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 震災で後遺症を負い,障がい者となった人を
   震災障がい者
と呼ぶようになったが,その言葉が知られるようになってから,まだ1年も経っていない。


 今週末に,日本災害復興学会の大会が,神戸大学で開かれる。
 (詳しくは→こちら
sinnsaisyogai.jpg

 メインのシンポのテーマは,
   「震災15年 残された課題 震災障がい者」と銘打つ。

 しかし,この言い方は,必ずしも正確ではない。

 震災障がい者の方々の問題については,
   「課題が残されていた」
のではなくって,
   「忘れていたがゆえに課題になってしまった」
ということである。

 身体や心に傷を負い,苦しみながら15年間過ごしてきた方々の抱える問題は重く,
 これを,15年もの間,何もせずに放置をしてきた私たち社会の責任も重い。

 
 兵庫県や,神戸市は,今年度からこの問題に取り組み始めた。
 ようやく,今から,実態調査が始まるのである。

 今朝の神戸新聞の1面トップも,自治体による震災障がい者の調査対象が,身体の障がいだけでなく,精神や知力の障がいも含めることになったという記事だ。
 今の感覚だと当たり前のことだが,当時は,これを忘れていたのだ。

 「愛」の反対語は「無関心」(マザーテレサ)
 「支援」の反対語は「忘却」なのかも知れない。


 関西学院災害復興制度研究所の法制度部会でも,本年度から,この問題に取り組み始めた。
 週末のシンポの場でも,今後の研究の決意について,発言をさせていただく予定だ。


 なお,この問題が,国レベルでも真摯に取り組むこととされたきっかけがある。
 平成22年3月29日の参議院の災害対策特別委員会の議論である。
 以下,一部抜粋して,引用させていただく。
      ↓
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
 本日は中井大臣に初めて質問させていただきます。どうかよろしくお願い申し上げます。
 中井大臣におかれましては、事実関係は分かりませんけれども、様々な報道もございまして、先ほどのやり取りの中でも、危機管理の担当大臣として身を慎んで取り組んでいくという御発言もございました。是非そのとおりにお願いしたいというふうに思います。
 今日私がお聞きしたい最初のテーマは、震災障害者についてでございます。
 阪神・淡路大震災から十五年が経過をいたしました。私は昨年の十一月に神戸を訪れまして、その町をまた改めて拝見をしました。すっかり復興しておられます。そして、人と防災未来センターにもお邪魔をしました。そこには復興の足跡がつづられている展示物が並んでおりました。しかし、残念ながらそこに欠けている重大な事実があるということも改めて実感しました。震災によって障害を負った震災障害者の今も続く苦闘であります。私も含めて社会といたしましても、これまでこうした震災による後遺症に悩んでおられる方々を放置してしまってきたのではないかという思いを強くしました。
 神戸を訪れる際に私自身は、震災で障害を負ったお子さんのお母様から、またその関係者の方からも、長い間お時間をいただきましてお話をお聞きしました。その今日までの孤立無援の闘いということを聞くにつけまして、今申し上げましたとおり、この十五年間、震災後遺症に悩む方々にどれだけ私自身も含めて思いを致してきたのかという強い反省を持ったわけでございます。
 震災による障害を負った方々とほかの原因による障害を負った方々の違いということについても思いを致さねばならないと思います。
 阪神・淡路大震災では六千四百人以上の方が亡くなられました。震災で障害を負った方々は、周囲の一部の声は、生き残っただけまだいいじゃないか、そういう声も一部にあって、その苦しみをなかなか表に出せずに自ら抱え込んできた。これは、障害をそうして負った方々が、復興から自分たちが取り残されてきたのではないか、こういうことを感じる要因でもあると思います。これは自然災害で障害を負った人に特有の心理ではないかというふうにも思われます。
 通常の交通事故による被害者の方あるいは犯罪によって被害を受けられた方々と、やはり自然災害によるこうした障害を負った方々とは異なって、原因者が地震ということであります、なかなかその原因者というのが特定しにくい。また、家族を亡くしたり、あるいは自宅を始め家財道具全般を失ったり、一度に多くのものを失って、一度に多くの苦しみを負っているという特殊性もあるんではないかというふうに思います。
 中井大臣は、今年一月の十七日、報道によりますと、アジア防災会議に出席された後の記者会見におきまして、こういう人たち、つまり震災で障害を負った方々のケアで何かできることがあるのか一度考えてみたい、こうお話をなさっています。また、一月の二十六日の参議院予算委員会におきましても、けがをした方々のその後の気持ちについて国が配慮するよう関係省庁と協力して取り組みたいという答弁もなさっておられました。
 こうしたことを踏まえて、今日は御質問をさせていただきたいというふうに思います。
 まず最初ですけれども、大臣、人と防災未来センター、私も訪れましたが、大臣は御覧になったことはおありになるでしょうか。

