上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
 今日は,これから少年審判があるので,家庭裁判所に向かいます。

 受任事件の内容等については,ブログでは一切触れないことにしていますので触れませんけれども,一般的に,少年事件で付添人を担当することになりますと,普通は,少年と何度も面会したり,父母をはじめとする関係者と会ったり,フォローアップのための関係諸機関と調整したり,処遇をめぐって裁判所と協議を重ねたり,随時報告書や意見書や手紙を書いたりと,とにかく,やたら手や足を動かします。
 もちろん頭も使うわけですが,むしろそれより,「足」と「心」の総動員,っていう表現がピッタリきます。
 そして,弁護士にとっては,その諸活動の集大成が,「審判」の期日となるわけです。

 この「審判」については,少年法では,次のように定めています。
第22条
審判は、懇切を旨として、和やかに行うとともに、非行のある少年に対し自己の非行について内省を促すものとしなければならない。 
 実際,少年審判の場では,裁判官をはじめ,関係者の語りかけによって,少年が落涙する場面も珍しくなく,感動的な場面に立ち会えることも少なくありません。
 公開の法廷では,ちょっと考えられない雰囲気です。
 そして,その審判の結果,更生に結びついた(=社会から見れば,犯罪の再犯が防げた!)という例も,たくさんあったわけです。

 しかし,今後は,被害者傍聴が認められることになります。
 そのこと自体の当否は別として,今後,審判の雰囲気がどんなふうに変わっていくのか,裁判官・弁護士も含め,全く分からないのが現状です。

 本日,兵庫県弁護士会で,以下の会長声明が出ました。
 結論部分の
被害者傍聴の運用は,少年審判の教育的・福祉的機能の重要性を看過することなく,「少年の健全育成」という少年法の理念に基づき厳格に行うべきことを強く求める
という意見に賛成です。 
会長声明の全文です。
少年法「改正」法成立についての会長声明

 平成20年6月11日、被害者等の審判傍聴を認める少年法「改正」法が成立した。

 当会は、平成20年3月21日、会長声明を発表し、少年法「改正」法案は、少年法の理念・目的に重大な変質をもたらすおそれがあり、問題点が多いと指摘してきた。にもかかわらず、十分な議論がなされないまま拙速に「改正」法を成立させたことに遺憾の意を表さざるをえない。

 そもそも、少年審判は、それ自体が少年の健全育成を実践するための教育の場である。そして、少年審判が真に教育の場であるためには、少年の生い立ち・家族関係などに遡りつつ、少年の真の声を聞いた上で、自身の問題点を考えさえ、自覚させることが不可欠である。しかし、被害者が傍聴している状態で、少年が自分の考えを素直に言えるのか、また少年の生い立ち・家族関係など少年のプライバシーに深く関わる事項を取り上げることができるのかについては疑問があるといわざるをえない。このように考えると、当会が平成20年3月21日付会長声明でした問題点は、「改正」法でも依然残されたままである。

 この点、「改正」法も、被害者傍聴を認める場合の判断基準として「少年の健全育成を妨げるおそれがないこと」を明記するとともに、被害者傍聴を許すには予め弁護士付添人の意見を聴かなければならず、少年に弁護士付添人がないときは家庭裁判所が弁護士付添人を付さなければならないとしたこと、12歳未満の少年の事件を傍聴対象事件から除外したことなど少年法の理念に一定の配慮をしようとしていることは伺える。

 しかし、「改正」法が、少年及び保護者が弁護士付添人を必要としない旨の明示の意思表示をしたときに弁護士付添人を選任を要しないとした点については、少年及び保護者が被害者傍聴の実態を十分理解しないまま回答を行う可能性を考えると、少年の手続保障の観点から問題が大きい。また、12歳未満の少年事件の数を考えると、12歳未満の少年の事件を傍聴対象から外したことが、そもそも「限定」と評価できるのか疑問がある。

 もとより、被害者保護は重要であるが、少年審判は事件発生から比較的早期に開かれることを予定しており、被害者が十分に心の整理ができていない少年を声を直接聴くことが被害者保護につながるのか疑問があるばかりか、かえって被害者を傷つける事態も生じかねない。被害者の審判傍聴が被害者保護につながるという安易な発想をするのではなく、被害者保護の施策は、長期的・総合的に構築していくべきである。

 当会は、十分な議論がなされないまま、少年法が「改正」されたことに遺憾の意を表するとともに、被害者傍聴の運用は、少年審判の教育的・福祉的機能の重要性を看過することなく、「少年の健全育成」という少年法の理念に基づき厳格に行うべきことを強く求めるものである。
Secret

TrackBackURL
→http://tukui.blog55.fc2.com/tb.php/665-da10d074
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。