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教育再生会議の第1次報告が発表されました。
その内容について、いろいろ批判や意見が出ています。

この点、私も、一つだけ言いたいことがあります。

どうして、少人数学級を、提案しないのか!!

なぜか、教育再生会議が徹底討議した成果である「7つの提言」にも、「5つの緊急対応」にも、少人数学級に関することは一言も出てこない。

なんだか、どうでもよさそうな枝葉末節の細かな事柄や、管理主義的な精神注入施策には、やたら腐心しているのに、どうして、昔から言われていながら実現していない、こんな基本的な提案ができないのでしょう?

私には、不思議でなりません。

要するに、
  最重要課題といいながら、教育への投資をケチっている
としか思えないのです。

 大事なことなんだから、もっとお金を使おうよ

私は、最近、フィンランドの教育事情に注目をしています。
 文部科学省のホームページから、各国の教育事情の違いをデータ化した図を見る事が出来ます。
(→『図表でみる教育 OECDインディケータ(2004年版)』(Education at a Glance)の概要について

これによれば、たとえば、
  教員一人当たりの生徒数(小学校)は、
    日本が      20.3人・・・・3割も多い
    フィンランドが  15.8人

  教育機関に対する公金支出の対GDP比は、
    日本が      3.5%
    フィンランドが  5.7%・・・・・6割も多い 

  教育費用における公的支出の割合は、
    日本が     75.2%
    フィンランドが 98.0%・・・・・ほとんどが国庫負担

その結果、OECDの行ったPISA(学習到達度調査)の結果は
    日本が、      数学6位、読解力14位
    フィンランドが、  数学2位、読解力1位・・・圧倒的勝利!

ということです。


ちなみに、学習時間を延長するとの方針だそうですが、
  年間平均標準授業時間(小学校低学年)は、
    日本が、     709時間・・・・3割も長い
    フィンランドが、 530時間

とのことで、能率も上がっていませんね。


日本の教育は、フィンランドに比べると、
   お金をケチって
   特に国庫がお金をケチって
   先生がたくさんの生徒を抱えて
   授業時間だけ長いわりに
   成績が上がっていない

ということです。

本気で最重要課題として教育再生したいなら、
   お金を投入して
   特に国庫が自ら負担して
   少人数教育を実施して
   一人ひとりに行き届いた教育を施し
   成績向上につなげていく

という普通のことをすればいいと思うのですが。

ひとりひとりに丁寧に教育すれば、効果はあがりますよ。
当然のことでしょう。

何よりも「ひとりひとりの価値を尊重する」という憲法の趣旨に合ったことではないですか。


なお、よく国にはお金が無いといいます。
しかし、本当にそうか?
周知のとおり、日本は北欧諸国と比べると福祉教育費の比率が極端に低いので、国家施策を福祉・教育重視にシフト変更することによって、少人数学級を実現する程度のお金は十分捻出できます。
お金が無いとは思えない。
また、この目的であれば、歳入増を図ることに私は賛成です。

やっぱり、本気で教育再生をしようと思っていない、としか私の目には見えません。

以下は報告書の引用です


社会総がかりで教育再生を
~公教育再生への第一歩~
―第一次報告―
平成19年1月24日
教育再生会議

<目 次>
Ⅰ.第一次報告に当たっての基本的考え方・・・・・・・・・・・・・・・・・5
Ⅱ.教育再生のための当面の取組(7つの提言と4つの緊急対応)・・・・・・・7
7つの提言(初等中等教育を中心に)
1.「ゆとり教育」を見直し、学力を向上する・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
2.学校を再生し、安心して学べる規律ある教室にする・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
3.すべての子供に規範を教え、社会人としての基本を徹底する・・・・・・・・・・・・・11
4.あらゆる手だてを総動員し、魅力的で尊敬できる先生を育てる・・・・・・・・・・・・13
5.保護者や地域の信頼に真に応える学校にする・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16
6.教育委員会の在り方そのものを抜本的に問い直す・・・・・・・・・・・・・・・・・・18
7.「社会総がかり」で子供の教育にあたる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20

4つの緊急対応
(1)暴力など反社会的行動をとる子供に対する毅然たる指導のための法令等で出来ることの断行と、通知等の見直し(いじめ問題対応)【18年度中】
(2)教育職員免許法の改正(教員免許更新制導入)【平成19年通常国会に提出】
(3)地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正(教育委員会制度の抜本改革)【平成19年通常国会に提出】
(4)学校教育法の改正(学習指導要領の改訂及び学校の責任体制の確立のため)【平成19年通常国会に提出】
Ⅲ.教育再生に向けての今後の検討課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24

<概 要>
Ⅰ.第一次報告に当たっての基本的考え方
Ⅱ.教育再生のための当面の取組 (7つの提言と4つの緊急対応)
7つの提言(初等中等教育を中心に)
<教育内容の改革>
1.「ゆとり教育」を見直し、学力を向上する
―「塾に頼らなくても学力がつく」、教育格差を絶対生じさせない―
(1)「基礎学力強化プログラム」
【授業時数の10%増加、基礎・基本の反復・徹底と応用力の育成、薄すぎる教科書の改善】
学習指導要領改訂
(2)全国学力調査を新たにスタート、学力の把握・向上に生かす
(3)伸びる子は伸ばし、理解に時間のかかる子には丁寧にきめ細かな指導を行う
【習熟度別指導の拡充、体力もつける、地域の実情に留意のうえ学校選択制の導入】
2.学校を再生し、安心して学べる規律ある教室にする
(1)いじめと校内暴力を絶対に許さない学校をめざし、いじめられている子供を全力で守る
【いじめ相談体制の抜本的拡充、荒れている学校をなくすため予算・人事・教員定数で支援】
(2)いじめている子供や暴力を振るう子供には厳しく対処、その行為の愚かさを認識させる
【出席停止制度を活用し、立ち直りも支援。警察等との連携。いじめの背景を調査し是正】
(3)暴力など反社会的行動を繰り返す子供に対する毅然たる指導、静かに学習できる環境の構築
18年度中に通知等を見直す
3.すべての子供に規範を教え、社会人としての基本を徹底する
(1) 社会人として最低限必要な決まりをきちんと教える
【家庭、学校、地域の責任、学習指導要領に基づく「道徳の時間」の確保と充実、高校での奉仕活動の必修化、大学の9月入学の普及促進】
(2) 父母を愛し、兄弟姉妹を愛し、友を愛そう
【体験活動の充実】
<教員の質の向上>
4.あらゆる手だてを総動員し、魅力的で尊敬できる先生を育てる
(1)社会の多様な分野から優れた人材を積極的かつ大量に採用する
(2)頑張っている教員を徹底的に支援し、頑張る教員をすべての子供の前に
【メリハリのある給与体系で差をつける、昇進面での優遇、優秀教員の表彰】
(3)不適格教員は教壇に立たせない。教員養成・採用・研修・評価・分限の一体的改革
【実効ある教員評価、指導力不足認定や分限の厳格化】
(4)真に意味のある教員免許更新制の導入 平成19年通常国会に教育職員免許法改正案を提出
<教育システムの改革>
5.保護者や地域の信頼に真に応える学校にする
(1)学校を真に開かれたものにし、保護者、地域に説明責任を果たす
【第三者機関(教育水準保障機関(仮称))による外部評価・監査システムの導入】
(2)学校の責任体制を確立し、校長を中心に教育に責任を持つ
【副校長、主幹等の新設】 平成19年通常国会に学校教育法改正案を提出
(3)優れた民間人を校長などの管理職に、外部から登用する
6.教育委員会の在り方そのものを抜本的に問い直す
【教育再生のためには教育委員会の再生が不可欠。その存在意義を原点に立ち返り根本的に見直す】
平成19年通常国会に「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」改正案を提出
(1) 教育委員会の問題解決能力が問われている。教育委員会は、地域の教育に全責任を負う機関として、その役割を認識し、透明度を高め、説明責任を果たしつつ、住民や議会による検証を受ける
(2) 教育委員会は、いじめ、校内暴力など学校の問題発生に正面から向き合い、危機管理チームを設け、迅速に対応する
(3) 文部科学省、都道府県教育委員会、市町村教育委員会、学校の役割分担と責任を明確にし、教育委員会の権限を見直す。学校教職員の人事について、広域人事を担保する制度と合わせて、市町村教育委員会に人事権を極力、委譲する
(4) 当面、教育委員会のあるべき姿についての基準や指針を国で定めて公表するとともに、第三者機関による教育委員会の外部評価制度を導入する
(5) 小規模市町村の教育委員会に対しては、広域的に事務を処理できるよう教育委員会の統廃合を進める
<「社会総がかり」での全国民的な参画>
7.「社会総がかり」で子供の教育にあたる
(1)家庭の対応 -家庭は教育の原点。保護者が率先し、子供にしっかりしつけをする-
【「家庭の日」を利用しての多世代交流、食育の推進、子育て支援窓口の整備】
(2)地域社会の対応 -学校を開放し、地域全体で子供を育てる-
【放課後子どもプランの全国展開、地域リーダー(教育コーディネーター)の活用】
(3)企業の対応 -企業も「仕事と生活の調和(ワークライフバランス)」を実現し、教育に参画する-
【学校への課外授業講師の派遣、子供の就業体験等の積極受入れ、休暇制度の改善・充実】
(4)社会全体の対応 -有害情報から子供を守る-
【家庭自身がチェック、フィルタリングの活用、企業等の自主規制の一層の強化】
<改革の具体的実践の重視>
教育振興基本計画の策定と法令等の整備とともに財政基盤を確保して迅速かつ確実に実施する

