最近の被災地では,自衛隊による炊き出しが目立っている。

 被災地でもありがたいことと受け入れられ,ひとつの美談として語られている(→たとえば中越沖の記事はこちら

 もちろん,炊き出しそのものは,心あたたまる行為だけれど,
 これを何も考えず安易に自衛隊に任せてしまうのは,ちょっと問題がありそうだ。


 ひとつは,上げ膳据え膳の食料供給があまり長期にわたってしまうと,被災地の方々が立ち上がるタイミングを失ってしまうということだ。
 やはり何より大切なことは,被災者の自立による生活再建である。
 何もかもお任せの自衛隊の炊き出しスタイルは,ときに自立のタイミングを遅らせる。


 また,被災自治体が行うべき災害救助の取り組みを,「自衛隊なら安心だ」と,安易に下請けに出しているということも言えそうだ。
 自治体の姿勢が,市民ボランティアの活用に消極的であるのに,自衛隊依存が強い場合は,そういう安直な意図を感じてしまう。
 被災からしばらく経った後は,地域の活力再生を大所高所から考えた方がいいだろう。


 そして,自衛隊に任せるということは全て公費で処理されるということだ。
 つまり,被災地経済の再生には寄与しない。
 これは,中越沖地震で展開された「弁当プロジェクト」(=地元の材料を,地元の業者が弁当にして,地元で消費する。地産地消で,地元経済を再生させるプロジェクト)の,ちょうど反対である。


 もともと炊き出しは,材料の供給は公が行うが,調理作業は市民ボランティアが行いながら,だんだんと,地域市民の手で自ら行うようになるのが望ましい。

 河北新報の記事は,自衛隊とボランティアのコラボレーションとして,注目すべきだ(→「母の味で元気出して 婦人クラブなど炊き出しに奮闘」
Secret

TrackBackURL
→http://tukui.blog55.fc2.com/tb.php/659-02e81eef