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 日弁の災害委員会で,鳥インフルエンザのパンデミックを勉強したばかりなのですが,2か月も経たないうちに,新型インフルエンザが大きな問題になってきました。
 こんなことなら,もっとちゃんと勉強しておけばよかったと反省ですが,せっかくなので,ちょっとだけ法的な扱いを整理しておこうと思います。


 インフルエンザ等の取り扱いについては,
    「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」
という法律に書かれています。
 なお,この法律は,平成10年に出来た比較的新しい法律で,人権的に見て問題があるとされた「伝染病予防法」や,「性病予防法」などを統合して,人権に配慮しつつ現代型の感染症にマッチするように作り直したものです。


 この法律では,インフルエンザの種類が次のように分けられています。
 (註;病名の分類表記は,略記しているので,必ずしも正確ではありません。)

    単なるインフルエンザ → 第5類

    鳥インフルエンザ   → 第4類

    (鳥)インフルエンザ(H5N1) → 第2類

    新型インフルエンザ → 第2類に準じる

 感染症の種類が,第1類~第5類まで,類型化されていて,
 このうち第1類~第3類については,就業制限など,ある程度の強い制限を受けることになります。


 今回の豚インフルエンザについて,厚生労働省は,4月28日に,この法律に定める

    新型インフルエンザに指定する

としました(→厚労省のお知らせはこちらです。

 ちなみに,新型インフルエンザの定義(同法6条7項1号)は,
新たに人から人に伝染する能力を有することとなったウイルスを病原体とするインフルエンザであって、一般に国民が当該感染症に対する免疫を獲得していないことから、当該感染症の全国的かつ急速なまん延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められるものをいう」
とされているので,単に①新しい,というだけでなく,②免疫が出来てない,③感染が広がるおそれがある,という3つのポイントがあるわけです。

 目下のところ,免疫が直ちに出来るわけではないので,感染のおそれを重視しているわけです。


 仮に,罹患した場合は,就業制限されることになります。
 感染症予防法18条では
「・・・・新型インフルエンザ等感染症の患者・・・・は、・・・・・感染症を公衆にまん延させるおそれがある業務として感染症ごとに厚生労働省令で定める業務に、そのおそれがなくなるまでの期間として感染症ごとに厚生労働省令で定める期間従事してはならない。 」
とされています。

 会社としても労働安全衛生法により,就業をさせてはならないということなります。

 労働安全衛生法68条は,
「(病者の就業禁止) 事業者は、伝染性の疾病その他の疾病で、厚生労働省令で定めるものにかかつた労働者については、厚生労働省令で定めるところにより、その就業を禁止しなければならない。 」
と定めていて,これを受けた労働安全衛生規則61条では,
事業者は、次の各号のいずれかに該当する者については、その就業を禁止しなければならない。ただし、第一号に掲げる者について伝染予防の措置をした場合は、この限りでない。
一  病毒伝ぱのおそれのある伝染性の疾病にかかつた者
二  心臓、腎臓、肺等の疾病で労働のため病勢が著しく増悪するおそれのあるものにかかつた者
三  前各号に準ずる疾病で厚生労働大臣が定めるものにかかつた者
2  事業者は、前項の規定により、就業を禁止しようとするときは、あらかじめ、産業医その他専門の医師の意見をきかなければならない。
とされていて,「新型インフルエンザ」をズバリと明記しているわけではありませんが,感染症予防法の第3分類以上であれば,この1号に該当するものと見て良いと解されます。

 したがって,新型インフルエンザは,法定の就業禁止事由になるということです。

 外出等も制限されます。
感染症予防法44条の3では,
 都道府県知事は・・・・当該者の体温その他の健康状態について報告を求めることができる。
 都道府県知事は・・・・当該者の居宅又はこれに相当する場所から外出しないことその他の当該感染症の感染の防止に必要な協力を求めることができる。
 報告又は協力を求められた者は、これに応ずるよう努めなければならない。
としています。
 あくまで「協力」という言葉は使っていますが,「応ずるように努めなければならない」とあるので,事実上の義務ですね。
 このあたりが,人権配慮規定ということでしょうか。 

 もし,新型インフルエンザで亡くなった場合には,弔いの場も制限されることになります。

 感染症予防法30条では,
(死体の移動制限等) 都道府県知事は、・・・・新型インフルエンザ等感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため必要があると認めるときは、当該感染症の病原体に汚染され、又は汚染された疑いがある死体の移動を制限し、又は禁止することができる。
2  ・・・・・新型インフルエンザ等感染症の病原体に汚染され、又は汚染された疑いがある死体は、火葬しなければならない。ただし、十分な消毒を行い、都道府県知事の許可を受けたときは、埋葬することができる。
3  ・・・・・新型インフルエンザ等感染症の病原体に汚染され、又は汚染された疑いがある死体は、二十四時間以内に火葬し、又は埋葬することができる。
という定めもあります。



・・・・などなど,いろいろこまごまとした配慮をしていますが,罹ってからでは遅いので,とにもかくにも各自の予防意識が最優先ですね。 
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