4つの緊急対応
(1)暴力など反社会的行動をとる子供に対する毅然たる指導のための法令等で出来ることの断行と、通知等の見直し(いじめ問題対応)【18年度中】
(2)教育職員免許法の改正(教員免許更新制導入)【平成19年通常国会に提出】
(3)地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正(教育委員会制度の抜本改革)【平成19年通常国会に提出】
(4)学校教育法の改正(学習指導要領の改訂及び学校の責任体制の確立のため)【平成19年通常国会に提出】

Ⅲ.教育再生に向けての今後の検討課題
Ⅰ.第一次報告に当たっての基本的考え方
1.公教育再生のために
私たち教育再生会議は、昨年10月の発足以来、我が国の教育の在り方を根本から見直す作業を進めてきました。
私たちは、子供たち一人ひとりが充実した学校生活を送り、自ら夢と希望を持ち、未来に向かって多様な可能性を開花させ、充実した人生を送るために必要な力を身に付けて欲しいと思います。そして、学校教育とともに家庭教育や大人社会全体の取組を通じて、我が国が永年培ってきた倫理観や規範意識を子供たちが確実に身に付け、しっかりとした学力と人格を磨き、幅広い人間性と創造性、健やかな心身をもって、21世紀の世界に大きく羽ばたいて欲しいと願っています。
また、我が国は、魅力と実力を高め、国際社会から尊敬と信頼を得なければなりません。グローバルな知識基盤社会の到来で、情報や知識の社会的価値の重要性が格段に高まる中、イノベーションを生み出す高度な専門人材や国際的に活躍できるリーダーの養成が急務です。近未来の我が国と国際社会の情勢を見据え、世界最高水準の教育を達成しなければなりません。
しかし、今日の学校教育は、学力低下や未履修問題、いじめや不登校、校内暴力、学級崩壊、指導力不足の教員、「事なかれ主義」とも言われる学校や教育委員会の責任体制のあいまいさ、高等教育の国際競争力の低迷など、極めて深刻な状況も見られます。なかでも、今日の学校は、特に、多くの公立学校が、「しっかりと学力を身に付けて欲しい。いじめや校内暴力のない安心して勉強できる学校であって欲しい」といった保護者の切実な願いにきちんと応えているとは言えず、「公教育の機能不全」と言っても過言ではありません。
また、教育は保護者の経済力にかかわらず、機会の平等が保証されるべきであり、絶対に教育格差を生み出してはいけません。全ての子供たちが学校で、特に公立学校できちんと良い教育が受けられること。このことをしっかりと実現していかなければなりません。
2.「美しい国、日本」を目指して
私たち教育再生会議は、今日、学校教育について各方面から批判がなされているいわゆる「教育界」の「悪平等」、「形式主義」、「閉鎖性・隠蔽主義」、「説明責任のなさ」、「危機管理体制の欠如」などの点について真剣に議論し、
○ 全ての子供に基礎学力と規範意識を身に付ける機会の保障
○ 公立学校を再生し、父母に信頼される安心して学べる環境の保証
○ 多様性を確保し、個に応じそれぞれの能力を最大限伸ばす教育
○ 学校や教員が切磋琢磨しながら創意工夫する環境
○ 客観的で多元的な評価に基づく教育の質の保証
○ 教育の受け手の意向も反映し地域に対する説明責任を果たす運営
○ 乳幼児期から高等教育までの社会の多様な要請を見据えた柔軟かつ一貫した政策を目指し、抜本的な改革・改善を実現し、真に国民の期待に応える学校教育を構築していくことが必要と考えています。
また、かつて家族や地域社会が持っていた温かい人のつながりが希薄になる中、家族、地域社会、企業、団体、官庁、メディアなどあらゆる層の人々が、自分たちも「教育の当事者」であるという自覚を忘れ、行動を起こさず、非教育的でさえあることが、現在の教育荒廃を招いた大きな原因の一つであると深刻に受け止めています。子供は大人の背中を見ながら育ちます。大人一人ひとりが子供の目標となるよう誠実に努力する必要があります。子供の健全な成育に背を向ける身勝手は許されませ
ん。今こそ「社会総がかり」で教育を再生しなければなりません。
私たちは、国民一人ひとりが健やかな心身、そして十分な活力を持ち、国際社会から尊敬と信頼が得られる、世界に開かれた「美しい国、日本」の実現を目指します。今後、<教育内容の改革>、<教員の質の向上>、<教育システムの改革>、<「社会総がかり」での全国民的な参画>、<改革の具体的実践の重視>を柱とし、我が国独自の教育システムの構築を目指して検討を重ねていきます。

3.第一次報告に当たって
教育再生の課題は極めて多岐にわたります。しかし、今日指摘される問題の多くが、学校教育の基礎として位置づけられる義務教育、そして、その実践の場である公立学校で生じていることは特に重大です。このため、第一次報告においては、公教育再生への第一歩として、義務教育を中心に初等中等教育に関する基礎学力、規範意識などを当面の課題として焦点を絞り、学校はもとより教育委員会、家庭、地域社会、企業等が緊密に連携しながら、文部科学省はじめ政府も一体となって「社会総がかり」で取り組む方策について提言を行うことにしました。

4.今後の検討と迅速な実行
今回の提言は、公教育に対する国民の信頼を得る取組の第一歩に過ぎません。
21世紀は知識基盤社会だと言われています。世界的規模でグローバル化が進み、世界的な「知」の大競争時代に突入しています。高度な専門人材や国際的に活躍できるリーダーの養成が不可欠であり、世界最高水準の高等教育を目指して、大学や大学院における教育についても引き続き議論していく必要があると考えています。
教育再生会議は、教育基本法の改正を踏まえ、抜本的な教育再生のために、国民の皆様、さらに教育専門家のご意見を伺いながら、真剣に、かつ精力的に検討を重ね、5月を目途に第二次報告、12月までに第三次報告をまとめていきます。また、改革の内容について具体的な行動計画を策定し、取組の追跡調査を実施していきます。
教育再生のためには、政府が一丸となり、関係府省の垣根を越えた連携が必要です。教育再生会議の提言の実現に向けて、教育振興基本計画の策定をはじめ、改革実現に必要となる法令等の整備、関係府省のみならず社会諸セクターとの連携促進、さらに公教育の重要性に鑑みた十分な財政基盤の確保をはじめとするあらゆる取組を迅速かつ確実に実施すべきであると考えます。
また、保護者の皆様をはじめ、全ての国民の皆様におかれても、教育再生は自らの問題であるとともに、地域、社会、国全体の緊急課題であると捉え、勇気と覚悟を持って一緒に取り組んでいただくことを切望します。

