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 昨日から,アメリカ合衆国のワシントンD.C.に来ている。

 日弁連の若手法曹サポートセンターに「夢構想プロジェクトチーム」というのがあって,そこが,
   FEMA(アメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁 Federal Emergency Management Agency of the United States)
を視察に行くということだったので,災害復興支援委の一人として参加することになったものだ。

 FEMA(「フィーマ」と読む)は,
   ◆阪神淡路大震災当時は,世界中の災害対応のお手本
だったということもあるが,
   ◆ハリケーンカトリーナでは,災害対応失敗の反面教師
としても有名だ。

 それから,FEMAが対象とする緊急事態は,
    自然災害の被害
だけではなくて,
    核危機による国家的危機
も想定しているので,東日本大震災における原発事故の対応のヒントも得られるのではないか,という期待もある。

 FEMA訪問は明日であり,FEMAがお手本だった時代のWitt長官の事務所に行くのも明日なので,具体的な内容は,訪問後にまとめることとする。

 なお,FEMAを紹介する情報源はたくさんあるが,お勧めの一つは,
   参議院憲法調査会 の2001年1月9日の訪問記録
   http://www.sangiin.go.jp/japanese/kenpou/us/us_chosa07.htm

である。
 なんと,憲法調査会が,アメリカ合衆国における憲法事情を調査するために,FEMAに行くというところがなかなか良い目の付けどころではないか。

 特に,応対をしたWitt長官は,
 「我々の最も大事な目的は国民のためにサービスを提供する。そういう理念の下に災害の管理の取組をしている」
と言いきっている。
 「国民のために災害対策をする」のは,当たり前のことのように聞こえるけれども,なかなか言えるものではない。

(・・・・だって,我が国の復興構想会議は,「日本経済のために,新規産業を盛り立てる」のが,災害復興だと言っているのだから。悲しいことだ・・・。)

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 東日本大震災復興構想会議(設置根拠;東日本大震災復興基本法第18条,座長;五百旗頭真)は,全12回の審議を経た上で,平成23年6月25日,審議結果を取りまとめた「復興への提言~悲惨の中の希望~」を公表した(以下「本提言」という。)。

 本提言は,言うまでもなく東日本大震災の復興方針を示した基幹的な公的指針である。
 したがって,今後,国の復興施策この指針を無視するわけにはいかないし,各被災地自治体等で策定される復興計画等に少なからぬ影響を与えることとなるだろう。

 したがって,本提言の意味するところを的確に把握し,評価できる点については更なる議論の深化を促し,他方,問題点については見過ごすことなく批判し改善を求めていく必要がある。


 ざっと概観してみると,かねて議論されてきた災害復興に関する知見や教訓を広く取り入れ,幅広い分野にわたって様々な施策を提示していると言える。
 阪神淡路大震災の後の無味乾燥で中身の薄かった国の復興方針と比べると,進歩した点も見られる。

 たとえば,①自然災害を防災で封じるには限界があり減災を志向すべきことは賢明な選択である。
 ②復興事業は,国主導ではなく,市町村が主となって行うべきものであることも,当然のこととは言え,明言したことには意味がある。
 ③また,既存の復興関係事業の改良や,新たな法的な仕組みの整備を示唆している点も,既存の法制度の枠内に無理に押し込めてきた,これまでの事業のやり方からの解放を期待させるものがある。
 ④財源問題について,基幹税増税に踏み込んで論及したことも,今後予想される大災害への対応に先鞭をつけるものといえる。
 ⑤提言書の各所に,人々のつながり,地域包括ケア,新しい公共,文化といった言葉も登場しており,こうした本提言中のキーワードに接すると,この十数年間の復興研究の進展を感じることができる。

 こうした点は評価できるものの,直ちに実現できるものではなく,今後の取り組みの中ではじめて生かされるものばかりである。さらに深め,進め,展開していく必要がある。


 一方,批判すべき点は多数にのぼる。
 一読しただけでは気付かなかった問題点も,2度,3度と読み進めるごとに,問題点が浮き上がってくる。
 もともと,災害復興の問題は,多岐にわたって複雑な上,社会観や価値観の相違に収斂される点もある。
 しかし,それをさて置いても,見過ごせない問題が多いのである。

