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 2008年の世相は,漢字一字で
     『変』
ということでした。

 しかし,私としては,何となくピンと来ませんでした。

 それは,「変」というのが,今年の世相と言うよりも,今年全体を通じて感じる“ガックリ感”のウラオモテだから(=今年のことはサッサと忘れて,来年以降に期待を込めたい,という希望)だろうと思っています。


 私は,今年は,隠していたことがバレた,というか,初めから自明なことにみんなが一斉に気付いた年だと思います。

 いわば,問題が露見したので
   『露』(=あらわ)
という漢字が,あえて言うなら的確かなあと考えています。


たとえば・・・・・

生活の面でいいますと,
◆餃子や米など食品安全の問題は,以前から疑われていた事実にみんなが目を向けただけのことですし,

◆後期高齢者医療制度の問題も,制度を作った最初から分かっていたことですし,

◆派遣労働者問題も,派遣自由化したときから懸念された事が起きただけのことですし,

経済の面でいいますと,
◆サブプライムローンの問題は,当初から盛り込まれていたリスクが現実化しただけのことですし,

◆株価下落も,実体経済が弱いのだから,いつか起きることだったわけですし,

◆世界的不況も,アメリカの没落傾向に,世界中が気付いただけのことですし,

政治の世界でいいますと,
◆首相がコロコロ変わるのも,政治界に有為な人材が不足して,適任者が枯渇してしまっただけのことですし,

◆ねじれ国会による空転は,憲法が最初から予定していた民主主義のスタイルに対応できていないだけのことですし,

◆既存政党が瀕死の状態にあるのは,中身のお粗末さに国民がそっぽを向いたからですし,

私の身近な司法の世界でいいますと,
◆裁判員制度の批判が高まるのも,制度設計の段階から指摘されていた問題ばかりですし,

◆法曹人口激増による弊害問題も,当初から問題にされていたことが現実化しただけのことですし,

◆ロースクールの危機も,当初の乱立状況から,誰でも予想できたことですし,

どの分野の問題も,はじめからプログラミングされていたバグが露見しただけのことだと思うのです。


 ただ,ここで,私は世相の暗さを指摘したいのではありません。

 ポイントは,これらを掘り起こして問題視したのが,市民,消費者,大衆,国民であるということです。

 食品安全問題は消費者,後期高齢者は国民,雇用問題は労働者,経済問題は大衆,政治問題は世論,裁判員問題も世論が,それぞれ問題に気付いて,今年の顛末に結びついたと思うのです。

 民主主義の第一歩は,問題を主体的に考えることにあります。

 今年の問題の火種や原因は,ほぼ全て,民主主義が機能不全に陥っている間に,制度設計をお上にお任せっきりにして,国民・消費者が不在の状況の中で作られたものばかりです。

 国民が,主体的に考えて取り組めば,おそらく起こり得なかったともいえるでしょう。

 そういう意味で,民主主義の実践のための教材を多く与えてくれた一年であったともいえるでしょう。


 このように『露』(あらわ)になった問題に,市民・消費者・国民自らが立ち向かって,克服していくのが次年度の課題です。

 『変』(かえていく)は,翌年の,わたしたち自身のテーマだと思います。

(この記事は,何か年末の総括をすべきではないか,とのリクエストコメントを受けて,2009年1月6日に書いたものです。)
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 12月9日の読売新聞の阪神版の連載シリーズ
   「聞き書き・被災地へ」
の第149回目に取り上げていただきました。

 記事は後に引用するとおりです。

 災害復興に関する取材は全て大歓迎で,積極的に協力していますが,今回,これほどストレートに書いていただいたのは,正直,ありがたい次第です。

 私が,一番最初に新聞に出たのが震災後1~2年後ぐらいだったか,震災時の司法研修所のことを書いたのが取り上げられたときでしたが,あのときも読売新聞でした。
 なんか縁があるのかも知れませんね。

