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bannguradelisyu バングラディシュで,貧困層に対する無担保少額融資制度(マイクロクレジット)を実践したことでノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌス氏が,
     新しい企業モデル
の提唱をしているという記事に接した(1月6日の朝日新聞の朝刊より。末尾に引用。)。

 新企業モデルは「ソーシャル・ビジネス」(社会的企業)というもので,利益(お金)だけを追求する市場経済を見直して,
◆企業は,社会貢献を一つの目的に打ち立てる

◆投資家は,社会問題の解決を目的に投資をし,元本のみ返済を受け,配当の代わりに貢献をしたという「満足」を得る
というのである。

 「お金」だけで計量する経済から,「社会貢献」や「満足」という要素,一見すると別次元のものを取り入れて,システム作りしようというものだ。
 実際に,そのような取り組みを成功させた人が言うのだから,説得力がある。

butan.jpg
 このようなアイディアから,直ちに連想されるのが,
   ブータンの「国民総幸福量(GNH)」
である。
 (以前に,GDPからGNHへという記事を書きました。)

 日本の経済の指標は,ほとんど全てが「お金」である。
 企業会計はもちろん,
 GDP(国民総生産)や,
 人の成功の成否
 自治体の価値までも財政力で計られている時代である。

 ブータンは,貧困から脱するのに,「お金」ではなく「幸福」を追求するという手法をとり,一定の成功を収めた。
(外務省が主催した「ブータンと国民総幸福量(GNH)に関する東京シンポジウム2005」に,ブータンの取り組みが詳しく紹介されている。→こちらより。末尾に一部引用。)

 バングラディシュからの発信や,ブータンでの実践から,
   『経済』は,「お金」だけでなく,「満足」「幸福」によっても,構築可能である
ということが分かってくる。
 つまり,「利益」の内訳に,「お金」だけでなく,「幸福」や,「満足」も含めて考えられるということだ。

 これから国民総貧困を迎えるかも知れない日本で,新たな価値観を生み出すヒントが,そのあたりにあるのではなかろうか。
 日本の意識調査でも,「豊かさ」は,お金以外のところに見出す傾向が高まっている。
 今が,価値観の転換のチャンス(適時)なのかも知れない。
 少なくとも,「お金」以外の「価値」を見いださないと,これからの未来の閉塞感から脱することはできないはずだ。
以下は1月6日の朝日新聞朝刊一面記事の引用です。
 貧困層への少額融資制度で知られる世界的な経済学者ムハマド・ユヌス氏が朝日新聞記者とのインタビューに応じた。国際金融危機では直撃を受けた最貧困層の救済を最優先すべきだと主張。自らが提唱する社会貢献を最優先にする新企業モデル「ソーシャル・ビジネス」(社会的企業)への参加を日本企業にも呼びかけた。

 バングラデシュで無担保少額融資制度(マイクロクレジット)を創設し、06年にノーベル平和賞を受賞したユヌス氏は、昨年の金融危機、食糧危機などで「最も影響を受けたのは貧困層だ」と指摘。「利益の最大化を目的とするビジネスだけに市場を使ってきた経済システムの再設計が必要だ」と語り、グローバル化や資本主義の現状に疑問を投げかけた。

 その上で「人間が持つ利己的な部分だけでなく、無私の部分も市場に持ち込めば、資本主義は完成する」と述べ、貧困や環境問題の新たな解決策として新たに提唱した社会貢献目的の企業モデル、社会的企業の活用に言及。「日本の企業には、社会貢献のための基金がある。慈善事業に使っていた基金を、このモデルに使って欲しい」と参加を求めた。

 同モデルでは、投資家は、特定の社会問題の解決を目的に企業に投資。企業からは元本だけを返済してもらい、配当を受ける代わりに、社会貢献をしたという「満足」を得る。収益が出れば、ビジネスの改善と拡大に使われる。

 ユヌス氏は「利益の最大化を夢見る眼鏡を外し、社会的企業の眼鏡をかければ、世界が全く違って見えるだろう」と語った。

 ユヌス氏が総裁を務めるグラミン銀行のグループ企業はすでに、乳製品の仏大手ダノンや世界最大の仏水道事業会社ベオリアとの合弁で栄養価の高い安価なヨーグルトの販売や安全な飲料水の提供にあたる複数の会社を設立した。仏企業側とは、これらの事業から利益を得ないことで合意しているという。(ダッカ=小暮哲夫)


 以下は,外務省の「ブータンと国民総幸福量(GNH)に関する東京シンポジウム2005」の結果概要の中のカルマ・ゲレ ブータン総合研究所上級研究員の報告の部分の引用です。(こちらより
 幸福は、人の奥深いところにある願望であり、究極目標でもある。また、まわりが不幸であれば人は幸福になることができず、社会全体の幸福を追求していく必要がある。幸福の追求のため、1972年、ワンチュク国王就任直後にGNHの概念が生まれた。

 ブータンの開発は1960年代から進み、1972年までに2つの5カ年計画実施を通じて、先進国の経験・モデル等を研究した。その結果、経済発展は、南北対立、貧困問題、環境破壊、文化喪失につながり、必ずしも幸せに直結しないことが明らかになった。そこで、人の幸せを追求するGNHという概念を導入し、1)経済成長と開発、2)文化遺産の保護と伝統文化の継承・振興、3)豊かな自然環境の保全と持続可能な利用、4)よき統治の4つを柱として開発を進めることとした。

1)経済成長と開発:ブータンの1人あたりGDPは834ドルと南アジアでモルディブに次いで2番目であり、また平均寿命も過去の46歳から66歳まで飛躍的に延びた。バランスのとれた開発を心がけるべく、人々に平等にアクセスを提供すると共に、累進課税による所得再配分を実施している。

2)文化遺産の保護と振興:文化・価値観は学校で充分に教えており、また大家族制のネットワークにより、ブータンにはホームレスがいない。

3)環境の保存と持続可能な利用:農民は環境に依存して生活しており、また河川下流のバングラデシュ、インド等のことも考慮して、勝手に環境を変えることなく、緑化、生物多様性保護を進めていくことが重要。ブータンの国土の26%が自然保存地区であり、また72%は森林地区。

4)よき統治:様々な国民参加型政治の導入を検討しており、1998年、国王は閣僚や国民議会に大幅な権限委譲を行う、大臣会議メンバーの国民議会における選挙の実施を決定。


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