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 鹿児島県での12人全員無罪事件は,市民の方々にいろんなことを知ってもらう良い教材だったといえます。

 ◆捜査機関では,未だに,自白の強要や事件のでっちあげが横行していること
  (本件だけの特殊事情と思われるかも知れませんが,実務の弁護士からすれば,決して珍しいことではありません)

 ◆検察庁や裁判所が「人質司法」といわれる安易な逮捕・勾留を漫然と行っていること
  (そのことが,時に大きな真実発見の妨げになっているかを知るべきでしょう)

 ◆密室(=取調室)の中の出来事を検証するために多大な時間がかかること
  (取り調べの可視化」(=録音・録画)がどうして必要なのかが分かっていただけたのではないですか)

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 今回の判決について,新聞等では判決を評価する意見が大勢を占めています。
 しかし,実はこれまで裁判所は,刑罰に等しい長期拘留や,国選弁護人解任など,かなり露骨な酷い措置を取ってきた経緯があります。
 
鹿児島県弁護士会は,この事件に会員全員が一丸となって取り組み,検察庁や裁判所と,徹底的に戦ってきたわけですが,判決が出て即日,次のような会長声明を発表しました(→全文はこちら

 ☆検察庁と警察署は,冤罪の再発防止の実効的な措置を取れ!
 ☆安易な逮捕状・勾留状の発行,接見禁止,保釈却下等をした裁判所は,人権の砦たる自覚をせよ!
 ☆端的に「自白調書の任意性がない」と判決すべきだったぞ!
 ☆取り調べの全過程の可視化(録画・録音)を実現しよう!

鹿児島県弁護士会の,会を挙げての取り組みは,まだまだあります。
 鹿児島県弁護士会の会長は,昨年5月の段階で,次のようなメッセージを書いています。
 都合のいいところだけ録画するのは,かえって有害だ,という声明です。
 この声明は,もちろん今回の事件を前提とする意見でした。
 以下引用しておきますが,読みやすいように大事な部分を強調しておきます(→こちら
「検察取調べを録画、警察録画しないとの記事について」
 5月10日朝刊のトップに「検察取調べを録画」と題する記事が掲載された。記事には「重大事件に絞って検察官による容疑者取調べの様子を録音・録画することを7月から東京地検で試行する。杉浦法相は正式導入する方向で試行する旨記者会見で述べた」とある。

 私を含めこの記事を見た弁護士の大多数は、疑われた容疑者にとって最悪の制度と感じるはずである。

 録音・録画するのは、「検察官が任意性立証のため必要かつ相当と判断した」場合であると記事にある。そもそも、検察官は、犯罪立証の責任を負っており、概ね犯罪を立証する目線で捜査を実施している。

 物騒な話で恐縮であるが、例えば、殺された人間が発見され、殺人に使われた凶器を容疑者が持っていた、あるいは、その凶器に容疑者の指紋が付いていた、若しくは、容疑者の衣服に殺された人の返り血が付いていた場合など容疑者と犯行を結びつける客観的証拠があれば、任意性が争われることは殆ど無い。

 ところが、そのような客観的証拠がない場合、つまり、容疑者と犯行を結びつける唯一の証拠が自白の場合、自白の任意性が争われる。検察官が任意性立証のため必要かつ相当と判断すると云うことは、取りも直さず、自白の任意性が争われた場合に、任意性を立証するための材料とするために録音・録画すると言うことにほかならない。

 弁護士会が、取調べの全過程(取調べの一切)の録画・録音を提唱しているのは、検察に都合の良い片面的な取り扱いをさせない、つまみ食いをさせないためである。若干現実離れした例ではあるが、自白剤を注射して自白させたとして、自白剤を注射する場面は録画しないで、自白剤が効いて自白を始めた場面だけを録画し、その部分だけを見せれば、いかにも容疑者が自らすすんで自白しているように見えるでしょう。

 さて記事には続いて「録音・録画は容疑者に事前に告知した上で実施し、拒否の場合差し控える」とある。あたかも公正なような印象を与えるが、何の足しにもならない。何故なら、人は、真犯人でなくとも、取調べの力に負けて自分に不利益な嘘をつくことがある。このことは、過去の冤罪事件を見れば明らかである。取調べの力に負けて自分に不利益な嘘をつかざるを得なくなった容疑者は、検察の言いなりになる。

 また記事には「警察の取調べは録音・録画の対象にしない」とあるが、当県で起きた高隈事件・志布志公選法違反事件を見ても明らかなように、容疑者は警察での取調べの力に負けて、嘘の自白をしている。警察の取調べの力に負けた容疑者は、負けた状態のまま、検察の取調べを受ける。容疑者は、警察で嘘をついたとおりに、検察でも同じ嘘をつかざるを得ない。

 取調べの可視化(録画・録音)は、取調べの力に負けて嘘をついたのか、それとも悔悟に基づく真実の発露か等取調べの過程を記録するシステムである。その意義・目的を達するためには、取調べの全過程を録画・録音をしなければならない。既に、欧米各国、アジア近隣諸国は取調べの全過程を録画・録音しており、世界の潮流となっている。

 ちなみに、5月12日朝刊に「警察の取調べ録画試行を否定」漆間巌警察庁長官が会見との記事が掲載されていた。鹿児島には、全国的に著名な志布志公職選挙法違反事件がある。この事件を顧みた場合、検察の判断による、検察による取調べの一部分だけの録画・録音を許してはいけない、断固反対すべきであると考えます

以上をもって、平成18年度会長からの第2回目のメッセージとさせていただきます。最後まで、お目通し頂きありがとう御座いました。

鹿児島県弁護士会 会長 川村 重春

もうひとつ,日弁連もこの取り調べの可視化についてまとめています。分かりやすいです。 
  →こちらをご参照下さい。

さらにもうひとつ,大阪弁護士会の小坂井久先生を中心に「取調べの可視化を推進する会」で,ブログ発信をされています。勉強になります。
  →こちらをご参照下さい。
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