今日(9月2日)が
  「被災者生活再建支援制度に関する検討会中間報告に対する意見」
の締め切りです。
 何度もしつこく呼びかけて申し訳ありませんでしたが、まだあと数時間ありますので、最後の呼びかけをします。

 パブコメは、
  こちら→http://www.iijnet.or.jp/cao/bousai/opinion-fukkou.html
からどうぞ。


 今日までに、多くのみなさんが意見を出されました。
 私が出した分も紹介し、併せて、災害復興の第一線でご活躍されている他の方々が提出された意見も紹介させていただきます。
 インターネットで送信する場合は次数制限(1000字)があるので、みなさんコンパクトにまとめておられます。
 今回、多くの皆さんの意見に触れて、本当に勉強になりました。

<津久井進の送信した意見>

 私は,あらためて憲法の理念に立ち戻って支援法の見直し作業を行うべきだと思います。

 すなわち,「災害復興」は,国民の「損害の救済」(憲法16条)の一場面であり,かつ,条件の平等(14条)を保障し,財産権(29条)の制度的保障を図り,生存権(25条)実現政策を行う場面にほかならず,これにより憲法の最高価値である個人の尊重(13条)を図る機会だと思うからです。

 具体的には,次のように考えるべきだと思います。


(→以下続く)

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1.支援金の使途を,被災住宅の解体・撤去費やローン利子等の関連経費に限定せず、住宅建設費、購入費や補修費等の住宅本体の費用も支出の対象として認めるべきです。

2 支出対象を弾力化し,居住関係費の支出対象を,全壊住宅の補修費用,事業用の店舗・作業所・倉庫,賃貸住宅の賃貸人,地盤修復費などにも広げ,生活関係費の使途を限定せず被災者の自律的判断に委ねるべきです。

3.支給要件等を緩和し,年齢要件・年収要件を撤廃し,対象となる被害についても半壊世帯,床上浸水世帯を含めるべきです。

4.支給事務,支援金支給の手続き、被害程度の判定手続き,要提出書類の範囲等を簡素化すべきです。

5.被災自治体が適用要件や支給基準の細目,事務処理方法等について現場に即した判断が出来るよう自治体の裁量権を大幅に認めるべきです。

6.支給額の上限を500万円程度に引き上げるとともに,財源となる基金を満額(600億円)に充実させ,国の予算(平成19年度予算額3.1億円)も基金規模に見合ったレベルを確保(または基金への国の拠出)すべきです。
  特に国家予算としては自治体基金規模の0.5%しか計上していないのは問題です。国に基金を設置することは,必ずしも財政法上不可能ではありませんし,少なくとも現在の基金への拠出は法律上は可能です。いざというときの備えを講じるのは,個人レベルでも,企業レベルでも,地方公共団体レベルでも当然の対策です。国においても同様です。国の財源の積み立てを制度化すべきです。

7.首都直下地震のような超大規模被害のフィージビリティを考慮して制度の改善が先送りにすることは相当でなく,首都直下地震については,上限額の設定,国主導の特措法の策定などを検討し,他地域については一刻も早く改正を行うべきです。

8.能登半島地震,新潟県中越沖地震への遡及適用をすべきです。



<出口俊一さんの意見>
※兵庫県震災復興研究センター事務局長
※関西学院大学災害復興制度研究所客員研究員

1.両論併記を乗り越えてより踏み込んだ内容に

 「3.制度改正の選択肢と課題」には、大小35項目にわたって「現状」「趣旨・利点」「指摘される問題点」がまとめられていますので、「現状と課題」はよく理解できます。しかし、「2.制度見直しの基本的考え方 (2)制度見直しで目指すべき方向」に述べられている内容との関連が、いまひとつ不明確ではないでしょうか。「大小35項目」にはすべて両論併記がされていて、「制度見直しで目指すべき方向」の具体化がいまだなされていないからではないでしょうか。

