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 本日、2007年(平成19年)4月5日に、兵庫県弁護士会が、能登半島地震の被災者支援に関して会長声明を出しました。

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 弁護士会には、災害復興等支援委員会というのがあり、私もそこのメンバーなのですが、ここしばらくアレコレと議論をしていました。
 そして、今日の常議員会(弁護士会の国会みたいなところ)で審議され、可決されました。

 被災経験を持つ弁護士会が負っている“被災地責任”を果たすべく、伝えなければならないメッセージをまとめたものです。

 文案は、既に出来ていたのですが,決議ができるまでに、被災地の情勢が日々変わるので、そのつど修正を繰り返したのが、やや面倒でした。

 この声明を送付する先は,内閣総理大臣,国土交通大臣,財務大臣,防災担当大臣と,内閣府の「被災者生活再建支援制度に関する検討会」)のほか,被災地の地元の自治体(県と市町村)です。

 内容を簡単に言うと、次の4点です。

  ◆早く被災者の立場に立った復興方針を示すこと
     ~もっと積極的に、被災者のための復興支援策を出そう!

  ◆被災地の実情に応じて,「資金拠出」をすること
     ~災害救助法の条文の規定どおりに現金を支給しよう!

  ◆高齢者などの要援護者に対する十分な配慮を行うこと
     ~福祉的な支援メニューを充実させて関連死を無くそう!

  ◆被災者生活再建支援法を見直し遡及適用すること
     ~住宅本体への適用を前倒しでやってしまおう!


という感じです。

 以下全文を掲げます。
重要な部分は強調をしておきました。
なお、兵庫県弁護士会のホームページに原文が掲載されています(→こちらです

   能登半島地震の被災者支援に関する会長声明

 2007年(平成19年)3月25日に発生した能登半島地震では、死亡者1名、負傷者約300人という深刻な人的被害のほか、住宅の全半壊・一部損傷が約2000棟に及ぶなど、甚大な被害が生じました。被災地ならびに被災者の皆様に心よりお見舞いを申し上げるとともに、一日も早い復興を願うものです。
 当会は、阪神淡路大震災の被災地の弁護士会として、1995年(平成7年)以降約12年にわたり、被災者の復興支援について様々な取り組みをして参りました。その実践と経験から得られた教訓に基づき、能登半島地震における被災者支援に関して、次のとおり提言いたします。

1 早期に被災者の立場に立った復興方針を示すこと
 阪神淡路大震災では、国の打ち出した被災者支援の諸施策が必ずしも迅速ではなく、また被災者の立場に立ったものでなかったこともあって、被災地の復興に少なからず影を落としました。これに対し、2000年(平成12年)10月の鳥取県西部地震では県が住宅再建支援策を決断し、2004年(平成16年)10月の新潟県中越地震でも県が独自の復興支援策を実施するなどし、これら迅速な対応が被災者の不安を鎮め、復興意欲を引き出す契機となりました。能登半島地震においても、石川県が4月2日に独自の支援策を発表し、効果的な被災者支援になるものと高く評価いたしますが、これに止まらず、真に被災者の立場に立った具体的かつ被災者のニーズに合わせた多様な復興支援策を速やかに示すべきです。

2 被災地コミュニティの実情に応じた資金拠出をすること
 現在、災害救助法に基づく避難所運営、仮設住宅の建設等が進められていますが、同法については、これまで現物給付主義、応急修理費や生業資金給与の支出停止、私有地での仮設住宅建設禁止などの運用がなされてきました。しかし、このような運用方法は、現代社会の実情や、能登半島の地域事情に適するものではありません。現物給付主義に固執するのではなく、災害救助法23条を最大限に活用し、住宅への応急修理費や生業資金について現金給付の手法による支援を検討・実施することが相当であり、また、民有地への仮設住宅建設などの弾力的運用を図ることが求められます。
 加えて、今回の被災地は高齢化が進んだ過疎地域であり、災害を契機とするコミュニティ崩壊が懸念されることから、「この地で住み続けられるための支援」という政策目標を明確に掲げて、住宅再建等については特に思い切った資金拠出を行うべきです。

3 要援護者に対する十分な配慮を行うこと
 今回の被災者には地域性から高齢者が多くを占めています。避難所生活や復興過程における度重なる住居移転は、高齢者をはじめとする体力的に弱い人々にとっては大きな負担となります。新潟県中越地震においては、直接の災害による死亡よりも、その後の関連死のほうが多かった事実を忘れてはなりません。要援護者ひとり一人の身体及び精神状況に十分に配慮し、こころのケアを含めた生活支援を充実させる等、特段の福祉的な施策を打ち出すべきです。

4 被災者生活再建支援法を見直し遡及適用すること
 阪神淡路大震災を契機に1998年(平成10年)5月、被災者生活再建支援法が成立し、2003年(平成15年)5月に一部見直しを経て今に至っていますが、住宅本体の再建・補修に対する支援が認められていないほか、適用要件が極めて限定的であるなど、必ずしも同法の趣旨目的を実現する内容になっていません。同法は国会付帯決議により2008年(平成20年)に再見直しが予定され、「被災者生活再建支援制度に関する検討会」も開催されているところですが、立法目的である被災者の生活再建を一刻も早く実現するべく、検討会の日程を繰り上げるなどして、直ちに住宅の再建・補修への支給と要件の大幅緩和を行い、能登半島地震に対する遡及適用の特例を検討すべきです。
                 兵庫県弁護士会 会長 道 上  明

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