 言いだすと切りがないが,私は,人権の擁護と社会正義の実現を使命とする弁護士の職にあるので,こうした立場から問題点を整理してみる。


(1) まず,中身について言及する以前の問題がある。

 ひとつ目は,構想会議本体にも,検討部会にも,被災者の立場を代表する者が入っていないということである。
 岩手,宮城,福島の各県知事は被災地の代表ではあっても,被災者の立場を必ずしも代弁するものではない。

 2つ目は,市民代表をオミットするときには諮問機関として専門性を重視したと説明されることが多いが,委員らの中に著名人は多いが,災害復興の専門家は少ない。
 私の知る限り,少なくとも多くの災害現場を知る専門家の名はわずかである。
 肩書を並べてみると,各分野の利益代表を揃えたようにしか見えず,これで専門性を重視したと言えるのか。

 3つ目は,審議の進め方である。まず被災地の現場から始めるべきではなかったか。
 まず東京での会議が先行し,ヒアリングした関係者は経済三団体であり,現地視察はその後である。
 そこで初めて被災者の生の声に接したに過ぎない。
 しかも,現地視察を終えた僅か3日後に「復興構想7原則」を決定している。
 これでは被災者の声を十分に汲み取り,咀嚼した上で出された原則かどうか疑わしく,単なるポーズとの誹りも免れないだろう。


(2) 本提言の最大の問題は,「人間の復興」の視点が欠けているということである。

 災害復興で最も重要なのは,絶望の淵に立つ被災者に少しでも希望を与えることであり,これを言い換えれば,危機に瀕した被災者の人権を回復することである。
 ところが,本提言は「被災者」についてほとんど触れられていない。
 言及されている部分も「客体」として挙げられるに過ぎず,「主体」として位置付けられていない。
 驚くことに,「人権」という言葉については,記載さえない。
 一人ひとりの人間を尊重すべきことは国政において最も重要であり(憲法第13条),生存の危機を救うことが国家の責務である(同第25条)。しかるに,これを欠落しているのは決定的問題である。

 本提言が被災者の目線で検討されていないことを示している。
 被災地を上から眺めるような目線で貫かれているのである。

 岩手県が公表した「岩手県東日本大震災津波復興基本計画案」(平成23年6月現在はパブリックコメント募集中である。)では,冒頭に掲げた復興のめざす姿の中で「被災者一人ひとりに寄り添う人間本位の復興を実現する」と言及している。
 どうして,本提言は,こうした人間的な目線が欠けてしまったのだろうか。


(3) 本提言には,暮らしやなりわいについて,一人ひとりの被災者を支援しようという視点が欠けている。

 本提言は,国の経済社会の可能性や新たな産業価値を重視する傾向が目立つ。
 こうした姿勢を推し進めると,従来の零細中小事業者の切り捨てにもつながりかねない。

 本提言は,農業についえては集約化や低コスト化や高付加価値化を強調している。
 かねて受け継がれてきたやり方は,集約の対象とされる危険がある。水産業については,特区化が提案されている。
 既に,宮城県では,特区を提唱した県知事と,地元漁業組合が,激しい衝突を起こしている。
 誰のための復興なのかが問われている。
 企業活動についても,立地促進やイノベーションが強調され,被災地外資本の招来を期待しているようにも見える。
 まず地元企業の再建が優先されるべきではないか。

 本提言は,「日本経済」という,被災地と直接かかわりのない大きな課題を目標に据えている。
 しかし,災害の復興を語るならば,日本経済の再生の前に,まず被災地の経済復興である。
 被災地経済は,被災者の生活再建,被災事業者の事業再建があってこそ存在する。
 被災前から連綿と続いてきた被災者一人ひとりの生活や生業の再生こそ重視されるべきであり,これをおろそかにして,日本経済再生を語るべきではない。

 また,被災債務の問題(いわゆる二重債務問題)は,中小企業支援の項で触れられている。
 二重債務問題は,個人の悩みであり,農漁業者の抱える難題であり,中小企業者だけの問題ではない。
 ここで語られているのは,二重債務問題を,新規融資の問題と捉えているからである。
 新たな資金調達や産業再生の観点を強調すると,再生可能性のない者は切り捨てられる。
 過酷な被災状況にある者ほど救われない,というスキームは不合理ではないか。
 個人や零細事業者がマイナスではなくゼロからスタートできるようにすることを基本とすべきである。