2.「制度見直しの基本的考え方」に沿って具体化を

 「制度見直しで目指すべき方向」は、下記の4点にまとめられています。
  ○被災者から見て分りやすく、被災者の自立意識、生活再建意欲を高める制度に
  ○被災者に対して支援の気持ちがストレートに伝わるような制度に
  ○非常体制となっている被災自治体に過重な事務負担を掛けない制度に
  ○全体としての公費負担低減に寄与する制度に
 住宅再建支援策を確立することこそ、これらの方向に沿うことになると思われます。一例を申し上げます。
  ■住宅の応急修理・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・ 50万円→災害救助法
  ■仮設住宅・・・・・・・・・・・・・・・・・ 300~400万円→災害救助法
  ■復興公営住宅・・・・・・ 1500万円~2700万円→公営住宅法
   ※「復興公営住宅」の1戸あたりの費用については、通常1500万円という数字が使用されていますが、兵庫県は2700万円(土地購入代を含む)という数字を自然災害議連の会議や兵庫県発行の『復興誌』で使用しています。
 これらは、現行制度で支出される住宅に関する費用の中心だと思います。住宅再建支援策があれば、仮設住宅→復興公営住宅に入らなくても元の場所で再建できて、そして、「被災者に対して支援の気持ちがストレートに伝わるような制度に」なると思われます。災害救助法や公営住宅法、そして被災者生活再建支援法と各制度があちこちの法律の中にパッチワーク的にあるものですから、今回の改正作業の中で、被災者生活再建支援法の中に住宅再建に関する他の法律の条項を移してはどうかと思います。
 従来、自然災害議連や旧国土庁の検討委員会での議論の中でも阪神・淡路大震災で仮設住宅や復興公営住宅に膨大な支出をしているのであるから、今後、住宅再建支援策を確立しておいた方がトータルに見れば公費の支出減になるのではないか、という意見が、繰り返し表明されていたことを記憶しています。
 例えば、被害規模のよく似た二つの地震後の仮設住宅と復興公営住宅(能登は未定)の建設戸数を比較すると、鳥取の方は、地震から11日目の300万円の住宅再建支援策が奏功して、仮設住宅と復興公営住宅の建設戸数を抑えることができたと言えます(片山善博・前鳥取県知事談など)。

      鳥取県西部地震(鳥取県分) 能登半島地震
○全  壊   391棟         590棟
○半  壊   2472棟        1170棟
○一部損壊   13195棟       10278棟
◎住宅支援策  300万円         100万円
○仮設住宅      28         334戸
○復興公営住宅    26戸(町村営)  現在、検討中

1995年の阪神・淡路大震災以降の自然災害で、①住宅の応急修理、②仮設住宅の建設、③復興公営住宅の建設、④災害援護資金、⑤住宅再建支援策の有無、金額などの件数又は戸数と金額のデータが整理されれば「全体としての公費負担低減に寄与する制度に」ということが実証されると思われます。

3.制度見直しの具体的内容

 制度見直しにあたっては、以下の内容を盛り込んで下さい。
 (1)住宅本体はもちろんのこと、店舗も併せて対象にすること。
 (2)生活関係経費と居住関係経費等の区分を撤廃し、当面500万円に引き上げること。
 (3)収入・年齢制限の撤廃など支給条件を緩和すること。
 (4)支給対象災害・世帯をいっそう拡大すること。
 (5)今回の改正にあたっては、2007年3月の能登半島地震災害に遡及適用するとともに、2004
  年10月の新潟中越地震以降の自然災害に対しても同等の措置をとるようにすること。



 <山崎栄一さんの意見>
 ※大分大学准教授

【憲法という視点から見た被災者生活再建支援制度】

 被災者支援に憲法を生かす努力を

 これまで政府少し大きい文字は、「個人補償否定論」をタテに、被災者支援制度の拡大を最小限のモノにしょうとしてきた。本来的には、憲法は国民の自由・権利を保障するために存在しているはずであるのに、被災者支援制度のあり方をめぐる議論においては、むしろ国民の自由・権利を限定する方向に作用している。憲法がこのように使われていること自体が、国民にとっての最大の悲劇ではないのか。

 憲法と支援制度の関係

 憲法は、被災者支援法制の中で最高位に位置する法規範であり、支援制度の「指針」を提示している。憲法解釈の中から原理・原則を抽出することによって、支援制度の指針となり、支援制度の将来的な方向性・課題を示してくれる。いってみれば憲法は、支援制度にとっての「灯台」としての役割を担っているのである。

