上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
 JR福知山線尼崎脱線転覆事故の遺族が中心となっている「4・25ネットワーク」では,この事故の原因が何であるか,言い換えれば「どうして最愛の家族の命が喪われたのか」を知りたいという思いを,集った方々が共有している。

 その中には,全く未知の「鉄道」の分野の真実を知るために,専門性の厚い壁を乗り越えて,取り組んでいる方々がある。
 3年間にわたって突き詰めてきた「なぜ」を,整理して,
   「JR西日本に対する公開質問状」
を完成させ,3年目を直前に控えた平成20年4月23日,この質問状をJRに手渡した。

 この公開質問状のPDFファイルをアップすると共に(→こちらです),本文部分を末尾に引用しておく。

 その内容は,とても素人がまとめたものとは思えない。
 被害者が,事件に真正面から向き合って,真相を知るために精力を尽くし得る存在であることがよく分かる成果だと言えるのではないか。

 JR西日本にとって,「分からない」項目はないだろうが,「答えられない」項目は多いかも知れない。
 どれだけ正面から回答に応じるか,というところで加害企業の姿勢が浮き彫りになるだろう。

以下は神戸新聞の平成20年4月24日の記事の引用である。
独自調査3年、JR西に質問状 4・25ネットワーク

 尼崎JR脱線事故の遺族らでつくる「4・25ネットワーク」は二十三日夜、独自の調査に基づき事故原因などを問う「公開質問状」を、JR西日本に提出した。遺族らは内部資料を入手し、私鉄各社にも聞き取りを重ねるなどし、「事故は予見できなかった」とする同社への疑問を整理した。その中心となった三田市の木下廣史さん(49)は「犠牲者に代わり、私たち遺族が疑問をただしたい」と語った。
kinosita080423.jpg
 公開質問状は、カーブの危険性をめぐるJR西の事故前の認識▽安全管理体制-などについて、質問、要求を百四十四項目にわたり列挙した。

 特に、JR西自らが「設置されていれば事故は防げた」と認めている新型自動列車停止装置(ATS-P)については、同社の過去の取締役会資料などに基づき、宝塚線では導入がないままスピードアップが続けられた経緯を指摘。当時の安全に対する認識について見解を求めた。五月末までの回答を求めている。

 JR西に説明責任を果たすよう求め続けてきた木下さんは、事故で長男和哉さん=当時(22)=を失った。事故後もJR宝塚線で通勤し、一両目の運転席の背後から速度計をチェック。ゆとりを持たせたという各駅の停車時間を腕時計の秒針で確認するのを日課とした。

 同時に、独自にJR西の資料を集め私鉄各社に聞き取り。鉄道事故の専門家を訪ね、意見を求めた。行き着いたのは「安全についてのJR西の経営判断は適正だったのか」との疑問だった。国土交通省航空・鉄道事故調査委員会(事故調委)の最終報告書でも、疑問は晴れなかった。

 質問状は昨秋からとりまとめ作業にかかり、半年かがりで仕上げた。多忙な仕事の合間を縫って、深夜の帰宅後や、出張時の移動中にパソコンを開き、質問を練った。

 遺族六人とともにJR西本社を訪れ、質問状を手渡した木下さんは「息子にはもう何もしてやれないから、こうやってがんばっている。これからが始まり」と話した。(森本尚樹、安田英樹)

(※以下,序文(「はじめに」)と,本文部分のみを引用する。目次や別紙経過表も含めた詳細については,PDFファイル(→こちらです)を参照いただきたい)

はじめに
 『平成17年4月25日(月)、西日本旅客鉄道株式会社のJR福知山線宝塚駅9時3分発同志社前駅行きの上り快速5418M列車(7両編成)が伊丹駅を9時16分10秒ごろ出発し、猪名寺駅を通過した後、塚口駅を9時18分22秒ごろ通過した。その後、同列車は、名神高速道路の南にある半径304mの右曲線を走行中、1両目が9時18分54秒ごろ左へ転倒するように脱線し、続いて2~5両目が脱線し、最後部7両目が9時19分04秒ごろ停止した』

この事故により、乗客106名が犠牲となり、562名が負傷した。

西日本旅客鉄道株式会社(以下JR西日本)は事故発生後の平成17年5月31日、垣内前社長が「お客様の安全を守るべき鉄道事業者として、今回の事故は決してあってはならないものであります。もう一度初心に返って、問題点と目指すべき方向について議論し、できることから早急に実施してまいります。また、二度とこのような事故を引き起こさないため、再発防止に向けて、社長をはじめ経営に携わる者が自ら先頭に立ち、強い意志とリーダーシップをもって、全力を挙げて安全を最優先する企業風土の構築に取り組み、「安全第一」を積み重ねることにより、お客様をはじめとする多くの方々の信頼を取り戻せるよう、この安全性向上計画を確実に実施していくことをお約束いたします。こうした決意のもと、以下のとおり安全性向上計画をとりまとめましたので、ご報告申し上げます。」と発表した。

その後、遺族・負傷者に対し数回の説明会が開催されたが、“なぜこの事故が発生したのか”“なぜ防ぐことができなかったのか”という私たちの疑問に対し、JR西日本は総論としての回答は行うものの、各論は明らかにしてこなかった。

平成19年2月意見聴取会のJR西日本丸尾副社長の公述に象徴されるように、事故への謝罪と、発生後の安全取り組みへの傾注姿勢は示す一方、事故当時までの認識としては「事故者の再教育」、「ATSの整備」、「列車運行計画」、「安全管理体制」については問題がなかったとしている。そればかりか、平成18年12月に公表された報告書案の乗務員アンケートについて、実施時期、アンケートの形態、回答者の属性、設問と選択肢の全容を鉄道事故調査委員会に明記するよう求めた経緯さえある。これは、第三者視点から口封じの圧力にも映り兼ねない行為で、事故発生前の安全管理体制に真摯に向き合う姿勢と矛盾する。

また、鉄道事故調査報告書(以下報告書)が公表された後の2007年8月4・5日に開催された説明会においても、山崎社長は事故を起こした当事者として自らの問題を検証することなく、反省を述べるに留まった。報告書の中で具体的に指摘された安全管理体制、ATSの整備、列車運行計画、車両ブレーキ装置▽速度計等に対しては、「鉄道の安全を支える上で見過ごせるものではない。改善・対策を図っていく」と抽象論に終始した。またATS-Pの整備に関しては、「京阪神地区の高密度線区を対象に、列車本数、ご利用状況、設計・施工手順を勘案し、順次計画的に整備を進めてきた」と安全対策への正当性を強調。「福知山線(※)のATS-P工事が竣工していれば、事故を防ぎえた」と認めた一方で、被害者のATS-Pに関する再三の質問に対しては「山崎が冒頭総括して説明をした」と答えるだけで、責任を負うことを拒んでいるように映る。

真に乗客の安全を守るために適正な判断であったのか。平成元年3月に阪和線と環状線に投資決定していたにも関わらず、なぜ福知山線の投資決定は平成15年9月と14年以上遅れたのか、はなはだ疑問が残る。「順次計画的」に遂行していたというATS-Pの整備についても、線区毎にしか実施されていなかったのが現状だ。今回のように、直線で制限最高速度120km/hから70km/hまで急な減速が必要で、ひとたび運転士がミスを起こせば乗員乗客に甚大な被害を起こすことが容易に考えられる危険な箇所を優先すべきではなかったのか。

JR西日本は事故発生前、余裕時分を撤廃してまで電車到達時間の短縮を図り続けながら、説明会では「運転士は制限速度を大幅に超えて運転することはない」という経営者および管理側の独善的な過信を示し、過去の安全管理体制を正当化。積極戦略により利益重視を続けてきた裏側で、安全対策に関しては、運転士の技量に対しての経営者側の無根拠な過信が基盤になっていたことが露呈した。
報告書で指摘されている鉄道事業の安全に係る指摘が、なぜ見過ごされてきたのか。その理由は何か。JR西日本の安全に関わる経営判断はすべて適正だったのか。
これまで、被害者が真実を知りたいと質問した内容に、JR西日本から誠意ある回答を得ることができなかった。本公開質問状をもって、JR西日本の問題点を明らかにし、その問題点をJR西日本自らが説明することが犠牲者、負傷者に対する真の謝罪と考える。

本質問状に対し、平成20年5月末日までに誠意ある回答を求める。


本文部分
1.航空・事故調査委員会「鉄道事故調査報告書」に係る質問
航空・鉄道事故調査委員会が平成19年6月28日に公表した「鉄道事故調査報告書」には多くの「・・・べきである。」という項目が多く指摘されている。これらに関して以下に質問するので調査した内容を明らかにし、回答することを求める。

1-1.(3.1.2.4)ダイヤ管理について

1)運転曲線図の誤り
『同社においては、(略)同社から提出のあった運転曲線図には多数の誤りがあった』(3.1.2.4)とあり、『作成システムのデータ誤り等』(2.14.5.2)に詳述されている。

①報告書で指摘された点について(いずれも2.14.5.2)
・『本件列車長は140mであるところ、(略)提出運転曲線に使用された列車長は10m程度と見られる』
・『本件列車は1~4両目までが207系0番代、5~7両目が207系1000番代であるところ、それよりも加速性能のよい1~7両目全てを0番代とする列車データが作成システムコンピュータに残されていた』
・『ブレーキ性能(減速度)については、(略)通常は「切」位置とすることとされている高加速スイッチを「入」位置としたときの力行6ノッチの加速性能が使用されていた』
・『規定(略)によると、(略)207系電車で組成された列車等を運転する場合は最初にB6を使用することが原則となり、事故当日現在、一部の電車区においてはこの原則どおり最初にB6を使用するよう指導していたが、京橋電車区等においては最初にB5を使用するよう指導していた』(2.10.3.2)。また『ブレーキ性能(減速度)については、(略)京橋電車区等では停止ブレーキ、減速ブレーキのいずれにおいても、まず減速度の設定基準値が毎秒2.0km/hであるB5を使用し、その後段階的に緩めていくこととされていたが、作成システム用コンピュータに残されていた列車データでは、減速ブレーキの減速度は毎秒2.0km/hであったものの、停止ブレーキの減速度は毎秒2.5km/hであった。なお、運転曲線作成に使用する停止ブレーキの減速度を毎秒2.5km/hとすることについては、同社の内規に定められている』
・『実際には上り勾配であるものが、提出運転曲線及び作成システム用コンピュータに残されていた線路データでは下り勾配になっているなど勾配区間が4ヶ所あるなどの誤りがあった』

