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 この世の中の公正さを保つために,検察官の役割はとても重要だし,一市民としては大きな期待を寄せたいところだ。

 しかし,弁護士稼業をやっていると,オカシイナと感じることは多々ある。
 確かに,検察官も「人」の集まりだから,メンツもあるし,変なこだわりもあるだろう。
 だけど,同じ轍を踏むのは「愚の骨頂」であり,かえって検察の威信を崩すことになりかねない。


 昨日,東京弁護士会の山本至弁護士が,逮捕された。容疑は脅迫罪。
 東京・警視庁の接見室で,詐欺で逮捕された男性が「正直に話したい」と申し出たのに,「余計なことをしゃべるな」と完全黙秘を強要し,脅したという疑いだ。(→新聞記事はこちら
 こんなやり取りが実際に犯罪になるというなら,被疑者が正直に「やってません」と言っているのに,自白を強要する捜査官(警察官,検察官等)は片っ端から逮捕だ。
 鹿児島や富山の冤罪事件にかかわった捜査官らは,直ちに潔く自首しないと道理が通らない。

 山本弁護士の逮捕で,検察が犯している「同じ過ち」は2つある。
 そもそも,山本弁護士は東京の人で,上記事件も東京の出来事だ。脅迫罪レベルであれば,検察ではなく警察の所管である。
 ところが,逮捕したのは,なぜか宮崎地検。
 これは,宮崎地検がメンツや威信を掛けて臨んでいる証左にほかならない。
 実は,山本弁護士は,昨年11月に証拠隠滅罪で逮捕されている。その初公判は10月11日に開かれる予定だが,検察にとってはかなり苦しい戦いになると予想される。
 そこで「コレ」がダメなら,「アレ」で行こう!という発想で,別件の立件に及んだと思われる。
 少なくとも,タイミング的に極めて不自然だ。
 何としても山本弁護士を有罪にしたいという気持ちは理解できなくもないが,もし両方とも無罪となれば,検察のダメージははかり知れない。
 そこまでして組織の権威をかけて守るべきものは何なのか?

 もう一つの過ちは,弁護士の接見時の言動を「脅迫罪」と構成して立件するやり方のまずさである。
 広島弁護士会所属の弁護士が,同じような容疑で逮捕・起訴された事件で,つい先日(平成19年7月23日),無罪判決が下されたばかりだ
 共同通信8月2日の記事によれば,「関元弁護士は、被害者の男性に守屋被告の関与を供述しないよう迫ったとして起訴されたが、地裁は7月23日、『被害者の証言は核心部分で信用性を認めることができない』として無罪(求刑懲役一年)を言い渡した。」とある。
 検察庁は,弁護士接見行為を脅迫罪で立件することが,なかなか困難であるということを十分承知しながら,あえて踏み込んでいるわけで,慎重さを欠いている。
 本来,法の前には慎重である検察庁が,ここまでするのはやはりメンツと威信しか考えられない

4 以前に,検察庁は,内部告発的な発言を繰り返した三井環検事を,逮捕・起訴したことがある
 身内であれ,何であれ,歯向かう者は許さないという厳然たる姿勢を示した事件だった。
 あのときにも,おそろしい組織だと感じたことがある。

 検察庁には,組織としての「人間らしさ」が感じられることがある。
 ところが,その「らしさ」は,優しさや,情の厚さ,で感じることは難しく,メンツや威信という場面ばかりが目立つ。
 個々の検察官は,優しい人や情に厚い人が多いというのが,個人的な印象だたとえば,光市事件弁護団の今枝仁さんも,元検察官である。
 しかし,「組織」となると,カラーが全く逆転してしまう。
 「組織」として守るべき「大切なことがら」は,組織自体のメンツよりも,もっと大きな,もっと社会的なところにあるはずなのに。
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