 支援制度の大原則としての個人の尊重・自己決定権

 支援制度の総則的な「指針」となるのが、憲法13条から導き出される「個人の尊重」「自己決定権」である。個人の尊重からは、自立した個人についてはその自己決定・自己責任に基づく営みを最大限に尊重すると同時に、他方、自立できない個人について自立できるところまで国が生活配慮を行うという「指針」が導き出される)。また、個人の尊重は、「被災者支援政策(ひいては防災政策)の主人公は住民である」という、支援制度のあり方を考える際の原点を示してくれる。そこからは、支援制度の意思決定プロセスへの住民参加保障といった「指針」が導き出される。
 また、自己決定権の実質的確保という視点からは、被災者それぞれの「災害復興ストーリー」に即した支援メニューの整備(被災者ニーズの把握や支援メニューの多様性の確保)が「指針」として要請されることになる。

 支援制度は、憲法上のどのような価値を追求しているのか

 これがはっきりしないとこれからの支援制度のビジョンも見えてこない。具体的にいえば、生存権の実現を目指した「社会国家的な配慮に基づいた制度」なのか、私有財産制を前提とした「自助を促進する制度」なのかがはっきりしていない。支援制度の設計にあたっては、憲法上の消極的な根拠付けである「個人補償否定論」を意識しすぎてしまい、積極的な根拠付けを怠ってしまっている嫌いがある。



 <村井雅清さんの意見>
 ※被災地NGO恊働センター 代表
 ※CODE海外災害援助市民センター 事務局長・理事


 地盤崩落など二次災害の可能性が極めて薄いと判断された場合、もと住んでいたところでの住宅再建を優先的に考えたい。現実には、災害によって大規模半壊あるいは全壊認定を受けた住宅の中でも、補修再建が可能なケースが少なくない。地域の住宅様式や生活様式によって必ずしもすべてにあてはまらないが、例えば住宅の一部でも最低限の日常生活ができるような補修をし、その上で全体の完成までの補修費をさらに支援するという”2段階補修支援策”を実現して欲しい。
 特に能登地域のような、間口が狭く奥行きが30㍍から90㍍もあるという特徴的な住まいの場合は、二段階補修による再建が可能である。

何故ならば、
1.仮設住宅に費やす費用および災害復興公営住宅に費やす費用を考慮すれば、上記のように補修費として二段階に支援しても、まだ費用軽減になります。この方式は、海外の被災地などでは「増殖型再建」といって都市計画の専門家の中でもすでに実践されており、インドネシア・中部ジャワでは、日本政府もこの住宅再建方式を支援している事例である。

2.もともと住んでいた住宅の一部の再建からスタートするということは、長年かかって確保してきた「住まい」という貴重な財産の再建(成り行き)を、近くで見ながら暮らしの再建を考えることが、その後の地域の再建にも影響を与える。

3.災害後の地域再建を計画するときに、個人の住宅であっても、当然ながら地域の貴重な資源でもあります。景観はもちろん、文化的な財産、住まいとしての伝統的資源、自然の価値など場合によっては、その個人の家が再建されないことは地域再建の致命傷にもなると考えられる。

補 足
 3月25日の能登半島地震以来、幾度となく被災地に足を運んでいる。穴水町の更地の姿はまだ小規模であるが、それに比して輪島市門前町の更地の姿は大規模である。特にかつては、観光地としても賑わっていた「総持寺通り」は更地が多く、地域の再建に大きく影を落としている。おそらく、地震発生直後から専門家による充分かつ丁寧な相談がなされていれば、これらの更地の内、壊さなくてもよかった住宅は少なくないだろう。実際に門前町舘地区の大工さんは、変わり果てた町の姿を見るたびに「もったいない」とため息をついている。加えてこの方は、「大量の災害廃棄物をリサイクルとして有効活用すれば、充分住宅補修に活用できる廃材が少なくない」とも指摘されている。
 さて総持寺通りの空き地対策を考えると、1個人の住宅再建の域を超えている。この地区は、地域全体の保存・再建をデザインしなければ甦ることはできない。さらに、総持寺通りに面した住宅のみならず、門前町道下地区、舘地区なども含めて全体の街並み保存という考え方を導入しなければ、総持寺祖院を中心にした貴重な参拝地および観光地の復活は不可能だと感じる。
 それは、この門前町全体には名刹・古刹といえる寺院が非常に多い。総持寺祖院という修行寺1か寺のみならず、古代から信仰心の篤い特徴のある地域性を考えても、地域全体の再建をデザインすることが不可欠である。そしてこの特徴ある歴史性が、この地域を支える”祭り”にも影響しており、古代からの貴重な先人の文化を守っている。