○国務大臣(中井洽君) 残念ながら、まだ機会を得られておりません。この職にある間に必ずお邪魔をしたいと思っております。

○西田実仁君 是非一度御覧いただければと思います。私自身が初めて拝見をして思いましたことは、今申し上げた震災障害者の方々に関する展示物がここには残念ながらないということであります。
 先ほど私も申し上げさせていただきましたが、今も震災で障害を負った方々は苦闘を続けておられます。その方々の経験やまた教訓ということをこのセンターを訪れた方々に伝えていくということは私は是非とも必要ではないかと思います。また、震災障害者という方々を公的にもきちんと認識して位置付けるという意味合いでも、こうしたセンターの展示物として、そうした経験や教訓を生かすそういう展示物なりを必要とするのではないかと、こう思いますけれども、大臣はいかがでございましょうか。

○国務大臣(中井洽君) 御意見、そのとおりだと思っております。担当の者といたしまして、神戸市等に、あるいはまた担当部局にきちっと申し入れていきたい、このように考えております。
 同時に、少し質問を先取りした形になるかも分かりません。御指摘の記者会見や国会での質疑の中で申し上げましたことは、兵庫県の知事さんや神戸の市長さんからいろんなお話をいただいた中で、身体障害というハンディを背負われた方、同時に、それだけじゃなしに心の傷をずっと抱えて苦しんでいらっしゃる方がかなりの数に上る、こういう人たちに対する調査もまだ十分にできていない、国として是非援助をしてくれという御要請がございました。
 もっともなことだと思い、帰り、すぐに長妻厚労大臣にも申し上げて、共々どういうお手伝いができるか、地元とも協議をさせていただきたい。同時に、阪神・淡路だけじゃなしに各地区でこういう問題があるんだろう。地震の怖さ、災害の恐ろしさというものを抱えた悩み、これらをどういう形で解決のお手伝いができるか、国は真剣に考えていきたいと思っています。

○西田実仁君 早速そうした関係の大臣との連携を始めているというお話でございました。
 今御指摘もいただきましたが、震災による重傷者、さっきの阪神・淡路大震災では一万超えて六百八十三人ということであります。しかし、その後の追跡調査が必ずしも十分ではない、したがってその実態が明らかになっていない。
 しかし、今お話があった神戸市では、昨年十一月に初めてこの震災障害者の実数を把握する調査を行っておられます。また、兵庫県におきましても、来年度にはその実態調査を行う旨の知事からのお話もございました。そういう意味ではようやく震災障害者に関する実態調査が始まったと、こう考えていいと思います。
 しかし、今後起こり得る災害によって万が一障害を負った場合に、その負傷や障害の程度に応じた救済を行っていくというきめ細かさが必要になってくると思うんですね。それにはやはり震災による障害の実態を把握する仕組みをつくらなければならない。
 そこで、厚生労働副大臣に、今日は細川副大臣にお出ましをいただいております。ありがとうございます。具体的にお聞きしたいと思いますが、この障害者手帳の申請書類の原因欄に、例えば自然災害というような項目を設けることによって自然災害によって障害を負ったことを、その実態を把握する仕組みづくりの一歩になるんではないかと思いますけれども、いかがでございましょう。

○副大臣(細川律夫君) 西田委員におかれては、以前から災害における障害者支援について取り組まれておりまして、敬意を表する次第でございます。
 今御質問の身体障害者手帳の申請時に震災によるんだということを特定する、それを書くような、そういうことをしたらどうかと、こういうことでありますけれども、この身体障害者手帳におきます障害認定というのは、障害の原因となった事故だとかあるいは病気だとかそういうこととかかわりなく、障害のある方に必要な福祉的な支援を行うということを目的として、身体機能の障害の程度、これに着目して行っているものでございます。
 また、一方、そういう特定をするということになりますと、障害の原因ということで受け付ける自治体の職員にとってはこれはなかなか難しい問題もありまして、地方自治体の、申請者の負担ということも考えますと慎重な検討が必要ではないかというふうに思っております。
 ただ、この実際の支援に当たりましては、障害になった原因を始め生活の状況あるいは家族の状況、そしてまたその方の必要としている支援などいろんなことを考慮して、お一人お一人の状況を的確に把握して支援が行われるということが重要であるというふうに思いますので、相談、支援の充実などしっかりいたしまして必要な支援が行われるように努めていきたいというふうに考えておるところでございます。

