先日のサンテレビのニュースシグナルの「法律シグナル」では,
   労働者たちの『2009年問題』
が取り上げられました。

 そのときの放映内容をダイジェストでお知らせします。
 放映されたのとはだいぶ違ってますが,思い出しながらのことなのでご容赦下さい。
        ↓

アナウンサー▼労働者のうちパートや派遣など非正規雇用と呼ばれる人たちが3分の1を占めていて大きな社会問題となっています。

津久井▼非正規社員は,立場が不安定で収入が少ないという不安があります。
そういった不安を抱えた方がこれだけ増えると,たとえばワーキングプアの問題など,働いて暮らしを立てるという基本的な社会の仕組み自体が不安定になってしまいます。


アナウンサー▼非正規社員というのは,「非正規」というネーミングのとおり,雇用の形態としてはイレギュラーなのですか?

津久井▼日本では,長年,終身雇用の正社員が当然で,非正規はせいぜい主婦のパートや学生アルバイトぐらいでした。
年金制度や税金体系など様々な社会制度もそれを前提に作られています。
非正規社員の増大はバブル崩壊の不況以降の極端な合理化の産物で,今,そのひずみが一気に来ているという感じです。


アナウンサー▼2009年問題というのはどういうことでしょうか?
津久井▼これまでソフトウェア開発など一定の職種に限られていた労働者派遣が,2004年に製造業にも解禁されました。
さらに偽装請負が発覚し,2006年ころ各メーカーで労働者派遣への切り替えが進みました。
ところが,労働者派遣法では,労働者を保護するために,非正規の派遣はあくまで最長3年と限定しています。
つまり,3年経てば,直接雇用するのが原則です。
ところが,逆に期限が来たら解雇してしまうということで,問題になっています。
「ハイ,3年で終わり」ということでクビになってしまうようでは安心して働けません。
労働者派遣法は,労働者保護のために,いろいろな規制を設けているのに,逆にそのしわよせが労働者に行ってしまうとしたら,まったく本末転倒です。


アナウンサー▼しかしこの経済情勢では、メーカーとしても,そう簡単には直接雇用に踏み切れないのではないでしょうか。?

津久井▼確かに,企業は派遣社員を活用した経営の合理化で不況を乗り切ってきたわけです。
ただ,経費節減ばかりを追い求めた結果,■熟練工が育たないとか,■働きがいがなくなって労働モラルが低下するとか,■内部告発が増大するとか,メーカー側も新たなリスクも抱えるようになってしまいました


アナウンサー▼国もメーカーに働きかけています。兵庫労働局も今月、兵庫県経営者協会に対して3年が過ぎても、恒常的に業務がある場合は、いまの派遣労働者を「直接雇用」か「適正な請負」に切り替えるようメーカー企業に周知してほしいと要請しました。
ここで「適正な請負」とはどういう意味でしょうか?


津久井▼いわゆる「偽装請負」はダメということです。

アナウンサー▼偽装請負とは何でしょうか?

津久井▼メーカーが、業務委託や請負などの形で労働者に仕事をさせている場合、メーカーの社員が直接、仕事を指揮したり命令したりすることはできません。
これは,労働者派遣法違反,労働基準法違反,職業安定法違反になります。
ところが,各メーカーが請負会社を通さず直接命令しているケースが一昨年に相次いで発覚し「偽装請負」として問題となりました。
このため各メーカーは、直接命令ができる「派遣」に切り替えました。この切り替えが一斉に行われたのが2006年でした。
その3年の期限が来年2009年に来るので,その対策を迫られているということです。


アナウンサー▼しかし直接雇用が難しいからといって再び「偽装請負」で切り抜けようというのは許されませんよね。

津久井▼それは,もちろん許されません。
今回の労働局の要請も,いろいろな脱法行為を想定して,厳しく注意喚起を呼びかけるものでした。


アナウンサー▼非正規社員の対策には何が必要でしょうか?

津久井▼確かに難しい問題です。
「同一労働同一賃金」という考え方からすると,人件費節減だけを目的にした非正規雇用は好ましくありません。
また,人材の使い捨てのような発想は明らかに法の趣旨に反します。
ただ,一方で,適切なシステムがないのも事実です。
緊急経済対策も大事ですけれども,これとの両輪で,新しい時代にマッチした労働法制を急いで整備する必要があるでしょう。
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