(4) また,本提言は,原子力災害からの復興についても,被災者,避難者の視点が欠けている。

 本提言は,原発事故の原因究明等の徹底検証の目的は「国際的信認」のためとしている。
 これは明らかな誤りである。
 原発事故の原因究明は,多大な被害をこうむった原発地域の住民を中心に,数多くの原発を抱えてしまった我が国の国民全体に対する説明責任を果たすために徹底されるべきことである。
 住民や国民への責務を果たすことなくして国際的信認などあり得ない。

 また,被災者への支援については,迅速・公平・適切な賠償に言及するにとどまるが,複合的被害を受けた被災者,避難者には,賠償にとどまらない手厚い支援が不可欠であり,こうした支援がなければ復興を構想することさえできない。

(5) その他にも,批判すべき点は多々ある。

 たとえば,冒頭に掲げた復興構想のうち,最初に掲げている原則1は誰のための原則であろうか。
 「いのち」の重要性は確かに大事だが,生き残って復興に直面する被災者の支援こそ,第一に掲げられるべきで,モニュメントや学術関係者の分析,次世代・国内外への発信は,優先順位は劣位であるはずだ。
 これを最優先に掲げたところに,本提言が,被災者の視線ではなく,自分たちの視線で貫かれていることを示している。

 他にもあるので,また時間をおいて,あらためて追記したいと思うが,今後,国及び各地方公共団体等において具体的な施策を構築するにあたっては,個々の権利関係の尊重と,被災者の生活支援の視点を忘れず,これらを実現する方向で検討されることを願う。

以上
 昨日,東日本大震災復興構想会議の提言が公表された。
 タイトルは
   『復興への提言~悲惨のなかの希望~』

本文はこちら引用図表はこちら資料はこちらにある。

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 議論は紆余曲折があったし,スタートの時点ではヘンテコな方向を向いていたときもあり,批判の目が向けられることも多かった。
 私も,構想会議にも検討部会にも,被災者が一人もメンバーに入っていないことに不安を持っていたし,
 『復興構想7原則』を公表した時点で,”正直これは期待できないな”と見限っていたが,
 最終の報告書を見て,素直に“まぁまぁよいものがまとまった”という感想を持つことができた。

 新聞では,増税のことばかりが大きく取り沙汰されているが(=私は基幹税の増税に賛成。消費税増税が見送られてよかったと思う。),目を向けるべきポイントはいっぱいある。
 
 これまで復興学会などで検討してきた成果を取り上げている部分は,評価したい。

  ◇「減災」を基本としているところは現実的だ。

  ◇「人と人のつながり(絆)」を大切にしているところは,正しいことだ。

  ◇「いのち」を冒頭に持ってきていることも,うなずける。

  ◇復興の主体は(国や県ではなく)市町村であるとしたのは,そのとおりだ。

  ◇「復興交付金」や「基金」を必要としたのは,これまでの知恵の集積。

  ◇「特区」や「復興法制の恒久化」は,念願だったこと。

  ◇具体的な復興手法を列挙した点もよい。是非,さらに深化,具体化してほしい。

  ◇原子力災害に対して,特別の配慮と別途協議の場を設けるとしたことも,正しい。

  ◇合意形成につき,弁護士などの専門家の関与を考えているのも,よいことだ。

「被災地の再生のためには、人と人を「つなぐ」専門知識や技能を持つ人材が望まれる。(中略)地域づくりに必要な知識と技術を広範に手にするため、まちづくりプランナー、建築家、法律家、そして行政官などを導き入れる仕組みも作られねばなるまい。」(4頁)
「住民主体の地域づくりを支援するためには、まちづくりプランナー、建築家、大学研究者、弁護士などの専門家(アドバイザー)の役割が重要である。国内外のこうした専門家の力を活用するためには、関係学会からの支援も受け、ネットワーク組織を作ることが重要である。 」(11頁)



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 しかし,批判しておかなければならない点もある。

 ◆まず,文中に被災者がほとんど登場しない。
  登場する部分を見ても,「客体」として扱われているに過ぎず,「主体」ではない。
  被災者の,個人としての存在を尊重していないのだ。
  「人間復興」を目指すものとはいえない。