Ⅱ.教育再生のための当面の取組
<教育内容の改革>
1.「ゆとり教育」を見直し、学力を向上する
―「塾に頼らなくても学力がつく」、教育格差を絶対生じさせない―
学力は、子供たちが様々な力を身に付ける土台の一つであり、極めて重要です。しかし、いわゆる「ゆとり教育」と呼ばれる現在の初等中等教育において、国民に学力低下の不安が拡がっています。
文部科学省・教育委員会・学校が、全力で学力向上に取り組むことは責務であり、本報告では以下の取組を早急に講じるよう求めます。
(1)「基礎学力強化プログラム」
【授業時数の10%増加、基礎・基本の反復・徹底と応用力の育成、薄すぎる教科書の改善】
学習指導要領改訂
「ゆとり教育」の見直しを行い、まず全国民が受ける義務教育を中心に「読み書き計算」など基礎・基本の反復・徹底を図ることを最優先に取り組み、併せて、知識を活かす応用力を身に付けることも目指します。そのために学習指導要領を早期に改訂することを働きかけます。
○ 文部科学省は、学習指導要領を改訂し、読み書き計算の能力や、対話・意思疎通能力、問題解決能力などの基礎を重点的かつ効率的に学ばせる。このため、基本的教科(例えば、国語、英語、算数・数学、理科、社会・歴史)を充実し、授業時数を増やす。その際、各教科の選択の幅を広げ、詰め込み教育にしない。
○ 文部科学省は、学習指導要領の改訂の際に、最低限、到達すべき目標を国民に分かりやすく明示する。
○ 文部科学省は、内容の薄すぎる教科書を改め、発展的学習と補充的学習を充実させるとともに、上記の学習指導要領の改訂に確実に対応した教科書にする。
○ 文部科学省・教育委員会・学校は、小学校高学年の理科、算数などについては専科教員を増やす。
○ 教育委員会・学校は、「放課後子どもプラン」(注)の活用などにより、ボランティアの協力を得て、補習などを行う「土曜スクール」を実施するよう努める。
○ 文部科学省・教育委員会は、単に制度を改めるだけでなく、制度やその趣旨の現場への周知徹底、実行状況のチェックを徹底し、いわゆる「未履修問題」のような事態が再発しないようにする。併せて、優れた実践が各学校に確実に共有されるようにする。
※「放課後子どもプラン」とは、放課後や土曜日の子供の安全で健やかな居場所、遊び場を確保し、勉強やスポーツ、文化活動、地域住民との交流活動等に取り組む事業をいう。参加は自由であり、子供たちが自由にただひたすらのびのびと遊べるような環境を整備することも重要である。
(2)全国学力調査を新たにスタート、学力の把握・向上に生かす
教育の機会均等を保障し、確実に教育の質を向上させるには、教育成果をはかる「ものさし」が必要です。文部科学省・教育委員会・学校は、学力の現状把握・分析・評価・改善・検証という一連の流れを確固たるものにするため、今回、スタートする新しい「全国学力調査」を継続的に行い、教育内容の改善に生かす必要があります。
(3)伸びる子は伸ばし、理解に時間のかかる子には丁寧にきめ細かな指導を行う
【習熟度別指導の拡充、体力もつける、地域の実情に留意のうえ学校選択制の導入】
子供の成長や能力には個人差があり、興味・関心、家庭環境等は多様です。子供たち一人ひとりの可能性を引き出すために、基礎・基本の徹底の上に、それぞれの能力や興味・関心、進路希望等に応じ、落ちこぼれる子供をつくらず、子供の能力を最大限に伸ばすきめ細かな教育が重要です。
○ 文部科学省は、夏休みから各学校で学力向上の取組ができるよう、調査結果を都道府県・市町村教育委員会及び学校に伝える時期を極力早める。
○ 学校は、保護者に対し、自校の学力の状況や学習状況を開示し、改善計画とその成果を保護者に説明する。
○ 学校は、夏休みや放課後を活用して、教員経験者、学生ボランティア、地域の協力も得て、補習を実施するなど学力向上に取り組む。
○ 教育委員会は、公立学校が行う学力向上への取組の支援に努める。特に、結果の不振な学校の支援に責任を持ち、成績の著しく伸びた学校の取組は成功事例として全国で共有する。
○ 文部科学省は、配慮が必要な全ての子供の学力が把握できるよう、別室受験や問題の朗読、問題用紙の拡大等の配慮を徹底する。
○ 文部科学省・教育委員会は、履修内容に関する選択の幅を拡げるなど、教育内容についての学校の裁量を拡大し、学校の創意工夫を可能とし、特色ある教育を推進する。
○ 教育委員会・学校は、特に、公立小中学校において、子供たちの能力や理解度に応じた教育を推進するため、少人数指導や習熟度別指導を拡充する。
○ 学校は、優れたスポーツ選手やスポーツ指導者の協力も得て、学力向上の基礎となる体力を子供につけさせる努力を行う。
○ 学校は、体験活動、文化・芸術、スポーツ、ものづくり、地域に根ざしたふるさと学習など、子供の多様な能力・適性、価値観、興味・関心、進路等に応える。
○ 教育委員会・学校は、地域の実情に留意の上、学校選択制の導入など、子供に合った教育内容や教育方法を保護者が選べるようにし、子供の能力・適性、興味・関心、進路希望等に応じ、全ての子供がそれぞれに伸びるようにする。
2.学校を再生し、安心して学べる規律ある教室にする
学校は、安心して学べる楽しい場所でなければなりません。しかし、深刻ないじめや暴力、少年犯罪など昨今の状況は、学校の安全性すら揺るがしかねず、特に、一部の学校の荒廃に対しては早急の対策が求められます。教室の規律保持など、学校内で起こっていることについて、学校は責任をもって対応し、教育関係者は、「事なかれ主義」に陥ることなく、厳しさと深い愛情を持って取り組むことが必要です。
(1)いじめと校内暴力を絶対に許さない学校をめざし、いじめられている子供を全力で守る
【いじめ相談体制の抜本的拡充、荒れている学校をなくすため予算・人事・教員定数で支援】
(2)いじめている子供や暴力を振るう子供には厳しく対処、その行為の愚かさを認識させる
【出席停止制度を活用し、立ち直りも支援。警察等との連携。いじめの背景を調査し是正】
○ 学校は、いじめている子供に、その行為が人権侵害にもなり、不正義で人間として恥ずべき愚かな行為であることを認識させる。
○ 学校は、いじめが起こった原因・背景を調査・検証し、是正を行う。
○ 学校は、いじめや生徒、教員に対する暴力などの問題行動や反社会的な行動をとる子供を排斥するのではなく、保護者や地域の住民などの協力者も入れて、十分に話し合い、理解を得るための努力を払いつつ、警察との連携も視野に入れながら適切な指導を行う。その際、LD(学習障害)、ADHD(注意欠陥・多動性障害)、アスペルガー症候群や虐待等による行動でないか等、問題行動の背景に十分注意する必要がある。
○ 学校は、指導や懲戒にもかかわらず、悪質ないじめや暴力などの反社会的行動をとる子供に対しては、状況に応じて、他の子供の学習環境を守るとともに、その子供を立ち直らせるため、個別指導や別室等での教育なども行う。その際、教育的な観点から、社会奉仕等の体験活動を採り入れることも考えられる。また、保護者に対しても理解と協力を求めるべく働きかけるとともに、保護者に重大な問題がある場合には、子供を守るため、状況に応じ、児童相談所や警察等の関係機関に連絡する。
○ 学校が最大限の努力を重ね、上記のような指導や懲戒にもかかわらずいじめや暴力行為を執拗に繰り返すような反社会的な行動をとる子供に対しては、学校教育法に基づく市町村教育委員会による出席停止制度を活用する。その場合は、関係機関が協力して指導・サポート体制をとるなど、教育委員会及び学校は適切に対応する。
○ 学校は、校則にいじめ・校内暴力など反社会的行為の禁止を明確に示し、いじめられている子供を全力で守る。
いじめている子供や暴力を振るう子供には校則違反として厳しく対処する。
○ 国、地方公共団体は、子供たちの悩みや不安を受け止めることのできる、深夜・休日を含めた24時間対応のより利用しやすい電話相談システムを整備するなど、いじめ相談体制を抜本的に拡充する。
○ 教育委員会は、予算・人事・教員定数の面で学校を支援し、荒れている学校や教育困難校をなくす。
(3)暴力など反社会的行動を繰り返す子供に対する毅然たる指導、静かに学習できる環境の構築 18年度中に通知等を見直す
○ 国において、教員が毅然とした指導ができるよう、学校の指導や懲戒についての昭和20年代の「体罰の範囲等について」など関連する通知等を、18年度中に見直し、周知徹底の上、来年度新学期から各学校で取り組めるようにする。
