上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
 去る7月25日に日弁連で,新潟県中越沖地震対策本部の第1回会議が開かれました。
 その場で,
 「来年改正される被災者生活再建支援法を,能登半島地震や新潟中越沖地震にも,さかのぼって適用すべきだ」
という意見書を緊急発表することが決まりました。

 急遽作成の上,7月26日付で公表しました。

簡単に言うと「せっかく被災者のために改正するのだから,今,目の前で困っている被災者の方々が救われるようにしようよ!」
ということです。
(法律の形式的な適用をすると,せっかくの改正法も,将来の被災者にしか役立たず,現時点の被災者は,蚊帳の外に置かれてしまうからです。)


 毎日新聞の記事です。
被災者支援法
日弁連、中越沖地震などへ前倒し適用求める


 来年改正予定の被災者生活再建支援法に基づく補助制度について、日本弁護士連合会(平山正剛会長)は27日、新潟県中越沖地震などにも適用するよう求める意見書を内閣府に提出した。内閣府では同法が現在認めていない住宅本体への支出について審議する検討会を設置しており、日弁連は支出を認める改正をしたうえで、検討会が設置された今年3月以降の自然災害への適用を求めている。

 同法は被災者に対し最高300万円を支給するが、住宅本体の補修や建て替え、買い替えは私有財産の形成にあたるとして支出を認めていない。日弁連は先月、この支出を認めるよう内閣府に意見書を提出。今回の意見書では能登半島地震、台風4号被害、中越沖地震の被災者の住宅再建問題について触れ、「これらを対象外とするほうが社会的には不合理」などとして、改正後に遡及(そきゅう)適用することを求めた。

 内閣府の検討会は30日に中間報告を取りまとめるが、支出については最終報告となる12月まで引き続き検討する。【衛藤達生】(2007年7月28日 3時00分)


日弁連の意見書の全文を以下に掲載します。
被災者生活再建支援法改正についての追加意見書

                         2007年(平成19年)7月26日
                         日本弁護士連合会

【意見の趣旨】
 
 2008年(平成20年)に改正が予定されている被災者生活再建支援法の改正法を2007年(平成19年)3月1日以降に発生した自然災害に対して遡及的に適用するべきである。
***ランキング参加中***応援クリックお願いします応援クリックお願いします応援クリックお願いします
          
【意見の理由】

 現在、内閣府に設置された「被災者生活再建支援制度に関する検討会」(以下「検討会」という。)において被災者生活再建支援法の改正が検討されている。当連合会は,2007年(平成19年)6月20日付で「被災者生活再建支援法改正についての意見書」を提出し,住宅本体の補修費,建築費,購入費も支援の対象として認めるべきこと,並びに,支出要件を緩和すべきことを求めた。当連合会の他にも,被災自治体,関係団体等からも同趣旨の意見や提言等が提出されていることから,これらの趣旨が十分に反映された検討がなされることを期待している。

 ところで,上記検討会が発足し第1回検討会が開催された2007年(平成19年)3月1日以降,能登半島地震(同年3月25日),台風第4号被害(同年7月中旬)及び新潟県中越沖地震(同年7月16日)と,立て続けに大規模な自然災害に襲われた。これら自然災害による被災地の被害はいずれも甚大であり,被災者は住居を失い生活再建の目処が立たないなど過酷な状況を強いられている。

 上記検討会では,このうち能登半島地震の被災地自治体及び被災者らのヒアリングが行われたが,台風第4号と新潟県中越沖地震の被災者らの実態については必ずしも十分な検討が行われたとは言い難い。被災者生活再建支援法は,上記検討会の意見の取りまとめを踏まえた上で,2008年(平成20年)春の国会で審議される予定であるが,このままでは改正された被災者生活再建支援法は,上記3つの自然災害には適用されないこととなってしまう。

 そこで,当連合会は,上記各災害に改正法の遡及適用を認めるべきであると考える。

 この点,改正法の遡及適用はあくまで例外的な場合に限定すべきとの考え方もある。しかし,遡及適用が原則として否定されるのは,改正の効力を遡らせることによって国民に不利益が生じたり,事務混乱等の支障が生じるところに理由があるのであって,現在検討されている被災者生活再建支援法の改正内容は,被災者への支援をより充実させ,事務の簡素化を図るところに目的があるから,遡及適用による条理上の不合理はそもそも生じない

 むしろ,本制度は,自然災害によりその生活基盤に著しい被害を受けた者が自立した生活を再建できるようにするところに目的があるのだから(被災者生活再建支援法第1条),既に深刻な被災の実態が存在しているのを認識している以上,それに対し支援・救済することは,制度の目的に合致するものと言える。上記検討会で検討が開始されたのは2007年(平成19年)3月1日であるが,検討の過程で生じた3つの大災害で生じた課題は,まさに今回の検討の俎上に載せられた課題であり,これらを対象外とする方が社会的には不合理であり,被災者の復興への意欲や将来への希望を失わせるおそれさえある。

 なお,遡及適用については,法適用の公平性の観点から特別な配慮も必要と思われるが,前回の改正直後に発生した新潟県中越地震で明らかとなった問題点を残したまま,上記3つの災害に現行法をそのまま適用することこそ,硬直的な公平原理に基づくものと言うべきである。今回の法改正の検討作業開始後に発生した自然災害に適用する限りにおいて,決して公平性を損なうことはないと認められ,国民の理解も十分に確保できる

 財政的な面からしても,現行の被災者生活再建支援法の適用対象となる全壊家屋数は,能登半島地震が約630戸,台風第4号が約18戸,新潟県中越沖地震が約1000戸であり,仮にこれら全戸に満額(300万円)を支給したとしても支給総額は約50億円にとどまり,被害規模との比較においても十分に実現可能である。

 被災地において今後の生活に深刻な不安を抱えている被災者らに対して安心と希望を与え,自立的な生活再建を可能とし,もって被災地の復興を実現できるようにするために,是非とも改正法の遡及適用を行うべきである。検討会において現在検討されている論点の中間取りまとめ案には,遡及適用の是非について言及されていないので,これを盛り込んだ上,実現に向けて具体的に取り組んでいただくことを併せて要望する。

                                       以 上

こんなことぐらいであれば,法律上も,政策上も,行政手続き上も,容易に可能な事柄です。
したがって「やる気があるか,やる気がないか」の問題です。
被災者の身になって,考えてもらいたいと,心から思います。

***ランキング参加中***応援クリックお願いします応援クリックお願いします応援クリックお願いします
          
Secret

TrackBackURL
→http://tukui.blog55.fc2.com/tb.php/432-5d1d9a48
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。