上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
 おそらく福田康夫氏が次期首相となるだろう。
fukudayasuo.jpg
 私にとって,最大の関心事は,憲法に則した政治を行うかどうかにある。

 もちろん,福田氏も自民党員である以上,改憲派である。
 しかし,大切なポイントは,護憲か改憲かという形式的な問題よりも,憲法の意味や内容を良く理解し,その趣旨に沿った政治が行えるかどうかというところにある。

 そこで,前向きな期待を込めて,福田氏の憲法に対する姿勢をさぐってみたい。

 福田氏は,小泉純一郎氏の靖国参拝について,
 「靖国参拝は国家的使命という人がいる。それは首相という形でやるしかない、と思うが、それは取れない方法だ。憲法違反だ」
と語っていたらしい。憲法20条を正しく理解している。

 また,福田氏はアジア外交重視派で知られるが,平成18年3月25日に都内で行った講演で,憲法改正について
「日本を正しく理解してもらい、改正しなければならない。若干時間がかかるかもしれないが慎重にやるべきだ」
と語り,アジア諸国の理解を得る努力が必要との認識を明らかにした。前文をはじめとする国際協調主義を正しく理解している。

 官房長官時代に,小泉純一郎が首相に就任する前日である平成13年4月25日の記者会見で,小泉氏が憲法9条改正に言及したことに対し,
「(小泉氏は)『今ある自衛隊を軍隊でないというのはおかしいのではないか。本音と建前を使い分けるような形はしないで率直に表現できるような形が好ましい』というように言ったのではないか、と解釈している」
と小泉氏の暴走の予兆に対し,やんわりと釘を刺して,憲法9条改正の方向性について,軌道修正を施した。9条改正論議のポイントを的確に理解している。

 9条に関して言えば,政府がMDシステム(ミサイル防衛システム)を導入した際,当時の官房長官として
「あくまでわが国を防衛するものであって、第三国の防衛のために用いられることはない」
と言い切っていた。個別的自衛権は肯定するが,集団的自衛権を否定したものである。9条の解釈としては通説的な見解だ。

 目下の話題のテロ特措法について,これを制定した際の国会での政府代表としての法案趣旨説明(第153会国会 参議院本会議 平成13年10月19日)も見てみよう。
「政府としては、毅然とした対応なくしてはテロの一層の助長を招きかねないとの考えに基づき、このようなテロリズムと闘う米国等による軍事行動を強く支持するとともに、憲法の枠内でできる限りの支援をしていく考えであります。
 このような政府の立場を申し述べた上で、『平成13年9月11日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法案』(テロ特措法)について、その趣旨を御説明いたします・・・・」

 この法律も,あくまで憲法の枠内の法律であって,その限界が「憲法」にあることを言い切ったものだ。

 私は,これらの発言を見る限り,福田氏の憲法に関する見識は,十分に理解可能なレベルだと感じた。
(安倍氏・小泉氏のスットンキョー程度があらためて認識される。)

 もっとも,福田康夫氏の憲法についての理解は,同氏も憲法調査会の一員であったことから,ある程度の深みがあって当然だが,いずれにせよ,これまでの安倍氏の暴走転落路線を食い止めるだけの良識を持っているのではないかとうかがわれる。

 念のため,憲法調査会での福田氏の発言(→もちろん「改憲すべき」という意見だが)を確認して,今日のレポートを締めくくっておく。
 以下,続きはこちら。
    ↓

          ***ランキング参加中***応援クリックお願いします応援クリックお願いします
          
第162回 衆議院憲法調査会 平成17年2月24日の議事録より
(強調部分は津久井による)