問)運転曲線図を作成するに当たり誤ったデータを使用した意図を、指摘された五点に沿って説明すること。意図的でない場合は、ミスが生じた理由・経緯を調査し、説明すること。

②速度担当者の口述について(2.14.5.2)
報告書に指摘された点について、
『207系電車では(略)0番代が最も加速性能が低いと考えて0番代のデータを使用した』
『力行6ノッチが通常は使用されないということを知らずに、力行6ノッチのデータを使用した』
『停止ブレーキについては(略)B5を使うという話はきいていない』
などと速度担当者は口述している。

問)担当者が、基礎データを誤認している理由は何か。個人的責任なのか、ダイヤ作成時のルール・マニュアル・指導・教育体制に不備があるのか。JR西日本の見解を明らかにすること。

問)事故調に提出した運転曲線図に安全上問題がなかったか。独自での検証を既に実施していると思うが、その結果を示すこと。

問)当該列車以外(福知山線以外の線区を含む)でも同様に運転曲線図に誤りがあったのか。調査結果を公表すること。

問)運転曲線図の作成責任はどの部署、および、どの役職にあるのか明らかにすること。

問)運転曲線図の正誤を確認・検証する部署はあるか。ある場合はどこか。

問)運転曲線作成システムについては『加減速が実際と異なると見られるところがあることなどから、それにより算出された「計算時間」は、必ずしも実際に要する時間と一致しない』(2.14.5.1)とある。運転曲線図は、列車の速度変化、駅間走行時間などを調査・検討するためのもので、また時間短縮策にも有効であるとされる。しかし、報告書で指摘されたような、実態と乖離したものならば、意味を成さないと思われる。JR西日本が、運転曲線図を作成する目的を説明するとともに、これまでの作成方法が適切だったのか、見解を述べること。


2)通過時刻の採時
①『北伊丹駅及び塚口駅における通過時刻を確認する位置が、人によって違っていた』(3.1.2.4)

問)通過時刻を採時する目的・活用方法を明らかにすること。

②『北伊丹駅及び塚口駅における上り列車の通過時刻の採時について、(略)平成18年8月になって(略)変更した』(3.1.2.4)しかし、『京橋電車区の運転士50人に対するアンケート調査』(2.10.9)の結果では、採時基準点の認識にばらつきが認められた。

問)JR西日本は、指摘された状況を把握していたのか。ばらつきが生じた原因について、指導基準、指導体制の問題点を検証し、明らかにすること。


3)PRC記録
①PRC記録は『平成16年11月4日から本事故発生前日までの172日間のうち112日分(約65%)しか残されていなかった』(3.1.2.4)

問)保管期間や方法についての規定を示すこと。約65%分の保管が、規定と矛盾する物である場合、そうなった原因・経緯を明らかにすること。

問)福知山線以外の路線記録は適切に保存されているか調査し、公表すること。


4)ダイヤ管理の不適切さ
①『ダイヤの管理が適切に行われていなかったものと考えられる』(3.1.2.4)

問)報告書で不適切と指摘されるようなダイヤ管理は、福知山線以外もあるのか。調査し、公表すること。

問)JR西日本が考える「適切なダイヤ管理」の定義を説明すること。


5)列車遅延の報告
①JR西日本は『30秒以上遅延した場合には(略)「列車遅延時分の報告」を運転士に求めていた』(3.1.2.4)

問)遅延報告の目的、及び方法(誰がいつどのように報告するのか)を明らかにすること。

②『社員の取り扱い誤りによる1分以上の事象を反省事故Ⅱ等とし、それに関係した運転士等に対して(略)日勤教育及び懲戒処分等を行っていた』(3.1.2.4)

問)社員の取り扱い誤りか他の要因なのか、判断・検証はどの部署がどのように行っていたのかを明らかにすること。

③『定刻どおりに運転されることが少ない列車運行計画とするべきでない(略)運行計画は相応の時間的余裕を含んだものとするべきである』(3.1.2.4)

問)これまで作成してきた運行計画が適切だったのか、理由を含めて、見解を述べること。


6)列車運行計画への指摘
①JR西日本は
・『5418Mの運行計画を(略)定刻どおり運転されることが少ないものとしていた』(3.1.2.4)
・『定刻どおりに運転されることが少ない列車運行計画とするべきでないことは言うまでもないことであるが、曲線速照機能等の運転操作の誤りによる事故を防止する機能がない列車を120km/hという速度で運転させるのであれば、その運行計画は相応の時間的余裕を含んだものとするべきである』

問)列車運行計画は、どこの部署がどこからの依頼で作成するのか

問)指摘されている点について、安全面等含めた列車運行計画を考慮したことがあるのか見解を求める。考慮したことがある場合、どのような面を考慮したのか説明をすること。

問)列車運行計画の管理について、責任を持つ部署と役職はどこか説明すること。


1-2.(3.2)Pの停車駅通過防止機能等に関する解析について
1)P停車ボイス機能について
①JR西日本の資料によると、『「オオカミ少年的警報となっているため、停車する意識の薄れた乗務員に対して効果的でない」という記述のように、効果的でないものと考えられる』(3.2)

問)P停車ボイス機能は、アーバンネットワーク全駅には設置されていないようだが、その理由は「オオカミ少年的警報」だからなのか。ほかの理由がある場合は、説明すること。

問)「オオカミ少年的警報」という認識は、現場から経営幹部までの共通認識だったのか。


2)第1ボイスおよび、第2ボイスについて
①『停車駅接近時の速度が所定停止位置に停止するには高過ぎるときに、「停車、停車」という男性の声及び機械的な警報音(連続音。ただし、P曲線速照等のものとは異なる。)(第2ボイス)が繰り返し発せられる。(ブレーキは自動的には作動しない。また、第2ボイス発生後直ちに非常Bを使用しても、所定停止位置までに停止できるとは限らない。)』(2.13.2)
 『なお、2.7.3.2 に記述した本件基準運転表に記載されたブレーキ初速105km/hで走行している場合、第1ボイス開始と同時にBハンドルを操作するとして同様に試算すると、B5(回生なし)の実測値とほぼ同じ毎秒2.5km/h では所定停止位置までに停止するが、設定基準値では行き過ぎるという結果となる。また、この場合、第1ボイス終了と同時にBハンドルを操作するとして同様に試算すると回生ありの実測値でも所定停止位置を行き過ぎるおそれがある。』(2.13.3.3)

問)なぜ停車位置を過ぎる位置に設置されているのか説明すること。

問)設置されたP停車ボイス機能を利用して注意を促しているが、本来の速度照査機能を利用して速度制御をなぜ行わないのか説明すること。

②『第1ボイスおよび、第2ボイスはPの速度照査機能を利用して注意を促していると思われるが、Pの速度照査機能を利用し、停車駅接近時の速度が所定停止位置に停止するには高過ぎるときにのみ警報を表示し、必要な場合には自動的にブレーキを作動させるものが望ましい。』(3.2)

問)福知山線はATS-Pが設置されていないのに、P停車ボイス用ATS-Pの設置を優先している。乗務員からの要求で停車ボイスを設置したのか。それとも乗務員のミスをハードによって軽減させようとしたのか。設置に至った理由は何か説明をすること。


1-3.(3.3.1.1)回生B作動時の減速度等について
1)担当者らの口述
①JR西日本は『実測値が設定基準値を上回れば可とするのではなく、運転士が回生B作動の有無に注意を払わずに済むよう、Bハンドルの位置が同じならば回生B作動の有無にかかわらず、ほぼ同じ減速度が得られるようにするべきである』(3.3.1.1)とある一方、207系電車の0番代導入時のブレーキ試験担当者は『減速度の実測値が設定基準値を上回れば可としていた』(3.3.1.1)と口述。同様に、車両部のマネージャーも『非常B及び最大Bの減速度について実測値が設定基準値を上回れば可としていた』(3.3.1.1)と口述。

問)担当者、マネージャーの認識不足が生じた理由を、指導体制等の問題点に触れながら検証し、説明すること。


1-4.(3.3.1.2)設定基準値よりも大きい回生Bの減速度がP曲線速照機能に与える影響について
1)P曲線速照機能に係る速度制限情報の誤り(2.13.8.9)
①報告書は『事故当日現在P曲線速照機能は曲線94ヶ所について設けられ、そのうち68ヶ所について、P地上子から送信される速度制限情報のデータに誤りがあった』とし、『具体的には、速度制限区間(曲線)入口までの距離、速度制限区間(曲線)長又は制限速度に対応するデータ《略》、東西線の下り6ヶ所及び上り7ヶ所全てについて、4469M等207系電車で組成された列車等に係る「指定速度」(2.10.1.3参照)が5km/hであるにもかかわらず、その設定値が0km/hとされているなどの誤り』と指摘している。
  また、大阪信号通信区の工事担当助役は、「指定する速度」を入力することを知らなかった、と発言している。JR西日本においても、『P曲線速照機能に係る速度制限情報の誤りがあることは、本事故後に初めて知ったとしている』。

問)なぜ上記四点の誤りが生じたのか。P曲線速照機能の運用・管理体制に即して一点ずつ検証し、説明すること。

問)上記四点について、責任部署、役職を明らかにすること。


2)実際の減速度が設定基準値よりも大幅に大きいことについて(3.3.1.2)
①『御幣島駅~加島駅間の左曲線の約76m手前からは32.0%の上り勾配となっているにもかかわらず、P曲線速照機能においては減速度毎秒3.2km/hが勾配の有無にかかわらず使用されて上限速度が算出されると、減速度実測値が設定基準値より大幅に大きくなる』そして『本来必要のない最大B作動が発生』するとある。