○ 学校は、静かに学習できる環境を構築するため、校長、生徒指導主事等を中心に、全教員の協力体制を築く。
3.すべての子供に規範を教え、社会人としての基本を徹底する
自由には規律と責任が伴うものであり,個と公のバランスが極めて重要です。
しかし、近年、子供の規範意識は低下し、国際的に見ても、我が国の子供は自尊心が乏しいと言われています。子供が命を尊び、自分の存在価値を理解し、家族、友、地域、国を愛し、豊かな人間性をそなえられるよう、その前提として、健全な自尊心や他人に共感する心、人間関係を築く力を養います。本報告では、以下の取組を早急に講じるように求めます。
(1) 社会人として最低限必要な決まりをきちんと教える
【家庭、学校、地域の責任、学習指導要領に基づく「道徳の時間」の確保と充実、高校での奉仕活動の必修化、大学の9月入学の普及促進】
子供たちに決まりを守ることの意義や大切さを指導することは、本来、家庭や地域社会の役割です。
家庭や地域がしっかりと責任を果たすことがまず重要です。また、学校で、集団生活やスポーツを通じて、子供たちに社会の決まりや規範意識を学ばせるべきです。とりわけ家庭や地域の教育力が低下している現状では、この面で学校が果たすべき役割は極めて大きなものがあります。
○ 学校は、子供たちに、決まりを守ることの意義や大切さ、社会における規範、自由で公正な社会の担い手としての意識、国民の義務や様々な立場に伴う責任を教える。その際、集団活動、集団生活体験、スポー
ツなどを積極的に活用する。
○ 家庭、地域など周りの全ての大人が、子供の模範となるよう、決まりを守る。
○ 学校は、「道徳の時間」について十分な授業時間を確保し、体験的活動や心に響く教材を取り入れる。また、地域や企業の有識者を招いた授業を実施するなど、道徳教育を形骸化させない。
○ 家庭や地域では、叱るべきは叱り、悪いことは悪いと教えるなど、人として身に付けるべき基礎・基本をしっかりしつける。
○ 教育委員会、自治体及び関係機関は、これから親になる全ての人たちや乳幼児期の子供を持つ保護者に、親として必要な「親学」を学ぶ機会を提供する。
○ 高校で奉仕活動を必修化する。
○ 既に約150の大学で行われている秋季入学(9月又は10月入学)を普及促進し、入学前の半年間に奉仕活動、ボランティア活動、海外支援活動等の多様な体験を通じ豊かな感性や徳目を身に付けるようにする。
(2)父母を愛し、兄弟姉妹を愛し、友を愛そう
【体験活動の充実】
子供たちが愛、友情、正義感、忍耐力、感謝、尊敬、礼儀、誠実さといった、道徳観を身に付け、豊かな感性を育むためには、我が国の伝統文化や習俗に接するとともに、子供の様々な興味・関心に応じて、芸術文化、スポーツ、奉仕・ボランティア活動などを通じて、豊かな情操、健やかな身体を育まねばなりません。そのため保護者と教育関係者だけではなく、地域、企業の連携・協力が何より大切です。
○ 都市と農山漁村の交流のための長期集団宿泊体験・「国内留学」、自然体験、奉仕活動、ボランティア体験、職業体験等の計画的・体系的推進と環境整備を図る。体験や奉仕活動、集団活動、スポーツなどにより、規律、奉仕の精神、社会のルール、相互扶助の大切さや達成感を学ぶ。
○ コーラス・合奏・演劇・写生・創作といった芸術・文化活動を通じて心を豊かにする。
○ 30人31脚、大縄跳びなど集団スポーツ活動、ロボット・コンテストなどのグループで取り組む学習活動等を通じて心身を鍛え、達成感を共有させる。
○ 子供たちに、古典や偉人伝などの読書、民話や神話・おとぎ話、童謡、茶道・華道・書道・武道などを通じて、徳目や礼儀作法、形式美・様式美を身に付けさせる。
○ 例えば「小さな親切」運動や「一日一善」といった目標を教育活動に取り入れることにより、子供たちに、身の回りでできる行動について考える機会を増やす。
○ 文部科学省は、毎日の朝の読書を教育課程に位置づけ、多様な学びや継続して学ぶ機会を提供する。
<教員の質の向上>
4.あらゆる手だてを総動員し、魅力的で尊敬できる先生を育てる
教員の質の向上を図るためには、優れた人材の採用と、現役教員の能力を、より一層伸ばすとともに、社会全体で教員を支援することが必要です。教育再生会議では、今後、教員養成から、採用、資格、研修などあらゆる点から、教員の質を高めるための検討を行いますが、当面、本報告では以下の取組を早急に講じるよう求めます。
(1)社会の多様な分野から優れた人材を積極的かつ大量に採用する
子供がそれぞれの興味・関心に沿って、各自のゴールを目指すには、教える側にも専門知識や経験の豊かさが求められます。人間性に溢れ、多様な経験と専門知識を持った教員を採用し、教育現場の多様化と専門性の深化を図る必要があります。文部科学省は、特別免許状授与数を、今後5年間で採用数の2割以上(ボトムライン)とするなど目標を設定し、教育委員会の積極的な取組を求めるとともに、教育委員会は広く募集活動を行うなど、一層の努力が求められます。
また、国際化に対応し、特に英語能力の強化が求められています。
○ 教育委員会は、優れた教員を新規採用するため、広く募集活動を行い、教員としての専門性や適格性が厳格に判断されるような採用選考を導入する。
○ 教育委員会は、社会人経験者や教員養成系学部卒業者以外の大学卒業者も積極的に採用する。また、特に理数系の教員としては、実績のある研究者、大学院修了者など専門的知識に優れ、子供たちにとって魅力ある者を採用する。更に芸術家、スポーツ選手、社会福祉、国際協力等の分野の経験者等についても積極的に登用する。
○ 国際語である英語の能力を高めるため、教育委員会は、英語の講師にALT(外国語指導助手)経験者、英語を母国語とする外国人などを積極的に登用する。
○ 教育委員会は、これらの取組に当たって、特別免許状の授与を前提とする採用選考を推進するなど、特別免許状制度を積極的に活用する。
○ 教育委員会においても、教員養成を行う大学との連携強化や独自の教師塾(注)など、採用前から優れた教員を養成・確保するための取組を推進する。
※教師塾とは、質の高い教員の養成・確保を目的として、教育委員会において開設されている機関で、採用前の教員志望の学生、社会人などを対象にし、現職教員等による実践的な講義や実習を通じて教員に求められる資質を培っている。名称は教育委員会によって異なる。
○ 文部科学省は、あらゆる分野から優れた人材を確保するため、大学における教員養成課程の見直し、採用活動の体制整備や財源の確保を行う。
(2)頑張っている教員を徹底的に支援し、頑張る教員をすべての子供の前に
【メリハリのある給与体系で差をつける、昇進面での優遇、優秀教員の表彰】
教育現場で日々奮闘し、児童・生徒のために汗をかいている教員がおり、彼らは教育再生に重要な役割を負っています。こうした教員の努力に報い、社会全体が教職の素晴らしさを認めることができるような環境を整えるには、教員の能力と実績の積極的評価とそれに連動した人事・給与など諸制度の改革が不可欠です。
(3)不適格教員は教壇に立たせない。教員養成・採用・研修・評価・分限の一体的改革
【実効ある教員評価、指導力不足認定や分限の厳格化】
子供は教員を選ぶことができません。教員の人間性、専門性や指導力、学級経営の方法が子供の人格形成や学力に大きな影響を与えます。日々、直接に子供と接する教員は、保護者や住民の信頼を損なうことのないよう、一般の職員等以上に厳しく自らの身を律することは当然です。教員の質の向上のため、教員の養成、採用、研修、評価、分限などあらゆる手立てを講じることが必要です。
○ 教育委員会は、指導力不足教員の認定をはじめ、教員の評価を校長や教育委員会が行う際に、保護者、学校評議員、児童・生徒等からの意見も反映させる。その際、意見を聞く項目や、意見を反映させる際の重み付けを適切に判断し、評価する。
○ 教育委員会は、指導力不足教員の認定基準を明確化し、各教員の日頃の勤務状況を蓄積し、教員の適性を十分見極め、指導力不足教員の認定をきちんと行う。プライバシーに配慮した形で、指導力不足教員の人、改善への取組、及び成果についても分かりやすい形で公表する。
○ 新卒の教員についても、1年間の条件附採用期間終了時に、教員としての資質や適格性を厳格に判断する仕組
みを導入する。
○ 教員研修の内容について、教育委員会は、全員一律の画一的な研修ではなく、課題を抱えている教員に対する
重点的な研修、各人の得意分野を伸ばす研修など、メリハリのある教員研修を実施する。
