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 被災者生活再建支援法の改正法案が,11月9日の衆参本会議で可決され,成立しました。
 阪神淡路大震災から,実に13年。
 とても長い道のりでしたが,住宅再建を正面から支援する,という念願を果たすことが出来たことに感無量の思いがあります。
 この件について声を上げて下さった方々,激励やねぎらいのコメントをお寄せいただいた方々に感謝します。

 いくつか声明や談話が出ていますので,ここで紹介をしておきます。
 また,改正法と附帯決議も,あわせて紹介しておきます。
 これをもって,一つの区切りとさせていただきます。 

 まず,弁護士会としての思いの詰まった日弁連の会長談話です。
被災者生活再建支援法の改正法成立に関する会長談話

 本日、被災者生活再建支援法の改正案が衆議院で可決され成立した。

 改正法は、支給金の使途の限定を廃止して、被災地住民の長年の悲願であった住宅本体の建設・購入費及び補修費にも支給金を使用できるようにするとともに、年齢や年収等の支給要件を廃止して、手続も大幅に緩和するものである。さらに、本年発生した能登半島地震、新潟県中越沖地震、台風第11号及び第12号による被災者で改正法公布日以後に申請する者についても遡って支給の対象とするものである。

 当連合会は、本年6月及び7月の二度にわたり被災者生活再建支援法の改正に関する意見書を公表し、内閣府の「被災者生活再建支援制度に関する検討会」をはじめとする国や地方自治体等に、住宅本体の建設・購入費及び補修費も支給の対象とすること、年齢や年収等の支給要件を緩和すること、さらに改正法を本年3月1日に遡って適用して能登半島地震や新潟県中越沖地震等の災害の被災者にも支給することを訴え、現在開会中の臨時国会においても各政党に訴え続けてきた。

 このたび成立した改正法は、住宅本体の建設・購入費及び補修費への支援金の使用を認めるとともに、年齢や収入等の支給要件を廃止し、さらに遡及適用を認める画期的なものである。また改正法は、現行の積算方式を改めて一括払方式を採用することにより手続の煩雑さを回避するとともに、満額の支給を実現する点でも優れたものである。

 改正法は、被災者救済に大きな威力を発揮することが期待されるものであって、当連合会は改正法の成立を歓迎する。

 国会がわれわれの要請に耳を傾け、早期に改正法を成立させたことに感謝し、当連合会も今後さらに被災者救済の施策の拡充のために努力する決意である。
                    2007(平成19)年11月9日
                           日本弁護士連合会
                            会長 平山 正剛

続いて,「被災地の声」の代表格として,全国災対連の声明を紹介します。
課題は残るものの改正「支援法」の成立を歓迎する
さらなる改善に奮闘する

                             07年11月9日
        災害被災者支援と災害対策改善を求める全国連絡会
        (略称・全国災対連)
             事 務 局 長     中 山 益 則

 11月9日参議院から送られた改正「被災者生活再建支援法案」(以下改正「支援法」)が、衆議院本会議で満場一致で可決成立した。改正「支援法」は、これまでの「支援法」の最大の欠陥であった住宅本体への適用を事実上認めたことである。また、年収・年齢による支給制限も撤廃した。そして、今年発生した自然災害の被災地(特定4災害)にも特例として付則で遡及適用することにもなった。

 全国災対連は、同制度発足から住宅再建に適用しないことは、生活再建を妨げるものとして一貫して住宅本体適用を要求してきた。その立場からも、今回の法改正で実現したことを大いに歓迎するものである。参議院選挙結果によって民意が敬治を動かすことを改めて示したものである。この間、今国会で一時同案の廃案もささやかれてきた厳しい局面も乗り越えてきた。改正「支援法」を前進成立させたのは、阪神・淡路大震災、中越大震災、能登半島地震や中越沖地震の被災者や北秋田市の台風豪雨災害の被災者が直接国会に声を届け、各種の団体の運動と党派を超えた国会議員の粘り強い奮闘の結果である。

 しかし、被災者の願いであった支給金額の増額や半壊世帯への公的支援、「基金」原資の割合を「国が3分の2」に改めることなどは見送られたことは残念な結果である。能登半島地震や中越沖地震の被災地では、高齢の被災者が多く住宅ローンなどを組むことが極めて困難な状況にあるにもかかわらず、現在の上限支給額が300万円であることは問題である。同時に、半壊した家屋でも補修に経費が必要なことは明白である。また、各地方公共団体が別途自前の支援制度を実施しているもとで、「基金」の運営原資において「国が3分の2」の拠出を行うことは当然である。

 課題は残っている。改正「支援法」の付帯決議にある4年見直し条項なども活用して、真に被災者に実効ある「支援制度」の確立に向けて、被災者とともに奮闘する決意である。
                                   以上
 次に改正後の法律(改正要綱)を掲げます。
   被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案要綱

第一 目的の改正(第一条関係)
 被災者生活再建支援金(以下「支援金」という。)の支給制度の充実を図ることに伴い、法律の目的を、
  「自然災害によりその生活基盤に著しい被害を受けた者に対し、都道府県が相互扶助の観点から拠出した基金を活用して被災者生活再建支援金を支給するための措置を定めることにより、その生活の再建を支援し、もって住民の生活の安定と被災地の速やかな復興に資すること」
に改めるものとすること。