問)勾配を無視して減速度を設定したのはなぜか。

問)同様の指摘が当てはまる個所は、福知山線以外も含めて何ヶ所あったのか。調査結果を公表すること。

②『P曲線速照機能による本来必要のない最大Bが発生しないよう、実際のブレーキ減速度が設定基準値に対して、安全上必要とされる以上に過大とならないようにするべきである』

問)上記の指摘について、見解を述べること。


1-5.(3.3.1.3)BハンドルがB8位置と非常位置との間にあるときのブレーキ無作動
1)同社から提出されたヒヤリハット報告について
①『本件運転士に係る事象を含め京橋電車区運転士の運転する列車において、《略》Bハンドルが一時的にB8位置と非常位置との間にあったため列車が所定停止位置を行き過ぎた事象が、同社から提出のあったヒヤリハット報告書に記載されているものだけでも、平成16年に4件発生している』(3.3.1.3)

問)平成16年以前は何件あったのか。平成元年から、現在まで示すこと。

問)上記のヒヤリハット報告書は何に活用されたのか、具体的に説明すること。

問)上記のヒヤリハット報告書を公表すること。


2)製造年月の違いによるBハンドルがB8位置と非常位置との間にあるときのブレーキ無作動について
②『このうち1件が本件運転士に係る事象で運転士経験2ヶ月のときのもの、2件が見習運転士の運転による事象であることから、不慣れが影響した可能性が考えられるが、本件列車の5及び7両目を含む1000番代の一部の車両及び2000番代の一部の車両に設備されているBハンドルのような、B8位置と非常位置との間にとどまり常用Bも非常Bも作動しない状態が起きやすい構造のBハンドルは安全上不適切である。さらに、同様の事象が比較的起きにくい2000番代の一部の車両においても同様の事象が発生していることから、同社は、例えばBハンドルを287線が無加圧となる前に281~284線が無加圧とならない構造とするなど、BハンドルがB8位置と非常位置との間にあるときのブレーキ無作動の対策を講ずるべきである』(3.3.1.3)

問)上記に指摘されたことは、以前に安全に関わる委員会で議題となったことはないのか。ある場合は、会議録を公表すること。

問)また、ある場合は、その後どのような対策を指示(実施)したのか。


1-6.(3.3.1.4)車両形式等の違いによるブレーキ性能等の差の影響について
1)回生ブレーキの失効による減速度の変化について
①『本件列車の車両等については、《略》BハンドルがB5位置にあるときに回生Bが失効すればBハンドルの位置が変化しなくてもブレーキ距離が10%程度伸長すること、及び《略》BハンドルがB8位置と非常位置との間にある場合にはブレーキが無作動となることから、ブレーキ操作が比較的難しいものと考えられる』

問)上記のブレーキ距離の伸長や、ブレーキ無作動の発生について、JR西日本は把握していたのか。

問)把握していない場合、責任を有する部署、役職を明らかにすること。


2)車両形式等の違いによるブレーキ性能等の差が運転士に与える影響について
①『同社においては、1人の運転士が10以上の形式の電車を運転している場合もあることから、車両形式等の違いによるブレーキ性能等の差を可能な限り小さくして運転士の負担を軽減し、運転士の注意が前方の安全確認等に向けられるようにするべきである』

問)上記以外にも、同項目では、経験の浅い運転士が混乱を起こしやすい運転と考えられる複雑さを挙げている。指摘についての見解を明らかにすること。不備があるとする場合は、具体的に説明すること。

②報告書では、ブレーキ性能に関して、ブレーキ装置の改良を措置として指摘している。JR西日本は8月4・5日の説明会において「技術的には可能ですが、運転士に対し戸惑いや違和感を与えることもあることから、運転士の意見も踏まえ、検討を進めてまいります」と説明をした。

問)報告書の指摘を見る限り、運転が、易しくなり混乱するとは考えにくい。“戸惑い”“混乱”の意味を説明すること。

問)ブレーキ装置の改良について、「戸惑う」「混乱する」などの言葉が、実際運転士から上がったことがあるのか。あるいは、経営側の勝手な発言なのかを明らかにすること。


1-7.(3.3.2)1両目の速度計の誤差に関する解析について
1)省令不適合と仕様書への偽りの記載
①『1両目の速度計の誤差は、《略》国土交通省鉄道局によると、技術基準省令及び1両目が新製された平成4年2月に鉄道車両に適用されていた旧普通鉄道構造規則に適合しないものである』(3.3.2)
 しかし、『同社が1両目速度計のメーカーに提示した仕様書には、旧普通鉄道構造規則に準拠する旨の記載があった』(3.3.2)とある。

問)旧普通鉄道構造規則に準拠する旨の記載をしているが、1両目の速度計は旧普通鉄道構造規則に一致しないものと指摘されている。上記の誤りの責任は、どの部署、役職にあるのか。

②『1両目速度計のメーカーのプログラム担当者は、「旧普通鉄道構造規則については、そのような省令があることを知らなかった。また、鉄道車両についてJISが設けられていることは知っていたが、その速度計についてJISが設けられていることは知らなかった。」と口述』とあり、JR西日本に対し、『安全上重要な機器のメーカーに対して直接の担当者まで行き渡るように関係法令等を周知徹底するべきである』と提言している。

問)関係法令を依頼先に説明しないということは、相手に法令違反を犯させる可能性があり、契約を結ぶ関係として信じがたい。JR西日本は、本当にメーカーに守るべき省令の有無を説明していなかったのか。


2)速度計の異常への対応について
①『5及び7両目の速度計について、事故直近(平成16年5月18日)の要部検査において、試運転のとき表示される速度に異常があったため、特性試験と同様の試験が行われた結果、《略》技術基準省令に適合しないことを示す異常な示度が認められたことが記録されていた。この記録によると、これらの車両はそのまま営業列車に使用され、速度計の異常に気付いた運転士から3回指摘があった後、《略》スイッチの設定を修正していた』(2.9.4.4)

問)複数運転士から受けた指摘は、安全管理上重要なものと考えるが、安全対策に活用されるべき流れにおいて、途中でつぶされている。組織として、安全に関わる情報収集体制のどこに問題があったのか、“運転士からの指摘”がつぶされた経緯と、その責任の所在を明確にして、説明すること。

問)これらの事象を放置し、営業運転させた責任は誰(役職)にあるのか。また、営業運転をさせた判断根拠を説明すること。※この問に関しては、回答とともにJR西日本役員のコメントを併記すること。


2)速度計の検査について
①『速度計の検査平成16年5月27日に当時の車両部長の決裁を経て制定された207系電車整備準則においては、全般検査及び要部検査では1両目の速度計のような速度計(デジタル式速度計)については速度30、80及び120km/hにおいて「示度誤差」を「確認」することとされ、207系電車の一部車両(1、4、5及び7両目は含まれない。)の速度計(アナログ式速度計)については速度30、60、80、100及び120km/h において「指示誤差」を「測定」することとされていた。(付図18参照)しかし、デジタル式速度計の「示度誤差」の「確認」は通常行われていなかった。これについて、同社は、「207系電車の速度計はデジタル式速度計にもかかわらず、構造的に異なるアナログ式速度計と同等の検査内容を誤って付加していた。このため、整備準則の記載誤りであり、必要な検査を怠っていたものではない」としているが、検査方法をデジタル式速度計とアナログ式速度計とで書き分けた理由は確認できなかったとしている』(2.9.4.3)

問)通常は整備準則に従って、整備がなされると思うが、JR西日本は、何を基に速度計の検査をしていたのか。その基準となる資料を公表し説明すること。

問)整備準則が誤っているのか、検査方法が誤っているのかを明らかにし、誤りが生じた経緯を説明すること。

問)その他の整備準則に同様の誤りがないのか調査した内容を明らかにすること。


1-8.(3.6.3.1)日勤教育について

1)効果のないペナルティと受け取られる日勤教育について
①『日勤教育については、本件運転士を含む一部の運転士が、自己の運転技術向上等に効果のないペナルティであると受け取るものであったと考えられる。さらに、《略》運転士が自分の取扱い誤りによる事故等を発生させたときに、それを受けさせられる懸念から言い訳などを考えることにより、列車の運転から注意をそらせるおそれのあったものであると考えられる』(3.6.3.1)

問)かつての日勤教育は「効果的だった」との話も聞く。事故調が指摘する“ペナルティ”的な日勤教育となったのは、いつ頃からか。そのようになった背景にも触れながら、見解を述べること。

2)実践的な運転技術の教育が不足していた日勤教育について
①『同社における日勤教育については、《略》運転中における注意の適切な配分の仕方のような項目は少なく、またブレーキ操作等に関する項目が見られないなど、実践的な運転技術の教育が不足していたものと考えられる。このため、《略》精神論的な教育に偏らず、再教育にふさわしい事故防止に効果的なものとするべきである』(3.6.3.1)

問)「付図37 本件運転士の再教育におけるレポート」及び「付図39 平成16年片町線下狛駅における所定停止位置行き過ぎの際の事情聴取」などを見る限り、教育者は偽りの報告をひたすら糾弾しており、被教育者はただ恐怖するばかりで、運転技術などへの向上心が全く見受けられない。両図からは運転技術に関する教育内容が不明なので、どのような教育があったのか提示すること。


1-9.(3.6.3.2)運転技術に関する教育について
1)京橋電車区の運転士に対するアンケート調査について
①『207系電車で組成された列車のブレーキ力に関するアンケート京橋電車区の運転士50名に対し、207系電車で組成された列車のブレーキ力に関して、どのブレーキが最も強いと思っているか、次の5選択肢のなかから選ぶという方法でアンケートを行ったところ、次表の結果であった』(2.21.10.7)とあり、“B8+予備”、“非常+予備”がそれぞれ40%の運転士が認識している。

