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 7月19日に河合隼雄さんが逝去された。79歳だった。

 河合隼雄さんは,兵庫県出身で,とても魅力ある人物である上,私も「こころのケア」の分野に少なからず関わりを持っているので,親近感を覚えていたし,その生前の活躍と功績には敬意も感じており,逝去を惜しむ気持ちが大である。

kokorono.jpg
 ただ,なぜか新聞などで語られていない点が一つある。

 河合隼雄さんの仕事のうち,同氏が心血を注いで製作した,
    「心のノート」
については,ここで振り返っておく必要があるだろう。

※ なお,心のノートのさまざまな問題点については,ここでくどくど説明する余裕も見識もないので,
   「心のノート ガラガラポン」
というホームページを紹介するにとどめておく。


 この「心のノート」は,文部科学省が著作責任者となっている道徳の教科書である。

 小学1年生から中学3年生まで,じっくり,ゆっくりと「心」を培っていくプログラムになっている。

 このじっくりとした「心の作り方」について,河合さんは多大な貢献をした。
 その心の機微に配慮したプロセス自体は,ある意味では,さすが見事というべきだ。

 しかし,この本が導こうとする「最終目的」は,本当に河合さんの意図したものだったのだろうか?
kokorono2.jpg
 本の最後に行き着く結論は,最終章にまとめてある。

 この点,「心のノート」の最終章が,
  「一人ひとりの人間を大切にし,尊重していこう」
となっていたら,まだ理解できたのである。

 ところが,「心のノート」最終章は,
  「日本を愛し,世界の平和に貢献しよう」
で終わっている。

 それが9年もかけて培うべき「心」なのか!,とがっかりくるのである。


 たまたま,昨日(7/20)
大内裕和先生
(松山大学教授/教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会の代表呼び掛け人)
から,大内さんの新著である,
  「日本の教育と社会⑤ 愛国心と教育」
  (大内裕和編著,広田照幸監修/日本図書センター)

をご寄贈いただいた(この本の紹介は,あらためて行うつもりです。)。

 その中には次のような大内さんのコメントがある(p12「序論」)。
『心のノート』は小学校低・中・高・中学校用の四種類がある。そこにあるのは現存する秩序やルールを素直に受け入れて,感謝の心をもつべきであるというメッセージである。
社会への批判精神についてはふれられず,「従順さ」のみが重要視されている。
『心のノート』における道徳や愛情は,家庭から学校,地域,郷土へと同心円状に「自然に」拡大していき,最終的には「国」や「日本」へと行き着く展開になっている。
 それが,本当に「心」に向き合ってきた河合隼雄さんの意図するものだったのかどうか,
その他の河合さんの素晴らしい業績とのギャップを感じざるを得ないのである。

 なお,「心のノート」が政府刊行物である以上,その編集方針・内容は,政府の意図・目的に沿ったものであることは,言うまでもない。

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