○西田実仁君 この震災による障害の実態をどう把握していくのかということが実はやはり大変大事です。先ほど冒頭私が申し上げさしていただきましたのはまさにそのことでありまして、取り残されているという意識を持っている方々が実はたくさんいらっしゃる、これをどういうふうに治していくのかということが私は大事になってくると思っています。それを今、神戸市、また兵庫県ではようやく始まった。これは地震が起きてからもう十五年たってようやく始まったわけでありますが、今後、こうした大規模地震等が起きた場合に障害を負う方も当然いらっしゃる。それをきちんと把握しなければ、その方々に対してきめ細かく支援をするということはできないわけですね。その仕組みづくりをしなければならない。
 窓口でもちろん対応していただく、当然支援をしていくためには必要です。しかし、それこそ自治体の方々にそれを全部責任を負わせるというのはなかなか難しいということであればなおさらのこと、きちんとした形を示すことによって、逆に自治体の方々のそういう支援をする際の負担を減らすことになるのではないか、それは国としてむしろすべきではないかと私は今御答弁を聞いていて思いますけれども、いかがでございましょう。

○副大臣(細川律夫君) 今、神戸などで実態調査をしていただいているところで、そういうところで判明をいたしましたのは、身体障害者の手帳の申請をするときに診断書を提示するわけですね。そこにはいろいろ、原因となった疾病あるいは外傷名、あるいは疾病、外傷発生の年月日、あるいは参考経過というような欄がございまして、そこにこの必要事項を記載をしているということからいたしますと、ここで大体どういうことでこの障害が起こったかということが判断されるというふうに考えられますので、そこでその自治体がそのことを把握すれば、その方に応じたいろんな相談に応じれるというふうに考えております。

○西田実仁君 私も、先ほど申し上げましたとおり、この震災によって障害を負ったお母さんからお話を聞いたんです。
 六年間、なぜこういう障害になってしまったのか分からず、最終的に高次脳機能障害であるということが発覚をしました。仮設住宅に二年間入っている間、正直なかなか相談するところもない。自治体に行っても、いろんな混乱の中で、先ほど申し上げたとおり、命があったということだけでも、まあ良かったと言ったら変ですけれども、それのたぐいの話があった。結局、自分たちが取り残されている、頭の中に置かれていないという思いをされたという話をもう切々と語っておられました。
 その原因は、一つとしてはやはり、先ほどちょっとおっしゃいましたけれども、こうした震災によって障害を負った方々及びその家族の方々が今後どういうふうに生活をしていったらいいのか、あるいはその悩み事を相談できる専用の窓口というのがやっぱりない。心のケアの窓口はあっても、体のそういう障害を負ったということによる、また今後、突然娘さんがそういう震災によってそれまでとは全く異なる行動なり言動ということになってしまったことによってそういう悩みを持っておられるわけであります。
 こういう障害を負った御本人やその家族が相談できる専用窓口をきちんとつくっていく、それを、震災障害者の方々に対してそういう専用の窓口をつくっていくということが私は是非とも必要だというふうに思います。そういう整備を国の方で後押しをするお考えはありませんでしょうか。

○副大臣(細川律夫君) 委員御指摘のように、震災で障害を負った方は精神的に大変苦しまれるということで、その相談の窓口というのは大変重要だというふうに私も思います。それは、単に震災直後というだけではなくて、一定期間が経過した後でもそういうことは非常に重要だというふうに考えております。
 まず、この震災での障害者も含めまして、障害のある方につきましては、障害者自立支援法などに基づきまして、障害の種類を問わず市町村が障害福祉に関する相談は行っているところでございます。
 さらに、その災害により心のケアを必要とされる方については、保健所とかあるいは精神保健センターにおいて専門的な相談に対応しているところでございまして、厚生労働省といたしましても、災害時の地域精神保健医療に関するガイドラインというものを、これは平成十五年の一月でありますけれども、都道府県に対して示しているところでございます。
 厚生労働省といたしましては、関係機関が連携を図りながら、被災された障害のある方が必要とするときにはその必要な支援が受けられるというような相談体制をしっかりと整えていくことが重要であると考えておりまして、厚生労働省は被災自治体としっかり連携をして支援に努めていきたいというふうに考えております。

○西田実仁君 震災障害者の方が、先ほど冒頭申し上げましたけれども、確かに障害を負っておられる方では、その原因が何であれ区別はないというお考えは基本的に厚生労働省お持ちだと思いますけれども、しかし特殊性というのがやはりあるということは是非認識をいただいた上でその根本のところが共有されないと、その後の体制をどういうふうに取っていくのかという仕組みづくりのところに話は行かないわけでありまして、そこはどうですか、是非、副大臣。