問)運転士により、最も強いブレーキの認識にばらつきがある。ブレーキは安全の根幹を支えるものと考えられるが、どのような指導を行っていたのか説明すること。


2)運転技術に関する教育について
①『京橋電車区においては、2.7.3.2に記述したように、基準ブレーキ表は作成されておらず、写真等が付加されていない基準運転表は平成16年10月ダイヤ改正以前の塚口駅~尼崎駅間の基準運転時間3分10秒における運転方法と見られるなど、ブレーキ操作に関する参考資料が十分に整えられていなかったと考えられる。《略》このため、同社は、運転技術に関する教育について、例えばインシデント等に関する情報を分析して得られた注意配分に関する知見をもとに教育を行う、分かりやすくイメージしやすい資料や運転シミュレータなどを適切に使用して教育を行うなど、実践的な教育を充実強化するべきである』(3.6.3.2)

問)平成17年3月のダイヤ改正時の塚口-尼崎間の基準運転時間が3分00秒だが、京橋電車区の基準運転表は平成15年12月ダイヤ改正時以前の3分10秒となっている。違いが生じた理由を説明せよ。

問)その他の線区は基準運転時間と基準運転表は一致しているのか。調査結果を公表すること。




1-10.(3.6.3.3)制限速度超過の危険性を認識させるための教育について
①『2.21.10.10に記述したアンケート結果では、京橋電車区運転士の半数が転覆限界速度を120km/h(本件列車の福知山線尼崎駅~新三田駅間における最高速度)以上と認識していたことから、3.6.3.2に記述した運転技術に関する教育に合わせて、制限速度超過の危険性を十分に認識させるための教育を充実させるべきである』(3.6.3.3)

問)運転士の半数が、事故現場の曲線における転覆限界速度を120km/h以上と回答しており、認識のばらつきも目立つ。転覆限界速度について、どのような指導をしていたのか、指導教本等を公表し、詳細に説明すること。


1-11.(3.8.2.2)加島駅直前から始まる左曲線手前におけるP曲線速照機能による最大B作動について
①『当日4469Mにおいては、《略》加島駅手前の左曲線手前でP曲線速照機能による最大Bが作動した。これについては、《略》基本的に2.13.8.9に記述したように「指定する速度」が過って0km/hとされていたため発生したものであり、また3.3.1.2に記述したようにB6(回生あり)等の実際の減速度が設定基準値よりも大幅に大きいことが関与したものと推定される。《略》これを本件運転士の運転操作等の異常によって発生したものであるとすることはできないと考えられる』とあり、本件運転士も実際に『JR東西線の地下区間が暗くてブレーキをかける位置が分かりにくい』(2.5.12.2)と知人に話している。
  上記を受けて、報告書は『同社は、曲線の始点等の位置が分かりやすいよう曲線標を改善するべきである。また、その他の標識等についても、確実かつ容易に認識されるよう、改善、充実するべきである』(3.8.2.2)と指摘している。

問)電車を運転する上で乗務員の意見や声は、どの部署が吸い上げ、どのように活用していたのか。

問)本件運転士は知人にブレーキ位置の分かりにくさを話しているが、会社では話していなかったのか。話していないとすれば、JR西日本は、それを運転手個人の責任にするのか、または現場の声を吸い上げる組織力がなかったのか、あるいは別の理由なのか、見解を述べること。


1-12.(3.10.3)国の規制等に関する解析について
1)重大な人的被害を生ずるおそれのある事象に関する情報の扱いについて
①『国土交通省鉄道局は、平成17年9月6日当委員会が国土交通大臣に建議したように曲線速照機能追加等のATS機能向上(1.2.3 参照)を図るとともに、発生頻度が小さくても重大な人的被害を生ずるおそれのある事象に関する情報を入手した場合には、単にそれを鉄道事業者へ情報提供するだけでなく、それと同種の事象の発生状況、重大な被害を生ずるおそれ等に係る情報を付加して提供し、危険性を具体的に認識させるなどして、鉄道事業者による対策の推進を図るべきである』(3.10.3)

問)平成8年12月4日のJR貨物の列車脱線事故については、平成9年3月に開催された総合安全対策委員会の付属資料にも「他会社における事故」として記載されている。この時のメンバーは誰でどのような話し合いを行ったのか明らかにすること。会議録を公表すること。


2)人的被害を生ずるおそれのある事象に関する所要の対策について
①『福知山線尼崎駅~新三田駅間の電車列車(旧型電車列車を除く。)の最高運転速度は平成3年3月に100km/h から120km/h となったものであり、《略》事故現場の右曲線区間は半径600mの曲線区間が平成8年12月に半径304mの曲線区間になったものであることから、《略》重大な人的被害を生ずるおそれのある事象に関する情報を活用し、所要の対策を講ずるべきである』(3.10.3)

問)8月4,5日の説明会においてJR西日本役員は説明では、R300mの曲線は2,000を超えるくらいあり危険認識は無かったとしているが、当該曲線のように列車が駅間の最高速度で進入した場合に転覆するおそれのある曲線は何箇所あるか明らかにすること。

問)回答があった場合、その内、速度照査によるバックアップがあったのは何ヶ所か明らかにすること。

問)JR西日本は、国鉄時代から最高速度120km/hは経験してきたというが、福知山線尼崎駅~新三田駅間の列車の最高運転速度は平成3年3月に100km/hから120km/hに変更になっている。国鉄時代のダイヤと、列車本数が増え余裕時分撤廃、到達時間の短縮したダイヤで国鉄時代から経験しているという比較は妥当性を欠いていると思うが、変更の際、最高速度の安全性を検証する対策をどのように行ったのか。記録を公表すること。

問)事故現場は半径600mなので120km/hで進入しても脱線転覆することがないと認識していたのか回答すること。

問)東西線の開通に合わせ、平成8年12月に半径600mから半径304mの曲線区間になったが、線路変更の責任はどの部署・役職にあるのか。また変更の際、どのような安全検証を行ったのか、記録を公表し、説明すること。


1-13.(3.13.1)インシデント等の把握方法に関する解析について
1)インシデントの報告制度
①『同社における鉄道運転事故、輸送障害及びインシデントの報告方法は、同社の内規である「運転事故報告手続」に定められている』(2.19.1)

問)「運転事故報告手続」を公表すること。

問)どこの部署(または役職)がいつ、どのような目的で作成したのか。

問)子会社などにも適用されるのか。適用範囲を説明すること。

問)上記の内規以外に、インシデント報告に関わる規定類はあるか。ある場合は、全て公表すること。

問)社員への周知徹底は、どのような方法で実施していたのか、説明すること。

問)内規にのっとって報告されたインシデントは、どの部署(役職)が管理し、活用していたのか。

②『本事故の発生前には、《略》下り列車の宝塚駅進入時の制限速度超過の事例、《略》事故現場の右曲線における制限速度超過の事例など、本事故又はその直前に発生した事象と類似の事象が発生していた。しかし、これらの事象はその運転士から同社に報告されることはなく、対策が講じられることはなかった』(3.13.1)

問)指摘についての原因を調査し、問題点及び責任の所在を明らかにすること。

③『これらのインシデント等の報告が、《略》一部の運転士にペナルティであると受け取られる日勤教育又は懲戒処分等につながるおそれがあった』
 『インシデント等の報告を怠った乗務員等に同社はより厳しい日勤教育又は懲戒処分等を行っていたものと考えられる』
 『同社のようなインシデント等の把握方法は、逆に事故を誘発するおそれがあるものであると考えられる』(3.13.1)

問)指摘された点について、JR西日本の実態を説明するとともに、指摘に対するJR西日本の見解を述べること。

④『同社は、インシデント等の把握にあたって、重大な事故を防止する観点から、日勤教育及び懲戒処分等の適切なあり方を考えるとともに、非懲罰的な報告制度の整備など乗務員等の積極的な報告を勧奨する制度の整備を図るべきである』
 『同社は、乗務員等からの報告を待つだけでなく、既に設備されているP記録部等の活用等により、インシデント等を正確に把握するべきである』(3.13.1)

問)指摘されて点について,当時のJR西日本の実態を明らかにするとともに、指摘に対するJR西日本の見解を述べること。


2)インシデント報告制度について
①『運転事故報告手続においては、同社社員の取扱い誤りによる事故の区分について、次のように定められている。「 責任事故又は反省事故とは、社員の取扱い誤りにより生じた鉄道運転事故及び輸送障害等をいい、その区分は、次の各号に掲げるとおりとする。
(1) 責任事故
 社員の取扱い誤りによる事故のうち、次のいずれかに該当するもの

 ・鉄道運転事故となったもの
 ・事故により人の死傷を生じたもの
 ・飲酒など原因が悪質なもの
 ・輸送の障害
  (ア) 営業列車に運休を生じたもの
  (イ) 営業列車に30分以上の遅延を生じたもの
 ・物の損傷の損害額が100万円以上のもの
 ・その他重要なもの

(2) 反省事故Ⅰ
 責任事故に該当しないもので、次のいずれかに該当するもの

 ・輸送の障害
  (ア) 営業列車に10分以上の遅延を生じたもの
  (イ) その他列車に運休又は30分以上の遅延を生じたもの
 ・物の損傷の損害額が20万円以上のもの
 ・車両が脱線したもの
 ・注意を要するもの

(3) 反省事故Ⅱ
・責任事故、反省事故Ⅰ以外のもの   」 』(2.19.1)