○ 教員の資質向上の観点から、いわば「他流試合」的に、他県等への人事交流を促進する。
○ 教育委員会は、公立学校の優れた教員を、給与・昇進・手当等で優遇する。また、スーパーティーチャー(注)の制度や部活動手当の引上げなど、頑張っている教員を評価し、教員給与に差を設け、メリハリのある給与体系とする。文部科学省・教育委員会等は、優秀教員の表彰を行う。また、希望に応じて研修の機会を与えるなど、頑張っている教員のやる気を更に高める。
※スーパーティーチャーとは、高い指導力のある優れた教員を位置づけ処遇するため、教育委員会の判断で制度化されている職種で、名称は様々であるが、選ばれた教員は研修会の講師を務めたり、他の教員への指導助言を行ったりしている例が多い。
○ 教員が児童・生徒と向き合うことに専念できる時間を確保するため、学校は教育委員会と一体となって教員事務や業務を見直し、教員の事務的負担を効率化・削減する。
○ 教育委員会は、悩みを抱える教員のための相談窓口の充実を図る。
(4)真に意味のある教員免許更新制の導入
平成19年通常国会に教育職員免許法改正案を提出
教員は、教員養成課程で身に付けた能力・技術を日々磨き続け、専門性を深化させていくことが必要です。しかし、教育現場は多忙を極め、また、自らの能力・技術を把握する明確な指標もなく、有効な自己研鑽の機会が提供されていないことも事実です。
教員が、時代の変化や要請に合わせた教育を行える能力や資質を確保するため、教員免許更新制を入することが必要です。ただし、10年ごとに30時間の講習受講のみで更新するのではなく、厳格な修了認定とともに、分限制度の活用により、不適格教員に厳しく対応することを求めます。
○ 国は、教育職員免許法等を改正して、教員免許更新制を導入し、教員の更なる資質向上を図る。その際、講習受講のみで更新するのではなく、メリハリのある講習とし、教員の実績や外部評価も勘案しつつ、講習の修了認定を厳格に行う仕組みとする。
○ 指導力不足と認定されている教員については、更新講習ではなく、指導力を上げるための研修を優先的に行い、改善が図られない教員については、分限制度を有効に活用し、教員免許状を取り上げるなど、不適格教員に免許を持たせない仕組みとする。
<教育システムの改革>
5.保護者や地域の信頼に真に応える学校にする
学校は責任を持って子供の教育にあたり、創意工夫しながら学校の魅力を高め、保護者や地域の信頼に応えていかねばなりません。学校の責任あるマネジメント体制を確立し、第三者機関(教育水準保障機関(仮称))による学校の外部評価も実施して、その結果を保護者や地域住民に公表していくことが大切です。当面の課題として、以下の事項に取り組むことを求めます。
(1)学校を真に開かれたものにし、保護者、地域に説明責任を果たす
【第三者機関(教育水準保障機関(仮称))による外部評価・監査システムの導入】
学校の状況や教育内容について、学校が情報開示し、子供や保護者との意思疎通を十分に図りながら学校運営を行うことが、満足度や信頼感を高めることにつながります。学校評議員、学校運営協議会など既存制度も活用しつつ、学校を真に開かれたものにし、学校に実効ある外部評価を導入することが必要です。一方、保護者、地域住民や企業が学校運営に参画し、一定の責任を負うことが重要です。
(2)学校の責任体制を確立し、校長を中心に教育に責任を持つ
【副校長、主幹等の新設】 平成19年通常国会に学校教育法改正案を提出
日々の学校運営を改善し、また問題が生じた時に迅速な対応を行うには、現在の校長に負担が集中する体制では、限界があります。校長の校務を補佐し、学校内外の役割と責任体制を明確にし、より良い学校運営を行うため、以下のように校長を中心とする学校のマネジメント体制の構築を図る必要があります。
○ 国は、学校に対する独立した第三者機関(教育水準保障機関(仮称))による厳格な外部評価・監査システムの導入を検討する。
○ 学校は、学校評議員、保護者、地域住民などによる実効ある外部評価を導入し、その結果を公表する。評価は独善的であってはならない。学校評価に当たっては、保護者や児童生徒の意見を反映させる。学校は、
外部評価の評価基準を明確にする。
○ 学校評議員、学校運営協議会は、学校に対して意見や注文を付けるだけではなく、「学校応援団」として学校運営にも積極的に協力する。教育委員会は、学校運営協議会の設置を促進する。
○ 学校は、校長を中心として、教職員全員が一丸となって責任を持って教育に当たる。
○ 国は、学校に責任あるマネジメント体制を確立するため、学校教育法等を改正し、副校長、主幹等の管理職を新設し、複数配置を実現することにより、学校の適正な管理・運営体制を確立する。
○ 教育委員会は、公立学校の管理職に登用する者については、その能力や適性を見極め、早い段階での管理職登用、ジメント研修に取り組む。また、同時に、管理職としての不適格者は降格できる仕組みも作る。
(3)優れた民間人を校長などの管理職に、外部から登用する
学校を取り巻く環境が大きく変化する中で、校長のマネジメント能力が問われています。民間人校
長の登用など教育界の外部から積極的に人材を登用することにより、従来の枠にとらわれない保護者
や地域の期待に応える新しい学校経営を展開することが求められます。
○ 教育委員会は、民間人校長の数値目標を定めるなど、外部人材を積極的に登用する。
○ 教育委員会は、民間人校長の学校マネジメント手法を、他の学校にも応用することなど、そのノウハウを広く共有するような体制作りを行う。
○ 教育委員会は、校長だけでなく、民間人の教頭などの登用も併せて推進する。
6.教育委員会の在り方そのものを抜本的に問い直す
【教育再生のためには教育委員会の再生が不可欠。その存在意義を原点に立ち返り根本的に見直す】
平成19年通常国会に「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」改正案を提出現在、教育委員会は、必ずしも組織として十分に機能し、国民の期待に応えているとは言えません。
その存在意義を原点に立ち返って見直すとともに、教育委員会の閉鎖性、形式主義、責任感のなさ、危機管理能力の不足、委員の高齢化、名誉職化といった弊害を取り除かなければなりません。教育再生会議として緊急に取り組むべき抜本対策として、以下のように提言します。
国は、これまで指摘されてきた教育委員の数や構成の見直し、首長と教育委員会との権限分担の見直しなどについて早期に結論を得るとともに、教育委員会の必置規制の撤廃などについて併せて検討も必要です。
(1) 教育委員会の問題解決能力が問われている。教育委員会は、地域の教育に全責任を負う機関として、その役割を認識し、透明度を高め、説明責任を果たしつつ、住民や議会による検証を受ける
(2)教育委員会は、いじめ、校内暴力など学校の問題発生に正面から向き合い、危機管理チームを設け、迅速に対応する
○ 教育委員会は、学校だけでは対応困難な問題が生じた場合、外部専門家などからなる危機管理チームを設け、学校に派遣するなど、学校と協力して、その問題解決や支援を迅速に行う。
○ 教育委員会は、正確な現状把握と実効ある対応策のために、いじめ実態調査を定期的に実施する。プライバシーに留意の上、公表・議会への説明を行う。そのため、紙だけの調査ではなく、各学校の校長及び現場教員から直接ヒヤリング調査も行う。必要に応じて子供からのヒヤリング調査も行う。文部科学省は、具体的にどういう行為がいじめに当たるか明確に定義し、調査方法に関するガイドラインを策定する。調査事項はいじめがこった件数、それぞれの原因・態様、対応策(学校及び個別教員)、潜在的にいじめとなりうる事案などとする。
○ 教育委員会は、いじめを放置、助長したり、いじめに加担したりした教員に対して、単なる訓告等ではなく、減給等の目に見える措置を講じ、その内容等について、住民や議会が分かるように公表する。
○ 教育委員会は、地域の教育に対する責任と住民への説明責任を負う。このため、教育委員一人ひとりの活動状況や、人事案件を除き個別案件への賛成・反対の結果を公表するなど、教育委員会での議論や学校における問題の情報公開を徹底し、住民や議会による検証を受ける。また、教育委員会の活動状況を原則として毎年議会報告する。
○ 教育委員長の持ち回り互選は止め、委員長にふさわしい人材を選任する。
○ 国(又は国の独立行政法人)は教育委員の計画的な研修を実施し、新任教育委員にこの研修への参加を義務付ける。

