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 日弁連の選挙の結果を受けて,新聞各紙で,弁護士会や弁護士という存在への批判が高まっている。
 いよいよ,弁護士バッシング時代の到来である。

 いつかは,そういう波がやって来るだろうと予想していたが,その批判の切り口が,
    弁護士の社会正義や矜持のあり方,
    仕事の質,
    市民への敷居の高さ,

といった,本来,批判されてしかるべき切り口からの責め手ではないのが,残念である。


 各紙の論調を見ると,どうやら,

    弁護士の数が少ない

        ↓ だから

    弁護士の費用が高い

        ↓ そこで

    弁護士の数を増やせ

        ↓ すると

    弁護士の費用が安くなる


という思い込みがあるようだ。
なんだか,市場原理を初めて学んだ小学生でも分かるような短絡的な発想によるものだ。


 2/29に,大阪で開かれた「明日の司法と日弁連を創る会」(=日弁連内の,いわば与党派)の,会長当選の祝賀総会に顔を出してきたのだが(※意外に思われる方もあるかも知れませんが,私は,本来は,保守派・大勢派なのであります。),目下のところ,このマスコミも含めた社会の風当たりの強さに立ち向かうところから,まず始めないといけないみたいな感じだった。
 こういうところからスタートしなければならないのか,と思うと,なんだかため息が出てしまう。


 やはり,どうも問題の本質が,弁護士が儲かっている,という誤解にあるようだ。
 実は,弁護士はお金持ちではない,ということを知ってもらったら,もう少しまともな議論になるのではなかろうか。

 そこで,ご紹介したいのが,
   「日本のお金持ち研究」(日経ビジネス文庫)
   橘木俊詔・森剛志著

である。

 井村華子弁護士から教えてもらったのだが,今,本屋に行くと平積みで置いてある。
 あれこれ解説するよりも,この第一線で活躍する一流の経済学者の方々(元京大教授の橘木俊詔氏は,元日本経済学会会長とのこと!)の著述部分を一部紹介するのが,手っ取り早いし,的確だろう。
 以下,一部を引用する。
■「弁護士の億万長者はいないのか。アメリカでは,医者よりも弁護士の方がはるかに儲かる仕事だと聞く…」…世間でよく「資格三冠王」として,高額所得の上位にいると思われている弁護士や会計士は,実はそんなに所得が高い人は,日本ではほとんどいないのである

■表…をみればわかるとおり,高額納税者の職業として多いのは,1位は企業家であり,2位は医師である。弁護士など,ほとんどいないのである。

■今回の高額納税者調査で,何よりも驚いた点は,日本では高所得者の中に占める弁護士の数がきわめて少ないということである。アメリカでは,弁護士は企業経営者・経営幹部に次いで高額所得者が多く就く職業であり,その数は医師を上回っている。しかしながら,今回の高額所得調査対象者全体に占める弁護士の比率はわずかに0.4%であった。
 実際に弁護士をやっている私たちからすると,別に驚く話でもない。
 むしろ,当たり前のことじゃんか,と思うのである。
 しかし,こういう本がベストセラーとして売れていることからすると,やはり世間の人たちにとっては,弁護士は儲かる商売だという思い込みがあるのだろう。

 こういう非生産的で非建設的な思い込みに基づく議論はやめて,本来あるべき物事に是非に沿って,弁護士増員論なども議論するべきだろう。
 弁護士バッシングに関心を寄せているマスコミ各紙の方々への注文である。
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