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 公示日以降の選挙関係の書き込みはダメ?
ということが多くのブロガーの心配事になっていた。

 公職選挙法の規制の解釈の問題だ。
 残念ながら、この点について、これまでスカッとした明快な答えはなかった。

 「大丈夫だと思んだけど、なんとなく心配だから、やめとこう。」
という心理が働いて、思い切った発言が自主規制されてしまう。
     ↑
 これを、表現の自由に対する萎縮的効果という。

 ところが、今回の参議院選で、公職選挙法の解釈が新しいステージに移ったようだ。

 読売新聞の今日の記事に注目だ。
   ↓
「自・民が参院選公示後もHP更新、他党も追随の動き」
jiminnhp.jpgということで、
自民党も民主党も党のホームページで街頭演説の様子を堂々と掲載しているというのだ。
確認してみたら、公明党もしっかりホームページを更新していた。

 総務省は、一昨年の選挙では、HPを更新した民主党に注意を通告した
 しかし、今回は「主体的に取り締まることはできない」としているらしい。


 そもそも、公職選挙法の規定はどうなっているのだろう?

 「選挙運動のために使用する文書図画」の意味が問題だ。

 公職選挙法142条~143条では、規定を超えた文書図画の頒布・掲示を禁止している。
 そして146条第1項では、
 何人も、選挙運動の期間中は、著述、演芸等の広告その他いかなる名義をもつてするを問わず、第百四十二条又は第百四十三条の禁止を免れる行為として、公職の候補者の氏名若しくはシンボル・マーク、政党その他の政治団体の名称又は公職の候補者を推薦し、支持し若しくは反対する者の名を表示する文書図画を頒布し又は掲示することができない
としている。

 問題は、ブログやホームページが、この「文書図画」にあたるかどうかである。
 
 これについては、平成8年10月28日に新党さきがけの問い合わせに対する自治省行政局選挙部選挙課が行った回答が解釈指針になっていた。
 自治省の回答は次のようなものだった(→原文はこちらのページより
パソコンのディスプレーに表示された文字等は、公職選挙法の「文書図画」に当たります。

 ◆パソコンのディスプレーに表示された文字等を一定の場所に掲げ、人に見えるようにすることは「掲示」に、不特定又は多数の方の利用を期待してインターネットのホームページを開設することは「頒布」にあたると解しております。
 これだと、ホームページも、ブログも、掲示板も「文書図画」に該当してしまう。

 その後10年以上の時が過ぎた。
 その間にいくつかの国政選挙も行われた。
 形式的には、これに違反するホームページも数多くあったろう。
 しかし、実際に裁判になったようなケースもないし、警察の取締りの対象になったようなケースも無かった。
 それでもブロガーとしては、公職選挙法の規制をおそれ、必要以上に自粛する。
 これが、憲法解釈上の問題となる萎縮的効果なのである。



 しかし、情報ツールは確実に新しい時代に入った。
 だから、公職選挙法の現代的な解釈について考える必要がある。

 そももも、公職選挙法の規制の趣旨はどこにある?
 もし、チラシの配布などを無制限に認めると、財力のある政党が立派なチラシやポスターを大量に作って配布し、貧乏政党はそれができず、著しい不公平が生じてしまう。
 また、一方的にチラシをばら撒かれ、ゴミの処理に困る市民にも迷惑だ。
 だから、一定のルールを作り、また、その脱法行為を制限しようというのが公職選挙法142、143、146の趣旨である。

 確かに、自治省の見解が出された平成8年ころを思い出すと、まだWindows95の時代で、インターネットも市民にほとんど浸透しておらず、ホームページを作るのも、大変な作業で、お金がかかった。
 ブログなんという代物もなかった。
 やはり、情報ツールの基本は、あくまで紙媒体だった。
 自治省の見解も、そういう社会的背景を前提に発出されていた。

 しかし、現在の情報媒体、インターネット環境は10年前とは全然違う。

 ホームページなどは誰でも作れるし、ブログなどは費用もかからずほとんどタダ同然だ。
 受け取る側も、見たい人だけが、好きなときに必要な情報を収集するだけで、ゴミも増えない。
 むしろ、ITツールは、紙媒体とはまったく異なる情報流通の大きな柱となっている。
 法律の前提となる社会的背景(≒立法事実)が全然違っているのである。

 そうだとすれば、憲法上、強く保障されるべき表現の自由を最大限生かすべきである
 新しい人権である知る権利の要請にもこたえる必要がある。
 何よりも、民主主義の機能の根源にあたる選挙の機会にこそ、表現の自由・知る権利を、保障する方向で考えるべきである。
 規制の解釈指針も現代的に改められるべきである。

 したがって、
 ブログやホームページは「文書図画」から原則として除外すべきである。
 これは当然の解釈の帰結だろう。

(なお、公職選挙法の「選挙運動」の解釈は、別論点ですから、ご注意ください。)
(※エントリー後に得た情報によれば,自民党他は,今回の挙は「“選挙運動”に該当しない」と主張しているらしい。ちょっとスジが悪いというか,法的センスの悪い弁明だ・・・)