問)「所定停止位置行き過ぎ」は反省事故Ⅱに該当するようであるが、どのような事故が反省事故Ⅱに該当し、それぞれにおいて、誰が誰に報告するかの回答を求める。

問)報告の正誤をどのようにして確認していたか。

問)報告は、どのように記録していたのか。また、だれでも閲覧し、教訓を生かせるような体制は整えられていたのか。

問)他の鉄道事業者のインシデント(事故)は、どの部署が情報把握をしていたか。

問)把握した情報のうち、監督官庁への報告する/しないの基準はどうなっているか。内規がある場合は提出すること。




1-14.(3.13.2)インシデント等に関する情報の活用方法に関する解析
1)インシデントの分析
①『BハンドルがB8位置と非常位置との間にとどまり、ブレーキが無作動となる事象が、平成16年に京橋電車区の運転士が運転する列車において発生しヒヤリハット報告書に記録されて残されているものだけで4件あるが、対策が講じられていない』、『本件列車の7両目及び《略》おいて、速度計が技術基準省令に適合しないことを示す異常が生じており、それについて運転士から再三指摘を受けながら、それを直さないまま、その車両を営業列車に使用し続けていた』、『JR東西線下り線においては、1日当たり3回程度、P曲線速照機能により最大Bが作動しており、同社はこのことを容易に知り得る状況であったが、その原因であるP曲線速照機能に係る速度制限情報の設定誤りは本事故後まで修正されていなかった』(3.13.2)

問)分析に関するルール、マニュアルなどはあったか。ある場合は、資料を示すこと。

問)上記三点についてのインシデント分析は実施したのか。している場合は記録を公表すること。

②『同社の安全推進部が把握していたインシデントの情報には、猪に気をとられて制限速度を超過して半径350mの曲線に進入したというものがあった』(2.20.1.10)とある。

問)このインシデントの分析結果を示すこと。

問)分析していない場合、責任の所在を明らかにし、原因を調査、公表すること。

③東海道線京都駅構内における鉄道重大インシデント、他の鉄道事業者のインシデントも分析していたか。

問)平成14年4月13・14日の東海道線京都駅構内における鉄道重大インシデント

問)「昭和63年12月13日のJR貨物の列車脱線事故」の分析結果を示すこと。

問)平成8年12月4日のJR貨物の列車脱線事故」の分析結果を示すこと。

問)分析していなかった場合は、なぜ分析しなかったのかを説明すること。





1-15.(2.13.8.3)Pの整備について
1)全線 P導入に係る意思決定が行われた平成元年3月の経営会議について
①『同社から提出のあった、全線P導入に係る意思決定が行われた平成元年3月の経営会議の会議録に添付された資料には、全線P導入の目的について次の記述がある』
 『現行のATS(自動列車停止装置)は、運転士の事故による信号冒進事故を防止するためのバックアップシステムとして昭和41年に全国一斉に整備され、今日まで十分な成果を得てきている』
 『しかしながら、安全で正確な輸送の提供』は、鉄道事業者にとってすべての原点であることから、輸送システムの安全性を更に高め、お客様により一層の安心と信頼の輸送サービスを提供していくことが必要である』
 『このため高密度運転線区を対象に安全性の高いATS-Pを順次導入し、更なる安全性の向上を図っていくこととしたい』

問)安全性の高いATS-Pを順次導入し、更なる安全性の向上を図っていくとあるが、この平成元年3月の経営会議で「順次導入」に対してアーバンネットワーク全体にどのような設置計画があったのか明らかにすること。


2)平成5年12月の経営会議
①平成5年12月の経営会議の資料として『このATS-Pは、《略》現行ATSに比べ安全性の飛躍的な向上が図れることはもちろんのこと、踏切遮断時分の短縮、更には信号機の増設等を併せ行うことにより運転時隔の短縮にも効果のあるシステムである』とし、『高密度線区において、信号冒進防止・制限速度超過防止を目的に、本線上の全信号機についてATS-Pの整備を行ってきた』。

問)「制限速度超過防止を目的に」とは、信号機、下り勾配部、分岐器、曲線部のいずれを示すか明らかにすること。

②『従来の整備対象線区以外においても、危険度の高い箇所を対象にスポット的なATS-Pを導入し、線区全体の保安度向上を図る』

問)「危険度の高い箇所」とは、信号機、下り勾配、分岐器、曲線部のいずれを示すのか、明らかにすること。特定方法や基準を説明すること。

問)この時点で危険度の高い箇所に選定された場所を明らかにすること。

問)当該事故の発生曲線が「危険度の高い箇所」と特定された経緯があるのか明らかにすること。

③『同社におけるP地上装置の概略整備状況』(表31)によると、
▽平成元年3月、阪和線、環状線、関西線(天王寺駅~新今宮駅)の全線P設置を意志決定。
▽同3年10月、関西線(王子駅~難波駅)全線P設置を意志決定。
▽同6年1月、片町線の拠点P、桜島線の全線P設置を意志決定。
▽同9年9月、東海道線(草津駅~神戸駅)、山陽線(神戸駅~網干駅)の拠点P設置を意志決定。

問)東西線の開通で、利用客と列車本数の増加が予想される福知山線は本来、片町線と同時に意志決定され、東西線開通の平成9年に使用開始が望ましかったと考えられるが、平成6年1月の経営会議では、福知山線のP設置に関する議題は上がらなかったのか。会議録を公表すること。

④『鉄道事業者は、速度向上、線形変更等のときに、重大な人的被害を生ずるおそれのある事象に関する情報を活用し、所要の対策を講ずるべきである』(3.10.3)。当該曲線は、平成3年の東西線計画時に当該曲線のR600mからR304mに変更が決定された。平成6年に片町線のATS-Pの投資決定が行われ、平成9年3月には東西線開通に合わせ、片町線の拠点P運用、東西線の全線P運用が始まった。片町線の最高運転速度は110km/h、東西線の最高運転速度は90km/h、福知山線の最高運転速度は120km/hであった。東西線開通により福知山線は、尼崎駅から大阪駅へ向かう従来の運転計画に、東西線に入る電車分が増加し、列車本数は大幅に増えた。その際に、当該曲線は、東西線開通前、上り電車は尼崎市中央卸売市場の左側を通過していたR600mから東海道線に立体交差するR304mに付け替えられ、最高運転速度120km/hから70km/hまでの減速が必要な危険な曲線となった。


問)平成3年3月の当該曲線線形変更決定時点での福知山線・東西線・片町線の列車本数および乗客数の計画値の提示をすること。同時に万全を期するなら、当該曲線の付け替えの際に、P整備が必要ではなかったか、見解を述べること。


1-16.(2.13.8.4)P曲線速照機能の整備について
①『同社におけるP曲線速照機能の整備は、P整備の際にその一機能としてほぼ同時に整備するという方法で、
・半径450m未満の曲線(ただし、全ての列車が停車する駅構内の曲線等を除く。)について行われていた。
・しかし、2.13.8.2に記述した130km/h運転区間におけるSW曲線速照機能の整備の際には、半径600m未満の曲線(ただし、全ての列車が停車する駅構内の曲線等を除く。)について、地上子を追加することにより、既に使用されている拠点Pに機能を追加する方法で行われた。
・同社によると、本事故発生時に曲線速照機能が設けられていた曲線区間は、P曲線速照機能のみ設けられていたもの88ヶ所、SW曲線速照機能のみ設けられていたもの11ヶ所、両方が設けられていたもの6ヶ所の計105ヶ所であった。
・なお、分岐速照機能が設けられていた分岐器の箇所は、P分岐速照機能のみ設けられていたもの109ヶ所、SW分岐速照機能のみ設けられていたもの406ヶ所、両方が設けられていたもの148ヶ所の計663ヶ所であった。
・(2.13.8.2 SW曲線速照機能の整備)拠点P地上装置整備済区間の山陽線3ヶ所及び東海道線3ヶ所(いずれも半径500mの曲線)については、それまで半径450m未満の曲線についてのみ設けられていたP曲線速照機能を、平成15年3月までに使用開始した。
・P曲線速照機能の整備について、安全推進部長は次のように口述している。『Pの整備については、安全推進部が担当している。曲線区間で速度超過すれば脱線することがあり得ることは理解していたが、それを具体的な危険要素とは認識していなかった。したがって、P曲線速照機能の整備は、念のためという感じであった』

問)「半径450m未満の曲線について行われていた。」とあるが、全線P導入に係る意思決定が行われた平成元年3月の経営会議当初から設置基準として決められていたのか、また、半径500mの曲線への設置基準はいつ決定したのか明らかにすること。

問)SW型曲線速照地上子は、既に設置された拠点P整備線区に130㎞/h運転区間で半径600m未満の曲線に追加されたとあるが、対象カーブは17か所以外にないということか。

問)拠点Pが設置された同一線区において、130km/h運転区間以外(例えば120km/h区間)の半径450m未満の曲線は、すべてP曲線速照機能は設置(報告書は88ヶ所)されていたという理解でいいのか。

問)事故発生後に、国土交通省が試算した速度超過防止用ATS等を設置する必要のある箇所の条件をあてはめた場合、ピーク時運転本数10本以上の区間は77ヶ所、ピーク時運転本数10本未満の区間は157ヶ所で合計234ヶ所となっている。報告書によると、『本事故発生時に曲線速照機能が設けられていた曲線区間は、P曲線速照機能のみ設けられていたもの88ヶ所、SW曲線速照機能のみ設けられていたもの11ヶ所、両方が設けられていたもの6ヶ所の計105ヶ所であった』(2.13.8.4)とあるが、105ヶ所は234ヶ所に含まれており、残り129カ所は拠点Pおよび全線Pが整備されていない線区という理解でよいのか。