(3)文部科学省、都道府県教育委員会、市町村教育委員会、学校の役割分担と責任
を明確にし、教育委員会の権限を見直す。学校教職員の人事について、広域人
事を担保する制度と合わせて、市町村教育委員会に人事権を極力、委譲する
(4)当面、教育委員会のあるべき姿についての基準や指針を国で定めて公表すると
ともに、第三者機関による教育委員会の外部評価制度を導入する
(5)小規模市町村の教育委員会に対しては、広域的に事務を処理できるよう教育委
員会の統廃合を進める
○ 国は、教育委員会のあるべき姿についての基準や指針を示すとともに、教育委員会の外部評価制度を導入し、外
部の委員による評価委員会を都道府県・市町村段階に置くことについて検討する。また、国(又は国の独立行政
法人)が各都道府県・政令指定都市の評価委員会の活動を評価し、国(又は国の独立行政法人)や評価委員会が
教育委員会に対し勧告権等を持つこととすることについて検討する。
○ 人口5万人以下の小規模市町村には原則として教育委員会の共同設置を求めるものとし、広域的に事務を
処理できるよう教育委員会の統廃合を進める。
○ 国は、複雑で分かりにくくなっている地方教育行政体制を再検証する。まず、都道府県教育委員会に対する国
の関与、市町村教育委員会に対する都道府県の関与、さらに教育委員会の学校現場への関与など、それぞれの
責任と権限の在り方について、予算や人事など具体的項目について検討する。
○ 特に義務教育に関して、国は明確な基準を示した上で、極力市町村教育委員会、学校に権限を委譲し、分権を
進めるとともに、国は教育の成果や履行状況をきちんと検証する。
○ 教育委員会に対する国の関与等(地方教育行政法に教育長の任命に関する関与や措置要求の制度を設けること
など)について検討する。
○ 県費負担教職員の人事について、中核市を政令指定都市並みの扱いとするなど、広域の人事交流を担保できる
制度と合わせて、極力、市町村教育委員会に人事権を委譲する。
○ 学校の外部評価の制度化に合わせ、教職員人事に外部評価の結果を反映させる仕組みとすることを検討する。
○ 地方自治法第245条の5などの規定による是正の要求、是正の指示などの改善措置の規定をより実効あるも
のとして活用する。
○ 地方教育行政法第48条では、教育に関する事務については、地方自治法の「技術的な助言、勧告」以外に「必
要な指導、助言、援助」と「必要な指示」ができることとされており、これらの規定を適切に活用する。
<「社会総がかり」での全国民的な参画>
7.「社会総がかり」で子供の教育にあたる
子供たちは、地域の人と触れ合い、家族とともに生活する中で、社会性が育まれ、学校では学べな
いことも身に付けていきます。また、子供が学校以外の世界でも人とのつながりを持つことは、様々
な悩みや挫折に直面した時に大きな救いともなるものです。教育再生を実現するためには、学校だけ
の問題ではなく、住民や家族、企業といった地域の関係者全てが当事者意識を持って社会総がかりで、
「国の宝」である子供を育てていかなくてはなりません。
(1)家庭の対応 -家庭は教育の原点。保護者が率先し、子供にしっかりしつけをす
る-
【「家庭の日」を利用しての多世代交流、食育の推進、子育て支援窓口の整備】
家庭は教育の原点であり、基本的な生活習慣や感性などの基礎は家庭で培われるものです。家庭の
教育力は、子供に対する愛情の上に、保護者がその責任を自覚することから始まります。保護者は教
育を学校任せにせず、厳しさと愛情を持って子供としっかり向き合わなければなりません。
○ 国・教育委員会・企業等をはじめとする全ての関係者が、保護者が家庭教育に責任を持つこと、及び保護者
としての責任を果たせる環境づくりが何より重要であるという価値観を社会全体で共有し行動するよう努
める。
○ 家族が集う正月、盆、彼岸などにおいて、家族、ふるさとの価値・すばらしさ、生命継承の大切さを考える
気運を高める。44都道府県で行われている「家庭の日」なども活用し、多世代交流をすすめる。知恵や人
生経験の豊かな高齢者は、特に主役である。
○ 早寝早起き朝ごはん運動の推進、挨拶の励行、食育、睡眠の大切さの普及などを通じて、子供たちの生活習
慣の改善に努める。また、家庭学習の習慣をつけるよう各家庭でも努力する。
○ 核家族化により祖父母の子育て経験が世代間で受け継がれにくくなっている状況を踏まえ、教育委員会、自
治体、関係機関は、子育て・家庭教育に関する相談・支援窓口の整備など子育て支援を充実する。また、一
人親家庭や経済的・時間的に子育てに困難を伴う家庭への支援策を講じる。
○ 乳幼児期の子供の親やこれから親になる人たちが、子育てについて学べる機会を拡充する。
○ 子供の発達と成長、育児環境の在り方などを考えるため、脳科学者、児童精神科医、小児神経科医、小児科
医や療育の専門家を含めた、科学的知見を発信する国レベルの学際的な会議を開催し、親が子供の発達と成
長などについて理解を得られる機会を提供する。
(2)地域社会の対応 -学校を開放し、地域全体で子供を育てる-
【放課後子どもプランの全国展開、地域リーダー(教育コーディネーター)の活用】
子供たちは、健全な生活習慣の中で、よく学び、よく遊んでこそ育つものです。子供のいる人もい
ない人も地域社会の全ての人たちは、子供たちと積極的にかかわり、学校との連携を深め、地域住民
が教育に参画することが必要です。
○ 「放課後子どもプラン」(注)は、異年齢交流や集団活動により、子供を心豊かにたくましく育てるため
の「根っこ」となるものであり、学習意欲と学力・体力・創造力の向上に資するところも大である。さら
に、地域の生活環境の改善、地域活性化の起爆剤ともなるものである。
本事業においては、学校のほか自治体、スポーツ団体、ボランティア、地元企業等が連携して、多様な
プロジェクト(地域の祭りなどの伝統・文化活動、スポーツ活動、演劇などの芸術活動、自然体験活動な
ど)に取り組む。そうすることで、家庭や学校とは異なる子供たちの「居場所」を確保し、様々な体験を
通して、地域社会と交流を深め、対人関係能力の向上を図る。省庁の縦割りを排して現場中心の取組とす
るため、地域リーダーの協力を得て、実効ある実施体制を設けるなど、各自治体が責任をもって取り組む。
※「放課後子どもプラン」については、7頁参照。
○ このような活動を推進し、新たな地域コミュニティーづくりに成功している自治体等の好事例を紹介し、
全国的な国民運動として拡大する契機とする。
○ 地域の教育資源を効果的に活用し、体系的で充実した子供の学習・体験活動につなげていくため、地域の
教育活動で活躍しているNPOや企業などの民間主体をコーディネーターとして活用する。
(3)企業の対応 -企業も「仕事と生活の調和(ワークライフバランス)」を実現
し、教育に参画する-
【学校への課外授業講師の派遣、子供の就業体験等の積極受入れ、休暇制度の改善・充実】
子供たちに職業観をもってもらい、世の中に対する興味・関心を広げ、さらに未来の健全な消費者
として成長してもらうには、企業も教育に対して重要な役割を担っています。また、子供は無意識の
うちに、メディアや玩具をはじめとする商品など、様々なものから影響を受け、感化されています。
企業は、自らの社会的責任を果たすためにも、その活動に非教育的側面がないか点検し、行動する
こと、企業の持つ人材やノウハウを、組織的に系統立てて学校や地域の教育に積極的に活かすこと、
さらに従業員が「仕事と生活の調和(ワークライフバランス)」が図れるよう諸制度を見直し、多様
な働き方を推進しながら、従業員が育児や学校教育に積極的に参画できる機会を設けることが必要です。
○ 企業は、多様かつ柔軟な働き方による「仕事と生活の調和(ワークライフバランス)」の実現を目指す。
