上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
4・25ネットワークの例会で,とても参考になる本を手に入れた。

20070715181858.jpg
 山口榮一編著「JR福知山線事故の本質
        ~企業の社会的責任を科学から捉える」


この本の帯には,次のようなコピーがある。
 事故車両からの奇跡的な生還と,
 リハビリの日々の記録。
 被害者と科学者が迫る,
 終わらない事故の根本原因とは。
 あの日から,私は,ちがう世界で生きてる。
 このコピーからも分かるように,この本は,
   1 事故の負傷者が辿った事実と思いを綴った手記
   2 科学者が捉えた端的な事故原因
が記されたものだ。

 私はまだ読破していないけれども,
 宮崎千通子さんの手記の部分は,本当に深く感じさせるものがある。

 物理学者である山口栄一先生は,
 事故調査委員会の最終報告書が批判を浴び,
 迫りきれなかった核心部分を,とても分かりやすく端的に書いておられる。
◆この事故は,高見運転士だから起きたのでは決してない。
◆転覆限界速度が時速106キロメートル以上だと「思い込んで」いた人の誰かが,同じ脅迫感をもってここを運転していても,この事故は起きた。
◆スピード・リミッタ機能付きATSが設置されないかぎり,今後もまったく同じ事故が起きうる。
 事故調査報告書にも同趣旨の指摘部分があるが,それを,このように明確に,はっきりと言明できなかったところに謙抑的行政の限界を見いだすことができる。

この本の評価できるところは,単なる机上の評論ではなく,
   被害者の現実の(生の)思い
を出発点にしているところだ。

補償交渉(正しくは賠償交渉)のエピソードも,実際の場面を生々しく伝えている。
◆「過去の交通事故の裁判事例から算定された補償基準」にもとづいて最小限の補償を行っているということだ。そしてその「基準」を超える補償については,あくまで「支援」と呼んで区別している。
◆「治療費の支払いを途中で打ち切ることがある」と言ったので,宮崎さんがその意味を問いただすと,彼らは,「こちらも経費がかさむんで」と応えた。
◆「基準」なるものが,双方の合意に基づかない以上,合理性を欠いていることは言うまでもない。
◆お話を伺うまではJR西日本が総力をかけて被害者への補償をしていると思い込んでいただけに,この真実は驚くべきことだった。
 こういうエピソードは,私も,今回の事故の被害者の方々から,数多く聞いた事柄だ。
 だから,JR西日本の対応は,この本に克明に記されているとおりであると言い切ることができる。

事故調査委員会の報告が出て,
いよいよこれから,向き合うことを回避してきたJR西日本自身の
   原因を説明する責任
が問われる場面が来る。

 8月4日,5日には,被害者向けの説明会が予定されている。

 しかし,事故原因は,遺族や負傷者だけの問題ではない。
 鉄道利用者である市民それぞれも「我がこと」として注視していく必要があるだろう。

 
***ランキング参加中***応援クリックお願いします応援クリックお願いします応援クリックお願いします
          
ついでですので,ご報告を兼ねて次回の勉強会のお知らせを。
次回は,8月4日です。

以下は読売新聞の2007.07.01の記事の引用です。

JR脱線 補償交渉を弁護士が支援

後遺症悪化、卒業遅れ…賠償額は?

きょう川西で負傷者対象に勉強会


 JR福知山線脱線事故の負傷者を対象に1日、川西市の「パレットかわにし」で開かれる「補償交渉を考える勉強会」の準備が進んでいる。一方的に治療費を打ち切られたケースや、賠償基準を「非公表」とする方針など、負傷者にはJR西日本の姿勢に対する不信感が根強く、支援する弁護士らは「当事者が納得する形での示談にするため、全力でサポートしたい」と参加を呼びかけている。

 弁護士や負傷者ら8人が6月25日に集まり、同市内で事前の会合を持った。「事故で大学卒業が遅れたケースや、職場で不本意な配置転換があった場合に示談で考慮されるのか」「後遺症が悪化した時、新たに償ってもらえるのか」など、挙げられた課題は多岐にわたった。

 JR西日本によると、負傷者562人中、約3分の2で示談が成立したとされる。NPO法人「市民事務局かわにし」の相談窓口には今年初めごろから、補償交渉に関する相談が次第に増え、月例の「負傷者のつどい」でも、補償の話題が中心になりつつある。

 支援弁護士の話では、JR側は、一般的な交通事故の「損害賠償算定基準」をベースに交渉。後遺症として残った痛みの緩和や、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の治療に必要な費用については、賠償項目として明示されていない。

 この点について「JRは、柔軟な解釈で誠意を示すべき」などと訴える被害者側との間で、〈意識の隔たり〉になっている。

 勉強会には、4人の弁護士有志が参加。補償額については、会社員、主婦、大学生など属性別に計算式を示しながら解説する。実際に提示された金額を精査する中で、JRの基本方針を浮き彫りにする狙いもある。津久井進弁護士は「交渉には専門知識が必要で、個人での対応に限界を感じている負傷者も多い。勉強会が課題解決の場になれば」と話している。

 問い合わせは、同事務局の三井さん(072・774・7333)へ。

***ランキング参加中***応援クリックお願いします応援クリックお願いします応援クリックお願いします
          
Secret

TrackBackURL
→http://tukui.blog55.fc2.com/tb.php/409-ce650790
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。