 <青木正美さんの意見>
 ※青木クリニック医師

『後期高齢者に対する社会的配慮ある支援制度へ』

 現在、著しい高齢社会を迎えた日本において、後期高齢者の単独世帯 や、独居の後期高齢者が自然災害に遭遇して、住居を失ったり、健康を害して、災害以前ま での自立した生活が営めなくなった場合を想定し、『被災者生活再建支援制度』を充実させるべきだと思います。

 「住居」は「医療」「介護」「年金」とともに語られるべき、最も重 要な国民生活の基盤である社会保障制度の「幹」であることを、行政サイドはもっと認識するべきだと思います。

 具体的には、支援金の支給要件の緩和(年齢・年収要件の撤廃)、支援金の使途制限を撤廃(住宅本体への用途を認める)、そうして新たに前述した後期高齢者の被災者が増加することに重点を置き、現行では「介護保険」によって運営されている公的な高齢者施設(特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護療養型医療施設)以外の、民営の老人施設などへの入居に掛かる費用にも支援金の使途を広げる等の、後期高齢者に対する社会的な配慮を要するべきだと思います。

 厚生労働省では介護保険で運営されている公的な高齢者施設のうち、現在38万床ある療養型病床の数を5年後には15万床にまで削減し、在宅介護へとシフトする予定になっています。しかし、この計画はたいへん厳しく、帰る家がない高齢者の受け皿をどう確保することができるのか、医療・介護現場では既に混乱が始まっています。
 非災害時でさえ、施設介護から在宅介護への強化という大きな制度移行に伴う混乱が避けられそうにない現在、被災者のとりわけ後期高齢者に対して、十分な心身へのケアを行う事は、今後益々難しい局面を迎えます。因って『被災者生活再建支援制度』の適用に関してはより一層、柔軟な運用ができるようにしていって欲しいと思います。

 阪神・淡路大震災では、コミニュティーの分断・崩壊によって社会生活に支障をきたした被災者の方々がクローズアップされました。特に高齢者の被災者に多くみられたこのような状態は、医学的に表現すれば「意欲障害」であり、これがきっかけで「鬱病」になってしまったことが推測されます。
 一般的に、後期高齢者は日常生活においても「意欲障害」が出現します。この状態で慢性疾患を抱えると、軽度の鬱状態に陥ることが多くなります。この「高齢者鬱病」はたいへん多くの方々が抱えておられます。
 もしも、そこに突然の自然災害で被害を被れば、たちまち「生きる意欲」が消失し不安な精神状態が高まって、重度の「鬱病」を発症してしまうことは容易に想像できます。後期高齢者が「意欲障害」から重度の「鬱病」を発症するまで、早ければほんの数日しか要しません。

 こうした、高齢者に多くみられる「意欲障害」という精神的な症状に対して、行政が救える範囲は、残念ながら医学的にはあまり多くはありません。
 しかし、せめて災害直後に使途制限のない支援金が支給されれば、少なくとも当面の経済的な不安は軽減し、重度の「鬱病」に陥る被災者を減ずることができるのではないかと期待しています。



 <藤原柄彦さんの意見>
 ※神戸市長田区ボランティア

一小市民からのお願いです。

 私は、弁護士でも、学者でもありません。普通の市民です。神戸市民です。阪神・淡路大震災の被災地の市民です。あの時、全国の方々から支援を受けた者の一人です。感謝を何らかの形で、示し、表そうとし、その後の自然災害地に赴いている市民の一人です。

 私たちは、“あの時”にも色々と救いの手を求めました。しかし、“壁”に阻まれ、実現されませんでした。その結果、被害が拡大したと思っています。つまりこれは、人災だと言っても、過言ではありません。その為、とてもいたたまれない気持ちで過ごしてきました。