○副大臣(細川律夫君) 先ほども申し上げましたように、災害時におきます地域精神保健医療に関するガイドラインというようなものを既に厚生労働省としては各都道府県等に発しているところでございまして、震災が起こりますと、その当該自治体に対して、厚生労働省として、特にこれらの問題に対してきちっと対応をしていけるように更にしっかりと指示をするような、そういう取組をしてまいりたいというふうに考えます。

○西田実仁君 この震災で負傷を負った方々というのは一万人を超えられますけれども、そのうち災害弔慰金法に基づく災害障害見舞金を受給した方は六十三人と。神戸市では百二人が申請をしておられますけれども、五十八人が却下されていると。その原因として言われることの一つには、身体障害一級に相当する障害を負うといった厳しい要件があるのではないかと。犯罪被害給付制度というのがございます。これでは一級から十四級まで支給されるということからすると、かなり違いがある。また、支給額につきましても、犯罪被害給付金制度は最高三千九百七十四万円、災害障害見舞金は最高二百五十万円と、やはり支給額でも大きな違いがあると。
 これは私はかつても質問して同じことで恐縮ですが、災害障害見舞金につきましては、やはり支給要件を緩和して、かつ支給額を引き上げるということが必要ではないかという問題意識を持っておりますけれども、いかがでございましょうか。

○国務大臣(中井洽君) 細川副大臣がいる中で恐縮ですが、今、警察担当しています、災害被害の補償の制度が例として挙げられました。例えば、自殺対策、あるいは交通事故で死んだ御家族に対する心のケアとかボランティアを含めて、いろんな対策が取られています。そういう中で、御指摘の災害による身体障害、心の傷を負った方々に対するケアというのがもう本当に遅れているんだなと実感をいたしております。
 どういうスタートが切れるのか、どういうお手伝いができるのか、防災担当といたしまして関係各省に早急に重ねて申し入れて対応方相談をしてまいりたいと思いますので、御相談、またこれからも御支援のほど、お願いいたします。

○西田実仁君 中井大臣が自ら手を挙げていただきましたのでもう一つお聞きしたいと思いますが、今のその御相談あるいはお考えの中に、つまりこの災害障害見舞金について、支給要件を緩和していく方向で考えるべきだ、あるいは支給額を引き上げていく方向で考えるべきだと確認させていただいてよろしいでしょうか。

○国務大臣(中井洽君) いろんなこと、柔軟に対応できるように、私ども、阪神・淡路の大震災だけじゃなしに、自然災害で被害に遭われた多くの方に対応ができるように何かいい知恵がないか、大至急研究と努力をいたします。

○西田実仁君 是非ともそれはお願いしたいと思います。
 その上で、海外の被災地における震災障害者ということについても述べさせていただきたいと思います。
 これは毎日新聞だったと思いますけれども、四川大地震でも多くの被災者の方が障害を負っておられるという報道がございました。また、一月に発生しましたハイチ大地震におきましても同様の障害を負った方が少なくなかったはずであります、詳細はまだ存じておりませんが。
 そういう意味では、この震災障害者の問題というのは、阪神・淡路大震災あるいは日本の災害による問題ということのみならず、世界中の被災地の問題でも当然あるわけです。この意味では、阪神の教訓を生かしていくことが日本が国際貢献として防災分野でできることの一つではないかというふうにも思っております。大臣の所見を伺いたいと思います。

○国務大臣(中井洽君) 過日、官邸におきまして、総理から東アジア共同体構想に関する今後の取組について御指示がございました。その中の三番目に防災協力や災害対処といった命を守るための協力、こういう一項が入っておりまして、早速帰りまして事務方に、日本として今日まで防災、減災、そしてその後対策の中で蓄積した知見をアジアや世界のためにどう使えるか、これを大至急まとめてくれと。五月中にまとめろというお話でございましたので、今取り急いでいるところでございます。
 その中には、また総理の独特の構想であります友愛の船、いつでも医療チームや緊急対策の部隊を入れて船で現地へ派遣をするという構想、これらについて本当に具体的に一歩踏み出せるのかどうか、こういったことも含めて考えていきたいと思っているところでございます。
 ハイチにつきましては、今日から岡田大臣がアメリカへ行きますが、国際会議に出席をして、一億ドルの日本の拠出を発表して、お手伝いできるところはまた更にその会議等で伝えられて帰ってくるんだろうと、このように考えております。
 これからも、ありとあらゆる面で世界の防災、減災、そして被害に遭われた方々に対する援助、こういったものを心掛けていきたい、同時に、西田議員お話しの心のケア、身体障害者のケア、これについても日本が範を示せるように努力をしていきたいと、このように思います。

○西田実仁君 是非、震災によって障害を負った方々の実態をきちんと把握して、そういう方々にどういうふうに対処していくのがいいのかという範を日本が垂れることができるようにお願いしたいというふうに思います。
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