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 教育再生会議の第1次報告について,各社の社説が出揃ったようです。
 教育基本法改正情報センターのページから全て閲覧できます。
(→こちらです

 私は未だ社説や論評に目を通していませんけれども,7つの提案について,ごく簡単な講評をしておこうと思います(→次頁)。

 教育再生会議に対し,いろいろ批判はありますが,私は,あえて教育再生会議に期待をしています。
 安倍首相から100点満点と評価されるような内容ではいかがなものかと思いますけれども,多くの市民から及第点をもらえるような内容にしていただきたいと強く願っています。

 ところで,教育の問題は理想論や道徳論になりがちです。
 この点,今まさに他国で実践されている教育というのは,絵空事ではなく,実際に行われている「現実」そのものです。
 ですから,他国の実践例は,道徳的空論よりも,ずっと参考になるはずです。

 フィンランドでは,今の日本と似た教育制度でした。習熟度別制度の教育をしていました。
 しかし,1985年に習熟度制度をバッサリやめて,福祉的教育制度に転換しました。
 日本の教育基本法にあたる「基礎教育法」が施行されたのが1999年
 その効果があらわれたのか,その後の飛躍的な伸びと,2003年のPISA調査で世界一の学力水準を確保したことは,周知のとおりです。


 そういう地球の反対側にある国においては,
 私たちの国の教育再生会議が,第1次報告を出した同じ1月24日に,日本と逆の方向の提言を発していたとのことです。

 フィンランドに暮らしている方の発信した情報によれば,
 この1月24日付けのフィンランドの新聞(Aamulehti紙)で,フィンランドの教育庁長官が次のような提言が公表されたとのことです。
   ◆生徒数が多くなりがちな学級の定員を法律で限定する(少人数教育の維持)
   ◆必要に応じて教員等人員を増加できるようにする。
   ◆教師の再教育の権利と義務を法制化する。
   ◆その他の学校関係の改善


同じ国策であるにもかかわらず,向いているベクトルが全く反対です。
 だいたいフィンランドの学級は,小学校低学年で20人以下ぐらい,高学年で20~30人ぐらいなのだそうです。

 この点,フィンランドの教育庁長官は,これを超えるような人数の学級になると,教師が職務を遂行するのは不可能だと断じて,このような提言を発したということです。
 また,教師の再教育の権利や義務を法制化するのも,世界情勢の変化に対応できるようにするためで,教師のスキルアップのための環境整備のためのようです。

 教師の尻を叩いたり,クビを切ったり,問題児を集団教室から排除したり,お金をケチったりする我が国の教育再生の方向とは全然違います。


 参考までに,教育再生会議の第1次報告の7つの提言に対し,私なりにコメントしておきます。
【1】「ゆとり教育」を見直し、学力を向上する 授業時数の10%増加等
  →学力向上には,徹底した底上げが早道です。平均点は一気に上がりますよ。底上げにも,また,出来る子を伸ばすにも,少人数指導が合理的でしょうね。

【2】学校を再生し、安心して学べる規律ある教室にする
  →問題児童の切り捨てではなく,家庭環境も含めた福祉的措置・対応が先決。切り捨てた子は,より悪くなって犯罪を繰り返すようになって,困りますよ。前科者には教育が不十分な人が多いよ。

【3】すべての子供に規範を教え、社会人としての基本を徹底する
  →規範やしつけはむしろ家庭だろうに。そんなことまで学校にさせるのは過重だ。まず,社会の中で偉い人や金持ちの人が規範を守るようなアピールしないとね。規範意識のない競争社会の成功者が多いもん。

【4】あらゆる手だてを総動員し、魅力的で尊敬できる先生を育てる
  →まずは,教師に自由と「時間」を与えたらどうですか。登用領域を広げるのはよいだろうけど。締めるばかりでは人は育たないですよ。優秀な教師は,表彰状なんかより,生徒の信頼や愛の方が,やり甲斐を感じると思うけど。

【5】保護者や地域の信頼に真に応える学校にする
  →保護者の無茶クレームの処理を先に考えたらどうですか。学校が専念するのは「ひとり一人の子」の教育で精一杯でしょうに。課題が多すぎるよ。

【6】教育委員会の在り方そのものを抜本的に問い直す
  →それより先に,文部科学省のあり方を抜本的に問い直すべきじゃないか。諸悪の根元だと思うよ,私は。

【7】「社会総がかり」で子供の教育にあたる
  →それなら,社会や家庭が教育に専念できるように,福祉制度を充実できるようにしないとね。問題家庭は,教育にまで手が回らないのよ。富裕層は知らないでしょうけど。


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