○福田委員 自由民主党の福田でございます。
 私は、この憲法調査会に昨年の秋から参加させていただいております。委員の皆様方の話などを伺い、大変熱心に委員の方々取り組んでこられていらっしゃることに、まずは敬意を表したいというふうに思っております。
 本日、私は、この調査会の事務局でつくってくださった記録がございます、これは委員の発言が記されているものでございますけれども、それを拝見しながら、本日のテーマでございます前文に対する私見というものを述べたいというふうに思っています。
 まず、前文の必要性、これにつきましては多くの委員が必要と認めているということでございます。私も必要であると考えますので、私は、そのことは当然であるということを前提に話を進めさせていただきたいと思います。
 次に、前文の書き直しが必要かどうかということにつきましては、これは議論の分かれているところでありますけれども、全体的な意見としては書き直しが必要、そういう意見が多かったように見受けられると考えております。それで、私も改正必要の立場であります。
 その理由は、もうこれも多くの委員の方々が述べていらっしゃるので、私からくどくどと説明することは避けるべきかもしれませんけれども、申し上げたいことは、要するに、現行憲法の前文の内容、これに不満があるということであります。すなわち、前文の構成に見られるように、全体が戦争を忌避し国際平和を目指す、一言で言ってしまえば、これは前文の全文が戦争の反省に尽きている、このように受けとめられるからであります。
 この憲法が、占領軍の恣意でつくられたということなら我が国に対する痛烈な反省を求めているということになりますけれども、仮に我が国がみずから起草したということになりますと、これは自虐的であると言われてもやむを得ない内容と考えております。戦争直後のあの時期に起草されたという特異な状況下を考えますと、これはもうやむを得ないものがあったということは理解いたしましても、戦後六十年たっても相変わらず戦争の反省、これでは国民に夢も希望も与えず、その結果、国民の思想が退廃しても、それは国民の責任に帰すべきものではないというふうに考えております。そのような前文の特異性がありながらも、私は、政府も国民も前文の規定の考え方に基づいて誠実に行動してきたというふうに考えております。
 そのうちで最も重点を置いた平和主義につきましても、国民の間に定着をし、ほとんど完全に遵守をしている、むしろ、その精神を積極的に推し進めてきたということ、このことは、我が国の国際平和に向けての現在の諸活動、これを見れば明らかなことであるというように考えております。しかしながら、完全を期すために、さらに改善するということによりまして国際社会からの期待にさらにこたえるべきであると思います。
 しかし、その反面、最も重要であるべき自衛という概念、これが希薄になっているという一大欠陥を抱えたということも、これも事実というふうに思っております。
 また、この前文に記載されていないその他の多くの重要な項目、これにつきまして、そういう分野の我が国の現状を見たときに、反省すべきこと、また、足りないところがいかに多くあるかということも思いをいたさなければいけないと思っております。国家目標は多様でありまして、前文において規定すべきこと、述べるべきことはさまざまなものがあると考えております。平和主義を求めること以外に意味するところの少ない現行の憲法前文に対して、本調査会の意見の中で多くの不満が述べられているということは、これは当然のことと考えております。
 それでは、あるべき前文の内容はどのようなものであるべきかということでありますが、この調査会でさまざまな意見がありました。私としては、欠くべからざるものとして幾つかを挙げてみたいと思います。
 まず、前文は国家国民の目指す方向を明確に示す必要があること、特に対外発信、これが重要でございまして、国際社会に対し、我が国のこれまでの平和主義の継続、これをさらに強く推進することを表明するということが求められるべきと考えます。
 そしてまた、内に向かっては、よい社会、国家を目指すということ、これは多少抽象的でありますけれども、この中には、人権とか家庭のあり方、教育、社会規範といったようなものが含まれます。そういうことを明らかにする必要があると考えます。
 そしてまた、以上のことにつきましては、高い倫理性に基づくものでなければならないと考えます。また、日本の独自性、固有性を重視するものでなければなりません。それらを記述することによりまして、総体的に日本人としての誇りを持てるものでありたいと思います。
 次に、前文の内容として、日本の国家目標を設定する際に、我が国の状況及び我が国を取り巻く環境の条件を考慮する必要があるということを申し上げたいと思います。
 三点ございますが、まず第一に、環境資源の制約が生ずること、第二に、国際化の進展は避けられないことであるということ、第三、我が国経済社会が人口減少の影響を受けるということ、その三点でございます。これらは、これからの日本及び国際社会を見通した際に避けて通ることのできない条件でございまして、日本及び日本人の安全、安心を考える際に極めて重要な課題であり、そのことを配慮しなければいけないということであります。
 もちろん、環境につきましては、これは言をまたないことでありますけれども、我が国の取り組みはもとより、国際協調というものが求められます。資源エネルギーとの関係もございますが、経済のグローバル化、情報化、国内においては人口減少、少子化の影響などで、海外資源への依存度は、これは今後ますます拡大いたします。また、生産拠点の海外における拡大、海外での企業活動の増加というような多様化というものが、これがこれから生ずるわけでありますが、その中には、海外との取引金額の増加にとどまることもなく、日本の経済活動、これはすべての世界に拡大をしていくというように考えられます。
 そういうような日本のこれからの状況及び国際環境を考えた上でこの前文というものを考えていく必要があるということを考えますと、私は、この前文の条項が余り窮屈なものになってはいけないというように思います。そして、そのことによって日本の安全保障が確保できないということは、これは非常に大きな問題だというふうに考えておりますので、そういうような配慮というものも必要ではなかろうかと思っております。
 いずれにしましても、我が国は今転換期にあります。これは、我が国にとどまらず、世界全体というふうに考えてもよろしいんですけれども、そういう時期に、これからの日本を規定するような、そういうような前文については十分慎重な配慮をする必要があるし、そしてまた、世界に向かって日本のあり方というものを十分に説明し得るようなものであってほしい、そのように考えております。
 以上であります。


・・・・・まあ,こういう改憲論ならば,私は十分に理解できるのであるが。
立場が変わった途端に,言動不一致が起こることもよくあることだ。
そうなったら,私は再び怒ってしまうが・・・・。
もう少し,様子を見ておこう。

          ***ランキング参加中***応援クリックお願いします応援クリックお願いします
          
Secret

TrackBackURL
→http://tukui.blog55.fc2.com/tb.php/493-8523f8a9
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。