問)「念のため」とは、運転士が曲線部での運転ミス、飲酒、体調不良、失念、人事不省などにより速度超過した場合に、脱線転覆等事故の防止策を含まれているのか。


1-17.(2.13.8.5)福知山線尼崎駅~新三田駅間の拠点P地上装置整備計画について
①『同社においては、鉄道本部により作成される「中長期設備投資計画」及び総合企画本部により作成された「中長期設備投資見通し」(いずれも当該年度から6年間に係るもの。以下これらを総称して「中長期計画」という。)が、毎年夏ごろ作成されている
・福知山線尼崎駅~新三田駅間の拠点P地上装置整備(以下「福知山線拠点P整備」という。)について、平成10年度の中長期計画においては平成15年度2億円が計上され、翌平成11年度の中長期計画から平成15年度の中長期計画までにおいては平成15年度2億円、平成16年度6億円がそれぞれ計上されている。
・総合企画本部により作成され、平成15年2月に社長により承認された平成15年度設備投資計画においても、成15年度2億円、平成16年度6億円がそれぞれ計上されている。
・しかし、実際には、福知山線拠点P整備は、2.13.8.3に記述したとおり平成15年9月29日に投資に係る意思決定が行われ、平成16年度の中長期計画においては、平成15年度実績0.1億円、平成16年度7.7億円、平成17年度0.3億円とされ、本事故後の平成17年6月に使用開始されている。』

問)平成元年から平成18年までの「中長期投資計画」及び「中長期設備投資見通し」を提示すること。

②報告書によるとアーバンネットワークのATS-P投資計画は以下のとおりである。
▽平成 元年 3月 全線P:環状線、阪和線
▽平成 3年10月 全線P:大和路線、
▽平成 6年 1月 拠点P:学研都市、京都、神戸
▽平成 9年 9月 拠点P:京都、神戸
▽平成10年 中長期設備投資計画 平成15年度、平成16年度に計画
▽平成11年~15年4月毎年 中長期設備投資計画 平成15年度、平成16年度に投資額計上
▽平成15年 9月 拠点P:福知山線投資決定
  東西線が平成9年に開通することが決定し、福知山線への直通運転が決定しているにもかかわらず、平成6年の片町線ATS導入意思決定時に、福知山線がノミネートされなかった理由はなぜか明らかにすること。また、東西線開通前の片町線、東西線、福知山線の列車本計画、乗客数の見込等明らかにすること。

問)アーバンネットワークのATS-P設置について概ね3年ごとに意思決定が行われている。福知山線の意思決定は他のアーバンネットワークより6年遅れの平成15年9月となっている。福知山線は、なぜ平成10年度の計画となったのか経緯を説明すること。

問)平成10年の中長期設備投資計画でなぜ6年先の平成15・16年となったのか理由を説明すること。

問)JR西日本は、福知山線のATS-P設置について、計画から実現までの期間について、どのように認識しているか、見解を示すこと。


3)総合安全推進委員会の役割と安全管理体制について
①重大事故防止のためのハード対策に関する総合安全推進委員会等の資料では『平成15年10月から平成17年3月までの4回の総合安全推進委員会等の資料には、「重大事故防止のためのハード対策の取り組み状況について」と題された表があり、その表には、列車脱線事故等の防止のための曲線速度超過対策について、「これまでの整備状況」の欄に「130km/h 線区でR600未満の曲線についてH14年度で整備終了」と記載されているが、「今後の整備計画」の欄には記載がない』(2.19.2.4)と報告されている。

問)今後の整備計画が何故記載されていないのか説明をすること。

1-18 2.9.5.4 モニタ装置の乗車率記録機能等について
①『5~7両目に設備されていたモニタ装置は、非常B記録機能等のほかに、ATS事象記録機能、戸閉時間記録機能、乗車率記録機能等を有している。ATS事象記録機能は、5及び7両目にのみ設けられている機能であり、これらの車両の運転室で列車を運転する場合におけるSWによる非常B作動、P最大B作動等の事象について、そのときの日時、速度、後方駅名等を記録する機能である。7両目の運転室で運転する場合のATS事象記録は、7両目モニタ制御装置の「ATS事象記録情報ファイル」に記録される』

問)『モニタ装置の概要として、乗務員支援、車両検修支援等を行うもの』(2.9.5.1)と記載されているが、ダイヤ作成時の誤り、ブレーキの無作動、速度計の誤差など、東西線等においてP曲線速照機能に係る速度制限情報の誤りの発見などにモニタ装置の記録が活用されなかったのか明らかにすること。

問)モニタ装置の記録には『ATS事象記録、戸閉時間記録機能、乗車率記録機能等を有している』(2.9.5.4)と報告書に記載されている。これまでJR西日本が「運転士は制限速度を大幅に超えて運転することはない」としているが、このモニタ装置の記録など分析し、P整備がされたR450m未満に設置されているATS曲線速度照査地上子の記録状況に曲線で制限速度オーバーがなかったか調査した内容を公表すること。

問)乗務員が事故を発生させた場合に、疑義の報告をしていないか裏づけるためにATS-Pやモニタ装置の記録を調査していると聞いたことがあるが、モニタ装置の記録をそのようなことにも利用しているのか説明すること。



2.意見聴取会および8月の説明会に係る質問
丸尾副社長は「乗務員の再教育(日勤教育)に関する公述」、「ATS-Pに関する公述」、「列車運行計画に関する公述」、「安全管理体制に関する公述」、「データの設定誤りをはじめといたしまして、業務運営上の不備等の指摘に対する改善の取り組み」を行い、事故発生当時のJR西日本の認識を公述した。と説明したが、同年8月4・5日に開催された説明会では、「お詫びすべきところはお詫びすべきであった」と訂正した。
私たちが聴きたいことは面従腹背なお詫びばかりではなく、JR西日本役員を含めた幹部の鉄道事業を運営する上で、経営判断が間違っていたのか、間違っていなかったのか等検証した真実の説明である。意見聴取会で公述されたJR西日本の認識は、企業防衛のための公述に終始に終わり、事故調の委員からは、「JR西日本の調査をしてみると様々な部署の方が言い訳ばかりしている。社会に答える鉄道員だという気持ちが見えない」と指摘があった。
意見聴取会で公述された内容およびに8月4・5日に開催された説明会ついて以下の質問をするので、真実を説明することを求める。

2-1.平成19年2月意見聴取会における丸尾氏発言。事故発生前のJR西日本の認識について

1)日勤教育に関する公述について
①「ヒューマンエラーを発生させた乗務員に対して、個々の事故等や個人の特性に即した再教育を行い、安全に乗務できることを十分見きわめた上で再乗務させることは、鉄道事業者としての安全を守るための責務であると考えております。53ページの運輸部長の口述は、その認識に基づいており、同じく54ページの京橋電車区長の口述も、この認識に基づき、当該現場におきまして、有用な教育が行われていたことを具体的に述べているものであると考えております」と公述している。
  しかし、一方で、報告書には以下のような指摘がある。
・『本件運転士を含む一部の運転士が、自己の運転技術向上等に効果のないペナルティであると受け取るものであったと考えられる』(3.6.3.1)
・『インシデント等について乗務員等に報告を求め、それを報告した乗務員等に日勤教育又は懲戒処分等を行い、また、その報告を怠った乗務員等にはより厳しい懲戒処分等又は日勤教育を行うという、同社のようなインシデント等の把握方法は、逆に事故を誘発するおそれがあるものであると考えられる』(3.13.1)

問)JR西日本は、大阪高裁の判例を引用してまで日勤教育の正当性を主張していたが、上記の指摘後、認識は変わったか。現在の認識を説明すること。

2)ATS-Pに関する公述について
①「お客様により一層の安心と信頼のサービスを提供するため、京阪神地区の高密度線区を対象に、ATS-Pを順次導入することといたしました。これにつきましては、112ページに記載の平成元年3月の経営会議資料にもあるとおりでございます。設置状況は、113ページの表27のとおりでございますが、
・これらの線区について、列車本数、御利用状況、設計・施工手順等を勘案し、順次計画的に整備してきたところでございます。
・このことは、安全・安定輸送を確保する観点から、妥当なものであったと考えております。
・福知山線につきましても、この方針を踏まえ、JR京都・神戸・琵琶湖線に引き続き、整備に着手したものでございます。福知山線の整備計画に関しまして、114ページに中長期計画及び年度設備投資計画での位置づけにかかわる記述がございますが、中長期計画は5カ年程度の投資全体の規模を見通し、また、年度設備投資計画は単年度の投資規模を決定するものでございます。したがいまして、これらの計画においては、個々の件名の実施の可否や投資額、ましてやその実施時期を決定する位置づけにはございません。
・福知山線ATS-Pにつきましては、平成15年度設備投資計画の俎上にのったことを踏まえ、15年3月から具体的な計画の精査を開始いたしました。
  国土交通省からの全国的な踏切警報時間制御等にかかわる調査依頼も踏まえた検討も含めまして、通常必要となる計画策定業務を鋭意進めた上で、9月の経営会議で投資の意思決定がなされたものでございます。」

問)報告書が公表された今でもその福知山線の「ATS-P整備計画は妥当」であったという認識は変わらないか見解を述べること。


3)列車運行計画について
①「確かに平成15年12月の改正後は、宝塚~尼崎間において当該列車に余裕時分はございませんが、《略》余裕時分が付与されていない列車でも、標準的な運転を行うことにより、定時運行することができるわけでございます。」

②「128ページの表32によりますと、5418Mは、宝塚~尼崎間において運転時間及び停車時間の合計の中央値が16分35秒とあり、運行計画より10秒余分に要していたことになりますけれども、JR神戸線で輸送障害がございますと、尼崎駅入駅時に福知山線からの列車に遅延が発生することがあるため、私どもはこの影響を受けたと考えられる日を除外して、同期間について一定の前提を置いて計算いたしましたところ、宝塚~尼崎間の所要時間の中央値は16分27秒となり、運行計画とほぼ同様の結果となりました。」

問)当該事故列車の先行の特急(3016M)出発遅れが「平均66秒、中央値で27秒」、当該列車の出発遅延時間が「平均77秒、中央値で45秒」となっている。出発遅延時間が中央値よりも平均値が大きいということは、多くの列車が中央値よりも遅れて出発している。宝塚駅-尼崎駅間の所要時間と到着時間の平均値は何分何秒だったのか公表すること。

