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 「実情に合った賠償を」
という見出しで,JR脱線事故に関する負傷者の賠償交渉に関するインタビュー記事が掲載されました。

考えがまとまらずにブツブツと独り言みたいに話したことを,要領よくまとめていただいて,さすが記者さんはプロだと感じました。

 この記事中に
米国では、加害者への社会的制裁の意味をこめて高額な賠償を命じる「懲罰的賠償」が一般的ですが、この考え方を日本でもっと取り入れるべきです。
という部分があります。

この部分を,どのように書いていただくかということで,記者さんと少々打ち合わせをしました。
ちょっと悩ましい部分だったからです。

 「懲罰的賠償」には,立法論として,積極論と消極論があります。
どのように取り扱うかは難しい問題です。

しかし,すでに我が国でも,名誉毀損事件における慰謝料などでは,
少額の賠償額よりも,多額の販売益を目論んで,出版を強行する例があることから,
制裁的に高額の賠償を認める判決の傾向があります。

つまり,すでに懲罰的賠償のような考え方が広がりつつあるということです。

 私としては,そういう経済的な分野よりも,
まずは,「命」や「身体」にかかわる分野が先だろうと思うのです。

こういう取り返しの付かない「命」や「健康」にこそ,制裁的な賠償を取り入れることが,
    「社会の安全」
の構築に有効だと思うのですが,いかがなものでしょうか?

だいたい安全軽視の例のほとんどが,やはり経済性を重視する(=安く押さえようとする)からで,
名誉毀損を犯す違法な出版者と,論理は変わらないでしょう。

4月22日の朝日新聞の地方版から,記事の全文と写真を引用させていただきます。
「実情に合った賠償を」
2009年04月22日
津久井進弁護士=西宮市
asahitihouban.jpg
――事故の2カ月後から川西市で負傷者らが情報を交換する交流会に参加されています。どのような活動をしているのですか。
 交流会を主催するNPO法人から知人を通じて依頼があり、賠償に関する説明やアドバイスをしてきました。相手はJR西日本という大企業。個人で交渉を進めるのは精神的にも負担がかかります。私はこれまで十数人の交渉を手伝いました。

――賠償交渉を通じ、どんなことを感じましたか。
 これまでの事故の損害賠償は、治療費と休業損害・逸失利益(事故で働けなくなったことで得られなくなった収入)、慰謝料という枠の中で考えられてきました。しかし、休学した大学生や、心的外傷後ストレス障害(PTSD)で電車に乗ることができずに通勤が困難になった会社員らをどう考えるか。事故現場の映像などを繰り返し見た家族がPTSDを発症することもあります。こうしたケースは従来の枠から漏れており、法律が医学の進歩についていっていない。
 また、本人に痛みが残っていても、「症状固定」(それ以上治療しても改善できない状態)と診断されれば、原則として治療費は打ち切られます。いまの法律に基づく賠償基準が被害者の実情に合っていないことを痛感しました。

――負傷者はどのような現状に置かれているのでしょうか。
 JR西日本は交通事故の判例などに基づいて賠償基準を決め、交渉を進めています。被害者が「当然の償い」と思う要求と、JR西が法律を盾にした基準の落差は被害者に絶望をもたらすことがあります。JR西の担当者から「早くまとめてくれればこの額を出します」「仮病ではないのですか」と言われたという負傷者の中には、「JR西との関係を早く切りたい」として交渉を終わらせた人もいる。事故から4年がたち、当初は平謝りだったJR西の態度が増長する一方で、負傷者は孤立化していると思う。

――賠償のあり方をどう変えればいいのでしょうか。
 JR西の安全軽視と利益追求の姿勢が招いたといえる脱線事故に対し、個別の賠償で解決していいのか疑問です。米国では、加害者への社会的制裁の意味をこめて高額な賠償を命じる「懲罰的賠償」が一般的ですが、この考え方を日本でもっと取り入れるべきです。事故をきっかけに失職した人の再就職支援、カウンセリングや介護サービスの情報提供など、お金以外の支援方法も増やせないかと思います。
 事故の負傷者の多くが交渉を終え、示談が成立したと聞いています。交渉中の人は、一人で抱え込まずに同じ立場の仲間を見つけてほしい。交渉を終えた人も、自分たちの賠償が納得いくものだったか改めて考えてもらいたい。この事故をきっかけに、これまでの損害賠償の考え方を根本から見直さなければいけないんです。(聞き手・根岸拓朗)


◆愛知県出身、39歳。神戸大卒業後、95年に弁護士登録。阪神大震災の被災者の生活再建や被災地のまちづくりなどに尽力。日本弁護士連合会の「災害復興支援委員会」の副委員長も務める。
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