 今回,私が「お~っ!」と思ったのは,記事の副題です。
 なんと,
   「災害復興、王道は憲法実践
   「人権尊重や地方自治重要」
とデカデカと載せてくれているではありませんか。
 私が,言いたいことを的確に表現してくれているのはもとより,普段,改憲論に関しては読売新聞さんに怒られそうなことばっかり言っているのにもかかわらず,「王道は憲法実践」というところをドーンと打ち出してくれました。

 なんとも,ありがとうございます,です。
 しばらく前から「法曹人口」が少ない,とよく言われています。
  (「法曹」=判事,検事,弁護士の三者の呼称です。)

 しかし,弁護士の数が足らないというよりも,
 私に言わせれば,裁判官や検察官の数が足らないことが,まず問題です。

 次の表は,今週末の兵庫県弁護士会の市民シンポで発表される図のひとつです。
housoujinnkou.jpg

 そうそう,ご案内を忘れてはいけません。
12月6日(土)午後1時30分から4時まで
兵庫県弁護士会において,
「法曹人口について語り合う」市民シンポジウム
を開催します。

 当日は,この「法曹人口の推移」のほか,たいへん盛りだくさんのデータや,分かりやすい事例を紹介しながら,市民生活にかかわる法曹人口に関する諸問題を衝撃的にレポートする予定ですので,乞うご期待です!


 さて,このグラフから一見して明らかなように,裁判官や検察官はほとんど増えていません。

 一般の方々はご存知かどうか分かりませんが,実際,裁判官といっても,全てが「判事」なのではありません。

 司法試験をパスしないでもなれる「簡裁判事」とか,
 経験10年未満の「特例判事補」といった,
 裁判官不足を補うためのピンチヒッター的な裁判官が大勢います。

 深刻な法曹人口不足で悩んでいた時代に編み出された埋め合わせ人材配置策が,現在も何ら変わりなく通用しているのです。

 検察官も同じように,全てが「検事」なのではなく,
 司法試験を通っていない「副検事」がたくさんいます。
 私の地元の尼崎の検察庁などでは,捜査に当たっている検察官は,「検事」よりも「副検事」の方が多いくらいです。


 法曹人口を増やすなら,特別扱いの職種(「簡判」「特例」「副検事」)を漸減して,増えた新法曹を充てるべきでしょう。
(たとえば,特例判事補をもって簡裁判事に当てるとか・・・)

 そのような,増えた法曹人をどこに充てるのかという具体的コンセプトもなしにむやみに激増させたら,いびつな法曹構成が助長されるばかりです。


 この点に関しては,京都弁護士会が,平成14年に「簡裁判事・副検事経験者に「準」弁護士資格を付与することに反対する決議」というのを出しています。
 テーマはちょっと違いますが,切り口は同じで,参考になるので,ご紹介しておきます。
 引き続き,兵庫県弁護士会が開催する

「法曹人口について語り合う」市民シンポジウム
    (12月6日(土)午後1時30分から4時まで)
    (場所;兵庫県弁護士会 → こちらをどうぞ


の案内です(もちろん無料!です。)


 今回の市民シンポは,今年度に新設された兵庫県弁護士会の「法曹人口問題プロジェクトチーム」の取り組みの集大成ともいうべきもので,
おそらく市民の目から見ますと,
  「へぇ~,そうなんだぁ」 
  「知らんかったわぁ~」
  「えらいこっちゃなぁ~」

という感想を連発してしまうのではないかと思います。

 今回のシンポに寄せて,地元の国会議員さん(民主党の辻泰弘参議院議員)が,PTメンバーたちの取り組みの結果を検討し,
 平成20年11月21日に内閣に質問主意書を提出し,
 この12月2日に政府の答弁書が届いた,
というところです。
 その内容も,このシンポで明らかとなる予定です。