③事故調の報告書では、福知山線の列車運行計画について、『定刻どおりに運転されることが少ない列車運行計画とするべきでないことは言うまでもないことであるが、曲線速照機能等の運転操作の誤りによる事故を防止する機能がない列車を120km/hという速度で運転させるのであれば、その運行計画は相応の時間的余裕を含んだものとするべきである』(3.1.2.4)

問)JR西日本の認識と事故調の認識が、何故このように乖離があるのか見解を述べること。


4)安全管理体制について
「会社発足以来、安全の確保は経営の最重要課題との認識のもと、安全推進部門を設けるとともに、社長をはじめとする経営トップの参加する総合安全対策委員会や鉄道本部長が招集する安全対策委員会など事故防止に関する各種委員会の設置など体制を整備してまいりました」

問)報告書では多くの設定ミスや誤りが指摘されている。各種委員会で、どのような議論がなされていたのか。事故防止策に関する会議録をすべて公表すること。


※2-1項の「 」内のページ数は、航空・鉄道事故調査委員会が平成18年12月20日に公表した「事実調査に関する報告書の案(意見聴取会用)」の引用を示す。


2-2.平成19年8月4・5日説明会について

1)ATS-Pの整備
①8月の説明会において山崎社長は
・「曲線を運転士が速度超過しないものと考えてきた。」
・「ATS-P(全線P・拠点P)については京阪神地区の高密度線区を対象に、列車本数、利用状況、設計施工手順等を勘案し、順次計画的に進めてきた。福知山線は平成17年6月の完成を目指して設置工事を進めてきた。この工事が竣工してれば事故は防げた。」としている。

問)「列車本数、利用状況、設計施工手順等を勘案」する材料となった資料を公表すること。その際、平成元年から事故発生までの時系列で、把握できるようにすること。

問)東西線開通前後5年間の片町線・東西線・福知山線の列車本数、乗客数を提示すること。

問)報告書で整備状況について多数の指摘がなされたが、指摘後も「順次計画的に進めてきた」とした計画は正しかったと認識するか見解を述べること。

②後日配布された説明会議事録には
・「当該曲線に対してATS-Pが整備されていれば、事故は防ぎえたと考えます。」
・「JR福知山線のATS-Pの工事については、平成15年9月に導入を決定し、17年6月完成を目指して整備を進めていました。その工事途上において事故が発生したことにつきまして悔やんでも悔やみきれない思いです。」
・「事故以前はあの箇所に優先的に速度超過防止策をしなければいけないという認識に至っていませんでした。」としている。

問)工事途上で事故が発生したのは間違いないが、ATS-Pの整備されていない福知山線において余裕時分を撤廃し、到達時間を短縮した危険な列車運行計画が先行したことに悔みがないのか見解を述べること。

③その理由は、
・制限速度が変化しない曲線より進路の状況が変化する信号機や分岐器こそ運転士が錯誤しやすいとの考えから、これに対する対策を優先してきたこと。
・曲線での事故事例があるものの、ブレーキ不具合や機器故障あるいは飲酒や居眠りなどが原因であり、車両の整備や勤務の厳正化を対策と考えてきたこと。
・他の鉄道事業者においても、事故発生前は曲線に対する速度超過防止を積極的に行わなければならないという認識ではなかったこと。
・曲線に対する速度超過防止対策が法令に規定されていないこと
  としている。

問)「制限速度が変化しない曲線より・・・変化する信号機や分岐器こそ運転士が錯誤しやすい・・・これに対する対策を優先してきた。」としているが、福知山線には曲線部と同様に分岐器にも速度照査地上子が設置されていない。今回は曲線部での脱線転覆事故であるが、当該事故が分岐器で発生していたとしたらそのような説明はできないはず。なぜ、説明会でそのような説明をしているのか理由を求める。

問)『国土交通省鉄道局は、この2件の列車脱線事故に関して、JR貨物に対して再発防止を具体的に指導しただけでなく、同社(西日本旅客鉄道株式会社)に対しても、鉄道保安連絡会議において事故の概要、原因、対策等について情報提供するなどしたとしている。平成9年3月に開催された同社の総合安全対策委員会(2.19.2.1参照)の付属資料にも「他会社における事故」として記載されている』(2.20.2.1)、その際、どのような議論があったのか明らかにし説明をすること。

問)JR西日本役員は、説明会で「車両の整備や勤務の厳正化を対策としてきた」と説明をしたが、報告書では、車両に関しては速度計誤差の放置や、ブレーキ無作動の放置、ペナルティと取られる日勤教育と多くの指摘を受けている。これらの事象にJR西日本役員はどのような見解をもっているのか述べること。

問)「曲線に対する速度超過防止対策が法令に規定されていないこと」と説明しているが、福知山線はATS-Pの整備がされていないにも関わらず、余裕時分の撤廃、到達時間の短縮した列車運行計画をATS-Pの整備された他のアーバンネットワークと同様に設定してきた。これらに対するJR西日本役員の安全観は正しかったのか見解を述べること。

問)関西地区の大手民鉄に確認したところ、曲線速度照査地上子など対策は行っていないが、JR西日本のように列車が駅間の最高速度で進入した場合に転覆するおそれのある曲線は1社(対象4か所)を除きないと回答を得ている。「他の鉄道事業者においても、事故発生前は曲線に対する速度超過防止を積極的に行わなければならないという認識ではなかったこと」とJR西日本は発言している。他の鉄道事業者に確認をしての発言か、または、推測による発言か明らかにすること。


2)退任役員について
①事故発生後、3名の役員が事故の責任を取るといって退任し、翌年の6月頃JR西日本グループ企業の社長や役員に就任していたことが報道された。
  2006年の7月30・31日に開催された説明会では、「グループ企業の社長や役員に就任するまで何をしていたのか。」の質問の回答として、2005年6月の株主総会後(退任僅か2ヵ月後)の8月に、徳岡氏、坂田氏、橋本氏がグループ企業の顧問となっていることが明らかになった。顧問に就任した理由も、JR西日本グループ企業の要請顧問によると説明を受け、就任していたことを知っていたのはJR西日本役員の中でも一部とした。被害者から被害者対策室へ退任役員の所在を問い合わせても、所在不明と説明をしてきた。
  同年8月4・5日の説明会では、遺族負傷者の心情を考慮し、JR西日本の退任要請を受けて退任役員3名が揃ってグループ企業の役員を辞任した。

問)グループ企業の社長や役員就任は個々に依頼があり、JR西日本は人事に関与せず了承したと説明を受けていたが、退任役員3名と面会し、質問をすると「グループ企業の社長や役員就任はJR西日本の要請関与した」と回答があった。JR西日本と退任役員3名の認識がなぜ違うのか明らかにし説明をすること。


3)福知山線列車事故対策審議室について
①尼崎JR列車脱線転覆事故が起こった背景の分析や、安全研究所(仮称)の準備などを行う「福知山線列車事故対策審議室」を新設したとし、平成18年1月の地区別懇話会においては「私どもとしても、いろいろと背景を調べようということで福知山線列車事故対策審議室を作って、様々な事実関係をまとめているところであります。どういう原因であったとしても、二度と同じような理由から同じことが起きないようにするには一体すればよいかというような再発防止につなげてまいりたいと思っているところであります。」と説明を受けている。しかし、平成19年8月の説明会においては「事故対策審議室は、事故原因は事故調に運転士のヒューマンファクターに焦点を当て、その背景と対策について検討したもの」としている。

問)福知山線列車事故対策審議室の目的が、なぜ当該運転士のヒューマンファクターにだけ焦点となったのか、見解を求める。


3.ATS-Pの投資計画と福知山線ダイヤとの関係について
「ATS-P設置は順次計画的に行ってきた。工事途上において事故が発生したことにつきまして悔やんでも悔やみきれない思い」と被害者に説明を行っている。
その一方で、福知山線のダイヤについては、ATS-Pの投資決定される平成15年9月までの平成8年から平成15年3月までに7回、投資決定以降も2回の到達時間短縮の議案や報告がなされ、何ら安全対策もないままダイヤの短縮は行なわれた。
JR西日本役員は、大幅なダイヤ短縮に見合った安全対策、安全投資が時系列的に適切に行われていたのか、いなかったのか。また、経営判断は誤っていなかったのか等これまで経営にかかわる説明が一切されていないので、以下の質問に対して回答を求める。

1)経営会議のおける福知山線のダイヤ短縮経緯
①平成元年から平成9年にかけて、福知山線を除くアーバンネットワークはATS-P導入の意思決定がされている。福知山線は、鉄道本部が作成した平成10年の「中長期設備投資計画」および経営企画部が作成した「中長期設備投資見通し」で平成15年度~16年度に導入計画がされている。しかし、平成9年の東西線開通前後から、取締役会等において他社との競争を打ち勝つための手段として、以下のような福知山線に関する到達時間の短縮を要求している実態がある。

▽平成 8年 5月25日 福知山線の電化に伴い、速達化を図る。
▽平成 9年 5月26日 平成9年3月ダイヤ改正 福知山線の複線化により到達時間の短縮。
▽平成12年 3月 8日 厳しい競争に打ち勝つ為には速達性のネットワークを生かす。
▽平成13年11月13日 アーバンネットワークの強みである高速性、利便性に一層の磨きをかける。都市輸送について更なるスピードアップ快適性の向上。
▽平成14年 3月23日 伊丹駅-塚口駅20秒の短縮。
▽平成14年11月 8日 福知山線大阪行き(新三田発)4本増発、中山駅停車、宝塚駅-大阪駅間△4分。
▽平成15年 3月15日 基準運転時間 宝塚駅-川西池田駅間10秒短縮・川西池田駅-北伊丹駅間10秒短縮 合計20秒短縮。
▽平成15年12月 1日 伊丹駅停車時間短縮
▽平成16年10月16日 接続時間の調整で、塚口駅-尼崎駅間10秒短縮。
(詳細は別紙参照)

