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 中央教育審議会(略して「中教審」)が答申を出した。

 私は「まあ,彼らの立場としては,よくやった方だ」と思う。
 もちろん,答申の内容はうんざり,げんなりする内容だ。

 しかし,
   ◆改定された教育基本法が,漬け物石みたいに頭上に乗っかっていること

   ◆再生会議等で煽ったヒステリックな雰囲気が世論に蔓延していること

   ◆総理大臣らから「拙速でもいいからやれ」と尻を叩かれていたこと

   ◆文科省から,もっともっとひどい原案を突き付けられていたこと

   ◆会長や副会長が普段から行政追認的な態度を取ってきたこと

などを考えると,負のバイアスはかなりの程度だったと思われ,ここまで抵抗したのは,まあまあ立派だと思うのである。

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 これは,神戸新聞の今朝の朝刊に掲載されていた勝敗表である。
 (=文科省官僚案 VS 中教審答申)

 学校教育法・教員免許法関係については,かなりの改悪を受け入れたので,現場の教員たちは,これまで以上に息苦しくなった。
 おそらく,先生たちのうつ病や休職などは,これまで以上に増えるであろう。

 他方,地方教育行政法がらみでは,国の教育委員会,教育現場への介入が,ギリギリのところで止まったという感じである。
 これは,各県の知事さんたちが,中教審に出張って,
   「地方自治への国の介入を許さない」
と頑張った成果である。
 とはいっても「寸止め」という感じで,これからは薄氷を踏むような緊張関係が,子どもの教育現場に,持ち込まれることであろう。

 この結果を招いた負のバイアスのうちの一つに,中教審の会長,副会長の考え方というのもある。
 まずは,中教審のメンバーを見ていただきたい (以下続く↓)

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これは,文科省のHPにある第4期中央教育審議会委員の名簿である。

会長  山崎正和 LCA大学院大学長、劇作家、評論家、演劇学者
副会長 梶田叡一 兵庫教育大学長
副会長 三村明夫 社団法人日本経済団体連合会副会長、新日本製鐵株式會社代表取締役社長
委員  安彦忠彦 早稲田大学教育学部教授
    安西祐一郎 慶應義塾長
    飯野正子 津田塾大学長
    石井正弘 岡山県知事
    岩崎洋子 栗東市教育委員会教育長
    宇津木妙子 ルネサス高崎女子ソフトボール部監督
    梅田昭博 社団法人日本PTA全国協議会会長
    衞藤隆  東京大学大学院教育学研究科教授、東京大学教育学部附属中等教育学校校長
    岡島成行 大妻女子大学家政学部教授
    荻上紘一 独立行政法人大学評価・学位授与機構教授
    奥山恵美子 仙台市教育委員会教育長
    加藤裕治 全日本自動車産業労働組合総連合会会長
    金子元久 東京大学大学院教育学研究科長
    北脇保之 浜松市長
    黒田玲子 東京大学大学院総合文化研究科教授、東京大学総長特任補佐
    郷通子 お茶の水女子大学長
    佐伯啓思 京都大学大学院人間・環境学研究科教授
    島田京子 学校法人日本女子大学事務局長
    田村哲夫 学校法人渋谷教育学園理事長、渋谷教育学園幕張中学校・高等学校校長
    角田元良 聖徳大学人文学部教授・附属小学校校長
    寺島実郎 株式会社三井物産戦略研究所所長、財団法人日本総合研究所会長
    中村吉右衛門 歌舞伎俳優
    中村正彦 東京都教育委員会教育長
    野依良治 独立行政法人理化学研究所理事長
    平野啓子 語り部・カタリスト、武蔵野大学非常勤講師
    増田明美 スポーツジャーナリスト、大阪芸術大学芸術学部教授
    宮城篤実 嘉手納町長


 私は,各委員の中には,良心的な人も少なくなく,とりわけ石井正弘岡山県知事は,よく頑張ったと評価する。
 しかし,会長,副会長の人選からして,官僚案を追認することは,目に見えていたといえよう。

 会長の山崎正和氏は,会見で,
  「ガラス細工のような作品となった」
と感想を述べたが,自己弁護なのか,それとも,自らを皮肉った自虐的コメントなのか,真意がよく分からない。
 ご存知のとおり山崎正和氏の名著は「柔らかい個人主義の誕生」であるが,産経新聞の記事によると,山崎氏は,
  「地方分権をすすめすぎると個人主義に陥る。」
  「指導を強めてはいけませんか。」

などと述べたという。
 私は,だいぶ前に「柔らかい個人主義の誕生」を読んだが,世情談義ばかりで,筆者が何を言いたいのかよく分からなかった感想を持っていた。
 ただ,山崎氏の実践と生の言動から察するに,少なくとも,
    国の指導で個人主義化を防ぐ
というのが,柔らかい個人主義のあり方なのかな,と思ったりする(…イヤミだが)。

 副会長の梶田叡一氏は,例の,
  八戸のやらせタウンミーティング
で一躍有名になった,御用学者である。
 「教育改革 タウンミーティング in 八戸」での発言でも,同氏の考えははっきりしていた。
 やらせタウンミーティングの要旨には,次のような梶田氏の発言がある(→こちら
「教員免許の更新制。教育者としてはふさわしくないという理由があれば、免許を取り上げられるようにするものである。すでに、2001年の6月の法律改正で、力量のないと認められた教師は、1年間研修を受け、それでも認められなければ教師以外の仕事に就いてもらうことになっている」
「学生や教員たちが挨拶し、ゴミ拾いや草取りもする。まずは挨拶をすることから始め、けじめのある社会にしたい」
「今の時代に合わないところは直さなければならない。世論は、基本法の改正については過半数の国民がやるべきだという」
「実態把握のために学力調査は必要だ」
 教基法改悪の推進派の大将みたいな学者である。

 そして,もう一人の副会長である三村明夫氏は,日本経団連の看板を背負っての新顔委員である。
 経団連は,ちょくちょく教育問題について意見を発してきたが,たとえば,
   ◆学校選択制の全国的導入
   ◆学校評価制度,教員評価制度の実施
   ◆教育基本法の改正
などが持論だったのであり(たとえばこちら),安倍政府案と歩調を同じくしている。



 彼らのような露骨に御用的立場の旗振り役に対し,真っ向勝負に挑み,一定の成果を勝ち取った,石井知事や,鳥取県の片山知事に対し,慰労の気持ちを送りたい。

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