○ 企業の経営トップは、子育て世代の育児を支援するために、「ワークライフバランス」を経営上の基本方針
の一つとして位置づけ、育児・教育に活用できる有給休暇制度等の諸制度の改善・充実を図る。また、管理
職層は、育児や地域の教育イベント参加のための休暇取得などについて許容し合える職場風土をつくる。
○ 企業の経営トップは、教育委員会や学校と連携を図り、率先して教育現場に出向き、その事業や自らの経験
を子供たちに語りかけたりすることで、子供たちに社会について教える。
○ 企業は、次世代を担う人材の育成に協力する観点から、以下のような取組を一層推進する。
・教育界との組織的人材交流の推進
(企業からの課外授業講師や非常勤教員の派遣、教員の社会体験研修の受入れ)
・工場・研究所等の見学への協力や、企業の保有する施設(グラウンドや体育館など)の開放
・職場体験、就業体験(インターンシップ)の積極的な受入れ
・大学教育への協力(カリキュラムの開発や研究施設など実践的な場の提供など)
・ものづくりや科学技術の現場の活動について関心を深める機会の提供(技能五輪大会への協力など)
・社会の動きに対応した教員研修への協力(IT リテラシー、インターネット交信のマナー教育)ならびに校
長、教頭など管理職を対象としたマネジメント研修への協力
○ 行政、経済団体、マスコミ等が、「ワークライフバランス」や「企業の育児・教育への取組」の成功例を発
信することにより、市民の教育への参加を促す。
○ 企業は、採用に当たって、企業が求める人材像を明らかにし、社会の多様な価値観を教育界に伝える。
(4)社会全体の対応 -有害情報から子供を守る-
【家庭自身がチェック、フィルタリングの活用、企業等の自主規制の一層の強化】
テレビ、インターネット、ゲーム、出版物から送り出される不用意な有害情報が子供の心を傷つけ
て、犯罪を助長させる要因の一つにもなっています。その大きな悪影響を見過ごすことは断じてでき
ません。家庭、メディア、企業、販売業者は、子供を有害情報から守る責任があります。
○ 子供が俗悪番組や、性・暴力などの有害情報に接しないよう、各家庭ではテレビの視聴、携帯電話の持たせ方、
テレビゲームの遊び方、インターネット利用などについての家庭内のルール作りやフィルタリングの活用など
により、家庭自身で子供が何をしているかチェックする。特に、携帯電話については、フィルタリングを利用
することと、親が直接契約の場に立ち会うことを基本とする。
○ 俗悪番組、コミックや成人雑誌などの出版物、ゲームやインターネット上の有害情報が子供に悪影響を与えないよ
う、特に、メディアやスポンサー企業には、自覚を促す。
有害情報や俗悪な番組に関して意見を通報する窓口(放送倫理・番組向上機構(注)など)やフィルタリングの活用を
広く周知して積極的活用を図るとともに、有害情報から子供を守るために国民全体としての運動に早急に取り組む。
※「放送倫理・番組向上機構(略称 BPO)」の視聴者応対専用連絡先は、次のとおり。
TEL 03-5212-7333(平日10:00~12:00、13:00~17:00)
○ 上記に関係する企業や販売業者等は、子供が接することのできる有害情報を社会に氾濫させている当事者の一人であ
るとの自覚を持ち、子供の教育に悪影響を及ぼすような企業活動の自粛等、自主規制の一層の強化を行うべきである。
Ⅲ.教育再生に向けての今後の検討課題
教育再生会議としては、今後、以下に例示する項目について、引き続き幅広い視野から教育再生の
ための検討を進め、5月に第二次報告を取りまとめ、必要な項目について「骨太の方針2007」に
反映させます。
1.教育内容の改革
初等中等教育の教育内容について、以下の諸点を検討します。
①学習指導要領の基本的な在り方、科学技術の進展や社会の変化に迅速に対応するための改訂の方
法等についての基本的な考え方
②科学技術・理科離れを防ぎ、学習指導要領を含めた理数系の教育の在り方について、高度な専門
家や学会、大学の協力を得て見直すこと、先端知を高校以下の教育内容にも関連付けること
③小学校における英語教育の在り方、学校における外国語教育の在り方、また対話・意思疎通能力、
批判的・論理的思考力、対人関係能力、問題解決能力の養成の在り方
④高校における履修漏れの再発を防ぐことも踏まえ、高校における教育内容の見直し
⑤教育内容の改革に対応した教科書の在り方や、子供の多様な関心や学習意欲に対応し、発展的な
学習や自学自習にも十分活用し得る充実した教科書の在り方
⑥学習時間と学習リズムの確保の観点から、学校の休日の見直しや、学校週5日制を見直すこと
⑦心身の障害、LD、ADHD等の発達障害、虐待や愛着障害など特別な支援を要する子供や、学
習に大きな遅れがあるために個別の補充指導を要する子供に対する、きめ細かいニーズに応じた
指導・支援の在り方
⑧個々の子供の認知と学習スタイルの多様性を踏まえた指導の在り方
⑨規律違反を行う子供や学級経営に携わる教員に対する、科学的根拠のある、いじめや暴力行為等
の反社会的行為に対する予防的プログラムやマネジメント方法の導入
⑩出席停止になった子供を指導し立ち直らせるための教育施設・指導の在り方
⑪高校、専修学校、高専等における社会ニーズに即した教育体制の強化
⑫職業教育・産業教育の在り方 等
このほか、高等教育、幼児教育の教育内容についても、下記3.に関連して検討します。
2. 教員の質の向上
教員の養成課程、資格、採用、処遇、研修、分限などあらゆる面から教員の質の向上を図るために、
以下の諸点を検討します。
① 大学の教員養成の充実と事後評価システムの導入(認定取消等の措置の導入)など、大学におけ
る教員養成の在り方
② 国家試験化を含めた教員免許制度の在り方
③ 教員としての使命感、人間力を十分見極めることを可能とするための採用システムの在り方
④ 子供たちへの教育に情熱を注ぐ優れた教員への処遇、顕彰の在り方
⑤ 採用後の教員が、増え続ける知や社会の変化に対応できるよう、教員の継続教育の在り方
⑥ 外国語教育の強化のため、外国人を教員として採用すること 等
また、上記1.及び2.に関連し、知の増大と急速な社会変化に対応した教育内容の改革と、それ
を教えられる教員の養成、確保のため、これらを新しい視点から実現するための、大学での総合的な
仕組み(教育院(仮称))について検討します。
3.教育システムの改革
(1)教育界の責任体制の確立
基本的な方向性として、学校現場及び市町村教育委員会に対する分権化を最大限、進めるとともに、
学校教育における国、地方公共団体、学校(校長)の責任を明確化する必要があります。具体的には、
以下の諸点を検討します。
① 学校現場や地方の裁量を大幅に拡大するための分権の推進と、国の役割・責任の明確化及び国の
責任を担保するための制度、市町村立学校に対する都道府県教育委員会の関与の在り方など、公
教育への国や地方の責任・関与の在り方
② 学校における教育の成果を点検・保証するための修了試験等や、学校・教育委員会などに対する第
三者機関等による外部評価・監査システムの在り方
③ 公立学校(校長)の人事、予算、教育内容についての権限の在り方
④ 教員人事に関する校長・市町村教育委員会の権限の拡大、教員の人事異動の在り方など、教員の
人事制度の在り方
⑤ 複数市町村による教育委員会の共同設置、教育委員会と首長との関係、私学行政の在り方など、教
育委員会の役割・権限の在り方
⑥ 教育委員の職務・勤務形態・人数や事務局体制など教育委員会の組織、教育委員・教育長の人選な
ど、教育委員会の組織の在り方
⑦ 教育委員の役割、位置付けなど、行政委員会としての教育委員会の在り方
⑧ 教育委員会の事務権限などを首長に委譲する取組の推進をはじめ、教育委員会の存在の見直し

