伊吹文部科学大臣はひどかった。

畑違いの元大蔵官僚だったせいか,
上司である首相が血迷っていたせいか,
そもそも教育について全く無知だったせいか,
理由はいろいろあるだろうけれど,とにかくひどかった。

教育基本法を改悪したのは最大の失政だが,
教育三法改定についても文科官僚が慌ててブレーキをかけなければならない程だった。
教育再生会議なる井戸端会議や,全国共通学力テストを持ち出したり,
給食費問題や,未履修学科問題など,つまらぬ事柄を騒ぎ立てて,
現場をどうしようもないほど混乱・困惑させた。
何一つ役に立つことをしなかったのに,
大臣の最大のお仕事である「教育費をしっかり確保する」という役目は果たさず,
お粗末な教育財政下で,教師や親・子が,汗水をたらして精神努力を強いている。

こんな失政大臣が,党の重役に昇進するのだから,やっぱり日本の未来は暗い。


さて,新たに文部科学大臣に就任したのは,兵庫県選出の渡海紀三朗氏だ。

渡海大臣は,今朝の日経のインタビュー記事で,
   ◆教育現場に競争原理を持ち込むべきではない
   ◆バウチャー制度はいらない
   ◆いじめ問題には子どもと接する環境づくりが大事
   ◆教員の定員増のために予算要求する
   ◆教育は国家の基礎だから何よりも大切だ

などと,まあまあ殊勝なことを言っている。
もっとも,渡海氏の経歴(→こちら)からして,教育問題に造詣が深いとは,とうてい思われない。

これは,文部官僚の作ったメモどおりに回答しているに相違ない。
ただ,文部科学省も,安倍政権下のママゴト的教育改革には辟易していたのだろう,
ということが,この記事からうかがえる。

私には,今日の教育の混迷を,トップダウン方式で一挙解決できるとは思えない。
決まりや道徳や秩序で,物事が収まるのは一時的現象に過ぎず,
恒常的な安定を形成するには,土壌の改善から始める,すなわちボトムアップ方式の方が現実的である。

そうすると,教育を良くするために文部科学大臣にできることは極めて限られている。
きっちり教育予算を確保することだ。
おそらく,教育問題はトーンダウンするだろうが,現場がきちんと機能できるだけの予算をしっかり確保すれば大臣の仕事としては及第点だ。
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