去る平成21年1月27日,私たちの事務所の弁護士として,名を連ねておられた,
    田中 治 (たなかおさむ) 先生
が鬼籍に入られました。
 84歳でした。

 田中治先生は、平成7年の阪神大震災に前後して第一線を引き,国選弁護人活動のみを担当しておられました。

 私が弁護士会尼崎支部に移籍したころは,既にすっかり引退モードでらしたのですが,いつ弁護士会控室に行っても,主のように鎮座しておられて,面白い話を聞かせてくださいました。
 たいへん人を惹き付ける魅力に溢れたお人柄でした。

 この阪神の地域で,古くから活躍され,「アマシブに田中弁護士アリ」と言われるほどだったといいます。

 知に富み,情に篤い庶民派弁護士として鳴らしただけでなく,西宮市の市会議員も一期務め、調停委員等としても大いに活躍されました。

 晩年,田中先生の国選弁護を拝見したり,ご一緒したこともあります。

 「おい,あんた。ぬすっと(盗人)はイカンぞ,ぬすっとは。」

 「あんたねえ,クスリなんか,やったらアカンやないか。ええことないやろ。」

という感じで,実に味のある尋問や,情の溢れる弁護をされていました。
 知り合いの検事さんも,田中先生の弁護活動のファンで,田中先生と対峙するのを楽しみにしていたということです。

 秘話として,拘置所から出る被告人に,個人的に軍資金を渡し,当面の生活を支援するなどしていたという話も聞いています。

 とにかく,型破りな弁護活動をしておられた方です。

 もうそのお姿に接することができないと思うと残念でなりません。
 田中先生の冥福をお祈り申し上げます。
 
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