 ◆そこから来る当然の帰結なのだが,この提言は全体として,被災者目線ではなく,全体を上から見るという視点で書かれている。


 ◆弁護士的に言えば,「人権保障」という観点で記述されていない。
  文中には「人権」という言葉は,一つも出てこない。

 ◆こうしたトーンであるから,いわゆる二重債務の問題も矮小化されている。
  二重債務の問題は,「中小企業」の項で語られるに過ぎず,債務を抱えた個人たる被災者の救済という観点からは書かれていない。

 ◆復興の仕組み・制度づくりについては言及がある。
  しかし,被災者救助,生活再建支援は,それぞれ復興と不可分の関係にある前提であるのに,しかも,今回の災害では,救助や,生活再建支援について,大いに反省すべき運用状態であるにもかかわらず,その制度改善には全く言及されていない。

 ◆復興制度の中でも,権利関係については,具体的なことが何も書かれていない。
  権利関係を簡易に,かつ,的確に調整する手続きが用意されていないが,その仕組みづくりが必要だと言うべきではなかったか。


 ◆財源確保についても,もう一歩踏み込んでほしかった。
  財源問題は,災害のたびに問題となる。今後の自然災害でも最大の課題となることは自明であるのに,そ
の点の考慮を回避している。

 ◆原発事故の原因究明等を徹底すると書いてあるが,何のためかというと「国際的信認を得るため」とある。
  それは違う。原発で迷惑をかけた住民や,原発に危機を感じた国民の信認を得るのが先である。

 ◆復興構想7原則のうち,冒頭に掲げられた「原則1」は,目の前にいる被災者のことを掲げるべきだ。
  宗教的なもの,精神的なもの,造形的なもの,学術・科学,国内外への発信といった,第三者から見た他人事モードのことばかり並べられている。
  それらは,大事なことだが,冒頭で述べることではないだろう。
  まず最初に述べることは,復興の主役となるべき被災者たちの「人間の復興」であるはずだ。


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日弁連が,ツイッターを始めました。

twitter-nichiben.jpg


 こちらから→http://twitter.com/#!/JFBAsaigai

 災害に関する情報をお届けするのですが,
 主として,立法提言や,政策意見など,日弁連としての動きを届けるものです。

 ネタはいくらでもあるのですが,それを発信する場がなかったのです。

 こうして,日弁連が新しい取り組みをするようになったのも,震災がきっかけです。

 せっかくですから活かしたいものです。
 ご利用ください。


 災害復興とそのミッション  qahisaisya1.jpg    iwanami2.jpg

 東日本大震災で,最大の反省点は何か。

 私は,失政や東電の問題などより,被災地ボランティアの圧倒的不足こそ,最大の問題と感じている。


 阪神淡路大震災の現場を知る者が,被災地に行って驚くのは,被災地にボランティアがあまりに少ないことだ。
 阪神淡路では3カ月時点で120万人弱のボランティアが現地入りした。
 平成7年は「ボランティア元年」とも呼ばれた。

 そうして生まれたボランティア・スピリッツの種が社会に撒かれ,芽が出て,つぼみが膨らみ,東日本大震災の被災地で花ひらくはずだったのに…。

 東日本大震災で現地入りしたボランティアは,わずか42万人(約3分の1)ということだ。

 阪神淡路大震災と比べるまでもなく,被災地は広く,犠牲者は多く,被害の質も深刻だ。
 行政は機能が低下し,被災者の相互共助だけで限界があるのは明らかだ。

 しかし,何かがボランティアを阻んでいる。

 おそらく様々な原因があるだろう。
 「ボランティアは足りている」とか「迷惑だ」等という声もよく聞く。
 ただ,これは被災者の声ではなく,取りまとめる為政者の声であって,風評被害と言ってもよい。


