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昨日は、近弁連人権大会でした。
私は、
  教育は子どものニーズにどう応えるか
       ~不登校を通して見えるもの~

のシンポジウムに参加しました。

シンポには300人の参加があり、大盛況でした。
パネラーとして参加された、奈良教育大学助教授の小野昌彦さん(→ブログはこちら)と滋賀県総合教育センターの伊部加代さんが参加されました。
とても良い内容でした。

私は、小野昌彦さんのお話に特に感銘を受け、その実践の成果に驚きを感じました。
小野さんは、不登校問題の専門家であると共に、実践家です。
著書「不登校ゼロの達成」の表題のとおり、不登校の子どもの支援に携わって、100%の達成を果たしているとのことです。

 ◆その子の以前と今を比べて、成長している姿を浮き彫りにする
 ◆それを目に見える形にし、ほめてあげる
 ◆その子と他の子を比べてはいけない
 ◆その子の「不登校」という状況に対し、徹底して「個別に」対応する
 ◆大切なのは笑顔だ!

というコメントがあり、実践の中で得られたとても重要なポイントだと感じました。

伊部さんからは、不登校支援の手法として、PDCAを具体的にどんな風に進めているかという現場報告があり、不登校状況のアセスメントを「徹底して個別に行っている」実践をうかがいました。これまたとても参考になりました。

このシンポを受けて、
「子どもの教育を受ける権利及び成長発達権の保障の観点から不登校への取組を求める決議」
というのを発しました。

私は、シンポ終了後の大会の場で、この決議に対して「賛成討論」というのを担当し、5分ほど時間をもらってしゃべりました。
この私の賛成討論の原稿を、以下アップしておきます。

私は、この決議案に、全面的に賛成します。
 これまで不登校児と接したり寄り添ったりした経験の中で,もやもやしていたものがありましたが,この決議案を読んで,さぁーっと霧が晴れたような気持ちになりました。
 決議をまとめるまでの膨大な調査と,綿密な検討を進めて来られた委員の先生方の多大な努力に敬意を表するとともに,子どもの権利擁護に携わるひとりの弁護士として,心から感謝の思いを伝えたいと思います。

 私が賛成する最大の理由は,この決議案は,「ひとりひとりの子ども立場に立って考える」という視点で貫かれている,というところにあります。
 不登校の問題は,その原因や背景も含めて,ひとりひとりの子ども毎に違います。 当たり前のことだと思います。実際に,不登校の子どもに接して見れば,すぐ分かることです。
 しかし,実際には、抽象的に「不登校」という現象を取り上げて議論をしたり,子どもの思いに迫ろうとせずにやみくもに登校を求めたり,放置したりすることが多いです。これまでも自分自身の姿勢も含めて率直に反省すべき点です。
 この決議案には理由も含めて「個別ニーズ」という言葉が21箇所も出てきます。これはまさに、「ひとりひとりの立場を尊重する」ということだ。そこに真の解決の道標があると感じました。

 私は,不登校に陥った子どもの事件を担当し,学校等に対して訴訟を行った経験があります。その子のケースでは,不登校の原因は,ある人権侵害にありました。その子どもとは,約4年にわたって付き合い,寄り添いながら,今年ようやく解決に至りました。
 その子は,不登校にとても苦しんでいました。「自分のことを分かってくれない」というところに深く傷ついていました。そして「自分のことを大切にして欲しい」ということを訴えていました。そのことを,私が「心」で感じるまで,しばらく時間がかかりました。
 この件の解決に至るまでに,いろいろなことを考えさせられました。私も小学生の子どもを持つ親として身につまされることも多々ありました。ただ,明確な答えが出ませんでした。その答えが,今、はっきりと形になりました。それが,この決議であります。

 今,社会では教育が大きく変わろうとしている。また,社会全体が教育に強く関心を持っている。「いじめ」の問題は自殺という形で問題を投げかけているが,不登校の問題と,根っこは全く同じ。ひとりひとりを大切にしない社会が招いた悲劇です。
 履修不足の問題も,ひとりひとりを無視した画一的教育の産物にほかなりません。
 そして,ひとりひとりの人格を大切にしようと謳った今まさに教育基本法が改正されようとしています。
 今,私たちの社会が誤った方向に進んでいるのが目に見えて分かる事態になっています。とても悲しいことです。
 この決議案は,そこに大きく警鐘を鳴らすものと思うし,そうなってもらいたいと期待しています。


 弁護士は,子どもの問題は学校や先生など教育従事者の問題であり,ともすれば他人事だと捉える向きがある。しかし、それは間違いだと思います。
 不登校をはじめ,あらゆる教育の問題は,財政措置も含めた制度の欠陥や不整備が一因となっています。それはこの決議でも厳しく指摘されています。
 法制度の問題点を放置したり,ひとりひとりを大切にするという教育基本法や憲法の精神を訴えてこなかった法律家にも問題の一端があると思います。

 この決議を発する以上,言いっぱなしではいけない。問題解決にあたる当事者のひとりとして,最大限の努力をすべきです。
 決議内容に全面的に賛成をするとともに,今後の実現に向けて具体的な行動を求めたいと思います。
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