最近は4月に前倒しで集会を開くせいか,本来のメーデー(=May Day)である5月1日であるにもかかわず,新聞にはメーデー関係の記事が見当たらない。

 私が取っている日刊紙は日経新聞と神戸新聞だが,一面,社会面,経済面のどこを見ても,クライスラー民事再生やら,インフルエンザやらの記事ばかりである。

 憲法27条には
   「すべて国民は,勤労の権利を有し,義務を負う」
と定めてあって, 「働く権利」 が人権であると謳っている。

 今ほど「働く権利」が風前の灯火のように消えかかりそうな危機状態にある時期はなかっただろうが,それにもかかわらず働く権利が叫ばれず,盛り上がらないのは,なぜなのだろうか。

 ところで,自由経済国家であるアメリカでは,一私企業の民事再生手続に対し,大統領が「政府がクライスラーを支えていく」とコメントした。
 日本なんかは,アメリカよりもよっぽど社会国家だったのに,数多くの民事再生事案で(→これまでの民事再生大企業の一覧はこちら),総理大臣がちゃんとコメントを発したことなどはなかった。

 企業が倒産の危機に瀕したときに,経済への影響しか口にしない。
 個別具体的な方針については,経営の問題であるとして,距離を置くのが日本スタイルだ。
 しかし,労働者の勤労権を確保するというのは,政府の責務なのだから,そういう観点から政府は堂々と口出しもできる立場にあるはずだ。

 きちんと練られた企業の民事再生の事業は,「無策な倒産」や,「無計画なリストラ」,あるいは「目前の金惜しさの人員削減」などと違って,トータルで見れば,安定した雇用確保につながる道である。
 米国にならって,政府は,もっと主体的にかかわりながら,我が国の企業再生に取り組んでみたらどうだろうか。
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