 むしろ,最大の原因は,私たちひとり一人の意識の問題だと思う。

 「人民の人民による人民のための政治」とは民主主義の核心を示す言葉だ。

 民主主義というと難しくなるが,簡単に言えば「みんなで創る社会」のこと,国民主権とは「ひとり一人が主人公となる社会」のことだ。

 被災地に置き換えれば「一人ひとりの被災者が主人公となる社会をみんなで創る」ということである。

 そのためには,ボランティアは絶対に必要なのだ。

 いわば「人民の人民による人民のための活動」がボランティアなのだから



 今からでもまだ間に合う。

 私たちは,基本に立ち返って,ボランティア活動に注力すべきだ。


 第1に,現地に行って活動することの意義を,もう一度,大きく叫び合うこと。社会全体が「新・ボランティア元年」となるよう意識を持ち直すことだ。

 第2に,被災地はもっと「人民の力」を求める声をあげること。官の力を頼る社会は民主的国家ではない。

 第3に,「人よりお金」という考えは政府や行政の発想。民間人は,間違った認識を「お金より人」と改めるべきだ。

 第4に,教育,大学,民間企業,行政は,こぞってボランティア活動を支援する仕組みを本気で構築すること。

 第5に,ボランティアに対しルールや規範を強調しないこと。村井雅清さんの「不良ボランティア論」の真髄は「何でもあり」にある。



2loan-2.jpg 

※被災債務からの解放



 署名活動にご協力を!



 目標10万人!




 阪神淡路大震災で乗り越えられなかった大きな課題は
   「二重ローン」
の問題でした。


 一方,最大の成果は「被災者生活再建支援法」ですが,実現できたのは,
   「2400万人の署名」
があったからでした。


 東日本大震災では,「二重ローン」というよりも,被災した「既存債務」があまりにも「過重」で,あのような状態では「再生」もままならない「苦境」が現実ですので,
   「過重と苦境が二重」
になっているところが,問題です。


 そうした中,仙台弁護士会が立ち上がりまして,
   「署名活動」
を展開することになりました。

 めざすは10万人!!


全国各地で頑張ろう!!! オー!!

ここに署名用紙があります。
 http://www.ancl.biz/pdf/2loan-syomei.pdf
じゃんじゃん集めて,仙台弁護士会に郵送しましょう!!


2loan-2.jpg   2loan-1.jpg

 オルタナ・オンラインというWebニュースがある。

 先日,日弁連で,復興基本法に「人間復興」の視点を入れるべきだという意見書を出したところ,オルタナ誌の記者さんが目をつけてくれて,記事になった。
 末尾に引用させていただいた。

 言いたいことは,
   日本復興学会の「被災者が主人公となる復興基本法を 」
にも同じように書いたし,
   日弁連の「東日本大震災復興の基本方針及び組織に関する法律案に対する意見書」
にも書いた。


 どうして,我が国の政治は,こんなに話が進まないのか?

 その一つの原因は「理念」が共有されていないから。
 「理念」とは,めざすべき方向である。
 ひまわりが太陽を向いて咲くように,政治は理念に向けて動くべきものだ。
 向いている方向がバラバラなのだから,進まないのも道理である。
 
 復興構想会議のサロン的な議論をみるたびに,理念が軽視されているように感じる。

 現実を見据えればこそ,理念の重要性が浮上する。
 扇の要は,枝葉末節の議論ではなく,骨太の理念のはずだ。

オルタナ・オンライン http://www.alterna.co.jp/5847より

復興基本法に人間復興の理念を 日弁連

 6月7日、復興基本法案(正式名称:東日本大震災復興の基本方針及び組織に関する法律案)の早期成立が明らかとなった。民主、自民、公明3党の衆院特別委員会の理事らが法案の修正協議を行い、政府が提出中の法案を取り下げ、復興庁の設立などの修正案に合意したからだ。来週中にも参院通過成立が見込まれる。しかし、検討内容は十分なのか。

■ 阪神淡路大震災の経験を踏まえた、被災者主体の復興を

 5月20日、政府の法案に対し、日本弁護士連合会が意見書を提出している。被災者の人権と自律的な意思決定の尊重、原発災害の特質を踏まえた調査審議の自主性・独立性の確保や、復興会議などの人選を透明化することも求める内容だ。

 「方針よりも理念が先に示されるべき」と兵庫県の津久井進弁護士は、同法案の根本的な問題点を指摘する。法律家として自身も1995年に震災を体験し、現在は阪神・淡路まちづくり支援機構事務局長を務める。その経験から、第一に「人間の復興」を尊重する大切さを説く。「生活の復興と被災者が自己決定できることが重要だ」。

