「おかしいなあ」と感じるときは,だいたい物事の道理や論理がヘンテコなのです。
法律的に論理がオカシイ場合も多々あります。

つまり,簡単にいうと「順序がサカサマ」のです。

たとえば,小沢一郎氏が「世界」11月号に載せている論文で,
◆国連の平和活動は国家の主権である自衛権を越えたもの
◆国連の平和活動は、たとえそれが武力の行使を含むものであっても、日本国憲法に牴触しない
◆国連の決議でオーソライズされた国連の平和活動に日本が参加することは、ISAF(国際治安支援部隊)であれ何であれ、何ら憲法に抵触しない
とおっしゃっていますが,この点については,

   憲法 > 条約

という優先順位がハッキリしているのですから,

    憲法 ≦ 個別的自衛権 < 国連平和活動(ISAFを含む)

というのは,明らかにサカサマです。だから,おかしいのです。

 こういうふうに,優先順位をサカサマにねじ曲げたいと考えたときに,しばしば使われる論理は,「次元が違う」とか「枠を超えている」とか「異質の問題だ」というふうにして,誤魔化してしまうのです。

 小沢さんの論文も,ズバリ,このゴマカシの論理操作を行っています。
◆個々の国家が行使する自衛権と、国際社会全体で平和、治安を守るための国連の活動とは、全く異質のものであり、次元が異なるのです。
と書いています。

 問題となっているISAFは,国際連合憲章 第7章「平和に対する脅威、平和の破壊及び侵略行為に関する行動」のうちの43条に基づいて行われている措置だそうです。
第43条〔特別協定〕
1 国際の平和及び安全の維持に貢献するため、すべての国際連合加盟国は、安全保障理事会の要請に基き且つ一つ又は二つ以上の特別協定に従って、国際の平和及び安全の維持に必要な兵力、援助及び便益を安全保障理事会に利用させることを約束する。この便益には、通過の権利が含まれる。
2 前記の協定は、兵力の数及び種類、その出動準備程度及び一般的配置並びに提供されるべき便益及び援助の性質を規定する。
3 前記の協定は、安全保障理事会の発議によって、なるべくすみやかに交渉する。この協定は、安全保障理事会と加盟国群との間に締結され、且つ、署名国によって各自の憲法上の手続に従って批准されなければならない。
 私もあまり詳しく勉強したわけではないので,自信がありませんが,この第3項にも「各自の憲法上の手続に従った批准」を要求しているのであって,各国の憲法との整合性をちゃんと考えています。
 「全く異質」とか「次元が異なる」のではなく, あくまでも,
   日本国憲法 > 国際連合憲章
なのです。


ところで,こういうのを「本末転倒」というわけですが,ほかにもこういう例はたくさんありますね。

  国民の生命や人権 > 国家の利益

であるはずなのに,これをサカサマにすると,ミャンマー軍事政権や,我が国の自衛隊の数々の非違行為,自民党の新憲法草案などが出てきます。

  一人ひとりの子どものための教育 > 結果としての国家の繁栄

であるはずなのに,これをサカサマにすると,国家に都合の良い教科書検定や,自殺を誘発する全体教育主義,改悪された教育基本法が出てきます。

 憲法 > 基本法 > 特別法 > 規則・政令 > 実務運用 

であるはずなのに,これをサカサマにしてしまった結果は,教科書未履修問題,災害時の被災者支援の欠如をはじめ,不合理な行政運用は,ほとんどコレでしょう。 
Secret

TrackBackURL
→http://tukui.blog55.fc2.com/tb.php/517-a91b6924