「ぐ犯少年」って知ってますか?
少年法3条3号には次のように定められていて,これに該当する少年を「ぐ犯(虞犯)少年」といいます。

 次に掲げる事由があつて、その性格又は環境に照して、将来、罪を犯し、又は刑罰法令に触れる行為をするおそれのある少年
 イ 保護者の正当な監督に服しない性癖のあること。
 ロ 正当の理由がなく家屋に寄り附かないこと。
 ハ 犯罪性のある人若しくは不道徳な人と交際し、又はいかがわしい場所に出入すること。
 ニ 自己又は他人の徳性を害する行為をする性癖のあること。

 要するに,かなりハメを外した不良少年たちのことです。

 この「ぐ犯少年」に対して,警察が「調査」という名目で,その権限を広げようとしています。
 そんでまた,そのやり方がずるいんだ。

 あまり知られていませんが,今年6月1日に公布された「改正少年法」では,この「ぐ犯少年」に対する警察官の調査を盛り込むかどうかで,国会でかなり揉めました

 現在,家庭裁判所に送致される「ぐ犯少年」は年間800人程度ですが,「ぐ犯少年である疑いのある者」となれば,年間140万人程度にのぼるとされているので,曖昧な文言に改めると,現実に警察官の権限が無限定に拡大するおそれが極めて強いのです。

 結果として,与野党一致で,この「ぐ犯少年への警察調査権限」の項目は削除されました

 参議院の平成19年5月24日の法務委員会での,木庭健太郎議員(公明党)の発言を引用しておきましょう。

 衆議院において、こうしますと、結局、警察官等は虞犯少年である疑いのある者を発見した場合においては必要があるときは事件について調査することができるというような規定になっておりますから、これをそのままにしますと、やっぱり警察による調査権限の及ぶ範囲というのが不明確ではないかというのが最終的な衆議院の議論であり、これが過度に拡大するおそれがあるという懸念の中から明文での規定を除去したという経緯がございました。

 要するに,「ぐ犯少年への警察調査権限」を法制化しないことで一致したわけです。

 ところが,警察庁というところは,このままでは引き下がりません。

 今回,少年警察活動規則の改正を地味に検討しているそうです。
 この規則案では「第三節 ぐ犯調査」の節を新設し,同節中の第27条では
「ぐ犯少年に係る事件の調査(以下この節及び第四節において「ぐ犯調査」という)については,少年法及び児童福祉法に基づく措置に資することを念頭に置き,少年法第三条第一項第三号に掲げる事由があって,その性格又は環境に照らして,将来,罪を犯し,または刑罰法令に触れる行為をするおそれがあることを具体的に明らかにするように努める」
などと規定されているのです。

 これって,国会で削除された項目の復活にほかなりません。
 警察庁としては,リベンジのつもりでしょうか。


 ■国会が国権の最高機関であり唯一の立法機関であること(憲法41条)

 ■警察の権限行使は適正手続きの順守が強く求められていること(憲法31条)


などからしてみれば,警察自身が,国会で制定された法律を無視して,規則の形式で自らの権限行使の要件や方法を定めることは,許されません。
 こんなふうに国会での削除法案を復活させるウラ技が通るようでは,法の支配などは成り立ちません

警察庁のパブリックコメント募集はこちらです→http://www.npa.go.jp/comment/index.htm

この規則案改正に対する意見はこちらのメルアドへどうぞ→syounen@npa.go.jp

 こういうズルイことは許してはなりません。

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