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 人が存在している限り,残念ながら,必ず犯罪は起きます。刑事裁判となれば必ず弁護士が必要になります。
 もっとも,弁護士の人口の都合に合わせて犯罪が起きるわけではありませんから,地域によって,国選弁護人の数が全然足らなかったり,逆に余るほどいたりして,不均衡が生じています。

 私の所属している兵庫県弁護士会の尼崎支部では,国選弁護人の数が足りません。
 そのせいか,私らのところには,難しかったり,大変な事件ばかり回ってきます。
 ところが,実は,簡単な事件だけ取り上げてみると,そういう事件は,受け手の弁護士に困ることはないみたいです。

 そういった傾向は,弁護士が大勢いる隣の大阪弁護士会では,もっと露骨なんだそうです。
 国選弁護も,「お仕事」ですから,そりゃあたいへんなものよりも楽な仕事の方がありがたい,というのが人情でしょう。
 また,実際のところは,刑事弁護には精通しているが高齢等の理由であまり足を動かして小回り良く動けない弁護士も多く,そういう先生方には,むしろ,こういう単純な事件を多く引き受けてもらいたい,という考えもあります。これが,配置する側の考え方です。
 
 ですから,この新聞記事みたいに,報酬の多寡だけで,そんなふうに弁護士が選り好みしているような論調の記事には,率直な反発を感じます。

 他方で,本当に楽な事件ばかりを,選り好みして漁りに行く弁護士がいるとすれば(それが働き盛りの弁護士であればなおさら),少々,失望を感じたりもします。


ここからは新聞記事からの引用です。


産経新聞 2006.08.31 大阪夕刊 13頁(全1,146字) 

行列のできる国選弁護受付 大阪弁護士会 先着順、「事件選びたい」

 刑事事件国選弁護をめぐり、大阪弁護士会所属の弁護士の間で熱い“争奪戦”が繰り広げられている。受任手続きが早い者勝ちの先着順になっているためで、手続きが行われる同弁護士会館(大阪市北区)に早朝から行列ができることも珍しくない。
 「簡単な事件を担当したい」との思惑で並ぶ弁護士も多いというが、同弁護士会は「並ぶ動機によって行列から排除するわけにもいかないし…」とサジを投げた格好だ。

 「できるなら並びたくないですが、仕方がないです」と苦笑するのは、ある女性弁護士。この弁護士は今年5月、受任手続きのため同弁護士会館を訪問。午前9時半には到着したが、それでもすでに10人以上が行列を作っていた。法律書を読みながら30分ほど時間をつぶして順番待ちしたが、残っていた事件はわずか4件。えり好みできるわけもなく、結局、自分のスケジュールに合った事件に決めた。

 「あまりの行列に、一時期、『職員が来るまで入れません』という張り紙が出されたこともあるんです」(女性弁護士)

 同弁護士会では、国選事件の受任は事前登録している希望者が先着順で事件を選別。そのうえで“売れ残った”事件は、登録弁護士に強制的に割り当てることになる。このため、「どうせなら自分で選んだ方がよい」と、早朝から長蛇の列ができる結果につながっている。

 一方で、こうした弁護士の間では、ある条件を満たした事件がひそかに「人気の事件」とされているという。

 容疑を認めている▽拘置場所が近い▽通訳不要▽追起訴予定なし-がその条件だ。中堅弁護士は「覚せい剤取締法違反や窃盗事件でこれらの条件がそろえば、公判が1回で結審して2回目に判決、というスピード審理が期待できる」と解説する。ある若手弁護士も、こうした事情から「簡単な事件を受任しようと思って行列に並んだ」と明かす。

 背景には、苦労しても報われない、国選事件の報酬額の実態がある。各裁判所が事件の難易度や弁護活動の内容によって決めるとされているが、最高裁の支給基準は地方裁判所での標準的な3回の開廷で8万5100円(平成18年度)。ケース・バイ・ケースで増額はされるが、「増額といっても報酬の1割くらいなど、ほんの気持ち程度。活動に見合うものではない」(中堅弁護士)のが実情だ。

 一方で、私選事件の場合は「窃盗などの簡単な事件で20万円。強盗などで事実に争いのある場合は50万円くらいが相場」(同)というように、国選事件との間には格段の差がある。「どうせ報酬が同じ国選事件なら、早く、楽に終わらせたい」という本音も一部にあるようだ。

 早朝からの思わぬ“争奪戦”だが、同弁護士会は「簡単な事件を選ぼうという弁護士もいるかもしれないが、若手が経験を積むために受任することも多いはず」と話している。


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