 一方、新潟や能登などの大地震被災者の方々は、『神戸の皆さんの(被災した)お陰で、こうやって沢山の方々がボランティアさんとして駆けつけていただき、感謝していますよ』異口同音に語っています。
 ところが、行政の対処についてはどうでしょうか?相変わらず、旧態依然ではないでしょうか。

 市民レベルでの拙い視方で、表現ですが、是非共、改正へ盛り込んでください。

 繰り返しますが、一小市民ですので、高尚な字句や表現は出来ません。普通の表現ですが、心の底から、訴えます。

① 仮設住宅には、二重ドアが必要です。
 現在建設完了し、引き渡している仮設住宅を二重ドアにしてください。
 能登や中越沖地震でボランティア活動を展開する間に、仮設住宅を数箇所見てきましたが、相変わらずだと思いました。12年前、3年前の状態と同じです。何とか二重ドアにしてあげることは出来ないものでしょうか?
 仮設とは言いながら、それはまるで、コンテナをつなげただけのように見える(失礼)、住宅とも思えないような代物です。
 仮設ながらも、人が住み・憩いそして、復興への足がかりとなる『場』ですから、せめて、出入り口部分を公費で、二重にしてあげる手立てを講じてあげてください。
 降雪の時期を待たずして、普段から必要です。例えば、降雨時期においても、必要です。
 また入室してすぐの所に、靴を脱がないといけないのであれば、何かしら落ち着かないようにも感じるのは私だけでは無いと思います。またそこは、台所の近くで、流し台が設置されています。衛生上においても好ましくありません。
 仮設でも住宅に必要な仕組みですので、一体化した物・附随した物とお考えいただけないでしょうか?

② 仮設住宅建設よりも、優先すべきこと。
 阪神のときとは異なり、能登や中越地方では、人々の住宅の敷地は広く、家屋が倒壊しても、敷地内にはなお、余地があります。本来なら、その地に仮設住宅を建設して欲しいのです。悲しくも全壊した家屋ならば、その地に仮設住宅を建設して欲しいのです。
 もっと言えば、仮設住宅建設並びに解体経費を現金給付して欲しいのです。仮設住宅建設に要する経費を個人が自己家屋建設或いは修復の一部に充当できれば、効率的で、環境にも優しいのではないかと思います。仮設住宅ならば、短期間で、解体される運命ですが、自宅敷地内に建設した場合は、長期的に居住することが可能です。自己家屋建設に充当できれば、もっと長期的に居住することに耐えることが可能です。

③ 所得制限の撤廃は、復興への近道。
 何故、所得制限を設定するのですか?高額所得の方が、元の地に留まり、一日も早く復興することが出来れば、そのことは即ち、その地の税収入も増加し、復興へのスピードアップすることにもつながります。高額所得者とは、かつての高額納税者を指しませんか?今まで納税していた方を裏切り・見捨てて・今後の納税意欲をそぐのですか?

④ 被害の程度で、その後の救済制限を行わないで下さい。
 大規模全壊ではなくても、半壊判定であっても、それは非日常の世界に押し込められています。そこから脱出し、元の日常的な生活に戻ることは、非常に困難です。必要な経費には、大差ありません。



 <兵庫県商工団体連合会(磯谷吉夫会長)の意見>

 阪神・淡路大震災から12年半が経過しました。私たち、被災中小業者は、「負けてたまるか大震災」の気概で被災直後から、営業やくらしの再建、そして地域の再建に貢献してきました。しかし、不十分な支援制度のもとで個人的努力にも限界があり、多くの中小業者が今でも震災の影響と不況にあえぎ、懸命に地域で生き抜いています。
 7月発表されました、被災者生活再建支援制度に関する中間報告に対し、阪神・淡路大震災を経験した被災中小業者の立場にたち、以下のように意見を表明します。

1、住宅本体への直接支援を

  被災者が震災を乗り越えて生活再建に踏み出す上で、住宅の再建は決定的です。現行制度では、「住宅本体は支援対象外」とし、その理由の一つに「私有財産であり、私有財産への公費投入は問題が生じる」との狭いとらえ方が、より一層被災者の生活再建を妨げています。
 住宅再建そのものは、地域づくり、まちづくりにつながり、再生への公共性を持っています。そのことも勘案し、住宅本体への直接支援を認めるべきです。

