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 昨日,JR福知山線事故の遺族が集まって賠償問題について集団交渉のための準備会を開きました。
 乗客106人のうち30人の遺族計45人が参加し,支援弁護士も10名ほど参加しました。

 出席された遺族の方々のほとんどは「とても,まだ家族の命を金に換える気持ちにはなれない」というお気持ちでしたが,一方で,JRが賠償交渉を本格化させているため,どうしても向き合わなければならない問題として,このような動きとなったものです。

 問題は,JRが一方的に自社で基準を作ってこれを被害者に押し付けてきている点です。
 JRの基準は,交通事故の判例等を前提にしているようです。
 しかし,交通事故賠償基準自体が,たいへん非人間的であり,慣行や画一性などを強調した,技術的で難解なものです。
 そこには,
  ◆かけがえのない命の重み
  ◆事故によって崩壊した家族の立ち直り
  ◆加害企業の社会的責任を果たすこと

の視点が欠けています。

 そこで,これら3つの視点を十分に踏まえた,新しい基準作りを協議するための集まりということです。

 世間は「賠償」というと,単なる金銭的な話に過ぎないという捉え方をします。
 決してそうではありません。「かけがえのないもの」を金銭に置き換える不条理さ,「責任」を形にしてあらわすことの難しさ,という課題に正面から取り組もうということであって,心にのしかかる重みは,とうてい簡単な話ではありません。
 一方で,新しい基準を求めていくことは,鉄道利用者である一般市民にとっても重要な関心事であるはずです。したがって,世間の方々にも,基準のあり方については,我が事として捉えていただきたいと思う次第です。

 以下,いくつか関連記事を引用させていただきます。
<産経新聞より>
JR脱線事故の遺族、補償交渉で新組織設立へ
11月25日21時31分配信

 乗客106人が犠牲になった兵庫県尼崎市のJR福知山線脱線事故で、JR西日本との補償交渉を集団で進めようと、遺族らが25日、兵庫県伊丹市内で、新団体の設立準備会を開いた。来春をめどに発足し、集団交渉を始めるという。航空・鉄道事故の遺族が、補償問題に限った団体を結成するのは異例。

 この日は、参加を呼びかけた約70遺族のうち、30遺族45人が出席。支援弁護士が、JR西が示している一般的な人身事故の損害賠償は、犠牲者が将来得ることができた収入にあたる逸失利益▽慰謝料▽葬儀関係費用-の3点からなることなどを説明した。

 集団交渉は、「犠牲者のかけがえのない命」や「事故によって崩壊した家族の立ち直り」を考慮したうえで新たな賠償基準を設けさせるほか、JR西に社会的責任を果たさせるための基金創設を求めることが目的。一部遺族らが10月中旬から設立を呼びかけていた。

 同事故の被害者補償をめぐっては、JR西が「100%責任がある」と認め、従来の国内の人身事故の基準以上の補償をする方針を提示。個別交渉を行っているが、遺族間では、公共交通の鉄道の事故を交通事故と同列に扱うことへの不満が根強く、大多数と示談が成立していない。

 新団体設立には、現在までに全遺族の3割強が賛同。呼びかけ人の一人で、妻と妹を亡くした浅野弥三一(やさかず)さん(65)=同県宝塚市=は「JR西に社会的な責任を果たさせるような新たな基準を考えたい」と話した。

 同事故の補償交渉をめぐっては、負傷者の一部が今年7月、補償交渉の方法や具体例について学ぶ勉強会を発足させている。



<朝日新聞より>
JR西と集団交渉へ準備会 遺族らが初会合 宝塚線事故
2007年11月25日22時21分

 JR宝塚線(福知山線)脱線事故の遺族が、賠償問題についてJR西日本と集団で交渉するための組織の発足を目指して25日、兵庫県伊丹市の市立中央公民館で準備のための初会合を開いた。賠償問題をめぐり遺族が組織を作るのは初めてで、今後JRに求める賠償の基準などを決めたうえ、来春の事故3年までに正式に会を設立する。

 会合には、事故で犠牲になった乗客106人のうち30人の遺族計45人が参加した。JRが賠償交渉を本格化させているなか、遺族有志が賠償問題について話し合う組織を作ろうと、連絡先のわかっている犠牲者約70人の遺族に呼び掛けた。

 会では、JRが自動車事故の判例に基づいて、賠償の基準を示している点を批判。誰もが加害者や被害者になりうる交通事故とは異なり、脱線事故は公共交通機関のJRが一方的な加害者であることから、新たな基準作りを目指す。また、JRの社会的な責任として同様の事故を繰り返さないよう、制度や基金などを作ることも求めるという。

 会合終了後、呼び掛け人が会見。長男の貴隆さん(当時33)を亡くした大前清人さん(66)=兵庫県伊丹市=は「まだ命を金に換える気持ちにはなれないが、いつかは解決しなければならない問題だ。JRの社会的責任を追及することで、少しでも社会に貢献したい」と話した。

 JR西日本の山崎正夫社長は21日の定例会見で、賠償交渉の状況について、5%を超える遺族と交渉がまとまったことを明らかにした。



<読売新聞より>
JR福知山線脱線、遺族が集団で補償交渉へ準備会

 2005年4月のJR福知山線脱線事故で亡くなった乗客の遺族が集団でJR西日本と補償交渉を行うことになり、25日、交渉組織の設立に向けた準備会を兵庫県伊丹市内で開いた。準備会には犠牲となった106人のうち30人の遺族が出席、10遺族が組織に参加する意向を明らかにした。10遺族は、妻と妹を亡くした浅野弥三一さん(65)(兵庫県宝塚市)、三男を亡くした下浦邦弘さん(59)(神戸市)、長男を亡くした大前清人さん(66)(伊丹市)ら。

 JR西は補償について「従来の人身事故以上の基準」という方針を示しているが、被害者の中には、「JRの専用敷地内で起きた極めてまれな事故で、一般的な交通事故の基準を適用するべきではない」という声が出ており、新たに交渉組織を設けることになった。

 準備会では、浅野さんらが「JR西の社会的責任を果たさせるため、事故防止に役立つ基金や何らかの制度を創設させたい」などと、集団交渉の意義を説明。今後は1か月に1回程度、準備会の会合を開いて他の遺族にも参加を呼びかけ、早ければ来年3月にも新組織を発足させる。同事故の補償交渉では、「まだ肉親の死を受け入れられない」「JR西が企業としての責任を十分認めていない」などと拒否反応を示す遺族が多く、示談が成立したケースはわずかとみられる。

 大規模交通事故を巡っては、日航ジャンボ機墜落事故(1985年)でも一部遺族が集団交渉を行った。
(2007年11月26日 読売新聞)

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