと感じてしまった。
 冒頭,岡林弁護士が,依頼者から信頼されるように,目が悪くもないのにダテ眼鏡を掛けているというシーンがあり,思わず笑ってしまった。

 しかし,今,笑ってしまう私も,1年生のころを思い出すと,
依頼者には年齢を高めにサバを読んで言っていたのに,後で新聞で年齢がばれて赤面したことや,
弁護士バッジの金メッキが早く剥がれるように小銭入れに入れておいたら,傷だらけになってしまったこと,
などを思い出した。

 ただ,現代における新人弁護士は,登録するなり厳しい生き残り競争に晒され必死な様相もあって,決してほほえましいとは言えないようだ。

 私こと「はたらくおじさん」弁護士の感想でした。
1月30日以降,3週間あまりにわたって記事の更新をサボってしまいました。
ブログを始めたのが2006年8月5日で,ここまで約1年半になりますが,これほど長くサボったのは初めてなので,各方面にご心配をお掛けしたようです。

申し訳なかったデス。

何名かの方からは,コメントやメールのほか,実名で事務所にお電話をいただいたりして,恐縮の極みです。
別に,健康上の理由ではなく(風邪は引きましたが,ダイエットは続行中です!),多忙さは従前から変わりないので(遅れ気味の仕事についてはスミマセン!),絶筆宣言をするほど肩に力を入れてやっているわけでもないので(自然体をモットーにしております!),特にサボった理由はありません。

気まぐれペースの波の一部だったのかなあ,と自覚しています。

この間に,弁護士業界でも大きな出来事がありましたし,
また,社会でも大きな出来事がありました。
ついでに,私の体重も,かなり大きく変動しました。

言いたいことはいろいろありますが,今後も気張らずにボチボチやっていきたいと思います。

ご心配いただいた方々,どうもありがとうございました。
はげまして下さった方々,どうもありがとうございました。
更新がないにもかかわらずご訪問いただいた方々,どうもありがとうございました。

たいへん励みになりました。
どうぞ,また,よろしくお願いします。
 イージス艦事故につき,昨日(22日),海難審判庁の係官が,ようやく現場調査に赴いたということです。

 運輸関係の事故に関する調査については,現在のところ,
   ■国土交通省 航空・鉄道事故調査委員会
   ■海難審判庁

があるけれども,これを組織替えして,
  「運輸安全委員会」
に改組することになっています。
(→法律案はこちらです)

 この改組によって,航空鉄道事故調査委員会は,国家行政組織法の8条の組織から,3条の組織に格上げされることになります。

 航空・鉄道事故調査委員会は,
    「専門家集団」
としてのステイタスは高かったわけですが,あくまでも省庁の下部組織ということで,
    「独立性」
という点で,ちょっと弱いところがありました。

さらに,国や行政の責任を問うべき場面におけるスタンスで,
    「中立性」
という点で難があるとされてきました。

簡単に言うと,「国」であっても(というか,「国」だからこそ),身内に甘い,ということですね。

海難審判庁にとっても,改組前の大きな事件です。
ここで,事故調査能力が問われています。
防衛庁の情報開示に,社会の疑問が集中的に向けられている今こそ,
   「専門性」
だけで逃げを打つことなく,
   「独立性・中立性」
を発揮できるかどうかが試されていると言えます。

これでダメだったら,「運輸安全委員会」は,発足前から要見直しでしょう。
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