2、店舗・事業所などへの直接支援を

 これまで店舗・事業所等は、事業用の資産であることを理由に直接支援の対象にされてきませんでした。しかし、地域に根ざした中小業者の営みは、地域社会・経済の活気の源であり事業利益のみを追求する資本主導の事業活動とは異なり、地域に貢献する公共性をもっています。それは、生活の糧としての生業の手段であり、きめ細かい地域雇用の受け皿でもあります。また、商店街や町工場群をはじめ、地域の中小業者の生業が住民のくらしをささえている公共的な役割を考慮することが必要です。そして、地域の経済と雇用を支え、そして、地域コミュニティづくりの場として中小業者を位置づけることが重要です。
 こうした階層にとって、融資のみによる支援は「あらたな格差」への入口でもあり、「あらたな試練」を与える側面が大きく支援としては不完全です。これは、阪神大震災時の災害融資とその後の経過で証明済みです。12年以上たった今でも、未だ震災の後遺症が消えない事業者が破綻を続けています。
 保険等による備えが強調される向きがありますが、それがないものは「再建の資格がない」と断ずる意見であり、自然災害被災者の実態を踏まえないものです。保険料を負担できていない「事業」であることを直視し、実情に見合う視点とすることが求められます。
 今回、生業への直接支援が、この支援制度に組み入れられないとしても、以下の点を検討すべきです。
 農業、水産業などや大企業への補助金的支援策は、それぞれ管轄省庁を通じて、講じられているところですが、生業を事業であるとするなら、そのための独自の法体系で支援措置を講ずるべきであり、貴検討会として、独自施策の確立を提言するなどして、実現していくことが求められています。

3、支援対象について

 収入基準について、線引きをおこなうことは適当ではありません。そもそも、こうした支援は住宅・生活再建費用のすべてを補うものにはなりえず、個人による住宅再建等への意欲を促進するところに最大の効果があるものであり、収入の多寡で区別をする必要性はありません。
 そして、被害認定は、全壊・大規模半壊に規定せず、半壊も対象にすべきです。



 <豊田利久さんの意見>
 ※神戸大学名誉教授
 ※広島修道大学教授
 ※関西学院大学復興制度研究所客員研究員

 「被災者生活再建支援制度に関する検討会中間報告」に対する意見

 (1)支給要件の緩和と支給額のアップ、
 (2)住宅自体(補修・再建)への支出容認、
 (3)地方の裁量権拡大、
という方向が適切であると思う。これらは既に多くの自治体、関係者および専門家から出されていることであり、それらに同意する。
 さらに、生活再建策を練ってきた一研究者の立場から、(1)2段階方式の生活支援策、(2)財政的にフィージブルな公助・共助を組み合わせた財源措置策、を提案したい。
 具体的には次の通り。

1.緊急生活支援経費
 効率性(迅速かつ抑制的行政コスト)と公平性の視点から、災害救助法が適用される事案につき、災害発生後1ヶ月以内を目途に、現住居の一部損壊以上の全世帯を対象に一律100万円(程度)を支給する。従来の見舞金(死亡弔慰金は別途)を包括し、家財道具、転居、仕事再開等の早期生活再建の費用を想定するが、支給の条件や用途を問わず、一部損壊以上の被災全世帯を対象とする。

2.居住関係経費
 住宅の解体撤去、補修、再建、ローン利子等の居住関係経費を、半壊以上の世帯を対象に最高500万円を限度に支援する。従来の支給要件の不都合な部分を是正し、地方の裁量で執行できるように改める。

3.巨大規模災害時の財源措置
 検討会が予算制約を意識している点は評価できるが、意識しすぎて腰が引けていると思われる。大規模な災害リスクにも対応し得るフィージブルな制度設計が必要である。当面の対応可能資金1,200億円を支払額が超過した場合の決算年度には,その超過額を後世に残さぬように、非被災世帯からの所得税上乗せの形の「臨時特別目的税」を徴税することを提案する。