 実は、既に、民主党は、2~3年前から公選法改正案を何度も国会に提出している。
 自民党も、2005年12月15日に、党内のワーキングチームでホームページの開設・更新の解禁を決めていた。

 今国会で、不毛な法改正が続出したが、国民に有益で各党間のコンセンサスの得られている公職選挙法は、ほったらかしにしてしまった。

 この点、今回の選挙戦では、公職選挙法違反のおそれをものともせず、政府与党が先頭を切って法解釈の壁に立ち向かったわけで、この点に限っては自民党を褒めてあげたい。
(まあ、政府は、集団的自衛権を容認する憲法解釈など、大胆な解釈変更は得意技ですが。しかし、窮地に陥ると、手続きも無視して実行しちゃうというナンデモアリという与党の対応は、一面では恐ろしいことだが。)

minnsyu.jpg
 下位法の違反のおそれも顧みず、憲法の価値の実現にチャレンジしようとしたという意味では、直ちに追随した公明党民主党も立派だ。

 普段から政府の不合理を指弾し、憲法実現を訴えているのだから、社民オムライス党も、共産党も、古びた政府見解に従わず、こういうときこそ率先して、果敢にホームページを更新すべきだろう。

 今回の選挙では、各政党のみなさんに是非がんばってもらって、憲法に即した新しい時代の公職選挙法の指針を創造していただきたい。


市民的な理解としても、 
   社会的な実践が新しい法解釈を創っていく
ということが確認できたら、一つの大きな成果である。
 私たちブロガーが、萎縮的効果に怯まず、憲法価値の実現のためにマイペースを守ってきたこともその1つの実践だと言えるだろう。

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2007年7月14日0時19分 読売新聞より
自・民が参院選公示後もHP更新、他党も追随の動き

 自民、民主両党が12日の参院選公示後も、党のホームページ(HP)を更新し続けていることが、波紋を広げている。

 従来、選挙期間中のHP更新は文書・図画の頒布や掲示を禁止した公職選挙法に抵触する恐れがあるため、各党とも自粛していた。他党からは追随する動きも出ている。

 自民党は公示日の12日、HPに「ニュース」として、東京・秋葉原での安倍首相の第一声の記事や写真、党三役の街頭演説の様子などを掲載した。民主党も12日に小沢代表、13日に菅代表代行の街頭演説の様子を掲載し、党幹部の遊説日程も更新している。

 05年衆院選では、民主党が岡田代表(当時)の第一声などを掲載したところ、総務省から「遊説内容を載せることは公職選挙法に抵触する恐れがある」と指摘され、その後は各党とも更新を控えた。公選法142条は、選挙運動期間中、法定のはがきやビラ、パンフレットを除き、「文書図画」の不特定・多数への配布・掲示を禁止している。

 今回、自民党は「特定の候補者名は出さないが、政党としては情報発信の義務がある」(広報本部)、民主党も「党幹部の演説内容を掲載することは、選挙運動ではなく、政治活動の一部だと考えている」(広報)と説明している。

 自民、民主両党の対応を受け、公明党は選挙期間中のHP更新は自粛するという当初方針を変え、13日午前から、公明新聞の記事を転載する形で太田代表らの遊説の様子を伝え始めた。共産党は13日付の党機関紙「しんぶん赤旗」の記事を引用する形で、志位委員長の第一声を掲載した。

 一方、社民党の担当者は「今後、他党の更新が問題にならなければ、更新を検討したい」と話す。

 総務省は「問い合わせがあれば説明はするが、主体的に取り締まることはできない」と話している。



2005年12月16日 読売新聞より
ネット選挙運動 解禁へ
電子メールは対象外


 インターネットのホームページを利用した選挙運動が解禁される見通しになった。

 自民党選挙制度調査会のワーキングチーム(座長・世耕弘成参院議員)が15日、選挙の公示・告示日以降に、政党や候補者がホームページを開設・更新して政策宣伝などを書き込むのを認める方針を決めた。民主党は解禁に積極的で、公明党も基本的に推進する方向だ。同チームは来年の通常国会への公職選挙法改正案提出を目指す考えだ。

 公選法は、法定のはがきやビラなどを除き、「文書図画」の選挙運動への使用を禁じている。ホームページのようにパソコン画面に表示されるものも文書図画に当たると解釈され、選挙期間中はホームページの更新が認められていないが、インターネット利用者の広がりを受け、解禁を求める声が出ていた。

 民主党は電子メールの選挙運動への利用も認めるよう求めているが、同チームでは「『迷惑メール』による被害などが予想される」として解禁の対象とはしない方針だ。登録者に配信する「メールマガジン」の利用については今後、検討する。

 インターネットを利用した選挙運動には民主党が積極的で、公選法改正案をすでに3回、国会に提出している。自民党は「ネット利用者は若者が多く、民主党を利するだけだ」などと消極的だったが、先の衆院選の大勝を受け、積極論が広がっている。在外邦人にとって、インターネットが情報を得るのに有効な手段であることも、解禁の理由となっている。

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