 また、同案は「先導的施策」を掲げるが、人口減少時代のむやみな大規模事業に津久井氏は警鐘を鳴らす。阪神淡路の復興では、国の補助金を求めて大きな施設をつくったが、建設に関して賛成・反対の住民対立を生んだ。現在、その多くは空洞化したり、赤字問題を抱えたりしているそうだ。一方で、住民主体で復興を遂げた町は、今も比較的うまくいっているそうだ。

■ 透明性ある組織づくりと情報公開を

 津久井氏は、原子力災害に対する組織的な問題点も指摘する。衆院への提出案は「識者による調査審議を行う合議制の機関は、災害復興構想会議の審議結果を踏まえる」としているが、「専門家による調査機関が災害復興構想会議から独立することが必要。事故の経過を見てもそれは明らかだ」という。

 こうした指摘は、修正法案に反映されているのか、その審議経過は国民には見えにくい。分かりやすい情報公開が望まれる。(オルタナ編集部=有岡三恵)

 東日本大震災では,いろんな人が,いろんな立場で,がんばっている。
 私たちの暮らす法曹界でも,「法曹の卵」,司法修習生もがんばっている。

 この前,東北の地をい巡回したときに一緒に同行した修習生が,今,記録集をまとめてくれている。

 東京では,被災者に役立つ情報を冊子にまとめる作業をコツコツとやってくれている。

 まさに「裏方から始まる法律家の実務」だ。
 がんばってほしい。

 自分自身を重ね合わせて,最大限のエールを込めて,修習生のみなさんに向けて,私の平成9年当時に書いた会報の原稿を掲載しておく。


震災非体験者の体験記(平成9年神戸弁護士会会報震災特集号に掲載)

1 その時
 その時,私は,司注研修所の寮の最上階の7階の部屋で,二回試験を目前に控え勉強をしていた。
震源から遠い埼王県和光市では何も感じなかった。
 2~3分後,同期の友人から連絡があった。「つくちやん,さっき関西の方でえらい大きな地震があったらしいで。」「珍しいな。どの辺かな。」「ラジオでは神戸が震源やって言うてるよ。」驚いてラジオのスイッチをオンにした。
 「1月17日未明,淡路島北部を震源とする大地震が発生しました。神戸市東須磨のマンンョンが倒壊したという情報が入っています。新しい情報が入り次第続報いたします。」ラジオは同文句のアナウンスを延々と繰り返すばかりだった。「私は,須暦区の実家と尼崎市の婚約者に電話を入れた。電話器の向う側で,興奮している有様が手に取るように分かる。幸いにして,家族らは全員無事で,家も潰れていないとのことだったので簡略に用心を伝えて電話器を置いた。
 寮の修習生はほとんど寝ている。この事態を何も知らないはずてある。私は神戸,大阪に住まいのある寮生に片っ端から連絡を入れた。
 続いて阪神間に住む知人,友人等の安否が心配になり,次々 に電話を架けた,しかし,もう混線してしまってつながらない。
 午前7時を回りテレビニュースが始まった。ブラウン管を通して初めて被災状況を目にした。映し出される画像は阪紳高速道路の倒壊の様子,伊丹駅の倒壊の様子,各所の家々の倒壊の様子等々だった。
ラジオの報道からは想像もつかなかった惨状である。住み潰れた神戸の街が変わり果てたのを見て一時呆然となったが,すぐに途方に暮れた当地の人々の顔が思い浮かんだ。私は,「一人の神戸人として駆けつけ,何かしなければならない。」という思いに駆られたが,同時に,何もでさない自分の無力さを思い知った。仕方なく,ただただ画面に食い人るばかりだった。
 昨日,兵庫県弁護士会で,弁政連兵庫県支部が主催する,地元国会議員の方々との意見交換会が開かれました。

 本来は役員披露パーティーのところ,こんなときにそんなことやってる場合じゃない,ということで復興を議論する会に切り替えたところ,多数の国会議員の先生方に出席いただきました。

 本人出席いただいた方々は,敬称略・順不同で,
  土肥隆一,高橋昭一,浜本宏,辻泰弘,水岡俊一(民主党),末松信介,谷公一,西村康稔(自民党),赤松正雄(公明党),田中康夫(新党日本)
 と多数お集まりいただき,ほかにも代理出席いただきました。