(2)幼児教育から大学教育まで一貫した教育システムの在り方
① 社会のニーズや学習者のニーズ・適性と発達段階、各段階での教育課題を踏まえた柔軟な教育シ
ステムの在り方(幼・小・中・高・大の教育システムの見直し)
② 学習の成果を客観的に評価し、卒業の認定を厳格に行う仕組み
③ 個々の子供の多様な才能を最大限伸ばす教育システムの在り方
④ 在学年数の柔軟化(いわゆる「飛び級」や「留年」)の在り方
⑤ 情操教育を含めた、就学前の幼児教育の在り方
⑥ 発達段階等に応じた多様な奉仕活動、自然体験等を、教育上有効に活かす指導の在り方 等
(3)多様な教育の在り方
① 働き方、学び方の複線化に対応し、多様なチャレンジを何度でも可能とする教育システムの実現
のため、複線的な学校制度、生涯学習、専門教育への支援などの在り方
② 障害児、不登校、被虐待児など、特別な支援を要する子供、外国籍の子供への義務教育を保証す
る仕組み
③ 得意なものを更に伸ばしたり、苦手なものを時間をかけて克服したりできる、学校外での多様な
学習、文化、スポーツ等の活動機会の充実とこれらにかかわる人材育成、学校教育との連携の在
り方
④ 各学校や地域が創意工夫を活かし、既存の制度にとらわれず特色ある先駆的な教育に取り組む
ことを国として奨励・支援し、その成果を全国の取組に活かしていくための仕組みづくり(「教
育特区」)
⑤ 学校以外の教育施設において義務教育の履行を認める教育選択の在り方 等
(4)高等教育、特に大学院
① 高等教育の国際競争力強化のための「プロジェクトX」(注)
※日本の教育システムは幼児教育に始まり、6-3-3-4-X制であり、Xについては専門分野により教育の
年限、目的、方策は多様である。ここではXの大学院の教育を中心とした高等教育の改革検討プロジェクトを
「プロジェクトX」という。
② 大学の在り方、社会全体への影響、国際競争力など幅広い観点からの、「9月入学」の検討を含
めた大学の入学制度の在り方、大学入試の在り方
③ 大学入試などの「入口」重視のみならず卒業認定などの「出口」重視への方向性
④ 再チャレンジのための中途退学者や社会人入学者に相応しいカリキュラムの確立 等
(5)教育環境の整備
① 世界最高水準の教育の実現のために必要な教員の数の確保、教員サポート体制の整備、教育施設
の整備、奨学金の充実、授業料等の教育費負担の軽減など、教育を「未来のための重点投資」と
位置づけた財政基盤の確保
② 学校、家庭、地域の連携や地域特性に留意の上、学校選択の結果を踏まえ、児童・生徒数や、教
育メニュー、経済的負担の軽減などに応じた予算配分(いわゆるバウチャー制度)など教育機関
や教員が切磋琢磨する環境の整備
③ 厳しい状況にある困難な課題を抱えた学校に対し特別な支援を行うこと 等
4.「社会総がかり」での全国民的な参画
家庭、地域、企業、メディアなどの取組の更なる充実のため、以下の諸点を検討します。
① 「仕事と生活の調和(ワークライフバランス)」や有害情報対策等について実効をあげるための
企業、メディア、家庭等の方策
② 家庭における生活習慣の改善や、乳幼児期の子供の親やこれから親になろうとする人が育児につ
いて学ぶ「親学」や親を支援する諸制度の充実などの方策
③ 学校や学校運営協議会、地域で教育や子供の問題に取り組む組織等に対する寄附税制の在り方な
ど、地域ぐるみの取組を推進するための方策
④ 学校外での社会教育、青少年活動、文化・スポーツ活動等の振興と関係機関の連携協力など、子
供・青少年の健全育成に係る社会や地域の総合力を高めるための方策
⑤ 子供の教育と成長発達を保障する観点からの監督・監査機関やこれらを保障するための関係府省
の垣根を越えた横断的・具体的な教育・支援内容の充実 等
5.改革の具体的実践の重視
以上のほか、当会議が取りまとめた「いじめ問題への緊急提言」の実践状況を含め、改革の内容に
ついて、具体的な行動計画を策定し迅速に実行し、フォローアップを行う仕組みについても検討しま
す。


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