 <岩田伸彦さんの意見> 

 過日、発表されました被災者生活再建支援制度に関する検討会中間報告(案)に対し、阪神・淡路大震災に関わった一人として、以下のように意見を表明致します。
 中間報告(案)は、現状と趣旨・利点、指摘される問題点、の両論併記となっていますが、『趣旨・利点』が多岐にわたって述べられており、検討会でのご議論に敬意を表するものです。その中の、3.制度改正の選択肢と課題で取り上げられている趣旨・利点の多くは、阪神・淡路大震災直後から、被災者の切実な願い、要求として12年余にわたって要望し続けているものです。
 ご存知のように阪神・淡路大震災直後には、被災者に対する直接現金給付は一切なく、それ故に、住宅再建も営業再建も暮らし再建もままならず、元の住み慣れたまちに帰れず、遠く離れた災害公営住宅入居など、まちの復興を大きく遅らせました。
 融資一辺倒の被災者支援策は、多くの悲惨な状況を作り出し、12年半後のいまも被災者に多くの困難に直面しています。
 被災直後から貸し付けられた災害弔慰金法に基づく災害援護資金は、56,473人が1,309億円を借り受け、法定期限の10年を過ぎても261億円が未償還となっています。
 150万円借り入れで月々500円の少額償還などの困難とともに、この間の自己破産は約2,700件(4.8%)、借受人死亡は3,000人(5.3%)を超え、緊急復旧資金貸付件数33,551件の内、代位弁済が4,510件(13.4%)となっていますが、この他の住宅ローンなど各種融資は同様の経過を辿っていると思われます。
阪神・淡路大震災発生から12年半、この間、1998年に被災者生活再建支援法が作られ、2004年に改正されましたが、住宅本体建設に適用されないばかりか、支給金額も低く、その上、厳しい支給基準などから、わずかばかりの恩恵を受けられる人も限定されており、被災地を中心に多くの批判が出されています。
 『指摘される問題点』として、私有財産制度、個人財産形成と国家財政の問題があげられていますが、私有財産制度、個人財産形成問題は、財務省や財界など一部の少数意見に過ぎず、国民世論に明確に背を向けたものです。
 阪神から公的支援実現を求めた要求に公的支援を拒否しながら、私有財産制度の本山たる金融機関救済に数十兆円の公的支援を行った矛盾、その恨みは消えることはありません。
 財政問題は、無駄な公共事業、軍事費、談合、政党助成金、アメリカ軍基地撤去など、国民の目から見れば無駄と思われる問題は山ほどあり、それらの無駄を排することなどで財源問題はクリアーできると考えます。
 一日も早く、①住宅本体建設への適用、②支給金額を500万円に引き上げ、③収入、年齢など支給基準の撤廃とともに、新たに店舗再建にも拡大して適用するなど、すべての被災者が住宅・店舗再建、暮らし再建へ希望を持って第一歩が踏み出すことができるように、そして使いやすい被災者生活再建支援制度に改正されることを強く望みます。



 <兵庫県保険医協会(理事長池内春樹)の意見>

 被災者生活再建支援制度に関する検討会中間報告に対し意見を表明します。

 中間報告の「3 制度改正の選択肢と課題」で取り上げられている「趣旨・利点」の多くは阪神・淡路大震災直後から被災地、被災者の切実な願い、要求として要望し続けているものであり、盛り込まれたことに敬意を表するとともに、その実現をつよく期待するものです。

 阪神・淡路大震災直後には、被災者の生活再建のための現金給付はなく、住み慣れた街での暮らし・住宅・営業再建はおろか、遠く離れた仮設住宅や災害公営住宅への抽選入居などにより、コミュニティも断ち切られるなど被災者と街の復興を大きく遅らせました。
 災害援護資金等融資中心の支援策は法定返済期限の10年を過ぎた12年目のいまもなお返済を求められ、呻吟している被災者は少なくありません。

 こうした阪神・淡路大震災被災地の深刻な実情と大きな世論・運動を背景に1998年に被災者生活再建支援法が作られ、2004年に改正されましたが、住宅本体建設に適用されないばかりか、低い支給金額、年齢・所得制限等厳しい適用要件にたいし、その後の自然災害被災地からも多くの批判が出されており、その後の災害においては鳥取県をはじめ被災自治体が独自に支援策を拡大しています。
 「住宅」は暮らし、医療、福祉をはじめ街づくりの土台です。とくに高齢被災者にとっては元の場所に住みつづけることが切実な願いです。

