上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
昨日から今日にかけて
  日本災害復興学会準備フォーラム
  脆弱な階層・脆弱な地域の復興支援

が開催されていて,私も連日参加しています。
(→チラシは1月10日のブログ「日本災害復興学会の立ち上げ」を参照)

 この本は,今回に際して関西学院大学出版会から発刊された,
 『論・被災からの再生』 と 『先端社会研究第5号 災害復興制度の研究』です。
sentan.jpgron.jpg

 私も,この『論』の方には,「復興基本法のデザイン-法制度案のラフ・スケッチ」という論文を出しています。
 こちらは,またあらためてご紹介します。


 さて,昨日の円卓会議では,「脆弱な階層」と「脆弱な地域」について話し合いが持たれました。
 キーワードは「脆弱(ぜいじゃく)」(=もろくて,弱いこと)です。

 「脆弱な階層」ということで,
・災害支援の制度からつまはじきされて,きちんとした治療さえ受けられなかった外国人。

・実は女性の方が圧倒的に被災死亡数が多いこと。それが,貧困な住居に原因があること。

・震災による負傷で深刻な障害を負ったのに,支援制度がなく放置された障害者の実態。

・孤独死,絶望死が未だに続いている高齢者。

・たとえ5000万円の貯蓄があっても,震災による二重ローンで一気に貧困に転落する中間層。

・震災による困窮のために家庭崩壊が起こること。
などの存在が明らかにされました。
maki.jpg(これは発言者のひとりである夜間高校教師で「よろず相談室」の主催者 牧秀一さんの本です →)

 格差社会によって貧困に陥った弱者を棄民(困っている国民を捨ててしまうこと)する政策に問題点があることは,かねて指摘されています。

 そして,ひとたび震災等の大災害が発生すると,その弱さや脆さ(もろさ)が,強烈に,かつ,著しい形で顕在化するということが,あらためて明らかにされました。

 そして,もうひとつ大切なのは,これが他人事ではないということです。

 つまり,単に貧困層などが「脆弱」なのではなくて,実は大多数の国民が,災害によって二重ローン等に陥れば,一気に多重債務者や家庭崩壊などの危機に面することになります。
 また,家具の下敷きになって障害者になることもあるけれども,支援制度が無いので,やはり深刻な事態に陥るわけです。

 そういうことを考えていくと,これを支えるべき復興支援制度自体が,「脆弱」だというところに行き着くことになるでしょう。
 引き続いて「脆弱な地域」として,
   ・新潟中越
   ・鳥取西部の日野町
   ・三宅島
   ・雲仙普賢岳
 の復興例が紹介されました。そして,
   ・来るべき東京
 からのレポートもありました。

 これらを比較対照して検討していく中で,実は,コミュニティーが強く生きている新潟中越の方が「地域力」があり,必ずしも「脆弱」ではないのだ,ということが分かってきました。
 世間の人は,
   「過疎・高齢化」=「脆弱
と短絡的に考えがちですが,どうやら,地域力や強固なコミュニティーがあれば,災害時は必ずしも脆弱ではないということなのです。

 むしろ,人口過密の人工都市空間である
    「東京」の方がはるかに脆弱
ではないかという指摘がありました。

 そのとおりでしょう。

 たとえば一つのデパートが大崩壊したとき,デパートには常時1万人以上の人がいるそうですから,その被害の程度は甚大です。身元不明の死体が数百も生じたらどうなるんでしょうか。
 全く余剰土地のない都心で,その後の復興などはどうするんでしょうか。
 ちょっと停電しただけで帰宅困難者が数万人出たり,エレベータ故障が発生して大ニュースになってしまう,そういう人工的な大都会こそ,「脆弱」なんだろうということです。

 私は,円卓会議では,次のような意見を述べました。
 来るべき災害に際してどんなことが起こるのか,また,復興の過程でどんなことが問題になるのか,想像することが大切である。
 過去の被災事例に学ぶ意味も,その「想像力」を培うことである。
 しかし,過去の被災事例に学んだ制度は全く作られていない。
 想像力が乏しく,過去の経験を活かさない政策や国家行政こそが「脆弱」なのである。
 今日は,引き続き同じテーマで,兵庫県公館大会議室で,午前10時から午後5時まで,ロングランのシンポジウムが展開されます。
 兵庫県知事と,関学災害復興研究所の山中茂樹教授(元朝日新聞の記者さんです。この復興学会のリーダーです)が基調報告をする予定です。
Secret

TrackBackURL
→http://tukui.blog55.fc2.com/tb.php/213-b39b4c76
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。