 弁護士会からは,こもごも提言などを紹介しました。
 私からは,
  ■兵庫県だからこそやるべきことがある
  ■いわゆる二重ローン(被災債務)から解放すべし
  ■災害弱者への対応
  ■被災した事業者への新しい支援方法
  ■罹災都市借地借家臨時処理法を改正しないまま適用しない
  ■災害弔慰金法の改正
  ■復興交付金と,復興基金の創設を
ということを訴えました。
 他の弁護士からも,いろいろ提言して・・・・ホントにたくさんあって,もぅ満腹って感じでした。


 しかし,ありがたいなと思ったのは,やはり兵庫選出の議員さんたちは,真剣だということ。
 (一昨日来の,永田町の噴飯珍事など,どこ吹く風という感じでした)
 復興を実現をするために,真剣に頑張っておられることがよく伝わってきました。

 雲仙普賢岳の災害の時も,
 阪神淡路大震災の時も,
 結局,重要な政策を実行させたのは,超党派の議員連盟の力が大きかったです。

 是非,兵庫を中心に,被災地の議員の良心を結集して,ふんばっていただきたいと思いました。


神戸新聞記事より
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0004138845.shtml

被災地復興へ 兵庫県弁護士会と国会議員ら議論 

 兵庫県弁護士会と県関係国会議員が、東日本大震災の復興支援策について話し合う意見交換会が4日、神戸市中央区の兵庫県弁護士会館で開かれた。
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 県弁護士会は、震災直後から政府や各政党に対し、被災者生活再建支援法の拡充などを盛り込んだ立法提言を行っており、同会が企画した。

 交換会には与野党から国会議員10人が出席。同会が提言する二重ローンの償還免除策などについて「財源はどうするのか」「復興格差が起こるのでは」などの意見が出た。一方、政府が検討する復興庁に対しては弁護士会側から「無駄な官庁を増やすだけ」との指摘があり、野党議員の1人は「今の首相の下ではどんな組織を作っても意味がない」と退陣時期などをめぐり混乱が続く菅政権を批判。これに対し、民主党議員は「今は非常事態。超党派で乗り越えていく必要がある」と強調した。(前川茂之)

 災害復興のミッションは,被災者の絶望を少しでも希望に変えることである

 被害の大きさからすればわずかな金額ではあるが,100万円の生活再建支援金を,一刻も早く支給するべきである。

 被災地では,全壊,半壊といった被害認定(「り災証明書」の発行)をめぐって,事務が停滞しているということだ。

 しかし,生活支援金を手元に届ける簡単な方法がある。

 避難所に来ている方々につき「長期避難世帯」の認定をすればよいのである。

 そうすれば,り災証明書なんていらない。
 住民票だけで,100万円が支給される。


 長期避難世帯の認定は,県知事が行うことになっている。
 特に厳格な適用基準などはない。
 県知事が「やるぞ!」と決めたら,それで認定可能なのである。
 それで被災者は救われるのである。

 これまで,長期避難世帯の認定は,
 初適用の有珠山噴火(平成12年3月31日)で119日目
 三宅島噴火で90日目
 新潟中越地震で66日目
 と,だんだん短くなってきて,
 愛媛県の平成16年の台風被害では,5日目
で認定された例さえもある。


 要するに,「被災者を救おう」というやる気の問題なのである。


 津波被害地域はもちろん,
 福島の原発避難を強いられている地域の方々も,
 当然,長期避難世帯の対象になることは,誰の目から見ても明らかだ。

 ところが,どういうわけか,東日本大震災の被災地では,ごく一部の地域でしか長期避難世帯の認定がなされていない。
 理由は不明である。

 ちなみに,国は,災害から1カ月目の4月12日は,後掲のとおり,
「どーぞ,長期避難世帯の認定をしてやってください。適用は,難しく考えずに,弾力的に考えていいから,早くしてあげてね!」
とメッセージを出している。

 県知事が,認定を躊躇する理由がさっぱり分からない。


 せっかく,被災者のために構築した制度である。
 ぜひ,役に立つように,タイミング良く,使ってほしい。



神戸新聞5月27日記事より
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0004108243.shtml