 被災者生活再建支援法見直しにあたって以下の改善をつよく求めます。
 ①住宅本体に適用すること。
 ②支給金額を500万円に引き上げること。
 ③収入、年齢など支給基準を撤廃すること。
 ④店舗再建にも適用を拡大すること。
 ⑤一部損壊、床上浸水にも適用を拡大すること。
 ⑥「全壊10世帯/100世帯」の適用災害規模要件を撤廃し、すべての被災区域に適用すること。
 ⑦わかりやすく、使いやすく制度にすること。
 ⑧迅速に適用・運用すること。

 すべての被災者が暮らし再建へ希望を持って踏み出すことができるように改正されることを強く望みます。



 <金持伸子さんの意見>
 ※日本福祉大学名誉教授

 阪神・淡路大震災後、被災地で被災者の生活調査を継続してきたものとして、12年余を経過した今日でも、高齢者をはじめとする低所得者層の生活再建が、きわめて不十分な状況におかれていることを痛感させられている。この件については、現時点での生活支援制度検討の範疇を、やや離れているとも考えられるが、巨大地震の発生など、今後も、早期に大量の住宅供給を迫られる事態の発生が予想されることと関わって、とくに低所得層の生活再建支援については、災害後の避難所設定、仮設住宅建設、住宅復興等との連携を射程に入れての検討が必要に思われる。

 税金を投入して建設される災害復興公営住宅を、入居者の「高齢化を推し進めるモダンな密室」としないために、復興過程で為政者に何が求められるか、主として入居世帯の高齢化、とくに後期高齢期(75歳以上)にある人々に視点をおいて、意見を述べたい。

1) この世に生を受けたものは、やがて寿命が尽きて土に帰る。大震災時、65歳の人も、10年経てば75歳である。兵庫県下で災害復興公営住宅への入居が本格化したのは大震災後3年目からであった。大震災後しばらくは、生活再建に向かって自分自身を元気付けながら、さまざまな活動に参加できた人も、加齢とともに体力、気力の低下は避けがたく、とくに後期高齢期に入ると、これまで苦労を重ねた被災者は、疾病の重症化が目立ち、友人や近親者との死別を経験しながら、やがて自室にこもりがちの日々が増える。地域とはもちろん、入居者同士の交流も途絶えがちな一人ぐらしの高齢者の多い大規模復興公営住宅団地の夜は、歳を重ねるごとに、救急車のサイレンばかりが耳につくという。

2) 災害復興公営住宅入居者の高齢化の進展は、年々著しく、一人での生活が難しくなって、一部のシルバーハウジングや利便性よい立地条件のところは別にして、空き部屋も増えている。

3) もし、仮設住宅を建設する際に、公営住宅の完成時には、入居者のデイサービス施設に援用できるような施設と、一定数のLSAの配置をするなど、生活サイクルへの対応を視野に入れた建設計画、そしてLSAは仮設住宅入居時から、ボランティアと協力しつつ、一定期間継続して被災者の生活援助ができる体制を作ることが出来れば、災害復興国営住宅の雰囲気も、現在とはかなり変わるであろう。
  仮に、デイサービス等が併設できなくても,LSAが常駐して継続的な生活援助が恒常化して、入居者相互の公営住宅での生活が安定すれば、入居者自身の相互連携も強くなるにちがいない。

4) 大震災当時は年齢や収入制限で、災害復興公営住宅に入居できなかった人々も、子女の結婚、被災者自身の加齢にともなう定年退職、転職等々生活サイクルの変化とともに、かつては勤務先から住宅費の補助を受けるなどしていた人々も、住居の確保に苦労をして人々も少なくない。
  大震災被災世帯の加齢による生活安定のためには、早急に公営住宅法の改正を図り、社会的公共財としての災害復興公営住宅の有効な活用も推進して、被災者生活再建支援法を実質的にも充実すべきと考えている。
  より若い世帯の入居によって、後期高齢者は励まされ、災害復興公営住宅の活性化もはかれるであろう。



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