 当日,配布されるパンフレットも,PTの中心メンバーでこの問題について全国的に活動している武本夕香子弁護士さんの力作で,面白くて目からウロコの内容です。

 パンフレットのほんのさわりの部分だけ紹介しておきましょう。
~「法曹人口」って何?~

法子さん:「法曹人口がもの凄く増えているらしいわよ。」

曹介君: 「ホウソウ?!マスコミの数のこと?何?それ」

法子さん:「あまりちゃんと定義されていないようだけど、裁判官・弁護士・検察官といった司法試験を合格した人達のことを普通指すらしいわよ。」


~ 「日本の裁判は長い?」~

曹介君: 「へえー。でも、それって、いいことじゃないか。日本の裁判は、時間がかかるって言うし。」

法子さん:「それが、裁判官や検察官の数はほとんど増えていないらしいの。」

housoujinnkou3.jpg曹介君: 「弁護士さんだけが増えても、裁判は短くならないんじゃないかな。」

法子さん:「そうよね。弁護士さんだけが増えて、これまで以上に裁判を起こしても、裁判官や検察官が増えないんじゃ、逆に事件が溜まっちゃって、裁判に余計に時間がかかるようになるわよね。それにそもそも日本の裁判って、外国と比べて短いらしいわよ。」

曹介君: 「うそだー。新聞やなんかには、『日本の裁判は長い。』っていつも書かれているよ。」

法子さん:「でもね。裁判って、民事事件と刑事事件に分かれているのだけど、民事事件の場合、日本の裁判は、アメリカの約半分以下、イギリスの4分の1以下の時間しかかかっていないそうよ。刑事事件をアメリカと比較すると、3分の1程度、ドイツの約半分の時間しかかかっていないそうなの 。」

曹介君: 「へえー。そうなんだ。有名な事件では、10数年かかったって、新聞報道がされてるけど、そんな事件も入れても外国に比べて短いんだ。意外だったな。」・・・・つづく


 全てを知りたいアナタ! 当日,どうぞ是非とも会場へ!
 今週末,12月6日,午後1時30分から4時まで,兵庫県弁護士会で
「法曹人口について語り合う」市民シンポジウム
を開催します。
bengosikaitizu.jpg

  『法曹人口』っていうと,要するに弁護士や裁判官・検察官の人数のことです。

 「少ないんだから増えればいいじゃん」という意見もごもっともです。
 しかし,増え方が問題です。
 ドバーッと激増した場合,困った問題が起きます。
 (実際,今,いろんな問題が起きています。)

 そのしわ寄せを受けるのは,
    ほかでもなく「市民」である
というところを知っていただくところにポイントがあります。

 兵庫県弁護士会の今年度の一大企画です。

 是非,お越し下さい。

 以下は広報チラシです。
「法曹人口について語り合う」市民シンポジウム

 現在、政府の方針によって、弁護士などの司法試験合格者が急激に増えています。
 これが法的なサービスが充実していくことに繋がれば良いのですが、増え方が急激すぎて、様々な弊害が生まれつつあります。

 例えば、新人弁護士が法律事務所に就職できなくなってきたり、また、それによって先輩弁護士から十分な指導を得るチャンスがなくなったりして、一人前の弁護士としての技量を身につけることが難しくなっていることなど、これから先市民の皆さんに対する弁護士のサービスの質が落ちてゆく恐れすらあります。

 兵庫県弁護士会は、今年7月に、政府等に対して、司法試験合格者を急激に増やす方針について一旦ここで立ち止まって検討しなおすことを求める緊急声明を出しました。

 このたび、真に市民の皆さんの役に立つ活動を弁護士がやっていくために、毎年新しく法律家になる数、つまり司法試験合格者をどれくらいの数にしていくべきか、市民の皆さんとともに考えてゆく集会を企画しました。


第1部  基調報告
    「法曹人口が急激に増えていることとそれを取り巻く現在の状況」
        兵庫県弁護士会法曹人口問題プロジェクトチーム 
                      弁護士  武本夕香子

第2部  法曹人口リレートーク
 マスコミ、学者、市民それぞれの代表の方から、
     弁護士に求める在り方や活動内容や、法曹人口が急増していること
     に対する意見を述べていただく予定です。

第3部  会場発言
      出席していただいた皆さんから、ご意見をいただきます。

日 時   平成20年12月6日(土)
          午後1時30分から4時まで

場 所 兵庫県弁護士会館 本館4階講堂
     
お問い合せ先:078-341-7061

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