原発避難世帯にも支援法適用を 県弁護士会が提言 

 東日本大震災を受けて、兵庫県弁護士会(笹野哲郎会長)は26日、被災者生活再建支援法の改正などを盛り込んだ政府への立法提言書を発表した。「自然災害」に限定されている支援法の対象を原発事故による避難世帯にも拡充すべきとした上で、被災者への早期の支援金支給を求めている。

 意見書では、支援法の対象になっていなかった半壊家屋や地盤の液状化による被害世帯、漁業や農業などの事業用資産に対しても支援金を支給すべきと提言。県知事の認可でできる「長期避難」(最大100万円支給)を認定し、すみやかに現金を支給するよう要望した。

 このほか、阪神・淡路大震災では「災害障害見舞金」を受け取った震災障害者が64人しかいなかったことを踏まえ、救済対象者の拡充や弔慰金の無利子化など、災害弔慰金支給法の改正についても触れている。

 県弁護士会の立法提言はこれで3回目。4月中旬から毎日、被災地に弁護士を派遣しており、津久井進弁護士は「被災地では刻々とニーズが変わっていく。阪神・淡路を経験した弁護士会として、今後も提言を続けていきたい」と話している。(前川茂之)



国(内閣府)が,4月12日に出した通知の抜粋です。
詳しくはこちら http://www.bousai.go.jp/hou/pdf/20110412-jimu.pdf

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                           平成23年4月12日


各都道府県
防災担当部(局)長 殿

                    内閣府政策統括官(防災担当)付
                    参事官(災害復旧・復興担当)

東日本大震災に係る被災者生活再建支援金の支給手続の迅速化等について

平成23年3月31日付事務連絡により、東日本大震災に係る住家被害認定の迅速化のための調査方法についてお示ししましたが、被災者生活再建支援金の支給手続の一層の迅速化について、下記のとおりお知らせいたします。
つきましては、貴県内の市町村にもお知らせいただき、被災者生活再建支援金の支給手続の迅速化が図られますよう、お願いいたします。

               記

1.長期避難世帯等の取扱いについて
沿岸部で大津波により地域・集落全体が壊滅的な被害を受け、社会的インフラが失われたような地域については、被災者生活再建支援法の「長期避難世帯」に該当しますが、その取扱いについて、別紙のとおりまとめましたので、長期避難世帯の認定に当たっては、必要に応じてご活用下さい。
 なお、別紙は、本事務連絡の発出以前に貴県において行われた被害認定を無効とするものではありません。また、長期避難世帯として取り扱う区域においても、同区域内に存する住家について必要な調査を行った上で、住家被害認定として全壊の判定をすることは可能です。

2.手続の迅速化のための体制の強化について
被災者が一日も早く被災者生活再建支援金の支給を受けられるようにするためには、市町村のみならず、各県の積極的な協力が不可欠であります。その趣旨を十分お汲み取りいただき、市町村の業務の進捗状況を適宜把握していただくとともに、以下のように体制の強化に取り組んでいただきますようお願いいたします。
 (中略)


(別紙)
1.津波浸水区域における長期避難世帯について

 東日本大震災による津波被害に関し、 震災発生時に以下の区域内 (町丁目・字単位)に居住していた世帯については、被災者生活再建支援法(平成 10 年法律第 66 号)第2 条第 2 項ハに規定する長期避難世帯として取り扱って差し支えないものとする。
なお、その場合は、被災者生活再建支援金の支給に関しては個別の世帯毎の調査は不要となる。

○ 津波による住宅浸水率が概ね 100%であることが航空写真又は衛星写真から確認でき、かつ津波により電気、水道、ガスのライフラインの一部又は全部が失われたことにより、居住することが著しく困難な状態が長期にわたり継続することが見込まれる区域

 なお、住宅浸水率が 100%に満たない場合であっても、津波により社会的インフラストラクチャーが失われ居住することが著しく困難な状態が長期にわたり継続することが見込まれる区域については、同様の取り扱いとすることも差支えない。
 また、それ以外の場合であっても、地震又は津波による被害に関し、個別の調査結果に基づき長期避難世帯として認定することも可能である。 (後略)
(別紙)

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