  事故発生以前、福知山線は信号冒進防止用のATS-SW以外の安全装置は設置されていなかった。分岐器および曲線部には速度照査地上子等安全装置は設置されていなかったにも係わらず、JR西日本役員は取締役会等において、ATS-P設置済みのアーバンネットワークと同様に、競合他社からの乗客を奪うために平成8年以降取締役会などで数度に渡って福知山線の基準運転時間短縮の決定をしている。
  事故調の報告書において、『定刻どおりに運転されることが少ない列車運行計画とするべきでないことは言うまでもないこと』、『曲線速照機能等の運転操作の誤りによる事故を防止する機能がない列車を120km/hという速度で運転させるのであれば、その運行計画は相応の時間的余裕を含んだものとするべきである』と指摘されている。JR西日本が行ってきた福知山線に係る「列車運行計画」、「ATS-P投資計画」は明らかに経営判断ミスで事故の背景として大きく係わっていると考えている。

問)ATS-Pが整備されていない福知山線は、ATS-P設置済みのアーバンネットワークと同様に速達化は行うべきではなく、ATS-Pの整備後に行うべきであったと考える。福知山線に関する運行計画や安全投資額等公表するとともに、JR西日本役員の安全上問題がなかったのか、安全はどのように担保しようとしていたのか見解を述べること。


4.ATS-PプロジェクトとSA計画について
平成2年3月に発行された「西日本旅客鉄道株式会社ATS-Pプロジェクト」、平成6年度の「SA計画」について、ATS-Pに係わる以下の質問に対して回答を求める。

1)ATS-Pプロジェクトについて
阪和線および環状線の平成元年ATS-P導入の意思決定後、平成2年3月「西日本旅客鉄道株式会社ATS-Pプロジェクト」が発行されている。この本の目的には、信号冒進防止、分岐器における速度超過防止、曲線における速度超過防止、勾配における速度超過防止となっており、速度超過による事故を想定していたと考えられる。また、補足機能として、踏切時間の短縮、列車運行情報機能等の教科書的な要素を持っている。

問)JR西日本役員は、この本の存在を知っているか明らかにし、この本の活用目的と活用実態を独自に調査し、提示すること。

問)平成13年7月24日の取締役会において、報告事項としてATS-P設置に関するプロジェクトを結成し、5月21日、6月7日、6月21日に会議が実施されているようであるが、内容を明らかにし説明すること。

2)SA計画のATS-Pの整備推進について
①株式上場を控え「お客様に死傷を及ぼすような重大な事故0」を最重点課題として一層強力に安全対策を推進するとして平成6年に実施された安全推進実行計画(SA計画)、平成10年から安全推進実行Ⅱ計画(SAⅡ計画)を実施してきた。その中にATS-Pの整備が挙げられ、アーバンネットワーク線区を中心にATS-P形の整備を推進してきたとある。

問)SA計画では、福知山線はアーバンネットワークに含まれているにも関わらず、この時点では対象線区となっていない。福知山線の線路等級は平成15年3月まで3級線で、同年2月ATS-P設置承認がなされ、4月に2級線に格上げがなされ、平成15年9月にATS-P投資決定されている。ATS-Pを投資決定するに当たり、以下について条件として関係しているのか明らかにし説明をすること。

▽平成9年度のATS-P投資計画が決定した線区または既に完了している線区
 ・線路等級が   1級線(環状線・阪和線・東海道線)
          2級線(関西本線・片町線・東西線)
 ・乗務行路の適用 都市圏通勤線区扱い
▽平成9年度のATS-P投資対象とならなかった線区
 ・線路等級    3級線(福知山線)・・・・・・・・・・・・注1
 ・乗務行路の適用 一般線区扱い・・・・・・・・・・・・・・注2
注1:平成15年4月に2級線に格上げ。
注2:平成19年度に都市圏通勤線区となる。




5.JR西日本の安全管理体制について

5-1JR西日本の企業風土・文化について
1)民営化後の死傷事故と重大インシデントについて
問)JR西日本は昭和62年の民営化後、今回の福知山線脱線転覆事故に至るまでに、信楽高原鉄道正面衝突、塚本駅構内救急隊員死傷事故、京都駅連続重大インシデントなどいくつかの重大な事故やインシデントを引き起こしている。全国の鉄道事業者を見渡してもこれだけの事故や重大インシデントが続いて発生させた会社はない。このことから、JR西日本の会社全体としての企業風土や文化に何か問題点があったのではないかと思わざるを得ないが、JR西日本はどのように考えているのか。JR西日本が考える問題点を明らかにし説明すること。


2)JR西日本社員の認識について
問)一部の賠償担当者や被害者担当者から「信楽高原鉄道の事故は、赤信号を無視して出発するという信楽側の信じられない運行が原因であって、本当はJR西日本には責任がない。」という発言がされている。信楽高原鉄道事故について、JR西日本は会社全体として本当に責任がないと考えているのか。責任はあったと考えているのであれば、何故一部の社員から上記の発言が漏れるのか。信楽高原鉄道事故の内容をJR西日本の責任について、どのような社員教育をしているのか説明をすること。

問)当該事故の責任について、どのように社員教育を実施しているのか説明すること。


3)信楽高原鉄道正面衝突事故後の安全対策について
問)信楽高原鉄道事故については、当時の南谷会長や垣内社長が平成15年に「もっと両者が協議すべきでなかったのか、体制を整えるべきでなかったのかなど反省すべき点があり、申し訳なく思っております。」「再びあのような不幸な出来事を繰り返すことのないよう、安全対策について、あらん限りの努力を傾注することが、我々鉄道事業者の使命であり、尊い御霊にお報いするせめてもの道であるとの思いをひときわ深くいたしております。」と発言をしている。この発言から今回の福知山線脱線転覆事故に至るまで、安全対策について、どのような「あらん限りの努力を傾注」してきたのか明らかにし説明をすること。


5-2民営化以後の人員削減と設備投資について
1)民営化以後の人員削減について
問)民営化以後の総社員の削減数と鉄道事業分野の削減数を明らかにするため、昭和62年以後の各年度の社員数について明確にすること。
問)信号保安設備に関連する社員数の推移を明らかにすること。具体的には、電気部ATS担当者の社員数の推移、信号工事担当の社員数の推移を明らかにすること。


2)設備投資について
問)会社全体の設備投資額の推移、その中で信号保安設備関連の投資額の推移を明らかにすること。

問)報告書の添付資料「付図49」に記載されている各投資の信号保安設備の内訳について明らかにすること。

問)当該事故前のJR西日本における信号保安設備関連の投資における社内での意思決定手続きはどのようになされていたのか、その意思決定手続きにおいて、安全推進部(旧安全推進室)はいかなる役割を果たしていたのか説明すること。


5-3JR西日本経営者の安全意識について
1)事故調の報告が指摘している問題点
問)報告書において「速度計の基準を超える誤差がある車両の放置」「ブレーキ無作動となる事象が発生した車両の放置」などこのような問題点について、指摘された点以外についても明らかにし、事故発生後または報告書公表後どのような調査・検討を行ったのか内容を明らかにすること。


2)安全を確保するための制度的仕組みについて
問)社内で「安全」全体について目配りし、情報を収集し、分析し、経営方針に反映させる制度はどのようにデザインになっていたのか明らかにすること。

問)その制度において、安全推進部(旧安全推進室)はどのように位置づけられていたのか明らかにすること。

問)JR西日本社内の各セグメント(本社の各部・支社)が把握した情報は、安全推進部(旧安全推進室)にどのように提供されていたのか明らかにすること。


3)経営方針と安全
問)巨額の利益を出しながら、結果的にATSなどへの設置が遅れた理由はどこにあるのか明らかにすること。


問)JR東海の葛西敬之氏著作における指摘、「JR西日本の経営体力は明らかに他のJR本州二社に比べて脆弱性がある。したがって、上場基準をクリアすることを急ぐのではなく、JR東海と同じように、できるだけ設備の強化、技術力の蓄積など内実を厚くすることを優先するのが自然と思われた。ところが、JR西日本は我々のやり方とは対極的な基本戦略をとった。すなわち、1「良質の危機感」を掲げて要員、経費の徹底的な効率化を進める。2山陽新幹線を四地区に分割して、地区内の在来線と一元管理する。3在来線のうちローカル路線を鉄道部として路線別経営管理を行い、組織の簡素化と技術者も含めた職員の多能化を進めることにより要員を削減する。4 リエンジニアリングすなわち管理部門組織のフラット化により管理部門の要員を削減する。5社員、特に現場管理者の早期退職を勧奨し、余剰人員を解消する。6これらの施策により人件費を極力削減するとともに修繕費の効率化、設備投資の重点化により極力経費を抑制する。7 かくして他のJR本州二社に遜色のない利益を計上し、早急に株式の上場、完全民営化を達成する。この「良質の危機感」政策は、短期的な成果は挙げうるかもしれないが、長期の持続可能性が問われるところであった。JR西日本がなぜ短期決戦型の戦略を機軸に据えたのか、不可解である」(『国鉄改革の真実 宮廷革命」と「啓蒙運動」』から引用)をどのように考えるか回答を求める。


4)JR西日本役員および幹部の認識について
問)丸尾副社長が意見聴取会で公述した認識は、JR西日本としての発言だと思うが、誰が、いつ、どのような経緯を経て作成したのか。

問)社長ら幹部の了承を得ていた公述ならば、それぞれの幹部のATS整備に関する認識はどうだったのか。社長をはじめ各役員の見解を求める。

問)ATS整備が遅れていたことの認識は、社のどの範囲まで認識していたのか。具体的役職を挙げよ。

問)丸尾社長は、公述内容について、世論の反発を招いたことについて等今どのように考えているのか。

問)ATSの整備の遅れと事故の可能性の認識について、社長、副社長、当時の担当幹部の認識を述べること。

問)幹部それぞれの現在の安全認識はどのように変化したのか見解を述べよ。また、ATSがあれば事故は防げた、という発言の真意、いつからそう認識したのか説明すること。


以上

Secret

TrackBackURL
→http://tukui.blog55.fc2.com/tb.php/647-ff0d34fd
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。