第二 被災世帯の定義の改正(第二条関係) 
 被災世帯とは、政令で定める自然災害により被害を受けた世帯であって一から四までに掲げるものをいうものとすること。
 一 当該自然災害によりその居住する住宅が全壊した世帯
 二 当該自然災害によりその居住する住宅が半壊し、又はその居住する住宅の敷地に被害が生じ、当該住宅の倒壊による危険を防止するため必要があるごと、当該住宅に居住するために必要な補修費等が著しく高額となることその他これらに準するやむを得ない事由により、当該住宅を解体し、又は解体されるに至った世帯
 三 当該自然災害により火砕流等による被害が発生する危険な状況が継続することその他の事由により、その居住する住宅が居住不能のものとなり、かつ、その状態が長期にわたり継続することが見込まれる世帯
 四 当該自然災害によりその居住する住宅が半壊し、基礎、基礎ぐい、壁、柱等であって構造耐力上主要な部分として政令で定めるものの補修を含む大規模な補修を行わなければ当該住宅に居住することが困難であると認められる世帯(二及び三に掲げる世帯を除く。第三において「大規模半壊世帯」という。)

第三 支援金の支給要件及び支給内容の見直し(第三条関係)
 一 都道府県は、当該都道府県の区域内において被災世帯となった世帯の世帯主に対し、当該世帯主の申請に基づき、支援金の支給を行うものとすること。
 二 被災世帯(被災世帯であって自然災害の発生時においてその属する者の数が一である世帯(五において「単数世帯」という。)を除く。以下第三において同じ。)の世帯主に対する支援金の額は、百万円 (大規模半壊世帯にあっては、五十万円)に、当該被災世帯が1から3までの一に掲げる世帯であるときは、それぞれ、1から3までに定める額を加えた額とするものとすること。
  1 その居住する住宅を建設し、又は購入する世帯 二百万円
  2 その居住する住宅を補修する世帯 百万円
  3 その居住する住宅(公営住宅法第二条第二号に規定する公営住宅を除く。)を賃借する世帯 五十万円
 三 二にかかわらず、被災世帯が、同一の自然災害により二の1から3までのうち二以上に該当するときの当該世帯の世帯主に対する支援金の額は、百万円(大規模半壊世帯にあっては、五十万円)に二の1から3までに定める額のうち最も商いものを加えた額とするものとすること。
 四 二及び三にかかわらず、第二の三に該当する被災世帯であって政令で定める世帯の世帯主に対する支援金の額は、三百万円を超えない範囲内で政令で定める額とするものとすること。
 五 単数世帯の世帯主に対する支損金の額については、二から四までによる額の四分の三とすること。

第四 施行期日等(附則関係)
 一 この法律は、公布の日から起算して一月を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとすること。
 二 この法律による改正後の支援金の支給制度は、この法律の公布の日(以下「公布日」という。)以後に生じた自然災害に係る支援金の支給について適用し、公布日前に生じた自然災害に係る支援金の支給については、なお従前の例によるものとすること。’
 三 二にかかわらず、平成十九年能登半島地震による自然災害、平成十九年新潟県中越沖地震による自然災害、平成十九年台風第十一号及び前線による自然災害又は平成十九年台風第十二号による自然災害により被災世帯となった世帯の世帯主が公布目以後に申請を行った場合における支損金の支給については、この法律による改正後の支援金の支給制度によるものとすること。
 四 その他所要の規定の整備を行うものとすること。

 参議院の附帯決議です。
被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案に対する附帯決議
                      平成19年11月8日
                      参議院災害対策特別委員会

 自然災害による被災者がその被害から回復するためには、日常生活の再建とともに、その生活の基盤たる「住まい」の再建を欠かすことはできない。また被災地における住宅再建は、単に個人レベルにおける再建だけではなく、地域社会の迅速な復興のためにも極めて重要である。かかる見地から、政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずぺきである。

一、支援金の支給限度額については、被災者の住宅再建に対する意欲に十分応え得るよう、今後の実績等を踏まえ、引き続き検討すること。

ニ、本法施行後4年を目途として、支援金の支給限度額、国の補助割合を含め、制度の見直しを行うなどの総合的な検討を加えること。

右決議する。
 衆議院の附帯決議です。

被災者生活再建支援法の一部を改正する法律実に対する附帯決議

 自然災害による被災者がその被害から回復するためには、日常生活の再建とともに、その生活の基盤たる「住まい」の再建を欠かすことはできない。また被災地における住宅再建は、単に個人レベルにおける再建だけではなく、地域社会の迅速な復興のためにも極めて重要である。かかる見地から、政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。

一 支援金の支給限度額については、被災者の住宅再建に対する意欲に十分応え得るよう、今後の実績等を踏まえ、引き続き検討すること。

二 支援金支給等の前提となる住宅の被害認定については、浸水被害及び地震被害の特性にかんがみ、被害の実態に即して適切な運用が確保されるよう検討を加えること。

三 支援金の申請及び支給状況等を勘案し、本法施行後四年を目途として、対象及び負担のあり方を含め、制度の見直しなどの総合的な検討を加えること。

四 被災世帯の認定にあたり、各地域において、格差の生じないように、関係機関において必要な方法を講じること。

右決議する。


 なお,とりあえずの課題としては,新潟中越沖地震や能登半島地震の被災者の方で,既に支援金の申請をしてしまっていて,この支援法の適用の対象外となってしまう方々に,不公平とならないように,被災自治体レベルで追加支給措置など柔軟な対応を取りうるか,ということです。

 最後になりましたが,今回の改正案については,当初の民主党案の叩き台を作ったのは兵庫2区(神戸市兵庫区・長田区・北区)の泉房穂元衆議院議員(現在は兵庫県弁護士会の弁護士)であり,今回の改正案のベースを作ったのは同じく兵庫2区選出の赤羽一嘉衆議院議員(公明党)でした。
 「わが事として」かつ「熱意をもって」政策を実行しようとする良心的な議員の地道な努力に謝意を表したいと思います。ありがとうございました。
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