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 自然災害の被災地には,善意の救援物資が大量に送られてきます。

 直後の緊急時は当然としても,その後も,「支援」という名で,他の地域からいろんなモノやサービスが持ち込まれます。
 たとえば,数々の支援物資をはじめ,避難所に配る弁当,住宅の補修・再建の建築業者,などがその一例です。

 このように,善意の「贈与」によって,被災地の経済が回ります。
 「贈与」によって地域経済が成り立っているので,これを「贈与経済」などと呼んだりします。

 しかし,これを長く続けると,地元は贈与経済に依存する体質になってしまいます。
 よそからタダで物資が入ってくるわけですから,誰もお金を出してモノを買いません。当然のことながら,地元の商店や建設業者は,干上がってしまいます。
 そして,支援が引き潮になった後,被災地は,一気に衰えてしまいます。


 やはり,被災地の再生を図るためには,被災地自身が自立できるような経済体制を整える必要があります。

 このような「贈与経済」からの脱却法について,提言と活動を行っているのが,永松伸吾さんです。

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 以前にも永松伸吾さんのHPを紹介しましたが,
この春「人と防災未来センター」から,
「独立行政法人防災科学技術研究所」
に移られたので,ここであらためて紹介をしておきます。


 永松さんは,今回の新潟県中越沖地震でも,いち早く現地入りしました。
 そして,7月19日の時点で,
   「柏崎・弁当プロジェクト」
を提案されました。

 これは,被災地に供給する弁当を,柏崎の地元業者(材料,調理,物流,販売など)がお互いに協力して弁当を作ろうというものです。
 実は,3年前の小千谷でも「弁当プロジェクト」が行われ,地元業者が元気を取り戻したという先例があります。

 7月28日のNHKニュースで,柏崎鮮魚商組合が1万5000食の弁当を供給する体制を作り上げたということが報じられました。

 地域社会に内在する社会関係資本を活用した災害対応です。
 地味かも知れませんが,こういう知恵と工夫の積み重ねが,被災地復興に対し,確実に大きな追い風になっていきます。

 永松さんから届いたメールを,以下引用します。
       ↓

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まず,7月19日にいただいたメールです。

 永松@防災科研です。昨日と今日と現地の様子を調査しました。
全体的な被害の様子はいろいろなところですでに耳にされていると
思いますので、いくつか気がついたことを報告します。

(転送大歓迎です)

(1)原発への不安
 地元の方々の不安は相当なもののようです。被災者の多くは、地震直後に柏崎原発から黒煙が上がっているという情報をラジオで聞いて、防災行政無線では何一つそのことについて放送がないという状況だったようで、相当不安だったようです。ただ、そのことを自分から進んで語る
ひとはあまりおらず、出来る限り考えないようにしているように見えました。

(2)経済的影響
 先に予定されていた地元の祭りの中止が決まり、観光客は激減。
 また、放射能を含む水が海に流れたことによって柏崎産の魚介類や農作物等への風評被害を地元は心配しています。
 また、原子力発電所の操業停止が相当長期に及ぶ可能性が出てきたことも、地元経済におそらく大きな影響があるものと思います。
(柏崎市の経済活動の3割が電力関係なのです。)

(3)行政対応
 昨日の早朝時点ではボランティアの情報が柏崎市の本部に入ってこないため、どうなっているかわからないという話がありました。ボラセンも市役所も自分たちの体制を整える段階で、横の連携を取る段階になかったのでしょう。
 とはいえ、救援物資で市に送られてきた水を運ぶ作業に保育士を駆り出して作業させていたのには驚きました。保育所は本日一部再開したようですが、保育士には保育所の再開やこどものケアに当たらせるべきだと思うのですが。
 今の地域防災計画には災害時業務しか記述されておらず、通常業務の継続の観点が欠如していることの問題をあらためて感じました。

(4)避難
 過去の災害でもそうですが、避難所以外の場所で避難生活を送られているかたが少なくなく、この程度の町のこの程度の地震でも避難所が圧倒的に不足するという事実をあらためて認識しました。
 もうすこし、避難生活の多様性を前提とした対応を検討するべきではないかとおもいました。

(5)「弁当プロジェクト」始動!
 本日、小千谷の「弁当プロジェクト」のメンバーの一人である、(株)魚沼水産の常務理事と柏崎市に行ってきました。
 柏崎魚市場社長、柏崎鮮魚商組合理事長、事務局長らと、被災者向け弁当の地元供給について、小千谷の「弁当プロジェクト」の取り組みについて紹介してきました。
 柏崎の人々は皆乗り気でした。理事長も「こんなことを小千谷でやっていたなんて目から鱗だ。ぜひ柏崎でもやりたい」とおっしゃっていました。
 ただ、現段階ではいくつかの問題があります。
 ・被災事業所の多くは自宅片付け等で頭がいっぱいで、まだ将来の仕事のことまで考えられていないということ、
 ・現実問題として、どれだけの業者が協力して、どれだけの弁当を作れるかわからないということ、
 ・また、水道の復旧はプロジェクト開始の大前提となるが、それがいつになるかわからないということ(今日の午後には25日頃という情報が出たようですが)
 ・米飯をどうするかということ(小千谷の時には地元に越後製菓の工場があったため、大量の炊飯が可能であったが、柏崎にはない)
 具体的な動きになるためには、これらの問題をクリヤーしなければならず、もう少し時間が必要かと思います。
 とはいえ、今回は単に日銭を稼ぐという意味だけではなく、前述の風評被害を吹き飛ばすためにも、このプロジェクトの意味は大きいと思っています。
 地元の動きが本格化したら、再び現地入りしたいと考えています。

続いて,7月28日にもらった続報メールです。
皆様(重複ご容赦ください)

 永松@防災科研です。
 先日、柏崎の鮮魚商組合による弁当プロジェクトについてご報告を差し上げましたが、先ほどNHKのBSニュースで、柏崎鮮魚商組合として弁当15,000食を供給する体制が出来たという報道がありました。
 入れ知恵をしたものとして、非常にうれしく思います。本当に最初の知恵だけで、後は地元の判断だと放置していたのですが。。。。

 これから現地で活動を展開される皆様、ぜひ、昼食や夕食を地元の業者に依頼することを検討してみてください。15,000食といえば被災者向けの弁当を遙かに上回る供給能力なので、きっと対応できるのではないかと思います。ご関心のある方は永松までご連絡ください。

 鮮魚商組合は、柏崎魚市場に出入りする業者の組合です。柏崎の魚は放射能汚染の風評被害に悩まされています。被災者やボランティアが彼らの弁当を食して復興に向けてがんばっていることが報道されれば、風評被害を吹き飛ばす何よりのいい材料になるはずです。

 また、小千谷で展開された弁当プロジェクトが柏崎でも動き始めたと
いうことはすばらしい事実だと思います。地域社会に内在する社会関係資本を活用した災害対応は、単に小千谷の偶然ではなかったということです。
 適切な知恵と助言さえあれば、出来るんですね!

(転送歓迎します)
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永松 伸吾  Shingo NAGAMATSU, Ph.D.

独立行政法人防災科学技術研究所 防災システム研究センター 研究員
災害リスクガバナンスプロジェクト リスク政策チーム チームリーダー


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